December 27, 2009

亡き王女のためのパヴァーヌ 後編


1987年○月○日。

ラヴェルの死後50年が過ぎ、
その楽曲の著作権は消滅しました。


私は、念願だった、
『亡き王女のためのパヴァーヌ』
のメロディーをサビに使って、
新しい日本語の「ポップ・バラード」を制作。


「いやあ、いい曲が出来たなあ。
 ウッシッシ。」

と一人、ほくそ笑んでいました。



ところが…、

その話を耳にした、
とあるレコード会社の法務の人から、
思わぬ、衝撃の事実を、

知らされたのです。


「シュンちゃん、
 それは危険だなあ…。
 日本とドイツとイタリアの作曲家は、
 あと10年くらいは、
 ラヴェルの曲を使えないはずだよ。
 やめといた方が無難だよ。」


(な、なんで…?)



日本、ドイツ、イタリア…。

……。


この3国に共通することとは、
何なのでしょう…?


日独伊…。

……?



そうか!

この3国は、

第二次世界大戦における、
戦争犯罪国なんですねえ。


何でも、

戦時下において、
連合国側の作家の著作権を保護しなかった、
という理由で、

この3国には、
あと10年近いペナルティーが科せられた、

というのです。



つまり、

アメリカやイギリスの作曲家は、
もう、この曲を、
勝手に使うことができる。


しかし、

日独伊3国の作曲家は、
あと10年待たなければならない。



『亡き王女のためのパヴァーヌ』


なにせ、
あれだけのメロディーですからね。

10年のうちには、
アメリカやイギリスの作曲家が、
ちゃっかり取り入れて、
素敵な曲を作るに決まっている。


すると、
その曲の権利は、
その作曲家のもの。

それを知らないで、
うっかり使用すると、
今度はその作曲家から訴えられる。

……。



戦争の傷跡は、

こんなところにまで及んでいたんですねえ。


もはや、こうしたアイディアは、

日本人の音楽家には、

永遠に不可能であることを、

思い知らされたのでした。

……。



はい、こんなお話でした。

ちょっと暗い結末でしたね。



では最後に、

ちょっと気分直しに、

クイズでもいきましょうか。



その1)

ショパンの『ピアノ協奏曲第一番』

その第一楽章の、
有名な、甘く切ない第二旋律。

これって、
都はるみさんの、あるヒット曲に、
そっくりなんですが、

さて、その曲とは…?



その2)

ベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第五番(皇帝)』

その第一楽章の、
雄大な主旋律。

このメロディーから、
装飾音を取り去ると、
坂本九さんの大ヒット曲になってしまいます。

さて、その曲とは…?


考えてみて下さい。



年内、あと一回くらい更新予定です。



(おわり)




前回、

たくさんのコメントをいただいておきながら、
多忙のあまり、
ロクにお返事もできず、

大変失礼致しました。


久しぶりに、
自宅のPCの前で、
楽しく読まさせていただいております。



そうか…、

『4×4(フォー・バイ・フォー)』


「カシオペアvsリー・リトナー・グループ」


そういえば、
あの中でも、
『パヴァーヌ』やってましたね。

よほど好きだったんでしょうね、私…。


でも、すっかり忘れておりました。

アハハハ。


私の場合、
どちらかというと、

成功した話より、
失敗した話のほうが、
よく覚えているんですね。



それから、

私の書いた『New York Life』の中にある、
ガーシュインのフレーズを見抜いた、
TOMATOさん。

お見事です。


『ラプソディ・イン・ブルー』の一節を、
ちょっとだけお借りしました。

あれで、一気にニューヨーク・ムードに、
なれましたね。

偉大なガーシュイン様に乾杯!


あっ、著作権法には、
まったく引っ掛かりませんので、
ご安心下さい。


♪♪♪



さて、今年も残りわずか。


これから、
のんびりと今年を振り返りながら、

今月、あまり出来なかった「忘年会」を、
親しい友人たちと、
楽しみたいと思っています。



飲むぞー。


ガオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!



(もういいから…)



SHUN MIYAZUMI


woodymiyazumi at 14:36コメント(19)トラックバック(0) 
2009 エッセイ 

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コメント一覧

1. Posted by まいまい   December 27, 2009 15:40
5 おぉー。。
戦争につながるとは、さすがに予想できませんでした。。
そういう傷跡もあるのですね。。
ちょっとびっくり。
でも、今後もいろいろなお話楽しみにしています♪

温泉、A’TRAIN とお疲れ様でした♪
温泉も宮住さんライブもとっても楽しかったです♪
これから、少しお休みということで、ゆっくり休んで、英気を養ってくださいね。飲みすぎはだめですよー。
今年もほんとうにありがとうございました。楽しい1年が過ごせました。また来年もよろしくお願いします。
2. Posted by mariko   December 27, 2009 16:56
この一年も宮住先生やジャミンのお陰で心豊かに過ごすことができました。

ライブまでのカウントダウンは宝くじの発表を待つようなソワソワと夢を見るのと同じです。でも絶対にハズレのない当たりくじです。

新曲も増えたようだし、来年は新アルバムを期待していいでしょうか。

温泉でのライブはとても好評だったようで良かったですね。
来年はぜひ参加したいと思います。
ゼブログにもコメントしたのですが、ライブツアーのバスが出ると安く参加できると思うのですけど。。。

ところで競馬ファンの先生、有馬記念はどうされましたか?

