ゲームプログラマの恋愛工学と金儲け

某外資系大手ゲームメーカーチーフプログラマが、主に「恋愛工学」と、金を産む最先端技術を暴露する。

2010年06月

【Short】キネクトの価格、よもやま話


【Short stories online】

マイクロソフトストアにてキネクトの先行予約が開始されている様ですね。

[Pre-order] Kinect Sensor for Xbox 360

$149.99。サイトの pre order policy を読めば判る通りこの価格がファイナルアンサーであるというわけではありませんが、恐らく世間一般には「やや高い」「高い」といった空気が漂い始めているのではないかと予想しています。

製造原価その他を無視し、俺個人に関する立ち位置も考慮せずに敢えて個人的な印象を挙げるならば、この価格は高くも安くもないが、妥当でもない、といった感覚でしょうか。
単に金銭感覚の話では勿論無く、価格に見合うコンテンツが用意されていなければならないと考えればこれは逆に期待を持てる価格なのかもしれませんし、反面、Wii本体に迫るこの設定そのものが単純に市場から嫌気される懸念も共存していますしね。


立場を戻します。

デバイスとそれを支えるMSのソフトウェア、そしてその開発環境そのものは非常に優れていると断言しますが、やはり最終的に問われるのは我々の努力ですね。
デバイスが新鮮であるだけでは不十分である事を、我々は既にWiiにて学んでいる筈です。コンテンツとして遊びをいかに提供するか、やはりそこがキモとなってくるでしょう。まあ、当たり前の話なんですけれどね。


同業者の皆さん。お互い気を引き締めて参りましょう。



外資系ゲームプログラマが語る。ミドルエイジが新人に担う責任

自身のプライベートを深くを彩る恋愛環境が激変してより早数ヶ月。ほんの一部を残して一切合切リニューアルした事により生活パターンも変化しているわけなのだけれども、新しい恋愛スケジューリングが新鮮であるかどうかよりもディナーの店スケジューリングに手こずるし、何よりゲーム生活浸透度がリセットされた事が厄介だ。

基本的に付き合う女性は全てプチゲーマーに育て上げてきた俺であるがw、年齢層の低下も手伝いこの作業が上手く行っていない。
ゲームプログラマと付き合っているのにも関わらず、スーパーマリオでBダッシュ一つ出来なくてどうするつもりだお前達。orz
最近の若い女性があまりゲームやらないってワケでも無い筈なのだけれどな。



若いと言えば、この時期は「新入社員」の教育ネタにでもなろうか。各スタジオにも4月入社の新人達が居る事でしょう。これからの業界を担う彼らは貴重な財産であるわけなのだが、今回は彼らに対する我々のスタンスについて触れてみたい。



昨今における商業ゲームプログラミングというものは複雑難解化の一途を辿るばかりではあるのだが、これは時代の流れであり各人共それぞれに努力で載っかっていく他に手はない。新人やミドルクラスの方々にとってみればこれから学ばなければならない事も多い事は確かであるが、大切な点は寧ろベテランや管理側のプログラマの意識の方であり、学習サポートやチーム編成への留意を含めた組織総合力の効率的な維持運営にあると言えるだろう。

現在の、特にPS3やXBox360でのゲーム開発は勿論難易度は高い。例えばゲーム専門学校卒業生が新人でハウスに入社しその人物が仮にエンジン開発なりにおいてかなり力を発揮できる様になる為には、相当出来る子でも数年を要するであろう。

ゲーム制作においては、技術に対する知識があるだけでは何の意味も無い。表面的なグラフィック技術等は知識のみでいくらでも実装出来るが、商品として一つにまとまり、高い完成度を備えたゲームを作る為に必要な事は寧ろ経験とセンスだ。

ミドルエイジのプログラマがリードを取り、ゲームのジャンルによって多種多様に広がるゲームコア部分の設計を瞬時に行えなければ話にも何もならない。ここがグラグラしている様ではチーム全体の設計効率が著しく落ちるだけにとどまらず、ひいてはプロジェクト存続の危機にまで発展していくことだろう。
益々競争激化するこれからの時代において、これらを蔑ろにした上に口数も少なくなあなあで設計している様なリードプログラマもどきには未来などありはしない。
本当にお疲れ様でした。

