November 14, 2010

トミー・リピューマ


私自身が、
同じような稼業を営んでいることもあって、

音楽プロデューサーについて「ああだこうだ」と語るのは、
いささか気がひける思いがするのですが、

ま、たまにはそんな話題もいいかなとも思い、

きょうは、こんな人を採(と)りあげてみました。



トミー・リピューマさん。
(Tommy Lipuma / 1936年7月5日〜)


アメリカを代表する、
有名な音楽プロデューサーです。


一口に「音楽プロデューサー」と言っても、
その仕事の内容は千差万別で、
なかなかその定義付けや評価は難しいのですが、

この人の場合は、
ひと言で言ってしまえば、

偉大な「商売人」ですかね。



作曲、編曲や、演奏をするといった、
音楽家タイプの仕事人ではなく、

レコード会社上がりの、
企画マンであり、制作マンであり、
しかも宣伝プランが優れており、

売れそうなアーティストを発掘しては、
優秀な音楽家と組み合わせて、
独自のサウンドやコンセプトにまとめあげて、
ヒットさせてしまう、

といったタイプのプロデューサーです。


ま、それはそれで、

すごい職人とも言えますがね。



得意分野は、

ジャズ、ボサノヴァ、AOR、

といった、いわゆる大人の音楽。


「お洒落で洗練された都会の音楽」

というのが売り。


だから、
私から見れば、
まさに偉大なお手本であり、

近づくことすら容易でない、
すごい大物であり、

ヒット・アルバムを星の数ほども持つ、
うらやましいくらいのお金持ち。


ま、私のように、
興味のあるものは、
何でもかたっぱしから手を出すという雑食ではなく、

終始一貫していますね。


「この分野は彼にまかせておけば安心」
というイメージを、

見事に作り上げました。



クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)
フィル・スペクター(Phil Spector)
アリフ・マーディン(Arif Mardin)

らと並んで、

私の大好きなプロデューサーであり、

アメリカのポップ・ミュージック界に燦然と輝く、
大プロデューサーです。



そんな彼を一躍有名にしたのは、

ジョージ・ベンソンの『Breezin’』というアルバム、
でしたか…。


マイケル・フランクスも彼の仕事。

『Antonio's Song(アントニオ・ソング)』
なんて甘い甘いボサノヴァ・タッチの曲を、
覚えてる方も多いと思います。

ああいうのやらせると、
彼の右に出る人はいませんね。


最近では、

ナット・キング・コールをあの世から呼び戻し、
娘のナタリー・コールとデュエットさせた、
『Unforgettable』という前代未聞の企画を成功させ、

全世界に大きな衝撃と感動を与えました。


ダイアナ・クラールという、
カナダの美人ジャズ・シンガーを世に送り出したのも、
この人の仕業です。



ま、そうした作品のあれこれについては、

いずれゆっくり掘り下げてみるとして、


そんなトミー・リピューマさんに、

私は光栄にも、

お会いしたことがあります。



あれは、

1978年の暮れのことでしたか…。



私はアルファのディレクターとして、

いわゆる『フュージョン・ミュージック』の制作に、

毎日精を出しておりました。



このブログでも、

過去そうした話題をランダムに書き綴ったので、
興味のある方は覚えてらっしゃるのではないでしょうか。

渡辺香津美&リー・リトナーとジェントル・ソウツ
深町純&ニューヨーク・オールスターズ
ベナード・アイグナー、吉田美奈子、
大村憲司、横倉裕&デイヴ・グルーシンetc.etc.


いやあ、
まだ20代の若僧のくせに、

よくもまあこんな大物アーティストたちと一緒に、
仕事をさせてもらったもんだと、

今にして思えば、
アルファという会社の、
「怖いもの知らずさ」と「大胆さ」に、
冷や汗タラタラの思いがするのですが、

ま、それも「若さ」というやつなのでしょう。


私も若かったが、

アルファという会社も若かった。

……。




そう、そんなアルファが、

この時期(70年代後半)は、

「『フュージョン』という音楽を売り出そう」

という一大目標を掲げておりました。


そして、

その制作を一手にまかされたのが、

僭越ながら、

この私というわけ。



ホント、大胆だなあ…。

と今更ながら思いますね。


失敗しても知らないから…。



そして、

そうしたフュージョン系のアーティストを集結させて、
新宿にある「紀伊国屋ホール」というところで、

『アルファ・フュージョン・フェスティバル』

とかいう、
確かそんな名前のライブ・フェスティバルが、
1週間に渡って繰り広げられたのでした。


ただしカシオペアは、

まだデビュー前だったので、

参加させませんでした。



そのとき、

このトミー・リピューマさんも、

自身がA&Mのなかに立ち上げたフュージョン・レーベル
「ホライズン(Horizon)」の新人アーティスト、
ニール・ラーセンのライブをサポートするために、
来日していたのです。