私は12月22日から1月5日まで休み無しですが、先生のご出題は年越しの宿題として(その前に回答が出るでしょうが)自分なりに調べてみます。クイズ大好き!

忘年会は大いに楽しんでくださいね。
そして、お正月はゆっくりとなさって下さい。 
来年も皆さまに素晴らしい年でありますように。

3. Posted by 只野 通行人   December 27, 2009 19:01
5 日独伊と言えば、かの北野武カントクがベネチア映画祭の記者会見で、イタリア人の記者たちを前にして、
「お前らさ、昔、日本とドイツと組んでさ、一緒に連合軍と戦ったよな」なんてコメントを言ってましたね(笑)。
そう言えば、ムッソリー二の孫が歌ってました。
ドイツと言えばライカ、ツァイス、クラフトワーク。
4. Posted by ホワイトスノー   December 27, 2009 20:01
5
宮住先生 こんばんは^-^

ゆっくりおくつろぎなさっていますか?

24日の伊香保松本楼でのコンサート後 一人寂しく夜道に向かう私に 素敵な微笑みと優しい言葉をかけて頂きありがとうございました。
怖がりなので 宮住先生のあたたかい言葉でとても元気になり 離れた宿泊先に向かうことができました^-^
感謝します。

今年はジャミンに巡り逢い 本当に実り多い日々を過ごすことができました。
毎日が充実してとても楽しいです♪
微笑みが絶えない日々って素敵ですね。
来年はもっともっと微笑んで過ごしたいです。

年あけ 宮住先生に笑顔でお会いできますことを楽しみにしています♪
御身体に気をつけてくださいね^-^

良い年をお迎えください。


5. Posted by JUPITER-8   December 27, 2009 20:11
5 著作権のペナルティーの件は私も今回初めて知りました。するともう今なら発売できるという事ですか?最近の復刻CDではよくお蔵入りした音源がボーナストラックとして追加収録されていますよね。伊東さんのアルバムとかでぜひ復刻していただきたいです。でも現在のレコード会社のスタッフはこの音源の存在を御存知ないのかも知れませんね…。

そしてクイズですが、私も都はるみさんは詳しく知りませんので、その1)は解りません…すみません。
その2)はもしかして「上を向いて歩こう」ですか? 単純に…歌い出しのソーソーラーシーソーミーレーというメロディが皇帝の出だしピアノ明けのストリングスの旋律にそっくりだなぁと思ったのですが…。でもこれだと、あまりにもそのままですので、やはり違うかなぁ〜と思ったり、あまり自信がありませんが…。

そういえば野呂さんも以前に尊敬する作曲家の一人として中村八大先生を挙げられた事がありまして、OTTOTTRIOというユニットでも「上を向いて歩こう」をカバー演奏なさっていましたね。
6. Posted by afterglow   December 27, 2009 21:25
 お師匠様♪変わりはないですか〜
 日毎寒さがつのります〜
 着てはもらえぬセーターを
 ♪スキヤキ〜食べて〜編んでます〜
 因みに日本の楽曲の著作権は何年で消滅するんですか?でもプロの作曲家はそれとは分からないように上手くフレーズを拝借できちゃうんでしょうね。現代では、もう心打つメロディはほとんど出尽くしてるんじゃないかなー。来年も楽しみに応援しています。よいお年を
7. Posted by さいとー   December 27, 2009 21:41
 どうも
A'TRAIN確認してきました。
次回ふだんの日に、ありがとう。

ほんとに、みなさんコメント書いてくれますね。

ちょっとしたヒットブログですね。
8. Posted by 可奈ママ   December 27, 2009 23:55
こういうオチとは思いませんでした。
てっきり、他の方がもう使っているということかと…
でもその曲聴いてみたかったな。

クイズの答えはもう先に書かれた方がいらっしゃいますね。私も6番さんと同じです。
9. Posted by ni-na   December 28, 2009 00:35
皆さまと同じ、意外な展開に驚きました。
そんなことあるんですね。

今年もありがとうございました。

来年こそATrainに伺いたいで〜す。
10. Posted by sol   December 28, 2009 09:14
ああ・・・こんなオチだとは。
でも、戦争は芸術にも大きな傷跡を残すものなんだという思いを新たにしました。やはりpeace on earthがいちばんですね。