時折耳にする言葉であるが、「組織としてどんなに新人教育に力を注いでも、その注いだスキルごと転職されてはたまらない。故に中途のみを対象にしている。」
既にスキルを持っている中途を主軸に雇用を展開する事、この事それ自体を誤りであると言っているのでは無い。論点はそこではなく、そもそも育った新人が離れていく様な組織である点だ。
所謂「入れ替わりの激しい会社」というスタジオは確かに存在しているが、人が辞めていくという事にはそもそもそれだけの理由が存在しているわけであり、何故人が辞めていくのかという点に気がついていない事が又理由でも有り得る。

「ゲーム業界一般に」とまで断言するつもりは無いが、ゲームプログラマになりたいなんていう人間は基本的にこの業界やゲームが好きである。まず根底にこの原動力を持つ彼らは往々にして夢を抱いて業界入りしている事が多いであろう。そういった彼らの新人時代~中堅時代において、雇用体系や報酬等が第一義とならない人物を多く見かける事があるが、要するに彼らが最も望むところとしての「成長」、スタジオとしてこれを与える事が出来るという点が重要であろう。

この会社に居れば、このメンバーの中で仕事を続けて行ければ、そうすれば自分は大きく成長出来る。この事実が月給手取り5万円アップよりも魅力的に映るケース、これは決して少なくはない。この様に考える若い世代はとても多いと個人的に感じているし、そう感じていない新人なぞに寧ろ魅力は無い。

その上で、我々ミドルエイジや管理や指揮をとる人間達は、この「成長」を提供する為に責任を担わなければならないと言えるであろう。合理的なプロジェクトのドライブは言うまでもがなの当然の仕事だが、その上で更に担当たる人間全てが成長出来る様なチーム編成と仕組みの敷設が求められる。勿論、昨今の経済事情を背景に迎えている現在、いつでもその様な理想論がまかり通るわけでは無いが、だとしても現状を説明し、オープンな環境の上で次やその次となるかもしれない到達点を開示、足並みを揃えて進んでいくことが重要だ。これこそが組織におけるメンタルケアにも繋がっていくであろう。

実装に悩む新人へコードをコピペして渡しても何の意味も無いのだ。皆忙しい事は判っているが、そこは少しでも時間を割いた上で何を作りたいのか、何が必要なのか。ヒントは最小限に絞りあくまでも各個人が考えて進まなければ、結局身にはついていかない。

中堅と共にプロジェクトの運用やスキルアップの為の仕組み作りに悩み、新人と共に笑いながら制作出来る環境を維持。結果、皆が成長していけるハウスを目指して欲しいものだ。

ゲーム作りというものは、元来楽しい事なのですよ。



尚、近いスタンスの以前のエントリーとして、
業界人職業ゲームプログラマとして、未来在る一人の若者へ返信
この辺りも併せてご覧頂ければ幸いです。



【Short】大人のゲーム環境 家具

【Short stories online】

ゲーム業界関連blogやニュースサイトの皆様、E3ネタで盛り上がっていますねー。
3DSとかもちょっと触れてみたいのですけれども、そんなんはどこもかしこもやっているので、N社の厳戒令が解かれるというかもう少し風化するのを待つ間、最近久しぶりにまた始めた本blog向けのストックエントリー等を置いてみますね。


大人のゲーム環境構築は家具から考える

単に個人的な趣向ネタで申し訳無いです。

北欧は家具に凝る。その様な話を聞いたことがあるかもしれませんがこれは本当で、彼らの拘りっぷりは本当に参考になります。冬が長く寒さが厳しいからなのでしょうか、家具というよりも家の中全般に凝る傾向がありますよね。

俺の友人にも北欧の方がおり、彼らのゲーム環境もまた凝りに凝った素晴らしい空間でした。そういった事に大いに影響されている俺個人も結構ゲームプレイ環境を整える事がある種の趣味になっています。(まあ、対してオシャレにもなれていないですが・・・)

良いゲームは、自分のお気に入りの環境で遊びたいものですよね。

ちなみに俺のゲームプレイ環境必須アイテム1位は、なんか背中の所に置いてウィンウィンと電動マッサージしてくれる7000円位のアレ。あれ何て言うんだったっけかな。


外資系ゲームプログラマが語る。3Dテレビが彩る罠。

ゲームプログラマの恋愛工学などと仰々しいタイトルを掲げているにも関わらず、そもそも更新が不定期気味な本blog。加えてその状況すらも何を況んやのドヤ顔でスルーしている筆者ではあるが、ゲーム業界と本blogに対する愛はなんら衰えてはおりません。久しぶりにまったりと筆を執った次第であるが、凡筆ながら実に充実しております。

