2009年04月08日

同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」その1

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 18:52:50.38 ID:K/cjTthi0
ゆさゆさ。ゆさゆさ

女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
男「んーぅ」
女「起きろー。起きないとHDDの電源を高速で抜き差しするぞ」
男「ごめんなさい!? まじ勘弁してくださいっ」
女「起きたか」

男「ん……。女先輩か。いま何時?」
女「2時回ったトコ。180分で起こせって言ったでしょ」

男「あー。んー。ありがと。
 ……あれ? 女先輩は帰んなくてイイの? 終電は?」
女「始発で帰る。処理待ちのデータ5セット溜まってるよ」

男「B夫とC次郎は?」
女「あんた寝たら速攻で帰った」
男「しゃぁねぇな、やっちまうか」

女「はいはい」



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 18:56:52.46 ID:K/cjTthi0
男「んー。よっこいせ」
女「爺くさい」
男「仕方ないでしょ。もう歳だ」
女「20ちょいで生意気だ」
男「先輩にはかないません」
女「判ればいいのだ」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男:カタカタカタカタ

女「あ」
男「どした?」
女「うち、年増扱いされた?」
男「うん」
女「そうか」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「そうかで済むかーっ」



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:00:26.95 ID:K/cjTthi0
男「んー。フィルタこんな感じかね」
女「回しておいて、うちチェックする」
男「はーい」
女「顔洗ってくれば? さっぱりするよ」
男「うーん」
女「どうしたの?」

男「目ヤニ掻きだして洗顔済み扱いにしてる
 女に言われても説得力に欠けるな、と」
女「うちはちゃんと顔くらい洗います」

男「ぱんつは?」
女「二日間変えてません」

男「……」
女「……」
男「ちゃっちゃとすませて早く帰ろうか」
女「うん」



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:03:58.29 ID:K/cjTthi0
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「なぁなぁ」
男「なんですか?」
女「なんか面白い話をして」
男「なんで?」
女「そうでもしないと眠くなる」

男「俺はもう眠い」
女「うちも負けない」

男「いや俺のほうがもっと眠い」
女「うちは界王拳なみに眠い」

男「何で張り合ってるのさ?」
女「ほら、眠いと視野狭窄にならない?」
男「なるね」
女「ポジティブに視野狭窄を楽しんでるのだ」
男「前向きだね」
女「振り返ると絶望しちゃうからだけどね」



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:07:03.55 ID:K/cjTthi0
男「ほいさっと、こっちのバグも取れた。
 ついでにドキュかいといた」
女「偉いぞ」

男「ふふーん」
女「偉そうだぞ」

男「偉いからね」
女「偉くても偉そうにしないともっと偉いぞ」
男「そうか」

女「うむ、今後留意するように」
男「了解」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「二人で漫才寂しいな」
女「そだね」



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:10:50.84 ID:K/cjTthi0
女「なぁなぁ」
男「なんです?」

女「うち思ったんやけど、うちらのとこ
 いわゆるブラック会社じゃ」
男「あーあーあーあーあーあーあーあ」

女「?」
男「さっぱり聞こえませんですネ」
女「聞こえないデスか」
男「聞こえません」
女「仕方ないですね」
男「人生って仕方ないです」

女「うちの人生そればっかし」
男「俺も」
女「基本クソゲー?」
男「ううん。泣きゲー」
女「まじで!?」

男「感動じゃない涙が一杯」



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:15:52.73 ID:K/cjTthi0
――コンビニ

男「あーはい。すんません。暖めてください」
女店員「はい! 少々お待ちください」

男「ううう」
女「どした?」

男「なんか、高校生の店員がまぶしい」
女「なんでさ?」

男「俺は汚れた闇のイキモノだから」

女「会社に寝泊まりすると精神が卑屈になるね」
男「うぁ。ごめんなさいごめんなさい」

女「大丈夫! あんなにきらきらした高校生も不況に押されて
 確実に何割かはブラック企業に来るからっ」

男「そんな日本にする片棒担いでごめんなさいごめんなさい」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:20:01.79 ID:K/cjTthi0
男「買ったー?」
女「うん、買った」
男「なんにしたの?」

