September 12, 2007

タモリ3「戦後日本歌謡史」その3


猛暑から開放されたかと思うと、

今度は、じめじめとした秋雨前線が、
どかっと居座る日本列島。

なんかこう、
スッキリしませんね。


そんななか、

この人たちのコーラスは、
スカッと爽やか。

今週の土曜日に、
こんなミニ・ライブがありますよ。
場所は「ケンウッドスクエア・丸の内」


日時:
9月15日(土) 14:00〜15:00 (開場13:45)
出演:
『 Jammin' Zeb 』
内容:
国際フォーラムで開催される
「 東京ジャズ 」( 9 / 20 〜 23 ) の関連イベントです。

予約:
TEL:03-3213-8775
(ケンウッド スクエア・丸の内まで) (要予約)


場所の概要はこちらをご覧ください


お近くの方、
散歩がてら、いかがですか?

(無料ですが、要予約)



というわけで今日も、
「タモリ3」のつづき。


タモリ3 「戦後日本歌謡史」 その3


さて、

そんな紆余曲折を経て、

我らスタッフとタモリは、
再びこの、「稀代の問題作」
のレコーディングに突入しました。


不思議なもので、

2年のブランクと、
一度味わった挫折(発売不可という)、
が、かえって、
みんなの力をみなぎらせる結果となり、

次から次へと、
傑作(???)が生まれていきました。


『ビキニ・スタイルのお嬢さん』
(ダニー飯田とパラダイス・キング)
       ↓
『テキ屋スタイルのお兄さん』

初めて‘テキ屋’の格好をした、
チンピラのおにいちゃんが、
恥ずかしくて海辺に出られない、
という唄。


『高校三年生』(舟木一夫)→『放浪三年生』

♪僕ら、草とワラしか食べないが、
 暮らす仲間は、椅子まで〜も〜♪

腹が減って仕方なく、
椅子まで食べちゃう、
という貧乏学生の唄。

キタナイですよ、コレ。


『バラが咲いた』(マイク真木)→『ハラをさいた』

「この唄に感化されて、
 作家木島由紀夫(三島由紀夫)は、
 ハラをさいたのです。」

などという注釈付き。
あぶない;…。


『UFO』(ピンク・レディー)→『USO』

♪USO(ウッソー!)♪

おなじみピンク・レディーの大ヒット曲が、
ここでは、

♪USO(ウソ)というより、
 ‘つわり’なのね
 もしかしたら、もしかしたら、
 そうなのかしら〜♪

手当たり次第やりまくったおねえちゃんが、
「もしかして、妊娠しちゃったのかしら」
という唄になってしまう。

これを、ピンクになりきって歌うタモリは、

本当に気持ち悪かった…。



ほかにも、


『ブルー・シャトー』→『ブルー・エンペラー』

『勝手にシンドバッド』→『勝手にダイドコロ』

『長崎は今日も雨だった』→『長嶋は今日もダメだった』

そう、このときは長嶋新監督の時代。
毎日、毎日、負けてばかりでしたね、
巨人。


『くつひもカミソリ』
     ↑
『よこはまたそがれ』(五木ひろし)

なんてのもケッサク。

♪ゴムひも〜は、売って売ってしまった
 ゴムひも〜は、売って売ってしまった〜
 もう、おしまいね〜♪

という、田舎の雑貨屋のお話。


『モッキンバード街道』
     ↑
『ロックンロール・ウィドウ』(山口百恵)

これも名作(?)ですねえ。
ぜんぶ鳥の名前で作られてる。

そして、

♪カッコカッコカッコばかり口走る〜
 モッキンバード街道 ホホケキョ♪

と締める。

うまい!?


詞を担当した高平さんも、
もう手がつけられないほど、
ノリノリでした。


こうしたレコーディングの模様も、
「レコード・コレクターズ 9月号」に、
私の話が掲載されているので、

ちょっとそれを、
そのまま借用。

『(前略……)
 自分はパロディにした元歌の音質、音色まで、
 そっくりに作ることが役割でしたね。
 あのLPは戦後の復興から現代までの、
 日本の社会情勢と流行歌がシンクロしている
 という作りでしょう?
 ということは、レコード制作技術の発展史でも
 あるわけです。
 だから戦後間もない頃の「サンゴの唄」
 (「リンゴの唄」のパロディ)
 だったらくすんだモノラルの音色で、
 それがだんだんステレオの時代になって、
 音質が良くなってくるところまで
 グラデーションをかけて再現しなきゃ
 感じが出ないわけです。

 あとは唄のディレクションですね。
 パロディは原曲が匂わなくてはならないんですが、
 タモリは声色上手だから
 同じメロディだったらそっくりに歌えるんですけど、
 パロディだからメロを数カ所で、
 変えなくてはならないでしょう?
 そうすると歌のプロじゃないから
 どこか似なくなってしまう。
 そこで僕が発声、歌唱指導をしたんです。
 何というか…成り切ってもらうためにね。
 例えば最後の山口百恵ちゃんの歌真似をするときは、
 ‘マイクのコード挟んで女になったつもりで
 やったらいいんじゃない’なんて言って(笑)。
 タモリも本当に脚の間に挟んで、
 ‘あ、きたきた!’って(笑)。
 だから歌唱というより、
 一曲ずつに対する芸の指導というか、
 成り切り誘導だね。