昨今は、彼女さん達が完全に入れ替わり、AさんやらBさんやら書いていたあの頃が全くワケの判らない状態になっており、改めてネーミングするのも相当に寒いので割愛するが、とりあえず新しい本命さんが主軸に鎮座しはじめた。
周辺を彩るDLL気味な方々も一斉にリニューアルしたのだが、こう一気に状況が変わるとそれまで利用していたイタリアンなどの店が使いづらいという弊害が起きる。だって、せっかく確立していたweeklyパターンが崩れるんだもの。

何よりも問題として。。
本命含めDLLさんら全体の年齢層が下がっているのだが、数名がなんと酒を呑めない点が今後の課題だ。酒をのまない女性をエスコートするスキルに著しく欠けている事に気づかされたこの季節。マジでどうすればいいんだ。ファミレスとか本当に勘弁して欲しい。

さて。


世間では、というよりも映画業界や家電のそれを中心に3Dステレオ立体視が注目されている昨今である。なるほど、確かにかの技術を用いた映像体験はなかなかにエキサイティングであるし、新鮮だ。この技術それ自体の生い立ちは古く、決して今になって新しく発明されたものでは無いのだが、技術の精度が上がり、また視聴者、ユーザーの注目と共に本格的な普及が始まっていると言えるであろう。

アバターやアリス、この辺りは俺個人としても一応劇場鑑賞にて押さえてはいるが、世間のブームに乗っているという事を差し引いて観たとしても臨場感が増幅され大変楽しい時間を過ごせたものだ。まあ映画の内容については言及しないが。

さて、我がゲーム業界においてはどうだろうか。
皆さんの耳にも新しいと思うが、任天堂による3DSが発表され話題を呼んだ。まさかの携帯機にてまさかの裸眼立体視である。任天堂は本当に波に乗るのが上手いなと感じさせる指針表明であったが、まあイチユーザーとしては楽しみな製品だ。

しかし、ことゲーム業界内部におけるこの3Dの波。ここでは主に3D眼鏡を要する据え置き機タイプに焦点を絞ってみる事にするが、各社とも決して乗り気マンマンであるとは言い難い状況であると伺える。加えて、ユーザー側もそれほど大きな期待をしているワケでは無いという空気がこれを後押ししていると言えるであろう。

まず、3Dテレビを持っているユーザーの絶対数が圧倒的に少ないという、絶対的な現状がこれを後押ししている。キャパが無ければ稟議は動かない。誰かが先にやらなければならない事ではあるが、業界全体の意識としてはまだまだ準備段階であると言えよう。そして、ユーザーも3Dテレビを買ってまで体験したい事なのかどうかが判っていない。
兎にも角にも、我々がまだユーザーに何も伝えられていないのだ。

更に重要な点は、3Dステレオ立体視に対する業界内部の技術的な土台が確立されていない点であろう。これは純粋にプログラマ達の仕事なのであるが、3D化についての技術がまだ普及していないのだ。発売されているタイトルも殆ど存在していない現状、またこれがまだ新しい技術である点も含めこれは致し方ないとも言える事ではあるが、なんにせよ重要な点かつ急務としてリリーススケジュールに関わらずプログラマ達は早々に触れてみる事だ。

本blogにおいて散々言及している事であるが、新しいデバイスなり技術なりが登場した際に、まず真っ先に行わなければならない点として「プログラマが触れる」という事が挙げられる。

以前のエントリー、
「現代ゲームプログラマが語る。新しい遊びと技術の調和」
にても触れさせて頂いた事ではあるが、新しいデバイスという物に対してはプログラマがまず触り、遊び、可能性の提示が出来る様になってから初めてプロジェクト草案が動き出す。

至極シンプルな事であるが、例えばPS3等の一般的なコンシューマ機において3Dステレオ表現をしようとするのであれば、単純計算で2倍の解像度を用意する必要がある。左右の視差レンダリングとでも言おうか。人間の目に映る左右の画像を一度に用意しなければならない。HDMI性能が定める限界に近い情報を転送しなければならない事そのものはともあれ、単純に言ってプログラマは限られたフレーム時間の中で今までの倍の情報をレンダリングしなければならない。
勿論、ここで本当に単純に2倍のレンダリングでお茶を濁すプログラマがもしも存在するのならば、その様な人物は即刻立場を下げる事が賢明だ。

