January 30, 2011

深町純さんの思い出 その2


1978年という年は、

よくよくアルファにとって意味のある年だったようです。


昨年末、このブログで6回にわたって連載した、
「トミー・リピューマ」というシリーズでは、

この年、新宿紀伊国屋ホールで行われた、
『アルファ・フュージョン・フェスティバル』で、
「フュージョン」という音楽を売り出しにかかる。

その中から、
「YMO」というバンドが世界進出の足がかりを作る。


そんなことを延々とお話しました。

(うんうん…)


「カシオペア」という若いバンドも、
デビューに向けて、
毎日レコーディングに明け暮れておりました。

(そうだった、そうだった…)


そういえば、私が結婚したのもこの年でした。

(関係ないだろ)



ま、ある意味、

アルファが最も輝き始めていたのが、


この1978年だったのかもしれませんね。


♪♪♪




そんな1978年の春、深町純さんは、

アルファから大変な名盤を世に送り出しました。


『On The Move』

4109070516


2009年に、ようやくCDで再発され、
伝説の名盤として、フュージョン・ファンの間では、
大いに話題になっているようですが、

CD化が遅すぎましたね。

でもまあ、けっこうなこと…。

……。



いやあ、

ニューヨークから帰って来たばかりの深町さんから、
このアルバムのラフ・ミックスを聞かされたときは、
本当に驚きました。

スティーヴ・ガッド(ドラム)
ウィル・リー、アンソニー・ジャクソン(ベース)
リチャード・ティー(ピアノ)
ランディ・ブレッカー(トランペット)
マイケル・ブレッカー(テナー・サックス)
デヴィッド・サンボーン(アルト・サックス)
etc.etc.



キラ星のごときスター・プレイヤーたちの、
素晴らしい演奏にも目を見張らされましたが、

何よりも、
そこに収められた楽曲とアレンジには、
本当に感心してしまいました。


私も当時、ニューヨークには、
毎年のように行っておりましたが、

そんなニューヨークという街の雰囲気を、
これほどまで見事に表現したアルバムを、

私はそれまで知りませんでしたから…。



ケネディ空港に降り立ったときのワクワクするような気分、
マンハッタンの雑踏、おびただしい人種の群れ、
世界最先端のファッション、高級ブランド店、
有名レストラン、バー、ディスコ、車のクラクション、
忙しく街を闊歩するサラリーマンやOL、
夕暮れどきの美しいセントラル・パークetc.

いやあ、実に見事に描ききっています。



決して才能を見くびっていたわけではありませんが、

どちらかというと「過激でエキセントリックな音楽家」
というイメージでしたから、
こんなメロディアスな一面も持っていたのかと、
私は彼を見直してしまいました。


「深町さんて、意外とロマンチックな人だったんですね。
 アハハハ。」

「やっと分かったか、遅いよ君。
 ガハハハハハハ。」

(それを言わなきゃいいのに…)



もっとも最終的には、
硬質で過激なマスタリングをやっちゃったため、
(当時はカッティングと言いましたが…)

高音ばかりが耳につく、Hi(ハイ)上がりの、
ちょっと薄っぺらい仕上がりになってしまった…。

ラフの方が、中低音がふくよかで、
ずっといい音していたと、
私はちょっぴり残念な思いでした…。


だから私は文句を言う。

「なんで、あんなペチャペチャな音にすんのさ。
 せっかくいい音で録れてるのに、もったいない。
 ぶつぶつ…。」


すると深町さん、
それがどうしたとばかりに胸を張って、

「俺の音楽なんだから、
 俺が好きなようにやったっていいだろ。ふん。」

と居直る。

(本当は後悔してるくせに…)



