2009年02月11日

ノパ゚)は死に場所を見つけたようです。その1

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:20:51.06 ID:+laRtzCc0
この戦争が始まったのはいつの頃か、そんな記憶さえ曖昧になっている。
もっとも、チェスのポーンが如く使い捨てられる運命である彼らには、そんな記憶は必要無いのだが。
ただ必要なのは、仲間を撃つなと言う最低限の常識だけ。
そして、銃の扱いの基本だけでも記憶にあれば十分である。

命は軽く、引き金よりも遥かに軽い。
紙切れにすら劣る時もあれば、粉の一摘みよりも軽い時もある。
最悪の場合、重さすらない。
人の思想とか言う犬の糞にも劣る下らない物の前で、散る命もある。

死にゆく者にとっては、それが本意である筈は無い。
その者也に決めた死に場所があり、死に様がある。
思想の元に散る命ほど哀れな命は無い。
砂に埋もれ行く花びらの如く、何時しか誰の記憶からも消え去る。

ある者は言う。
自分の死に場所は病院のベットであると。
不治の病に侵され、病室から一歩も外に出られない。
死に方は、ひょっとしたら安楽死かもしれないし、病死かもしれない。

ある者は言う。
自分の死に場所は恋人の傍らであると。
こうして廻り逢えた奇跡に感謝しつつも、その存在を最後まで感じていたい。
死に方は、恋人の楯にでもなるか、ロマンチックな死が好ましい。



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:23:28.20 ID:+laRtzCc0
ある者は言う。
自分の死に場所は我が家であると。
自分が最も多くの人生を過ごしたこの場所で、この場所に思いを馳せながら息を引き取る。
家族に見守られながらの死は、最上の物である。

ある者は言う。
自分の死に場所はこの世界のどこかであると。
雲のように生き、海のような心を抱いて大地に還る。
老衰こそが最上である。

そして、"彼ら"は言う。
自分達の死に場所は戦場であると。
銃弾のように生き、相応しい戦いの中で死ぬ。
敵の手以外に掛かっては、死ねない。

病院のベットの上でも。
恋人の傍らでも。
我が家でも。
世界のどこかでも。

病死しようとも。
ロマンチックな死を迎えようとも。
見守られながらの死も。
老衰で死のうとも。

彼らの命は、本当の意味では死なない。
戦場以外では、死ねないのだ。



ノパ゚)は死に場所を見つけたようです。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:26:02.34 ID:+laRtzCc0
容赦なく照りつける灼熱の女神にも、いい加減愛想が尽きた。
こうも暑くては、体中の水分が女神の供物として残らず搾取されてしまう。
腰に付けた水筒の中身は、もって五口程度。
本部のキャンプに帰らない限り、弾薬の残りもかなり厳しい。

市街戦とは言え、この街にあるのは建物よりもどちらかと言えば砂の方が多いに違いない。
砂漠の中で闘っているのではないかとさえ思うほどのこの状況は、戦場としては最悪である。
毎日吹き荒ぶ砂嵐、何か勘違いをした女神の恵み。
故に人はこの街をこう呼ぶ。

―――『熱砂の都』と。

相手が馬鹿でつくづく運が良かった。
この過酷な状況下にも関わらず、連中が持ち出した武器はM203グレネードランチャー付きM16A2。
市街戦においてなら、確かに賢い選択でもある。
だが、こちらの装備と比べればあまりにも実用的ではない。

互いに共通しているのは長袖長ズボンの迷彩服、そしてヘルメット。
違いは、こちらの装備はグレネードランチャー付きAK-47。
この信頼性と耐久性ならば、この状況下でもイカれることは無い。
M16との間には、越えられない違いがある。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:28:52.03 ID:+laRtzCc0
M16には、小さな円のリアサイトとフロントサイトが合計で二つある。
どちらのサイトを覗きこんでも、ある程度の正確な射撃ができる。
素材に特殊プラスチックを多用する事によって、軽量化に成功している。
AK47を大雑把とすると、M16は精密な銃であった。

一方、AK47のフロントサイトはCの形をしており、円を描いてはいない。
更に、リアサイトも粗雑で、精密射撃とはほとんど無縁である。
金属と木で作られずっしりとした重みが付きまといながらも、その構造は簡単であるため手入れは簡単である。
そして、威力がM16と大きく違う。

コンクリートに小さなクレーターを作る程度のM16に比べ、AK47はコンクリートを貫通できる。
連射速度では劣るものの、その威力と信頼性が見込まれ、今では数多くの紛争地域に広まっている。
故についた名は、"小さな大量破壊兵器"。
価格も一部地域では30ドル以下で購入できるほどだ。

つまり、持久戦ともなれば得物の性能こそが勝敗を決める。
この砂嵐の中では、持久戦を望まなくとも早くに勝敗は決するだろう。
連中がこちらの部隊を探している間にも、刻一刻と砂塵は銃の性能を蝕む。

『姉御、連中のヘリ一機がそっちに向かっているそうです』

インカムから響いた部下の声を聞き、ヒートは樮笑んだ。
軍事大国であるあの国のことだ、物量と質量の投入でこの戦争を早期終結させる魂胆だろう。
傭兵で構成されたこの国の部隊に、そこまで力を注ぐ理由は明白である。
この国の地下に眠る豊かな地下資源。

まぁ、それが無ければヒート達は雇われなかったわけだが。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:33:31.96 ID:+laRtzCc0
ノパ゚)「連中の辞書の先頭に、ファッキンを載せてやれ」

『Roger that. Move out!』

多国籍軍と言い換えてもいい程の人種で構成されたこの傭兵部隊を指揮するヒートは、数人の部下を率いて最前線で奮闘していた。
せいぜい十人程度のこちらに対して、向こうは三十人。
傍から見ればこちらが不利な戦況ではあるが、現実は違う。
この都の建造物が如何なる素材で出来ているかを知らない連中など、恐れる必要もない。

この都において、遮蔽物はそれほど意味がない。
RPG-7を撃てば、最悪の場合は建物が倒壊する事もある。
M16では貫通できなくとも、こちらのAK47では建物の壁の貫通が可能だ。

『ヘリを視認しました。 後三秒後にそちらの上空に到着します。
 種類は、UH-60です』

そして、ヒートの耳に届いたのは遠くから響くローターの回転音。
五枚羽の機械仕掛けの黒鷹の羽音。
多目的、強襲用ヘリコプター。
UH-60、ブラックホークである。

ノパ゚)「目標視認。 連中の頭の上に落としてやれば、なかなか面白いぞ」

『ヤヴォール』



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:37:52.76 ID:+laRtzCc0
ブラックホークが味方の予告通り、上空に現れた。
その姿は、この戦場においては格好の標的であると同時に敵の増援の証でもある。
鷹は、地に墜ちるのがこの国の流儀だ。
まぁ、それはヒートが勝手に考えたことだが。