女「んっと、唐揚げ弁当とプリンとカントリーマァムと
 ドンタコスとまろ茶」
男「おーい」
女「んに?」

男「食い過ぎじゃないですか?」
女「なんかね。ずーっとずーっと会社に閉じこもってると
 コンビニに行くのくらいが気分転換じゃない?」
男「うん」

女「すると、つい、買っちゃうって言うか……」
男「あー」

女「良くないよねー」
男「判っちゃいるんだけどね」
女「中途半端な給料も悪いよね。貯金ばんばん出来るほど
 じゃないけど、コンビニで買いすぎる程度にはある、みたいな」
男「あー」



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:50:17.95 ID:K/cjTthi0
――会社

男「たっだいまーっと」
女「返事は無し」
男「だれもいないからね」
女「電気付いてるのこのフロアだけ?」
男「うん、しかもこの部屋だけ」
女「へこむね」
男「へこむね」

女「何で正社員いないのさ?」
男「考えるなっ!」
女「なに!?」

男「考えてはいけない! そのルーチンは無限ループだ。
 ブレイク処理が不完全だと電源を落とすしか無くなるぞ」
女「うっは。どんだけ甘アプリ。本当にありがとうございました」

男「ループに突っ込んで良いのは顧客だけ!」
女「いぇーわっかりました、指揮官殿!」

男「……」
女「……」

男「弁当たべよか」
女「そだね」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:54:07.65 ID:K/cjTthi0
男「もぐもぐ」
女「もきゅもぐ」

男「んー。もぐもぐ」
女「んんー?」

男「それ、どう?」
女「唐揚げだよ。コンビニ風。そっちは?」

男「あー。混ぜご飯、コンビニ風」
女「京風じゃなかったの?」
男「京都のコンビニ風」

女「雅だね」
男「そんなわけあるかー!」

女「いいじゃんいいじゃん。わたし唐揚げなんだよ!?」
男「何で怒るのさ」
女「ピザったらどうするのっ。ただでさえ運動不足の
 座りっぱなしなのにっ」

男「自分で選んだんじゃん。つか唐揚げ好きじゃん」
女「ですよねー」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:58:02.32 ID:K/cjTthi0
――食後

男「でも、先輩ピザってないじゃん?」
女「いやピザってる」
男「そうなの?」
女「そうなの。こう、水面下の潜入作戦が進行中。
 もう、全身ピザの兆候が」
男「わかんないけどな」

女「運動してないからね。二の腕、ぷにる」
男「どれどれ」
女「脚なんかも、ほら」ちら

男「……」
女「やばいよね? もうやばいよねっ!?」
男「えーあー」

女「?」
男(うわ、真っ白だ。……やばいやばい。徹夜続きだと
 刺激耐性低下しまくるんだな〜)

女「どした?」
男「いや、つまめそうだな、と」

女「死ぬか。キミ」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:01:22.49 ID:K/cjTthi0
男「つかだね! そう簡単に見せるなよ」
女「えー。膝までも見せてないじゃん」
男「それでもなのー。慎みを持ってください、先輩」
女「ぶーぶー」

男「ぶーたれないの。ここは職場なのです」
女「リア充のくせにー」ボソリ

男「え? おれリア充なの?」
女「彼女いるんでしょ」

男「あー。振られた」
女「なんでさ?」



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:05:35.76 ID:K/cjTthi0
男:カタカタカタカタ
女「……」

男:カタカタカタカタ
女「……」

男「いやだってね」(ばんばん
女「うん」
男「週に四日も会社に泊まって土日も無いような彼氏、
 愛想尽きるでしょ。普通に考えて!」
女「それ以前にそんなやつ彼氏にしないかな」