ま、でも、それが深町さんなんですよ。

やっぱり過激派なんですね。


ガハハハ。


♪♪♪




さて、そんな名盤が出来たんだから、

じゃあ、これを日本でもお披露目しようじゃないか、

ということで企画されたのが、


『深町純&ニューヨーク・オールスターズ・ライブ』

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はい。この2枚組も今や伝説となっております。


いやあ、すごいライブでした。

前述したスター・プレイヤーたちが、
4日間にわたって毎夜毎夜繰り広げる、
世界最高レベルの演奏の数々は、

今思い出しても、
鳥肌もんの凄(すさ)まじさでしたね。


このライブ・レコーディングから仕上げまでは、
私が担当しました。



で…、

このライブが行われた会場というのが、

今考えるとケッサクもケッサクなんですよ。


なんと…、

プロレスやボクシングの “メッカ”

『後楽園ホール』だったのです。


ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

(最終日だけは「郵便貯金ホール」)


楽屋は、
普段はプロレスラーやボクサーたちの控え室…。

あちこちの壁には、
戦いの後の血がべっとり…。

……。



そんな中でのライブ・レコーディング。


ま、この話をはじめたら、
1年中書いてなきゃいけなくなるので、
興味のある方はCDを聞いていただくとして、

その中から一つだけ、
印象的なお話をしておきましょう。


最後の「Love Play」(だったかな…)と言う曲で、

世界最高のドラマー、
スティーヴ・ガッド氏が、
延々と10分以上にも及ぶドラム・ソロを聞かせます。


で、最後の方で、
ものすごいテクニカルな部分が延々と続く。

スネアもハイ・ハットもタムタムもシンバルも、
神業のような音数とスピードで圧倒する。

もうもう十手観音のごとき神業…。


だから当然のように、
客席は興奮につつまれて大拍手、大歓声。

わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?!?



でもね…、

じつはドラマーでもある、
Y浅ショージくんは、
こんな質問をしてきました。

「宮住さん、確かにあのガッドのドラムはすごいけど、
 拍手が起こるほどですかねえ…?
 山木(秀夫)さんや、神保(彰)さんでも、
 あのくらいは楽に叩けると思うんですけど…。」



でしょうね。

あの場にいなくて、
レコードの音だけを聴いていたら、
そうした疑問が起きても不思議ではありません。


でも、私は見たのです。


あのとき、

スティーブ・ガッドは、

右手を高々と上にあげ、


左手だけで、あのソロを叩いていたのです。


……。




そんな、キラ星のようなプレイヤーたちが輝いてた時代。


アルファがますます輝きを増していた時代。



深町純さんにとっても、


一番輝いてた時代かもしれません…。


……。




(つづく)





えっ、もう1月も終わりなんですか…?


ついこの間、

お正月を迎えたばかりだというのに…。

時間が過ぎるの早すぎませんか…?


今、自分が一番言いたいことです。

(これ流行りそうだな…)



いずれにせよ、

社長業や雑務に追われて、

まだ1曲も書いてませんよ…。


年が明けてから。



ううむ…。

いかん…。

あせって来た…。


明日から隠(こも)らないと…。


2月が勝負だな…。


でも、飲みたいしな…。


……。



SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ | マイ・ディスコグラフィー

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コメント一覧

1. Posted by sol   January 30, 2011 22:41
ブレッカーにサンボーン…
フュージョン界にはくわしくない私でも知ってるようなスターですね!!
学生時代のバンド仲間たちはこぞってインストバンドをやろうとしてたし、サックスのヤツらはみんなサンボーンのまねをしようとしたものです。。。
(私が組んでたバンドでWIND・SONGをコピーしたのも今だから白状しちゃおう)

それはそうと、1月ももう終わりですね。
2月にはフリーライブとか、何かイヴェントとかないんでしょうか。

3月のSTBまで待ちきれない!!