(;゚ω゚)「RPG!」

ようやく敵がこちらの意図に気付いたらしい。
だが、その時にはもう遅い。
ヘリコプターの弱点であるテイルローターへ向けて放たれたRPGの弾頭は、回避不可能な位置にまで接近している。
直後に訪れたのは、可愛らしい破壊音と醜い爆発音の二重奏。

テイルローターを破壊されたブラックホークは、これからロープ降下をしようとしていたのだろう。
狂ったように踊り回る機体から、数人が投げ出された。
戦場に投入されて死ねたのだ、文句はあるまい。
三十メートル上空から遠心力に従って放り出された連中が辿るのは、頭が地面に吸い込まれる運命だけである。

黒煙を吐きだす機体が地面へと誘われる。
熱い熱い接吻を交わすまで、まだ少しの時間がある。
二発目のRPGの弾頭が、メインローターに容赦のない追撃。

ノパ゚)「おねーさんからの、あっついプレゼントを頂きな」

そう言って、ヒートは親指で地面を指し、続けて中指を立てた。

――――――――――――――――――――



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:44:12.18 ID:+laRtzCc0
本部のベースキャンプに帰った時には、すっかり日が暮れ、黄昏になっていた。
あの勘違い阿婆擦れ女神も、この時ばかりは感動するほどの美しさをひけらかす。
ベースキャンプは、この都の外れにある天然のオアシスを中心に建てられていた。
基地の中に生えている数本の椰子の木の間から見える夕陽は、この戦場における数少ない癒しの一つだ。

今日もこうして夕陽を見れるのは、生きてこのベースキャンプに帰ってきた者だけである。
そして、帰ってこれなかった者は夕陽を拝むことなく骸となって砂へと帰す。
本日は阿婆擦れ女神様の機嫌が良かったのだろう、誰一人として欠けることは無かった。
当初は三千人近くいた部隊も、今では三百人程度になって、寂しいものになっている。

砂を篩に掛ける様に、残されたのは大粒の手練だけ。
新兵は当の昔に死に絶えた。
そんな状況の中、鼻腔を擽るのは芳ばしい香辛料の香り。
この都の伝統的な料理は、生者を尊び、死者を敬う意味があるらしい。

そんな事をヒート達に自慢げに語ったしょぼくれ顔のコック長は、先日流れ弾に当たって還らぬ人になった。
時折見せた笑顔が、今では懐かしくすらある。
彼に代わって料理を振舞ってくれているのは、嬉しいかな現地の人々だった。
この国の利権争いに巻き込まれた自分達を助けてくれるヒート達に、少しでも恩を返したいと願い出たのだ。

本来なら、この部隊の最高責任者がそれを丁重に断るのだが、今は事情が違う。
先週までいた最高責任者は何を思ったか敵の真ん中に単身突っ込み、体中に巻きつけたC4もろとも砕け散った。
今では、ヒートがこの部隊の最高責任者である。
人の三倍の燃料を必要とするヒートが、おいしい料理を振舞ってくれるという彼らを拒む理由は無い。

本日もそれらを完食し、住民たちに別れと感謝を告げる。
いつの間にか夜も更け、ヒート達はいつものように夜の会談を始めた。
こうして皆の連携を強める事こそが、この過酷な戦場で長生きする為の秘訣である。
毎日違った話題で盛り上がり、互いに理解と絆を深め合う。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:51:18.38 ID:+laRtzCc0
ヒートは隊長と言うよりも、隊の姉と言った方が適切なのかもしれない。
部隊の中で唯一の女であるヒートは、人一倍気が強く、そして優しかった。
隊の中にはヒートよりも歳が上の者もいるが、そんな事は些細なものだ。
姉として相談に乗り、皆をまとめ上げるその姿は、荒野に咲く一輪の華にも似ている。

"戦乙女"の渾名で恐れられるヒートは、これでも立派な乙女ある。
決して口にはしないが、ヒートには夢があった。
とても小さな、微笑ましい夢が。

('A`)「姉御、どうしました?」

ノパ゚)「ん? 何でもない、気にせず続けろ」

完全に自分の世界に入っていたヒートを、ドクオの声が現実に引き戻した。
ドクオはこの部隊の中でも一番年下ではあるが、その腕はなかなかの物だ。
戦争とは無縁の島国から来た彼は、祖国にいる姉について話していた。

('A`)「…って言ったらですね。 これが顔を真っ赤にして―――」

幼少期、ドクオが姉に本気で求婚した時の話だ。
その頃のドクオが、近親婚は禁止であるという事など知る筈もなかった。
だから、ドクオは美人の姉に求婚したそうだ。

川;゚ -゚)『え、いや、その―――』



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:54:08.57 ID:+laRtzCc0
困った顔で、幼いドクオを気づ付けまいと知恵を振り絞り、姉が出した答えは。

川 ゚ -゚)『お前が、大人になったらな』

実に模範的な姉らしい回答だったそうだ。
そう言った微笑ましい話は、この殺伐とした戦場にある数少ない安らぎの一つだ。
続いて、最古参のギコが必死に白髪混じりの頭をひねって適切な話題を絞り出し、口を開いた。

(,,゚Д゚)「ウチの娘が、五歳の誕生日になった時なんだがな―――」

ギコは隊の中でも珍しく、妻子持ちだ。
妻と娘を溺愛し、その溺愛っぷりは隊で知らない者はいない程だ。
ドッグタグと共に二人の写真を首から下げているのを、見たことが無い者はいない。
ヒートは見たことがないが、尻には二人の名前の刺青が彫ってあるらしい。

ギコの娘は、おてんばでよくギコを困らせていたそうだ。
女の子らしくない服装を好み、男の子のような口を利く。
四歳の誕生日の際に、フリフリの服をプレゼントしたらギコは腹部に強烈な右ストレートをお見舞いされた。
そんな娘でも、ギコには愛娘以外の何者でもない。

五歳の誕生日に、ギコは懲りずにゴッシクな服をプレゼントした。
だが、今度は脛にミニデンプシーロールを見舞われ、大人げなくも泣いたそうだ。
涙ながらに、娘にその理由を聞いたら、ギコは更に泣いてしまった



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 23:58:37.49 ID:+laRtzCc0
(,,゚Д゚)『なぁ、パパのプレゼントは何が気に入らないんだ?
    つーは女の子なんだから、こういうのが好きなんじゃないのか?』