ここでプログラマがマンパワーを発揮し解決出来る事は実際問題として本当に少ないのだが、大切な点は、どうしたらクオリティを下げずに3D化が実現出来るのかという引き出しの開示である。
例えば、濃度の濃い被写界深度やHDR等といった、基本レンダリングフェイズから上がってきた第一画像に対し中間色的な加工を施すこれらの技術は、3Dステレオエフェクトが最も重要とする奥行き情報に派手に手を入れてしまう事になる。通常のテレビであれば美しさにコミット出来るこれらの技術は、3Dステレオでは視差エラーの元になる。二律背反だ。

バンプ的なテクスチャピクセル処理技術も総じて無意味だ。寧ろ、3Dステレオ化した状態では単純なバンプマッピングは仇になる。

ビルボードなど、処理リソース軽減にコミットしている技術は更に取り返しがつかない。このまま3D化すれば、元のそれがどんなに美しいテクスチャであったとしてもそれはたんなる看板と化す。ものすごく派手に立体感のある看板と化すのだ。本blog前項にてニーアを単純に3D化出来ないであろうと言及している理由は、この点から明白だ。

現存するプロジェクトを3D化するのであれば、被写界深度やHDRといった、視差情報を著しく損なうフルスクリーンクアッドに費やしている時間を大胆にカットし、解像度を落とす等の提案が必須であろう。その上で、どうしても必要ならばデザイナを交えたリソース配分にまで言及する必要があろう。

これから興すプロジェクトが3D化を視野に入れるのであれば、3Dおよび3Dステレオレンダリングの動的な切り替え機構を初めから実装しておくことが賢明だ。Zバッファは統一して問題ないケースが多いであろうが、本気で3D化を自社マーケティングに載せるのであれば、フレームバッファは最初から2倍にしておいた方が良い。
もっともっと厳密に3Dステレオ化を踏まえるならば、バンプなどのピクセル技術も動的にON/OFFだけでも切り替えられなければならない。リソースも倍持ちが求められる。


この様に、未だ技術が確立されてはいない現代において正直に言うならば、技術者連中はそもそも3D化に積極的では無いとまで書いてもよさそうだ。
殆ど市場に存在していない3Dテレビを盛り上げる為に、わざわざ自分達のプロジェクトにおいてデザイナがカツカツに仕上げてきたクォリティを下げたい等とは思い辛いし、せっかく書いたシェーダーをキャンセルさせたいとも思わない。


ここで口火を切り、3D/3Dステレオ共に素晴らしい映像を提供してくるメーカーはいずれ現れるであろう。まあ、勇者と言って良いが、最初にそれを実現してくるメーカーは、それこそ事実上2つのレンダリングパターンをマンパワーで想定する事が出来る体力のある所である可能性が高い。


結局、3Dステレオの本格的な普及というものはまだまだ先の話であるのだ。
少なくともゲーム機においてはな。

PS3や360においては、3Dステレオ化する為には大きな意味における処理リソースの大半を割かなければならない。我々がこれをやむなしと判断するには、まず何よりも市場の開拓が必須であるが、我々をノせる為にも映画や家電業界はますます中身の無いキャンペーンを展開していくであろう。安易に3D化されたブルーレイ映画タイトルなども続々と増えてくる筈だ。


しかし、せめてここを読んで頂いているユーザーの皆さん。「3Dステレオゲームを求めて」今すぐにテレビを買い換えたとしても、あまり幸せにはなれない可能性が高い。
映画や家電メーカーの利権がらみとしか思えない、現代の異常な3Dテレビ推進キャンペーンまがいな風潮。どうか、安易に乗らない事を個人的に願う。

( 勿論、映画コンテンツなどには素晴らしい3Dステレオ作品が増えてくるけれど。)




【Short】ドリームキャストタイトルを現行機へ

【Short stories online】


Dreamcast Games To Make Digital Return


最近噂になっていたセガによるドリームキャスト人気作品の現行機への移植話が、正式に発表された模様。Play station network、XBox Liveにての配信との事で、手軽に手に入れられる点は嬉しいところ。

まあ、ただこういった流れは良い事ばかりでは無い。

先日Twitterにても呟いたとおり、PSのデュープリズムが楽しみである件。アフターバーナークライマックスに心ときめいた件。ファイナルファンタジータクティクスをPSPで遊び倒したりと、俺個人はオールドゲームも大好きである。
ただ、懐古的にゲームを楽しむというスタンスそのものはともあれ、エミュでお手軽に再現して軽くデバッグして即リリース、はい1000円。この様な商法があんまり幅を効かせ始めてくると、スクラッチから起こす様なプロジェクトはますます稟議が通り辛くなっていくであろう。そんな危惧がある。