今、自分が一番言いたいことですw
2. Posted by さいとー   January 30, 2011 23:20
確かにガッドのソロは凄かったです。
私は楽屋にいて、テレコのメーターばかり見ていました。
ポンタが毎日聞きに来ていたと聞いています。それにリチャード・ティーのピアノchをカセットにコピーしてくれという**タ。やってくれないと、アルファの仕事しない、なんて冗談言われちゃいました。
3. Posted by ni-na   January 31, 2011 08:13
更新ありがとうございます。

びっくり、すごいエピソードですね。

1月も終わり…、まだ「今年もよろしく」と言いに行ってない店もあるのに…。
でも、2月って短いんですよね。(汗)
がんばりま〜す。(って、何を?)(笑)

4. Posted by 只野 通行人   January 31, 2011 12:13
5 キースのライブ盤でも、ディジョネットがシンバルでリズムを刻みながら、「もう一方で一体どうやって叩いてんだ!?」みたいのがありますよね。
いやいやいや、マルチを聴けるもんなら、ベースのchも聴きたいですよ…。
あの頃の日本のフュージョン・シーンはかなり試行錯誤していたけど、アルファは本場アメリカのホットな所を日本に配信し続けてくれた業績があると思います。
5. Posted by 鳥   January 31, 2011 13:27
こにゃにゃちは。かつてドラムはリズム楽器だったのに、今ではメロディも奏でられるし(神保さんは音大で教鞭をとられてるんですね。)ジョーサンプルさんも息子さんと相変わらずセッションされてるし、時代とともに音楽も様変わりですけど、温故知新、新しいものを取り入れながら昔のいいものを次世代に伝え続けて欲しいな〜(これ今一番言いたいことです。)
6. Posted by SHUN MIYAZUMI   February 01, 2011 17:07
こんにちは。

今日から創作再開の私です。

が、産みの苦しみでもがいております。

誰か助けてくれ〜〜〜。

(無理です)

ま、初日はいつもこんなもの…。

行き場の無いひとり言。

がぉ…。

(↑ これ可愛い)
7. Posted by ナタリー   February 01, 2011 18:14
宮住さん頑張ってくださ〜いo(^-^)o。

楽しみにしてますよ〜。

にゃお〜。
8. Posted by HIRO   February 02, 2011 22:00
こんばんは
創作中ですか?お疲れ様です。
楽しみですね!
ウサギはあとずさりできないので
前進あるのみ…
がんばってください^^
9. Posted by mariko   February 05, 2011 16:01
宮住先生もジャミンも3月のSTBライブに向けて充電中なのでしょうか。
1年12ヵ月、過ぎてしまえばアッという間ですが、オープンライブが何もない月は寂しい。。。あっても全部に参加できない立場が悲しい。
。。。なんて贅沢ですね。関東以外のファンの方達に比べたら幸せ者です。

産みの苦しみ?
安産祈願をしておきます。
10. Posted by 本郷綜海   February 13, 2011 12:49
宮住さん、

こんにちは。昨日はジャミンの素晴らしい演奏をありがとうございました。

母が三越で買い物をする、と言ったのでついて行ったら、、という偶然でしたが、聴けてよかったです。

感動しました。

宮住さんとは本当、ご縁あるんですね。

こんなに頻繁に偶然お目にかかる人は他にいません。

ジャミンのライブ、母を連れて行きますね。

またお目にかかれることを楽しみにしています。

もしまだメールでのお知らせしていらしゃるようでしたら、上のアドレスにお願いできればうれしいです。



11. Posted by SHUN MIYAZUMI   February 13, 2011 21:12
ソミどの

本当、びっくりしました。
昨日は、昼の部でも思いがけない人が現れたりで、
とても思い出深いライブになりました。

ライブ情報は、このページの右上、
「jammin'Zeb」をクリックすると、
彼らのブログに飛びます。
そこからホーム・ページのinformationをクリック。

そんな手間ひまをかけて、
ぜひいらして下さい。(笑)

ではまた。
12. Posted by 村石太マン   June 07, 2011 21:35
今 動画で薔薇を聞きながら コメント中です 深町純さんのバンブー・ボング 散歩 ユア ソーリー  イツ ユー
朝昼晩 ムーンビーム アイ ゴト ユアウェーブ パシフィクを聞きました。
今夜 初めて聞きました 最高ですね。
音楽同好会(名前検討中 深町純を語る会

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