(*゚∀゚)『だって、パパはこんなの着ないじゃん!』

(,,゚Д゚)『どういうことだゴルァ?』

(*゚∀゚)『つー、パパが大好き! だから、パパみたいな人になりたいの!
     パパみたいな格好いい人になるの!』

(,,;Д;)『おおぅ?!』

それ以降、ギコが娘にエアガンや戦車のプラモデルを買い与えた結果。
妻から性的な折檻を受けたそうだ。

('、`*川『たまには、女の気持ちを理解してもらおうかしら』

談笑が絶えず基地に響き、夜は更ける。
一通り話が終わり、ちょうど就寝時間になった。
手を叩いて起立し、全員に聞こえる声量で話の終わりを告げた。

ノパ゚)「さーて、全員そろそろ就寝時間だ。
     今日は私が最初の三時間を監視するから、全員きちんと寝ろよ!」

『ヤー!』

姉の号令に返って来たのは、ほとんど一つに重なって聞こえる返事だった。
せわしなく宿舎に戻って行く彼らを見届け、ヒートは一人監視塔に登る。
このキャンプ内で、ヒートが一番好きな場所がここだ。
眼下に広がる砂漠、そして都の頼りない明かり。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:01:32.99 ID:HiBDnBnh0
夜空に広がる満天の星空。
砂塵に霞む白銀の月。
こんな夜は、一人でこうしているのが何より心が落ち着く。
気を利かせた部下もとい弟が、宿舎でギターを奏でている。

確か、ギターが趣味と言っていたのはトラギコだった。
ギコの兄で、かつてはその道を目指したそうだ。
残念ながら、機会に恵まれなかったため、最終的にこの職に就いたとの事だ。

ノパ゚)「っと、そうだ…」

先ほど基地に来た人々は、大人だけではなかった。
ヒート達に危ういところを救われた子供たちが、感謝の言葉を述べに来たのだ。
その中で、一人の女の子がヒートに素敵なプレゼントをくれた。
ヒナギクで編まれた花輪である。

ヒートはそれを頭に被ったままだったのを思い出し、そっと取り外した。
小さな子供の手で精いっぱい編み込んだのだろう、素朴で簡素ながらもしっかりとした作りをしている。
明日にでもなれば枯れてしまいそうだったが、ヒートにとってそれは掛替えのない宝物だ。
これまでプレゼントとは無縁の生活を送ってきたヒートにとって、どんなプレゼントでも宝物である。

それを大事にバックパックにしまい込み、代わりにヒートは双眼鏡を取り出した。
夜空に紛れてブラックホークが来ていないか、敵が進行していないかを確認する。

どうやら、今夜は静かに眠れそうだ。

――――――――――――――――――――



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:04:52.14 ID:HiBDnBnh0
この戦争が始まったのは、今から三年前に遡る。
文字通り、血で血を洗い流す戦争が始まった原因は、たった一発の銃弾だった。
大国の軍事介入によって治安が不安定となったこの国で、一人の革命家が立ち上がった。
彼は国に駐在する他国の軍隊を撤退させ、自分達の手で政治をしようと試みたのだ。

だが、それを大国が快く思うはずがない。
利権争いの末にようやく手に入れたこの国の統治権を、やすやす手渡すのは面白くないのだ。
難癖を付けてその思想を踏みにじった。
それでも彼は諦めなかった。

そして、いつものように彼が演説をしていたその時。
PSG-1から放たれた一発の銃弾が、彼の演説と生命を絶った。
狙撃をした者はその場で射殺されたが、その者が大国に雇われたことは言うまでもない。
大国は頑なに否定したが、国民がそれを信じる理由はどこにもない。

自分達を導いてくれるはずだった者を失った国民は、自我を忘れた獣のようだった。
怒りの向かう先は当然、寄生虫のように駐在する他国の軍隊だ。
安価で手に入る銃器を持ち、彼らは一つの基地を襲撃した。
一夜にしてその基地が陥落したのは、何も軍隊が府抜けきっていた訳ではない。

少年兵に対しては多少の免疫があろうとも、少女、老人、女の兵士に対しては免疫は無かった。
戦術に精通した者が、仲間内にいたのだろう。
最初に数人の女が、差し入れと称して基地のゲートを開けさせる。
料理に大量の睡眠薬を混入し、基地内の殆どの兵士をまどろみに堕とす。

異常事態に気づいた兵士も、遅れて侵入した少女兵に呆気なく制圧された。
人質に銃口を突き付けられては、流石の彼らも手出しが出来ない。
肌着一枚にされ、別の基地の付近に放置した手際は賛嘆に値した。
一つの基地を陥落させたのにも拘らず、敵味方共に一人の死者も出さなかった。



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:08:32.04 ID:HiBDnBnh0
自分達の土地を取り返したのだから、全く持って問題は無いはずだった。
だが、大国はそうは思わなかった。
住民をテロリスト、ゲリラとして排除する事を決定。
連日連夜、テロリスト撲滅の名の元に、無差別に空爆を開始した。

そもそも、軍事介入された事自体は些細なことだった。
"この国のどこかにいる悪質なテロリスト"、を捕える為。
その組織の撲滅を名目に、世界でも筆頭に挙げられる大国が軍事介入を宣言。
この背景には、その大国が経済的に不安定な状況にあった事が挙げられる。

戦争は経済が活発化すると同時に、人類が発展する為の最も簡単な手段である。
それを長い歴史の中で学んだ大国は、それを実行に移した。
国連の反対を押し切り、他の二、三国を率いてこの国に上陸した。
国民にとっては迷惑千万な話ではあったが、たかが国民には何も変えられなかった。

この国には、そもそも軍隊が存在しない。
平和主義なこの国が他国に攻められたりした場合、傭兵部隊を雇うのが長年の伝統だった。
過去に他国が攻め入った時も、傭兵部隊を雇い入れてそれを撃退した歴史が何度もある。
傭兵部隊を雇う資金は、豊かな地下資源がそれを補った。

軍事大国に加勢した国の目的は、その地下資源でもあった。
戦争で勝てば、この国から多額の賠償金を得られる。
更には地下資源もおいしく頂ける寸法だ。
故に、彼らは惜しげもなく最新式の武装で固めた軍隊を投入した。

だが、それを迎え撃つ傭兵部隊は大国の軍隊を凌ぐほどの手練で構成されていた。
潤沢な資金に物を言わせ、最高の傭兵達を雇ったのだ。
傭兵一個小隊で、大国の一個大隊にも匹敵するその武力は、大国の予想を大きく裏切った。
大国が得意としていた空戦も、手練の傭兵部隊相手には無力だった。



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:14:09.52 ID:HiBDnBnh0
F-22ラプターの一個中隊を、こちらのSu-37ターミネーター三機で壊滅させた結果を見ればその事は明らかだった。
戦闘機同士の戦闘を生き延びてきた手練達が、機体性能に頼りきった新兵を屠るなど、トマトを握り潰すより簡単だ。
戦闘機による制圧を早々に切り上げた大国は、最も優秀な地上部隊を怒涛の如く繰り出した。
だが、それでも新兵が多い部隊で手練の傭兵部隊に敵うはずもない。