当時このA&M社のレコードは、
アルファが日本での販売を扱っていたために、
社長の村井邦彦さんと、このトミーさんは、
とても仲がよく、

不肖この私にも紹介してくれたのでした。


いやあ、緊張しましたねえ。

なにせ相手は大物ですから。

ドキドキ…。

……。



そんなトミー・リピューマさんが、


数あるアルファの出演者のなかで、

「ん? これは?」

と、特に注目したアーティスト(グループ)。


「これは売れるよ。」

と太鼓判を押したアーティスト。



それは…、


それまでの彼の音楽性やキャリアからすると、

じつに意外な名前でした。



それは…、


イエロー・マジック・オーケストラ(Y・M・O)


という名のグループでした。


……。




(つづく)





先週末は愛知県の岡崎で行われた、

「岡崎ジャズ・ストリート」


そして、この週末は、

岐阜県は各務原(かがみはら)というところにある、
「村国座」という、
130年の歴史を持つ芝居小屋での、
ジャミン・ゼブ・コンサートに同行してまいりました。


どちらも、
たくさんのお客さんに、
熱狂的な拍手をもって迎えられました。

みなさん、ありがとうございました。


なんだか、

一気に中京地区に活動を拡げた感がありますね。


そして、この先も、

なんだかそんな感じが続きそうなのです。


楽しみです。

はい。

♪♪♪



それにしても、

いささか疲れましたね…。


でも、

そんなことを言ってられないスケジュールが、

これからも続きますが…。



ああ、また栄養ドリンクが手放せない季節だ…。


う〜む…。


……。



SHUN MIYAZUMI

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2010 エッセイ 

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1. 六本木Bee  [ 口は災いの素 ]   August 12, 2015 15:27
そう言えば先日、FBでYMOが78年に行った、六本木Beeでのライブのことが話題になってました。この写真のやつ。メディア向けに行われたライブですね。 [画像] こちらに、記事を書きました。 ◇2012/3/24「六本木Bee」 http://yellow.ap.teacup.com/mryf/4914.html つい最

コメント一覧

1. Posted by 鳥   November 14, 2010 21:21
おこんばんにゃ〜。ふと覗き見て、エエえエエ〜。驚愕デス。昔心から崇拝していた音楽プロヂューサー、リピューマさんのお名前が。。。懐かしいデス。当時彼が携わってた作品はほぼ全部チェクして買ってました。と〜っても好きでした。でもYMOと関係があったとは全然知りませんでした。続きが気になる。PS 近かったら村国座にも行きたかったデス。日々お急がしそうでお疲れがたまりませんよう、向寒の折どうぞ御身体大切になさってください。
2. Posted by さいとー   November 14, 2010 21:24
トミー・リピューマはエンジニアのアル・シュミットと コンビでしたね。
お手本録音をしてくれました。
紀伊国屋のライブの次の日
スタジオに入って来るなり
”Yellow Magic Great!"と
興奮してました。
3. Posted by JUPITER-8   November 15, 2010 01:25
5 伝説の「アルファ・フュージョン・フェスティバル」のお話、お待ちしておりました!(^^) やはりカシオペアはまだ参加していなかったんですね。以前から確認させていただきたいと思っていた事項が、一件解決しました(^^;)

トミー・リピューマさんの事はアルファ信奉者の私としても当然色々なお話を伝え聞いておりますが、いよいよ宮住先生が直接お話してくださるとは!大変ワクワクします!そういえば日本のレコード会社の分業制とは違い、アメリカのプロデューサーは自ら企画・宣伝等の一式を担当しているそうですね。「スイッチド・オン・バッハ」のプロデューサー、ピーター・マンヴェスさんにまつわる話でその辺の違いを知りました。

そういえば紀伊国屋ホールライブのうち、YMOのステージだけはCD化されましたので、CDを聴きながら貴重なお話を拝見できるのが楽しみです!!(^^)
4. Posted by 只野 通行人   November 15, 2010 11:16
5 よ、待ってました!って感じで、JUPITER-8さんも僕も大喜びの話題でございます。
YMOは変幻自在なグループで、レコードとライブとセッション・ワークではそれぞれ色合いが違いますからね。当初は流動的なセッションのつもりで、細野さんに声をかけられただけでも、ポンタ、林達夫、佐藤博、矢野誠、佐藤允彦。
イラストレーターの横尾さんまでメンバーになっていたのだから驚きですよ。
アルファはオシャレでいて、常にメディアの先頭を走っていて、バラエティに富んでいて、謎の部分も多い(笑)、素晴らしいレコード会社でしたよ。
5. Posted by JUPITER-8   November 16, 2010 02:05
只野さん、その横尾さんの話ですけど、御本人様がツイッターで語っておられましたよ♪