男「そうか」
女「うん常識」
男「俺ニート以下?」
女「引きこもり」

男「えー、マジで?」
女「会社に引きこもり。日が暮れてから活発に動く」
男「ぐっ」
女「……別れたんだ」



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:09:29.80 ID:K/cjTthi0
男「なんかサクサク進むな」
女「そういう時もあるよね」
男「あと2時間ってとこかな」

女「メールで伝票来てるな」
男「みないでBのとこ突っ込もう」
女「了解マネージャー」

男「……なんで後輩の俺がマネなんだかね」
女「さぁねー」

男「女先輩のほうが良くない?」
女「女はね。労働基準がどうとかで使いにくいでしょ」

男「ふーん。先輩ウォリアーなのにね」
女「そんなもんだよ」
男「そんなものかな」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「ウォリアーって云うな」



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:13:26.44 ID:K/cjTthi0
男「まー。こんなもん?」
女「うん。うーんっ!」
男「背中バッキバキやね」
女「うん、のびーが気持ちいい〜」

男「胸揺らすなよ」
女「揺れるんだから仕方ないでしょ。萌えた?」
男「全然」

女「萌えてもいいんだよ?」
男「萎える」
女「屈辱的だっ」
男「萎えてしまう」
女「丁寧にダメだしされた!?」

男(でかくていい形なんだけど性格がなぁ)

女「まぁ、萌えとか面倒がなくて良いかぁ」
男「そういうことだね」

女「空、焼けてきたね」
男「朝焼けか」
女「いい色だよね。徹夜は嫌いだけど、
 朝焼けは好きだな。特にこの薄暗いくらいの色が」
男「ふむ」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:18:31.48 ID:K/cjTthi0
女「街が殆ど無人で、夕焼けみたいな
 暗い薔薇色って犯罪的でドキドキするよね」
男「言い方がやらしいな」
女「そうかな」
男「うん」

女「子供のころは目にしちゃだめな景色だったから、かな」
男「そういう意味か」
女「そういう意味ってことにしておこう」

男「あがりますか」
女「あがりましょうか」


男「戸締りOK−」
女「はーい、電気落とすよ」
男「了解」



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:22:36.96 ID:LtkS/lDcO
こんな先輩がいたら、まだ働いてたかもしれない


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:22:58.81 ID:K/cjTthi0
 ガチャリ

女「寒いね」
男「明け方時間は、まだ冷えるよ」

女「最近どこか遊びに行った?」
男「いやみかよ。もう2ヶ月もデスマで一緒じゃん」
女「ほーっほっほ」

男「そっちも遊んでなんか無いくせに」
女「うちは彼氏いないもーん。だから放置しないし
 振られたりしないもーん」
男「くっ」

女「別れ話も切り出せないくらい忙しいのでメールしますね、
 とか着信が来て! それがトラウマになったりしないもん」
男「どこからそういう情報を」

女「想像です」
男「どんだけ推理力があるんだよ」



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:26:06.63 ID:K/cjTthi0
女「始発までちょい時間あるね」
男「どうする? なんか腹に入れてく?」
女「そだね。牛丼でも」
男「ほい」

がー。がちゃんこ、がちゃんこ。

女「じゃーん! 卵とサラダつきーっ」
男「元気いいね」
女「やけくそだからね」
男「そうか。……じゃーん! おれ豚汁つき!」
女「ど、どうしたの。急に?」

男「俺も付き合ってやけくそになってみた」
女「素晴らしい」

男「自分が惨めです」
女「素晴らしいと、い、えっ」
男「つねらないで」

女「云っえっ」
男「素晴らしいです」



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:29:57.63 ID:K/cjTthi0
女「もぐもぐ」
男「もぐもぐ」
女「もぐもぐ」

男「夜明け間際に会社帰りの女と牛丼屋ですよ」
女「素晴らしいよね」
男「泣きたくなるほど惨」

女「……」ちらっ
男「いえ、素晴らしいです」
女「うむ」

女「もぐもぐ」
男「もぐもぐ」

男「出はどうします?」
女「14時からにするつもり」
男「寝れて、5時間くらい?」
女「4時間くらいかな。流石に身支度もお風呂もしたい」
男「女は面倒ですね」
女「うん、面倒くさい。無駄肉あるし」