新たな銃器のテストも兼ねた部隊は、ヒート率いる部隊に尽く全滅させられた。
50口径のM2重機関銃で武装したハンヴィーの先行部隊は、事前に仕掛けられた対戦車地雷で面白いように吹き飛んだ。
いくら強力なM2で武装していようとも、所詮は車である。
三千の兵士相手に導入された敵の数は、最終的には二万にも及んだ。

物量の投下によって、徐々にではあるが傭兵部隊の数は減って行った。
そして、今の数に至る。

――――――――――――――――――――

朝陽が眩しい。
それだけではない、長袖長ズボンの迷彩服と、ヘルメットの影響でクソ暑い。
翌朝、ヒート達は再び戦場にいた。
今度はたんまりと弾薬と水を持って来ている。

今日の敵部隊の目的は、昨日墜としたブラックホーク、そして戦場に残っている負傷者の回収に来たのだろう。
ヒート達の目的は、この国と都の防衛であり、虐殺ではない。
墜としたブラックホークに、負傷者や死者を置いてきた位置を記した張り紙をしてきた。
これなら、相手はすぐに帰ってくれるだろう。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:19:52.42 ID:HiBDnBnh0
AK47の弾とてタダではない、争いなく終わってくれれば無駄な出費はしないですむ。
だが、その考えが甘かった。
十両近くのハンヴィーが負傷者たちを回収し終わり、次に来たのは三機のMi-24V。
通称"ハインドE"である。

対人攻撃用ヘリの中でも、最強の称号を持つそれは、言いかえれば虐殺の為の兵器だ。
おまけに、センサーポッドがサーモに換装されている。
相手がその気になれば、この都にいる生物は全滅だ。
ヒート達に出来る事と言えば、RPG-7で威嚇程度の射撃をすることだけ。

ロープ降下中ならまだしも、飛行中の戦闘ヘリ相手に、RPGを当てるなどそうそう出来る事ではない。
スティンガーか、ジャベリンでもあれば話は違う。
蚊を叩き落とすようにヘリを落とせるその兵器は、生憎ヒート達は持ち合わせてなかった。
こうして民家の地下室を隠れ蓑にさせてもらっているが、敵がこちらの部隊を見つけるのに時間はそれほど掛からないはずだ。

率いてきた部隊は、約百人。
残りを基地に残してきたことを、ヒートは内心で得熟していた。
基地には一応、対空砲と対空機銃がある。
最悪の場合、この都の住人を基地に避難させられる。

いざとなれば、基地から三キロ先にある赤十字野戦病院に避難も可能だ。
だが、不幸にもハインドに見つかった通信兵が通信機ごと吹き飛ばされた今となっては、それを基地に伝える事も叶わない。
彼は最後まで、通信機に手を伸ばしていた。
彼は、この戦場で死ねたのだ。

それだけが幸いである。
残った部下も散り散りになり、この地下室にいるのは三十人。
他の七十人近くはハインドの餌食になったか、同じくどこかに隠れているだろう。
覚悟していたとはいえ、これが最後の戦場になるかもしれない。



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:24:55.46 ID:HiBDnBnh0
近くで爆発音。
そして次に響いたのは無限軌道が地面を踏みしめる音。
この戦場で、無限軌道を有する乗り物と言えば一つしかない。
戦車である。

だが、音から察する重量は尋常ではない。
最新式の戦車を導入したのだろうか、通常の離帯音の三倍近くの重音だ。
最後の相手としては、文句は無い。
コルトの豆鉄砲で死ぬよりは、派手に死んだ方が悔しくもない。

幸いと言うべきか、対戦車地雷とC4は経験上持ち歩いている。
いざとなれば、これを戦車の下にでも仕掛ければ勝ちだ。
あくまでも、最終手段であるが。

ノパ゚)「だれか、AMR持って… ないよな」

対物ライフルによるゼロ距離射撃を、一番装甲の薄いであろう天井から慣行すればあるいはと思ったのだが。
さて、あの化け物戦車をどうにかしなければ、空にいるハインドに対する策もままならない。
こちらの得物はAK47とSVDが、よくてRPG-7が関の山だ。
戦車の主砲と比べれば、BB弾とソフトボールほどの違いである。

朝っぱらからこんな状況になるとは、思いもしなかった。
兎にも角にも、この場から移動するとしよう。

ノパ゚)「五人、あたしについて来い。
     残りは住民の避難を最優先に行動しろ。
     あたしについてくる奴らは、避難が完了するまでの間の囮だ」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:31:19.85 ID:HiBDnBnh0
その言葉に、最初から決まっていたかのように手を上げたのは、五人の精鋭だった。
ドクオ、ギコ、トラギコ、シャキン、クックルである。
シャキンはCQCの使い手、クックルは肉弾戦の達人だ。
囮としては文句なしの、最高のメンバーだった。

そして、残りの25人はこの都の住民の避難を担当する。
サーモは、生憎と民間人と兵士の区別がつけられない。
下手に外に民間人が出ようものなら、無差別に殺されるのは必至だ。
それを護るということは、この上ない名誉でもある。

姉を死地に送るというのは気が引けるが、五人の精鋭が付くのだから。
共に行き、そして生きたい衝動を抑えなければ、ヒートの足枷になってしまう。
自分達の代わりに、最愛の姉を護ってくれよと心で祈る。
その祈りを受ける五人も、そんな事は重々把握している。

互いに無言の別れを告げ、囮であるヒート達が先に地下室を後にした。
さよならは告げず、心で告げる言葉はただ一つ。

『また、会おう』

――――――――――――――――――――

それは、戦車と言うよりも動く弾薬庫だった。
前面に付けた四門の30ミリバルカン砲からは、劣化ウラン弾の驟雨。
主砲は二門、120ミリ弾を正確無比に放つ。
無限軌道は二対づつ、装甲の薄い部分は追加装甲で補っている。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:35:34.19 ID:HiBDnBnh0
全長は通常の戦車の三倍ほど、戦車ですら轢き壊すだろう。
ただ一つの弱点を上げるとすれば、無限軌道同士の間、下がガラ空きだということだけだ。
だが、この装甲の厚さならば対戦車地雷もC4も効果は期待できない。
AK47に付けたグレネードを、戦車のむき出しの弱点である無限軌道に当てたが効果は皆無だった。

RPG-7も撃ちこんでもみたが、貫通するどころか踏み潰されてしまった。
化け物の名を与えても何ら問題は無いだろう。
車体に刻まれていたのは、この化け物の名前だった。

『Jormungand』

北欧神話に登場する化け物の名だ。
ならば、我々が神話を殺し、壊し、犯してやる。
蛇姦の趣味はないが。

ノパ゚)「クックル!
     こっちで注意を引きつけてる間に、奴らの化け物を乗っ取れ!」

建物の影で伏せていたヒートが、傍らに控えるクックルに命じた。
クックルの筋肉は、常人の三倍ほど。
あの戦車と倍率で言ったら同じだ。

( ゚∋゚)「了解でごわ!」

クックルが駆けるのと、ドクオの放り投げたスモークグレネードが煙幕を吐きだしたのは同時だった。
同時に、ヒート達はその場から素早く退去している。
出来るだけ相手に視認させ、こちらに夢中になってもらう。
その間、クックルは持前の筋肉によって生まれた爆発的な俊敏さで戦車に接近する。