エミュでウンヌン以外にも、リメイク作品に対する是非もあるだろう。
アフターバーナークライマックスの例が如実ではあるが、懐古的なゲームは懐古的なままで良いという古い年代の方も居るであろう。良かれと判断して足した要素が裏目に行くことも多い。アフターバーナーそれ自体はとても面白いゲームなのだが、それはあくまでもあの時代であったからだ。現代ゲームの中で冷静なジャッジをすれば、「懐かしい」という要素以外に楽しめる部分は決して多くはない。その多くない部分へ無理に新要素を足すから不自然な事になっていく。まあ、俺は「クライマックスモード」が肌に合わずに封印した口だ・・・。「これは・・アフターバーナーじゃない」そう思ってしまう俺の様なタイプと、素直に楽しんでいるタイプが居るのは勿論承知の上だが。


賛否両論あれど、フルプライスゲームとリメイクや再リリース作品については、やはりバランスの良い展開が望まれる所でしょう。


でもまあ個人的にはクレイジータクシー超楽しみですし、万が一「クロノトリガーHD」的な作品がリリースされた暁には狂った様に遊び倒すと思う。




外資系ゲームプログラマが語る。「ニーア」についてもう少しだけ。

この2ヶ月ちょいですっかりリニューアルする事になった彼女DLLさん達事情により、リラックスというよりも寧ろデトックスされているモリサコです。皆様こんばんは。

その内の一人は以前より本blogにて登場し俺を振りまくっている人物なのだが、見事なまでの不思議ちゃんぷりを発揮し最早こちらが引き始めている。とは言え見た目のクォリティが無駄に高すぎて寧ろ俺の時間が無駄になっています。
ちくしょう。反則過ぎる。。たった今も、今回久しぶりのエントリー本稿を書き終えこの冒頭ネタ部分を仕上げている矢先に突然の電話。謎の相談事を延々語られ、せっかくのblogが汚染されている次第です。


「ニーア」についてはこれ以上語るつもりはなかったのだが、どうも意図を上手く伝えられていなかった事も手伝い更に少し思うところを書いてみたいという気になった。

まあ「ニーア」ネタは今回が最後というか既に追記状態なのだが断言しておいた方が良さそうだ。俺はこのゲームが大好きなのである
わりとナチュラルに好きだし、とても良いゲームである。


その表現の形において「これは本当に現代ゲームなのか・・・?」と唸る程にまで不思議な箇所が不思議に昇華されている。これを取り上げたかっただけなのだ。

とある情報によると、なにやら前項
「外資系ゲームプログラマが語る。「ニーア」に込められたクリエイター魂」
この辺りのエントリーはなにやらスタッフの方々にもご覧頂いた様であり、実際ちょっと迂闊な事は書けないであろう危惧が無い訳でも無いのだが、そこはそれ。寧ろ遠慮無く書かせて頂こう。
3重否定文を繰り出してまで宣言することでは無いのだけれど。


個人的なニーア愛を抱いているが故に敢えて厳しく優しく語りたいと思うが、前回エントリーに引き続き、業界がこのゲームから学ばなければならない点は冗談抜きで沢山存在していると思うのだ。このゲームを一言で表現するならば、「幕の内弁当(900円)」と言えるであろう。決して1000円オーバーでは無い点がポイントだ。上野で買うならそれでも良いが、銀座は辛い戦場となる。世の中で評価されている様々なゲームの良い点をどん欲に取り入れようとしているその気概はとてもアグレッシブであり、ポジティブなスタンスだと素直に思う。この点は本当に業界が見習うべき点であろう。自分たちのカラーがきちんと主軸にあるのであれば、他の良いものは素直に盗めば良い。ニーアには、この主軸があると言えるであろう。