 あれ、歌入れ30数曲を二日間でやったんですよ。
 誰か管理の人が入ってきたらヤバイと思って
 スタジオ‘A’に鍵をかけて、
 酒をがんがん持ち込んで(笑)。
 アルファの女子社員ふたりに接待係をお願いして、
 一曲終わるたんびに
 ‘タモリさん、すてきよー’
 なんてお酌してもらったりしてね。
 スタジオ‘A’で宴会しながら、
 それはもう楽しくやったんです。
 あのレコードにはその雰囲気が詰まってるよね。』
 (宮住)

それに対して、
インタビュアーのライター田山さんが、
こう受ける。

『「タモリ3」の狂躁的なまでのテンションの高さは、
 二日間の‘宴会レコーディング’
 でもたらされたものだった!
 何という無茶をするのだろうか。
 このエピソードを聞いた時は、
 あまりに破天荒なアルファ魂に呆れ、感心し、
 笑ってしまった。』


私も、この記事を読んだ時、
思わず笑ってしまった。

アハハハ。


しかしまあ、

これは、あたりまえのこと。


こんなバカバカしい物を、
シラフで、
真面目くさって、

やれるわけがありません。


さらに後日、

再びタモリに来てもらって、
こうした楽曲のつなぎ役をつとめる、
いくつかの挿話を録音。

これがまた即興性に満ちた傑作ぞろいで、
改めて、
タモリの‘天才’を見る思いでしたが、

きりがないので、
もうやめておきます。


そして、前述したように、
一曲ずつを、
オリジナルと同じような感じに、
緻密にトラック・ダウン。

さらに、効果音を加えたり、
いろいろな加工をほどこしたりして、

とにもかくにも、

この‘大作’は完成しました。


ところが、ここに、

またしても大きな壁が……。


今度は、
新生「アルファ・レコード」の販売元、
ビクターが、

「やっぱりこれは、
 お引き受けできない」

と言ってきたのです。

(ビクターよ、おまえもか…)



さあ、今度は、


タモリが怒った。


ラジオやテレビにおける自分の番組で、
これらの音をかけたり、
実演したりして、
このレコードの存在を、

世に知らしめたのです。


そしてこれが、

さらなる波紋を、


大きな波紋を、


呼ぶことになりました…。



(つづく)



最近、会う人ごとに、
この「タモリ3」の話になります。

レココレか、はたまたこのブログか。

でも、
意外とみなさん、
読んで下さってるみたいで…。

ありがたいことです。


きのうは、
某有名広告代理店の社長から、
「俺の持ってるのはカセットで、
 もう伸びきっちゃったよ。
 シュンちゃん、コピーしてよー。」

と言われました。


ううむ…。


これはいいのか…。



SHUN MIYAZUMI


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2007 エッセイ | マイ・ディスコグラフィー

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コメント一覧

1. Posted by さいとー   September 13, 2007 00:22
それはまずいよ〜
伸びないCD-Rならいいかな?

だめね。
2. Posted by asa   September 13, 2007 12:43
うっかり、
会社のLunch Timeに読んでしまいました。
ぐふっ・・・笑いを殺すのが大変。

15日のLive。
うれしい!
予約しました!

東京JAZZ2007は、
小曽根さん出演日のチケットを取り損ねて、
ちょっとふてってところ。
前の三連休、初日にJ'ZのLiveとは!

六本木での展覧会に行く途中、
若い友達と丸の内にふらっと寄ります。
3. Posted by 只野 通行人   September 13, 2007 19:51
5 有り難うございます。
♪ ドテラ羽織って 神輿をかつぎ・・・。
原曲作曲家の渡久地政信氏の故郷(沖縄)に迫った琉球音階変換アレンジでしたね。
♪ 草とワラしか食べないが・・・という部分は、実は「ゴッドファーザー」の歌い出しからの引用なのですが、当時、タモリ氏は「この部分のメロディーラインは何とも歌いにくかった・・・」と振り返っていました。
4. Posted by SallyI(SORA)   September 13, 2007 22:12
うわわ。
LIVE行きたい!!
でも、その日は打ち合わせです。

がっくん。
5. Posted by SHUN MIYAZUMI   September 14, 2007 14:46
さいとーさん>

このあたりの法律は、
あってないようなもんだね。
(昔から)


asaさん>

15日は、アカペラが中心です。
新曲もありますよー。
お楽しみに。


只野さん>

そうか!
そういえば「ゴッドファーザー」
とおんなじですね。
すっかり忘れていた。
鈴木宏昌(コルゲン)さんの、
隠し味ってところかな。
しかし、こりゃ、
ダブルで著作権侵害だ。
アハハ。


Sallyちょん>

ひさしぶりじゃのう。
(SORA)の音、聞いたよ。
こんな面も持ってるのかと、
感心しました。
がんばっちょくれ。
ジャズがやりたくなったら、
いつでもどうぞ。
6. Posted by 隊長♪   September 16, 2007 05:12
はじめまして、ぜひ横倉裕デビューにまつわるお話を聴かせて下さい、またカシオペア初期のお話などもお願いしたいです☆
7. Posted by SHUN MIYAZUMI   September 16, 2007 17:53
ようこそ。

横倉裕くん!
「LOVE LIGHT」というアルバムで、
ご一緒しましたが、
なつかしいなあ。
元気かなあ。
ええ、ぜひいつかやらせていただきます。

カシオペア初期の話は、
「〜2005 エッセイ2」
というカテゴリーのなかに、
「カシオペア・デビューよもやま話」
「MINT JAMS」
というふたつのお話がありますです。

また折りをみて、
いろいろ書いてみたいとは思ってますが…。

ま、ときどき覗いてやってください。

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