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:40:06.64 ID:HiBDnBnh0
劣化ウラン弾の驟雨の中、ヒート達の思考はいたって冷静だった。
当たれば必殺のその弾は、人体をまるで水風船のように吹き飛ばす。
掠めただけでその部位をもぎ取られ、辺りに放射線を撒き散らす。
あの弾丸ならば、この都の建造物の全てが皆無と化すだろう。

だが、ヒート達が冷静なのには理由があった。
いくら化け物のような武装で固めていようが、その砲塔が回る速度はヒート達の全力疾走には敵わない。
土塊に還る建物が倒壊をはじめ、いよいよこの茶番も終いだ。
クックルの巨体が、戦車の上部に取り憑いた。

上部ハッチを強引に開き、内部に巨体が侵入する。
それからしばらくして、30ミリバルカン砲が回転を止めた。
ハッチを開いて出てきたクックルが、親指を立てる。

( ゚∋゚)「こいつ、使うでごわす!」

これで脅威を一つ減らせた。
ならば、これを使ってすることは一つ。

ノパ゚)「ハインドをこいつで叩き墜とす!」

せっかく武装も充実しているのだ、これを使えば、あの化け物も墜とすことができる。
だが、ハインドは全部で三機もいる。
果たして、敵がこの戦車に群がってくるかどうか。

( ゚∋゚)「通信機があるでごわす。
     連中をここの呼び寄せて、一気に叩くでどうでごわすか?」

ヒートは少しの間思案し、すぐに答えを出した。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:44:44.12 ID:HiBDnBnh0
ノパ゚)「連中の地上部隊がまだいる。
     あたし達はそっちの陽動をするから、ハインドは一人で相手する事になる。
     ……できるか?」

六人しかいないメンバーを、この場に残すのは効果的ではない。
効果的に敵の注意をこちらに注がせるには、より広い範囲での展開が好ましい。
だから、クックルには悪いがここでハインドの注意を引いてもらう。
最悪の場合、クックルはここで戦死してしまうかもしれない。

つまり、ここに一人で残るということは死んだも同然なのだ。
それを快く引き受けてくれるか、そんな事はヒートには分からない。
誰だって、死ぬのは怖いのだ。
それでもクックルは、いつものように舌足らずな英語でこう返した。

( ゚∋゚)「Roger that」

思えば、彼はいつでも人がしないことを進んで引き受けていた。
見かけとは裏腹に優しい心の持ち主で、ここの住民にも好かれていた。
特に子供を相手に遊ぶのが好きだったらしく、戦闘の無い日はいつも子供たちと陽が落ちるまで遊んでいた。
妻子はおらず、天涯孤独の身である彼は誰よりも優しかった。

だから、彼はこの死刑宣告にも似た命令を快く引き受けてくれたのだ。
ヒート達に出来る事は、彼の無事を祈ることと、後一つだけ。

ノパ゚)「また、会おう」

そう言って、ヒート達は建物伝いに都の中央部へと急ぐ。
後に残されたクックルは、備え付けの無線機を操作し、HQ(本部)に連絡を入れる。



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:50:24.06 ID:HiBDnBnh0
( ゚∋゚)「ヨルムンガンドより空中のハインド。
     この戦車はいただいたでごわす!
     手前等の基地が、何分もつか楽しみでごわす!」

連絡を切り、中であり得ない方向に首が曲がった操縦士達の襟首を掴む。
そのまま外に放り出し、装甲の上に乗せる。
これなら、上空からこの戦車の状況が分かるはずだ。
仲間を殺られた連中は、誘蛾灯に群がる虫のようにこの戦車を狙ってくる。

レーダーに機影。
いよいよ本番である。
生涯最後の戦いが、こんな華やかでいいのだろうか。
操縦桿を動かし、戦車を前進させる。

四つの無限軌道が地面を踏み潰し、化け物の唸り声が鳴り響く。
レーダーに映った機影の数は、三。
見事にこちらの意図どおりに動いてくれた。
いくらこの戦車が丈夫であろうとも、三機のハインドが放つロケット弾の雨を浴びればタダでは済まないはずだ。

主砲の射線軸をこちらに向かってくる死の使いに合わせる。
二門装備している主砲の直撃ならば、いくら相手がハインドであろうとも一撃で墜とせる。
初弾で二機撃墜できたとしても、一機残ってしまうが問題はない。
出来るだけ相手の攻撃を受けるリスクを減らし、勝利することが最重要課題だ。

後十秒後には、相手が目視距離に入る。
肉弾戦が専門であるクックルは、射撃が苦手だった。
ましてや、狙撃にも近い距離からの射撃など成功するかどうか。
コンピューター制御されたこの戦車のおかげで、それは杞憂に終わるだろう。



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:52:32.17 ID:HiBDnBnh0
だが、この都では最終的な微調整は自らの手でしなければいけない。
砲身を微かに右にずらす。
この都の上空に吹く熱風は、これまでにもよくRPG-7の弾を曲げてきた。
女神の息吹と言えば聞こえはいいが、その風の存在は厄介極まりなかった。

敵のヘリを墜とすために撃った弾が逸れて、射撃手の居場所が割れる。
そうしたら、後はヘリに備え付けられたミニガンの斉射を浴びてハチの巣になる。
これまで仲間があの風のせいで何人も死んで来たのだ、この事を知らないはずがなかった。
どうか、今この時だけはその風が味方してくれればいいのに。

クックルは静かに目を閉じた。

幼少期、彼には心優しい母がいた。
他の子供と比べて言葉を覚えるのが苦手だった彼の唯一の味方は、その母親だった。
皆が数学を学んでいるときに、クックルは文字を覚えた。
学校から帰り、家で受ける母の授業が何よりも楽しかった。

手製の教科書。
冷えた体を温める手製のスープ。
母が編んでくれたマフラー、手袋をはずして鉛筆を手に取る。
暖かな空気の中で学んだことは、人を愛する事。

ただでさえ体が弱かった母親の代わりに、クックルは学校を中退して働いた。
朝は新聞配達と牛乳の配達。
昼から夕方までは近所の理解ある人の工場で力仕事。
そして、帰って来て母親の授業を受けるのだ。



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 00:57:54.96 ID:HiBDnBnh0
初めて入った給料で、クックルは母親に指輪を買った。
決して高級なものではなかったが、母親は泣いて喜んでくれた。
それが誇らしくて、クックルも思わず泣いてしまった。
クックルが成人してもなお、クックルは母親の授業を受け続けた。