ところでクイズの答えは、両方とも好きな曲なのですぐにわかりました。
ベートーヴェンは「装飾音を取り去ると」とわざわざ書いてくださるところが先生らしい…。
ショパンは「着てもらえないんだったら編むなよー」というツッコミを入れながら聴くあの曲ですね。

では、私もクイズを
シューベルトの交響曲第9番(ザ・グレイト)の導入部の冒頭2小節は、ある大学の応援歌の冒頭にそっくりです。さて、何という曲でしょう?
(「若き血」ではありません^^;)
11. Posted by Nicky   December 28, 2009 12:07
5 初コメントです、
宮住さんのブログいつも楽しく拝見させていただいてます、よく次から次へと面白い事が、宮住さんの周りで起こりますね、でも面白い方が人生楽しいですよ、来年も面白い事が沢山起こると良いですね、今年一年間お疲れ様でした、来年も期待してます、
忘年会で、ガォ〜と飲んで下さい、(私も参加したいです)
P,S 私も『New York Life』の、ラプソディ.イン.ブル-初めて聞いた時から解ってましたよ〜、
12. Posted by あん   December 29, 2009 08:30
ああ、そうなんだ。。
今回も、深く感じいりました。。
戦争も、法律も・・、

・・・で、私はクラシックのアレンジも期待していて
よろしいのでしょうか
13. Posted by 栞   December 29, 2009 10:10
宮住先生、おはようございます。

芸術に国境は‥‥あったのですね。(悲)
『パヴァーヌ』、いい曲なだけに残念だったでしょう。

さてさて、クイズです。

ショパンの『ピアノ協奏曲第一番』‥ふきだしました!
べートーヴェンの『皇帝』‥よ〜く聴くと、確かに!
ジャミンの『New York Life』‥あっ、本当だ!!

‥と、楽しませていただきました♪♪♪

毎年クリスマスを過ぎると、やっぱり『第九』です。
聴いていると、人生が見えるようです。
一年を振りかえるのに、ぴったりな曲だと思います。

そしてそして、大晦日は某局の、
「ジルベスター・コンサート」でカウント・ダウン。
今年はホルストの『木星』‥楽しみです♪
14. Posted by mimi   December 29, 2009 11:57
5 いつも楽しい記事をありがとうございます。
25日A′TRAINでは、年末の聴き納めライヴ、幸せなひとときでした。
休憩時間にお話しした歌の音源、発見しました。mixiの方からスティーヴ君にURLを送っておきましたが、伝言届きましたでしょうか。
スペイン語の歌、まだまだ素敵なのがあります。また今度お話ししますね(^-^)v
今年もあとわずかになりました。良いお年をお迎えくださいませ。
15. Posted by Meiko   December 29, 2009 20:01
5 宮住様
こんばんは!
今年はジャミンに出会えてとても素敵な年になりました♪
有難うございます!!!
ラベル、大好きな作曲家の中の一人です。とても興味深く読ませて頂きました
戦争を知らない世代ですが、絶対に平和が一番です
良いお年をお迎え下さいませ
16. Posted by kuromame   December 29, 2009 21:04
宮住様こんばんは。
いつも面白いお話ありがとうございます。他にもベートーベンやモーツアルトなどが隠れている曲がありそうですね。
年末いろいろ重なって月例ライブに行かれませんでしたが、来年もスポーツピアノ聞きに伺いますよ。ますます忙しくなられるでしょうが、できる限り月末ライブ続けてくださいね。今年もありがとうございました。良いお年を。
17. Posted by 只野 通行人   December 30, 2009 12:10
5 かなり前に、ビッグフォー(松本英彦、中村八大、小野満、ジョージ川口)の面々が東京の屋外ステージで熱演しているモノクロ映像を見た事があります。
それはそれは熱かった。

浜口庫之助Jr.(茂外也さん)はハマクラさんにそっくりだが、ジョージ川口Jr.(川口雷二さん)もジョージさんそっくりになってきた。





18. Posted by わらっくま   December 31, 2009 00:20
60数年前の戦争が、著作権に関係しているとは、全く思いも寄りませんでした。

でも、せっかく出来た、その曲、聴いてみたいです‥♪♪

A'trainでは、久しぶりに"Lush Life"を聴かせていただきました。やはりイイ曲ですね~。

初めてリクエストさせて頂いた曲"Misty"。
ハートをもっていかれました。
今年、最後のライブにふさわしい充実感でした。
ありがとうございます。

19. Posted by m   May 22, 2010 08:07
この話の当時から、すでに20年以上経過してるのだから、今公開できるんじゃないでしょうか?私としては上田知華さん本人か、今井美樹さんで聴いてみたいです。で、お蔵入り、といえば、某ブログで、上田知華さん本人が「PIECE OF MY WISH」をセルフカバーして録音までしてるのに、「大人の事情」でリリースに至らなかったという話を聞きました。JASRACのデータベースにも出てないから「お蔵入り」は間違いないんですけど、できたらこちらも聴いたみたいですね。

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