ただし、盗みきれていない。

モンハンだったりワンダだったりゼルダだったりがごちゃ混ぜなのだな。どれも及第点ギリギリで、寧ろ足枷になってしまっている点が残念だ。
畑の栽培はUIが余りにもまどろっこしいのだが、無視できない程の金を得られる為に結果としてユーザーは要素を無視できない。主人公のモーション群はあからさまにワンダのインスパイアであると想像に容易いが、ジャンプモーション一つとってもバグにしか見えないし戦略になんら広がりをもたらしていない。ああいったカラーのモッサリモーションをワンダ級の商品レベルにまで昇華させたかったのであれば、それこそ類い希なるモーションデザインセンスが必要になってくる点は明白だが、ワンダ感で制作してみたは良いものの現実味のあるモッサリ感が逆に足枷となり、尺の速回しで調整してしまった。その様な感じであろうか。俺はデザイナーでは無いがこればかりは努力で乗り越えていくしかないのであろう。スキルの違いだな。
フィールドに配置する雑魚敵やボスからの経験値報酬等、まあレベリングとでも言おうか、こういった調整がミッチリ行われた形跡も無い。2~3プレイで定数決めちゃった感が否めないのだ。羊を狩るクエストに出かけてみれば、フィールドの雑魚が肝心な羊を刈り尽くし、雑魚はリポップするが羊はマップチェンジを強要される。

なんだろう。
全般において、色々とアバウトだ。アバウトな点が多い。

だが、それが良い。
それが良い味を出しちゃっているのだこのゲームは本当に。

「大手メーカーの天才集団が失敗しちゃった」では無く、
「インディーズだけれども面白い!」そんなゲームである。

まず、色々な事に挑戦する気持ちが鬱陶しいほどに前面に押し出している。マーケティング?ぱくり?知るかぼけ!作ってみたい要素で面白そうだから取り入れたけれど、調整はあんまりしません。
「流行っているから、形だけ物理エンジンのチュートリアル入れてみました」みたいなゲームより遙かに割り切ったスタンスだ。ごった煮上等。まあ色々入れてみようぜ的なインディーズ感。

これは、ゲーム制作そのものであろう。
ゲームとしてのロジックに年代が無い。大昔のサイドビューがあったり弾幕があったり、そう魅せられてみれば今度はキッチリ3Dフィールドゲームとしての基礎も押さえられていたり。

一つだけ確信出来る点は、このスタッフ達は絶対制作楽しみまくってただろw という事か。スタッフが爆笑しながら満面の笑みで制作されたゲームって雰囲気伝わるわな。娯楽に金を払うという事は元来そういう事であろう。


前回少々ぶった切ってしまったが、プログラマも部分部分で良い仕事をしていると言うか、激しく割り切っている感があるな。マルチ化でPS3や360のどちらかが劣化する危惧等はリソース配分発注段階から既に派手に切り捨てている。かなり発言力のあるリードプログラマなのかもしれないが、生産性という意味では正しいジャッジであるし、合理性を主体に敷いたプロジェクトをドライブするスタンスとしては個人的に大いに賛成だ。グラフィック至上の現代ゲーム戦争への無駄な体力投資については早々に見切りをつけ、個性で勝負した一品であろう。プログラマや現場がマーケティングや生産性を正しく意識した意欲作だという感がある。

そういう意味でも、このゲームに対し「蝋燭が同期してる」とか「水面がパッキパキ」とか個人ブログで批判している様なプログラマは世の中が見えていないと言えるであろう。


俺じゃん。

まあ勿論冗談なのだが(?)、そういった技術面に深く濃く無駄に時間をかけるよりも、個性を押しだし様々な要素を盗み、取り入れ、実験的な意味と拘りを込めて送り出された、大きく言って本当に挑戦的な傑作であると俺は捉えている。


ま、色々言っているけれども実際にホント面白いゲームだしな。


このゲームを3Dテレビ対応にしろと言われたら、スタッフ全員、特にデザイナが石化するのは明らかなのだが、次回はこのネタ。

世間で不自然に流行り始めている「3Dテレビ対応の現実」について語ってみたいと思います。


あ、最後一つ。
NPCの台詞に「(笑)」って付いているのは頂けません。
ここまで良いことばかり書いているつもりだったけれども、これは酷い。
ギャグっぽさも良い。ノリ重視だって良い。
しかし、プロの作品なのだから品性や完成度まで売り渡す必要が何処にあるのだ情けない。

でもまあ、それを差し引いても余りある程に、「ニーア」は本当にオススメゲームだがな。




自己紹介

モリサコ
morisako1@gmail.com

某大手外資系ゲームメーカー、セクションチーフプログラマー。こんな事を書き連ねたいと思います。ちなみに、フィクションを含みます念の為。
当blogへお越し頂き有り難う御座います。コメント、TB、リンク(フリー)歓迎です。引用の際には出典元の明記をお願い致します。

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