学んだのは語学、道徳だけだった。
そんなある日、母親は翌日に誕生日を控えたクックルに早めのプレゼントを渡した。
そのプレゼントは、クックルが母親に買ったのと同じ型の指輪だった。
残念ながら、クックルの指に合う指輪のサイズが無かったため、鎖を通してネックレスにした。

それを誇らしげに首に下げ、クックルは久しぶりに心から喜んだ。
それを微笑みながら見る母の眼差しは、とても温かかった。
母親がこの世を去ったのは、その翌日のことだった。
クックルの誕生日を迎え、気が緩んだのだろう。

最後にクックルを呼び寄せ、呟いた事は一言だけ。

从'ー'从『"ありがとう"、ね』

その言葉は、クックルが生涯忘れる事の出来ない一言になった。
そして、異国人だった母親がクックルに教えた最後の言葉。
この国の言葉で『Danke schoen』
異国の地の言葉ながらも、クックルは本能的にその言葉の意味を知った。

悲しみに打ちひしがれ、一時期は自らの命を断とうとさえ思った。
だが、母親がくれた命を自ら断つなどできなかった。
ならば、誰かの役に立ってこの命を散らせよう。
そう思い立って、クックルは傭兵になったのだ。



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:02:01.02 ID:HiBDnBnh0
これまで数多くの戦場を駆け抜け、クックルはこの世の中の真理を見つけた。
戦場に正義は無く、あるのは大義名分。
だが、クックルは同時に一人の戦友と出会った。
それこそが、ヒートである。

これまでクックルを避けてきた人と違い、ヒートは分け隔てなくクックルに接してくれた。
クックルにとって二人目の理解者であると同時に、本当の姉のような人だった。
彼女はいつだってクックルに新しいことを教えてくれた。
異国の地にある珍しい食べ物。

他国にある独自の発展を遂げた都。
祖国にいる変わった人の面白い話。
自国にあった不思議な言い伝え。
全てが新鮮で、興味が尽きる事は無かった。

この戦場に来たのも、彼女の影響だ。
彼女がこの戦場に行くというので、クックルも参加したのだ。

走馬燈とは、ひょっとしたらこの事なのかもしれない。
一瞬の間に見たこれまでの記憶は、全てが懐かしい。
こんな気持ちになれたのならば、死んでも構わないだろう。
ハインド三機相手に生きて残れるのは、ヒートぐらいしかいない。

主砲の射程内に、敵が入る。

敵が弾を撃つより早く、こちらの主砲が火を噴く。
地獄の獣の咆哮が二つ同時に響く。
戦車を襲う反動。
120ミリ弾がハインドに当たるより早く、ハインドの吊っていた赤外線ホーミングのミサイルが投下される。



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:05:43.00 ID:HiBDnBnh0
直撃する120ミリ砲。
爆散する二機のハインド。
そして、正面に接近する五本のミサイル。
先の反動とは比べ物にならない衝撃。

全てが一瞬の出来事だった。
この戦車に追加装甲が付けられていなければ、クックルはそのまま爆死していただろう。
辛うじてそれは避けられたものの、頼みの綱の主砲が二門とも破壊されてしまった。
残る武装は30ミリバルカン砲のみ。

劣化ウラン弾ならば、あのヘリを墜とすことも可能だ。
ただし、この都に放射能を撒き散らしてしまう。
まだ避難は完了していないのだ、撃つわけにはいかない。
万策尽きたか?

―――否。
まだこの体が残っている。
この体ならば、まだ戦う術がある。
数多くの戦場でこの命を護り、敵を屠ってきたこの体ならば可能。

ヘリの弱点を直接攻めれば、この体一つで十分だ。
適当な錘と、ロープを見繕う。
その二つを結び合わせ、即席の投擲具を作る。
ボーラである。

これならば、あのローターに投げつけて墜落を誘発することが可能だ。
錘の代わりに手溜弾を結びつけたので、まず間違いなく墜ちる。
問題は、どうやってこれをあのローターに投げつけるかだ。
ハッチを開け、体を外に出す。



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:10:52.89 ID:HiBDnBnh0
目の前で味方が二機墜とされ、怖気づいたのだろうか。
大きく旋回して再びこちらに向かってくる。
機首が真っ直ぐこっちを捉えている。
正面切った撃ち合いで、こちらを屠るつもりだろう。

上体を大きく捻る。
片手に構えるボーラの投擲に用いるのは、生涯最大の力。
ハンマー投げの世界記録は、86メートル74。
こちらからハインドまでの距離は、有に二百メートル。

おまけに相手は上空。
飛ばすとしたら三百メートルを越える勢いで投げなければ、到底ローターには届かない。
ハインドがこちらに接近する。
距離が縮む。

残り百五十メートル。
機銃が火を噴く。
左腕が、吹き飛んだ。

残り百メートル。
銃弾が心臓を貫いた。
視界が、霞む。

限界まで蓄えた力が、放たれた。

(#゚∋゚)「ごわああああああああああああああああああああああああああ!!」

最後にクックルが思った事は、ヒートに対する感謝の言葉。
掻き消える命の中で、小さく呟く祖国の言葉。
首に掛けた指輪の感覚だけが、現世とクックルの意識を繋いでいる。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:16:16.48 ID:HiBDnBnh0
『仲間の為に命を懸けさせてくれて、ありがとう』

コントロールを失ったハインドが、クックルごと戦車を押しつぶした。

――――――――――――――――――――

後方で上がった爆音の意味を、誰もが理解していた。
だから、誰も口にはしない。
都の中心にある噴水の周囲は、敵の部隊が陣を作っている真っ最中だった。
御約束となりつつあるM2重機関銃を搭載したハンヴィーが五両。

敵の注意を惹きつけるには、格好の的だ。
手にしたAK47の銃把を握りしめ、ヒート達は民家の二階にある一室で作戦を練っていた。
この都から住民を避難させる為には、この中心部に陣取られていると厄介だ。
いくら避難民と言っても、奴らが耳を貸さないことは目に見えている。

ここで奴らを殲滅、もしくは別の場所に誘導しなければ障害となり、避難が出来ない。
ここに残すのは二人。
一人では荷が重く、二人でもまだ重い。
だが、此処で割ける限界の数が二名なのだ。

つまり、残った五人の中でも戦闘技術が長けている者を残す。
そこで立候補したのが、シャキンとトラギコだった。
トラギコはSVDを使った狙撃が得意で、シャキンは白兵戦が得意なのだ。
確かにこの二人ならば、この状況を変える事が出来るかもしれない。

ノパ゚)「オーケー、お前達なら文句はない。
     後でまた会おう」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:20:55.52 ID:HiBDnBnh0
そう言ってヒートは、ドクオとギコを引き連れて民家を後にした。
残されたのはシャキンと、トラギコ。
そして、トラギコが口を開いた。

