November 08, 2006

私と映画音楽「海外編」

軽い気持ちで「映画音楽」の話を始めたら、
いろんなこと思い出してきて、
これも長期連載になっちゃいましたね。

ま、‘勢い’ ということで、
もう少しおつきあいくださいませ。


私は、
人類が創り出した最高のエンタテインメントは、
『映画』ではないかと思っております。

いいものにはどんどんお金を注ぎ込んで、
観客からすればそれこそ、
夢のような世界に誘(いざな)ってくれる。

美しいロケやセット、
名優たちの熱演、
大道具、小道具、美術、照明、
素晴らしい脚本、見事なカメラ・ワーク、

こうしたすべての要素がうまく合わさったとき、
いつの時代にも愛される ‘名画’、
というものが生まれるわけですね。

人類が創り出した、
最高の贅沢ですよ、
これは。


そのなかでの ‘音楽’ の役割。

これも大変重要な要素であるはずです。


しかし前回書いたように、
私の経験からいくと、

日本の映画関係者の ‘音楽’ に対する認識は、
欧米に比べてあまりにも低い、
と言わざるを得ません。

映画全体の製作予算のなかでの、
音楽費の割合の低さが、
それを物語っています。

今は知りませんが、
当時は間違いなくそうでした。


ある時、撮影所で、
たまたま机の上に無造作に置かれている、
他の映画の「予算表」なるものを、
盗み見したことがあります。

上から順に、
監督の報酬、出演者のギャラ、など、
びしーっと細かく数字が並んだ一番下に、

いちば〜〜ん最後に、

「音楽:○○円」
と、スズメの涙みたいな数字が計上されていた。

「……。」


そんなとき、

「映画音楽」の仕事に、
情熱を失いかけてた80年代半ば、

あのスピルバーグの 『E.T.』 が公開されました。

音楽はもちろん、ジョン・ウィリアムス。

『ジョーズ』に始まり、
『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』などなど、
スピルバーグやルーカスには欠かせない、
素晴らしい映画音楽の作曲家ですね。


その記者会見の席上、
監督のスピルバーグはこう言ったのです。

「この映画でも私は、
 もうこれ以上は無理、というところまで編集して、
 それをジョン(ウィリアムス)に渡しました。
  作曲の時間は3ヶ月与えました。

  するとどうでしょう。

  音楽がついていなかったラッシュの段階では、
  誰も泣かなかったのに、
  音楽がついた後の試写では、
  みんな泣いたのです。

  音楽の力はなんと偉大なことでしょうか。」

と、ジョン・ウィリアムスを讃え、
その報酬は興行収入の3%。


「もう、全然考え方が違うなあ。」

と、このときほど、
アメリカという国が羨ましかったことは、
ありません。


そう、
このように、
「映画」と「音楽」は切っても切れない仲なのです。

いい映画、
ヒットした映画は、

みんな、

音楽もいい!


『ライムライト』(チャップリン)
にはじまり、

『カサブランカ』(AS TIME GOES BY)
『風と共に去りぬ』(タラのテーマ)
『慕情』『めぐり逢い』

『史上最大の作戦』『大脱走』
てな大作でも、
そのテーマ・ソングは、
しっかり映画とは別に大ヒットしました。


大作といえば、
『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』

これを書いたのはモーリス・ジャールという人。

『アラビアのロレンス』なんて、
サントラ盤も買っちゃいました。

ティンパニの序奏に始まり、
オーケストラが勇壮なテーマを奏でると、
画面いっぱいに壮大な砂漠が拡がる。

もうそれだけで、
じわーっと感動の私。


『ティファニーで朝食を』の「ムーン・リヴァー」
『シャレード』『酒とバラの日々』『ピンク・パンサー』

これらは全部、
ヘンリー・マンシーニという人の作品。

このひとも偉大だなあ。

ヘンリー・マンシーニといえば、
『ひまわり』も泣けましたね。
『ロミオとジュリエット』も彼。
余談ですが『刑事コロンボ』も彼。


『明日にむかって撃て』の「雨にぬれても」
こればバート・バカラックの名曲。
続編『スティング』での、
スコット・ジョプリンのストライド・ピアノも、
映画を盛り上げるのに、
重要な役目をしていました。

サスペンスの巨匠ヒッチコックの、
『知りすぎていた男』では、
ドリス・デイの唄う「ケ・セラ・セラ」が、
事件解決の重要なカギを握っていました。

『ゴッド・ファーザー』では、
残酷な殺戮シーンと、
せつない音楽のミス・マッチが、
おそろしいほどの効果をあげていました。


もう数え上げると切りがありませんね。

それから、
音楽が映画を盛り上げるだけでなく、
逆に映画をヒットさせる役目を果たしたものだって、
たくさんあるのです。

いや、ひょっとすると、

映画自体は大したことないのに、

音楽のおかげで ‘名画’
の仲間入りをしてるものだって、
あるかもしれませんよ。


次回はそんなお話です。



さて、11/13(月)は、
六本木 『ALL OF ME CLUB』
で、ピアノ・トリオ・ライブです。

先月(10/9)は祝日ゆえ、
来られなかった方も多かったと思います。

ぜひ、お待ちしてます。


さあ私はこれから、
友人の奢りで、
「オイスター・バー」に牡蠣を食いに出かけます。

く〜〜〜っ、楽しみ!


SHUN MIYAZUMI


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2006 エッセイ 

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コメント一覧

1. Posted by さいとー   November 10, 2006 00:41
確かに遅れていました。
悪魔の手まり歌のときだったか、音楽は16chか24chのとき、TEACの8chをかかえてやってきました。
”やっとかってもらったんですよ”
数十万円の機材(それもプロの機材ではない)でしたね。
2. Posted by SHUN MIYAZUMI   November 14, 2006 19:09
そういえば、そんな映画もやってたね。
これは私の担当じゃなく、有賀さんだったけど。
3. Posted by さいとー   November 16, 2006 23:06
久々に芝浦駅前を車で通りましたが、アルファのビルは取り壊されて、新しいガラス張りのビルが出来ていました。1階はコーヒー屋さんでしたが・・・
4. Posted by SHUN MIYAZUMI   November 26, 2006 15:18
ところで、
いつのまにか、
ブログ本体の字が大きくなってるでしょ。
ずいぶん読みやすくなりました。
カテゴリー別アーカイブは、
索引もつきました。
またガンガン書きまっせー。

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