http://twitter.com/tadanoriyokoo/status/11796860529
http://twitter.com/tadanoriyokoo/status/11797019196
6. Posted by 只野 通行人   November 16, 2010 11:41
5 JUPITER-8さん、有り難う。
横尾さんのツィッター面白くて通して読みましたよ。
どこまで本気なのか、虚構なのか? 楳図かずおさんに通じるものがある。
もし横尾さんが参加していたら、その後のワールドツアーも違った形になっていたかも知れない?





7. Posted by ♪かのん   November 16, 2010 13:10
「アントニオの歌」心地よくて繰り返し聴いたものです。

こういう話題だとコメントも含めて読むのが楽しいですね。


先生お疲れのご様子、どうか無理をなさいませんように!
8. Posted by SHUN MIYAZUMI   November 18, 2010 12:33
みなさん>

こんにちは。

いやあ、一気に冬モードですね。
きのうなんか8度ですよ。
しかも雨、風…。

これじゃあ「土瓶蒸し」を通り越して、
一気に「牡蠣鍋べ」ですわ。

というわけで、きのうは、
「かき鍋」ちゃん。

辛味噌の、熱々のをふ〜ふ〜とね。

美味しかったです。


では、きょうもこれからリハーサル。

行ってまいります。

(ほんと、忙しいな…。嬉しい悲鳴だけど…。)
9. Posted by HM   November 18, 2010 15:26
 こんにちは。
 お疲れ様です。
 
 トミー・リピューマ氏については全く知らなかったのですが・・・
 「Unforgettable」の父娘共演に大きな衝撃と感動を受けた一人です。
 
 Y.M.Oを知ったのは中学生だったかな?
 音楽について無知でしたが(今も)、
 斬新なサウンドに驚いた記憶があります。
 (最近、ポッキーのCMに
 3人揃って出演されたのも驚きましたけど!)

 ・・・カキ鍋美味しそう!
 寒い日は「おでん」もいいですねぇ。(日本酒と一緒に・・・)
 
 今日はボジョレー・ヌーヴォー解禁。
 去年飲み過ぎて失敗したので
 今年は気を引き締めて頂こうと思います
 
 
 
 
 
 
 
10. Posted by HIRO   November 18, 2010 19:49
うわー、かき鍋ですか!いいですね。ボジョレー・ヌーボー解禁だし…
でも、いそがしくて、ゆっくり飲む暇もないですか?
トミー・リピューマさん、すごい方なのですね。人の才能を見抜く天才?いやいや、宮住先生もすごいです!
私のまわりに、風邪っぴきがチラホラ…
あわてて、予防接種に行きました。
栄養をとって、がんばってください
お体、大切に
11. Posted by サリィ   November 23, 2010 04:33
5
明け方におじゃみんします (^O^)
トニー・リピューマさん、存じませんでしたが、ピューマやシマウマや星飛雄馬と似ているので覚えましたよーw

大ヒットの影に、偉大なプロデューサ有り!
CD&DVD売りやチケットもぎりの、気さくなオッサ…もとい、スタッフさんと思いきや、大プロデューサさま♪というギャップがいいですよね 、宮住さん (^w^)

私の切なる願いなのですが、クネクネ〜
日本の童謡を、あったかく、またはクールに、またはおどろおどろしく!?、ジャミンサウンドでCDにしてほしいのです!

「ふるさと」は、平に臥してお願ひ申し上げまする、殿っ m(_ _)m
♪ジャミン追いし、彼の山ぁ〜♪
「かごめかごめ」を、キャロル・オヴ・ザ・ベルズ風に、なんてどうですか!?
あ、でもヤッパリ普通に歌うのがいいでしょうかね!

余談ですが、全く日本語の分からない外国人に、日本の童謡等のスタンダードと、それに似せて作った曲を聴かせて、どちらが本物か選ばせると、ほぼ全員がスタンダードを当てるそうです!
本物ってスゴイですね!!

ジャミンに童謡を歌ってもらい、その本物を聴いた子供たちに、素晴しい日本の歌を引き継いでいってほしいのです!
ジャズ・ポップス・ロック・ミュージカル・クラシック・バーバーショップ・国歌・ジングル・トロンボーン!までレパートリーがあって、コーラス指導ができるグループは、ジャミンしか(しまうまだけどw)いませんっ!
童謡も、こうなったら、4人でいっこく堂さんも!?レパートリーに加えてしまうま〜〜 o(^-^)o

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