(=゚д゚)「まさか、こんな事になるとは思わなかったラギ」

肩に掛けていたSVDを構えながら、トラギコはシャキンに目を向けた

(=゚д゚)「まったく、因果なもんラギよ」

(`・ω・´)「そうだな。 でも、俺は今ひどく嬉しい。
      惚れた姉に頼られて、それが最後の任務になるんだ、これ以上の喜びは無いよ」

問いかけられたシャキンは、言葉通りどこか嬉しそうな顔をしている。
この状況でよくもまぁ、そんな顔が出来るな。
そうトラギコは内心で笑った。

(=゚д゚)「結局、お互いに言いそびれちまったラギね」

気が付けば、トラギコも同じような笑みを浮かべていた。

(`・ω・´)「姉御に惚れた者同士、姉御に頼られるとはね。
      確かに因果かもしれない。
      でも、それはそれでいいのかもな」

どこか自嘲気味なその言葉は、トラギコが思ったことと同じだった。

(=゚д゚)「そうラギね。
    姉御は姉御であって、想い人にはなれないラギ。
    生き残って、姉御に想いを伝えればあるいは」



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:26:06.67 ID:HiBDnBnh0
そう言って、二人は拳をぶつけ合って微笑んだ。
悲しみを帯びた、憂いの微笑み。
果たせそうもない約束を交わし合い、シャキンは両脇に下げたナイフ付きの拳銃を取り出す。
トラギコは、SVDを窓べりに乗せ、すぐ近くの壁にRPG-7を立て掛けた。

目線だけで合図を送り、シャキンが民家から飛び出した。
いくら状況が絶望的とはいえ、無暗やたらに飛び出して特攻なんぞしない。
ただ、静かに奴らの前に現れてやればいい。
サプレッサーを付けた改造SVDの援護さえあれば、敵はシャキンにだけ注意を注ぐ。

案の定、民家から出てすぐの場所にいた敵がシャキンに気づいた。
何やら喚いているが、そんな事は耳に届いていないだろう。
喚きながら肉塊になった敵が二名、地に伏す。
50口径のデザートイーグルの直撃を受ければ、人間の頭なんぞスイカと同じだ。

そして、シャキンが駆けだした。
銃声に気づいた周りの兵士がM16を、M2の銃口をシャキンに向ける。
背後に脳漿をぶちまけたのは、M2重機関銃の銃座に付いていた兵士だった。
サプレッサーを付けたSVDの援護に気づいた者はいない。

二丁拳銃の構え、銀色に光るデザートイーグル。
銃身下に付けたナイフ。
その装備で単身やってきたシャキンに、敵は目が釘付けになるのだ。
そして、M16で応戦してもシャキンにその弾は当たらない。

熱砂の加護を受けたシャキンに、照準をまともに合わせられないのだ。
今日ばかりは、この女神様に感謝をしよう。
撃ち尽くしたSVDの弾倉を排出し、素早く新たな弾倉に交換する。
その間にもシャキンは、敵の只中に入り込む。



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:33:22.44 ID:HiBDnBnh0
ナイフで喉元を切り裂き、近くで銃口を向けてきた敵の心臓を銃弾で血煙りに変える。
体を深く屈め、銃弾を回避する。
もし正確に連中が撃ったとしても、熱砂とこの風で弾道が逸れるのだ。
そう簡単にシャキンに当たる道理がない。

SVDから放たれるラシアン弾が、容赦なく敵の眉間を、こめかみを撃ち砕く。
脳漿が散り、絶叫が、恐怖が伝染する。
M2の銃座に付こうとした者は片っ端から排除したため、シャキンが50口径の脅威にさらされることは無い。
だが、敵の数が多すぎる。

甘く見積もっても、敵の数は百人以上はいた。
八つあった予備弾倉が、早くも半分になった。
一応、無線兵は通常の兵士よりも優先的に潰していたので、敵の増援はまだ来ないはずだ。
残る敵の数は、五十人程。

一発も外さなければ、あるいは全滅できるかもしれない。
そう思った矢先だった。
予想よりもずっと早く、敵の援軍がやってきた。
四台の重機関銃搭載型ハンヴィー。

即座に、銃座に付いている者の顔面を血煙りに変えるが、その間にハンヴィーから次々と兵士が湧き出てくる。
これで都合二十人増えたことになる。
七十人を相手に、この装備ではかなり厳しい。
どこかの大国映画だと、こう言う時にワーグナーでも流しながら援軍のヘリが来るのだが、これはそんな安物の映画では無い。

ワーグナーの代わりに、自分で銃声の音楽を奏でるしかない。
サプレッサーで押さえられた銃声が、ベース。
シャキンのデザートイーグルの発砲音は、ギター。
連中の銃声はせいぜいスネアドラムと言ったところだ。



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:37:52.54 ID:HiBDnBnh0

後は、"爆発音のヴォーカル"が必要だ。

防弾使用とはいえ、RPG-7の直撃を受ければ嫌でも歌うだろう。
ドラグノフでの援護をいったん止め、ドラグノフとRPG-7を取り換える。
そのまま照準器を覗きこみ、ハンヴィーのフロントガラスを狙い撃つ。
防弾ガラスを貫通し、内部でいい感じの爆発が起きる。

RPG-7は、撃ったとたんにその発射位置がばれてしまうことで有名である。
その為、いったん撃てばその場を素早く退くのが鉄則だ。
それに従ってトラギコは、壁に立てかけていたドラグノフ等を素早く回収し、その階を退避する。
案の定、その部屋に向かって敵が集中砲火を浴びせ掛けてきた。

その時には既にトラギコの体は、一階へと下る階段の途中にあり、グレネードが投げ込まれて爆発した時には一階に下りきっていた。
階段下にしゃがみ込み、その場でRPG-7の弾を装填する。
肩に掛けていたドラグノフの弾倉もチェックし、弾が五発入っていることを確認した。
再びそれを左肩に掛け、RPG-7を右肩に乗せて構える。

この民家の住民には悪いが、おそらく上で起きた爆発の影響でこの建物は脆くも崩壊するだろう。
その為、トラギコは素早く出口に向かって走り出した。
ドアを蹴り飛ばし、事前に確認していた敵のハンヴィーに向かって、ドアから体が出る同時に発射する。
敵がRPGの存在を叫んだ時にはもう遅く、安定翼が展開しきったRPG-7の弾がハンヴィーへと吸い込まれる。

そして、"ヴォーカルが叫んだ"。
撃ち尽くしたRPG-7を放り捨て、腰の横に差していたM8000を取り出す。
素早く撃鉄を起こし、構えたまま全力でシャキンの元に駆け寄る。
途中、迂闊にも体を乗り出してきた敵を、容赦なく撃ち倒す。



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:44:15.87 ID:HiBDnBnh0
この熱砂の加護は、敵の正確な射撃を妨害するだけでなく、それを知りつくした者に対して圧倒的に有利な地位を与える。
熱風と熱砂が狂わせるはずの照準を、微かにずらしてより精密な、より予想外な一発が放てるのだ。
敵からしてみたら、明後日の方向に向けたはずの銃口から放たれた銃弾が、自身の眉間を抉り取るのだ、恐怖と驚愕の混じった感情が自ずと生じる。
その影響で、敵はこちらを屠ることよりも、自分の命が大切になる。

その為、敵が引き金を引く事が減り、こちらの優勢が不変のものとなる。
シャキンの元までたどり着いたトラギコが行ったことは、M8000による予想外の射撃だ。
銃身内部に入っていた一発を先ほど撃ったため、残りは弾倉にあった十五発。
それをセミオートとは思えない程の速度で連射し、次々と敵を屠って行く。

(;=゚д゚)「弾は?!」

(;`・ω・´)「残りマガジンが四つ!
      向こうにあるハンヴィーを楯にしよう!」

そう言ってどちらともなく駆け出した。
駆け出した先、そこにあるのは搭乗者のいないハンヴィーだ。
正確にいえば、"生きている者が乗っていないハンヴィー"。
M2に倒れ掛ったまま絶命した兵士が、手招きしているようにも見える。

距離にして約十メートル。
あっという間にハンヴィーの元にたどり着き、それを楯にした二人は、ハンヴィーの影にしゃがみ込む。
敵を軽快に倒しているとはいえ、その数の差は圧倒的だ。
敵が白兵戦に挑んできたら、確実に負ける。

そこで二人は、無言の内に作戦を立てた。
"白兵戦になる前に、敵を叩けばいい"。
その作戦は、二人が恋い焦がれるヒートが考えた、至極単純な作戦だ。
要するに、"ジョン・ランボーも真っ青な程の気合いと根性とその他もろもろをミックスした"突撃だ。



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:48:06.89 ID:HiBDnBnh0
要となるのは双方の連携力であり、その為に必要なのは揃っている。
必要なのは援護射撃と、白兵戦に長けたものである。
本来なら隊で行う作戦なのだが、今回はそれの縮小版と考えるのが妥当であり、正攻法だ。
この作戦をまともに受け止めたら、おそらくは心が保てないだろう。

そもそも今の状況でさえ、まともではないのだ。
新兵ならば間違いなく発狂しかねない程の状況だが、生憎と二人は手練である。
そう易々と発狂などしないし、諦めもしない。
そして二人を支えている物が、何よりも力強かった。

ヒートの存在は、二人がこの戦場に留まる意味であり、また、ここで生きている目標でもある。
丁寧に淹れた高級な紅茶色の髪、最高の彫刻家がその生涯の全てを注いだかとも思えるその美貌。
ハープのように優しくて、ワーロックが奏でる音の様に力強いその美声。
神話に出てくる戦女神がこの世に生を受けたかのようなその実力、全人類の姉であるかのようなその優しさ。

姉に憧れる弟の様に、彼女に惚れるのは至極当然であった。
隊の全員が彼女の虜であり、そして弟でもあった。
その中でもこの二人、シャキンとトラギコは一等彼女に惚れこんでいた。
基地内で時折、喧嘩をしている程の仲ではあったが、何より心が通っていたのも事実だ。

酒を酌み交わし、共にヒートに対する想いをぶつけ合った。
そんな二人が、最高のパートナーでないはずがない。
二人なら今の戦況を、どうにか"彼女の望んだ通りに"変える事が出来る。
最悪の場合、"この命を賭ける必要があろうとも"。

作戦通り、シャキンが車の影から飛び出した。
それに応じて、トラギコの援護射撃。
援護とはいっても、敵を確実に仕留め得る援護だが。
旧式の銃ながらもドラグノフの速射性は、近代の狙撃銃のそれと比べても決して引けを取らない。



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/11(水) 01:53:09.82 ID:HiBDnBnh0
五秒もかからずに連射された五発のラシアン弾は、一発も撃ち漏らす事もなく五人の敵の眉間を穿った。
 シャキンの足が、噴水の縁に乗る。
素早く装填作業を開始し、十発のラシアン弾が敵の眉間を穿つ準備が整う。
 シャキンの体が、敵の前に踊り出る。

目に留まる敵を、片っ端から撃ちまくる。
 目に留まる敵の急所を、撃ち漏らすことなく吹き飛ばす。
互いの装弾の呼吸は、言葉を交わさずとも分かる。
 空になったマガジンを吐きだす。

銃身内に一発だけ残して、マガジンを排出する。
 自然と雄叫びが口から溢れ出す。
残りの敵の数は、四十。
 この二人なら、"負ける気がしない"。

戦場に突如として現れた熱砂の戦士は、敵の予想を遥かに上回る戦力を有していた。
負ける気はしないが、生きて帰れる気もしない。
連中が彼ら二人に勝てる道理がないのは、生きながらにすでに死んでいる者を敵に回しているからだ。
そして、二人は熱風に舞う熱砂のように生きた。

この二人の様は、辛うじて生き残った者が語るには、まさに修羅の様だったという。
熱砂の女神の加護を受け、二人が息絶えた時には、その場で銃を撃つ者は誰もいなかった。
その二人の死に顔は、とても幸せそうで、とても満ち足りた顔だったらしい。

互いに背中合わせに座り込んで、死んでいたそうだ。
まるで、互いを認め合った好敵手の様に。
最高の相棒の様に。

――――――――――――――――――――



ノパ゚)は死に場所を見つけたようです。その2へ続く

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この記事へのコメント
  1. Posted by at 2009年02月11日 16:34
  2. 時折使われる英語の台詞が(move out等)がなければ厨2臭くなくて良かったのに。
  3. Posted by   at 2009年02月12日 01:02
  4. 描写が適当&あり得ない展開に次ぐあり得ない展開

    いやまあネットSSだから別に良いんだけどね。冷めた人もいるって事で
  5. Posted by   at 2009年02月12日 09:02
  6. 初っぱなから自分に酔ってる感全開で読む気すら起こらなかった
  7. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年02月12日 11:00
  8. 兵器描写にこだわりたかったら
    名称は正確にしたほうがいいね
  9. Posted by   at 2009年02月12日 15:45
  10. 最初がくどすぎて続きがクリック出来なかったんだが。
  11. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年02月12日 18:34
  12. 俺もだw
    取り合えず反応だけ見ようとコメントを押して来たわw
  13. Posted by at 2009年02月13日 08:43
  14. 続きを読む気がしない
  15. Posted by at 2009年02月23日 22:24
  16. 無駄にまどろっこしいな
  17. Posted by 名無し at 2011年02月20日 02:42
  18. クックルの回想からは燃えるが、作者トリブラとラグーン好きみたいだな