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:33:56.66 ID:K/cjTthi0
女「ごちそーさまぁ♪」
男「――ごちそうさま」
女「……? どうした? 何が気になる?」

男「(ご馳走様の挨拶が子供みたい、とは云えないなぁ)
 ――いや女先輩は食いっぷりいいですね」

女「一日中監禁されて座り仕事だと、なんか
 ストレスのはけ口が食料に向かうよね」
男「判ります」

女「泣きそうなくらい反省しているんだけどね」

男「……」ちらっ
女「いまどこを見た」
男「……いえ、何も?」
女「いまどこを見た」
男「……腹です」

女「始発から山手線とめることになるぞ」
男「申し訳有りません、上官殿っ」



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:37:03.45 ID:K/cjTthi0
女「うち、こっちだから」
男「知ってます」
女「んじゃまた今日ねー」
男「はーい、ゆっくり寝てくださいね」
女「お。プロジェクトマネージャっぽい」
男「でも遅刻はしないでね」
女「すごくそれっぽい!?」


男「あー、あっちのホームにちっさく見える」
男「……眠そうだな。表情死んでるな。
 俺もそうか。目の下真っ黒だったりして」
男「ふらふらして、あぶなっかしいなぁ。
 ったく、増員かけてしらみつぶしにしなきゃ
 ならない時期なのに、この戦力じゃ家にも帰せないぞ」
男「当然俺も帰れないし」

男 くんくん

男「うっわ、我ながら汗臭い。最悪の気分だ」
男「もうなんつーかなー。ほんとにあれだ。
 もう、辞めたいよ、まじで」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:40:11.12 ID:K/cjTthi0
――会社

男「4セット終了。中間報告あげてー」
B男「こっち3セット目かけながら例外処理を片付け中でござる」
C男「こっちも3セット目です。ちょいエラー多め〜」

女「うちは後15分で4セット目終了。昨日の報告書の
 とりまとめは終わってる、ヘッドクォーターにメール済み」

男「あ、俺も欲しい」
女「CCでそっちにも流した。うち出来る子」

男「さんきゅー。BとCもまずまずー。そのペースを維持して、
 本件以外の雑用の手を早くするようにして」

B男「判ったでござる」
C男「あいあいさー」

男「この調子で行くと良いね」
女「願いは脆く砕け散るっ」

男「……なんで立ち姿がJoJoなの?」
女「うちが好きだから」
男「……まぁ、いいか。でも不吉なこと言うなよ」
女「不吉じゃないのだ。それがミラーワールドの常識」
男「わかんないな、なんだそりゃ」
女「つまりね」

とるるるる。とるるるる。



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:43:55.98 ID:K/cjTthi0
――電話中

男「あ、はい。……いま進捗で25%ですね。週末を睨んで動いて、
 来週頭に中間報告、来週末にパケる感じで。……え、はい」

ドドド

男「え?」

ドドドドド

男「いや、それは数字的に」

ドドドドドドド

男「はい、それはそうです……」

ドドドドドドドドドド

男「いや、物理的に、頭数足りて
 ――え? はい。相当無茶ですよ。でも……それは」

ドドドドドドドドドドドドドド

男「判りました。話して希望者で編制を進めます。増援の件、
 信じてますからね。はい、はい。……お疲れ様です」



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:47:26.02 ID:K/cjTthi0
女「そして時は動き出すっ」
男「……」

女「この時の男の気持ちを以下のうちから選びなさい。
 1)とんでもないことになってしまった。みんなに内緒で
 自分一人でこの仕事を背負い込もう。
 2)みんなはもう気力も体力も限界だ。ここは能力に満ち
 あふれたリーダーである自分が一人で踏ん張るしかない
 だろうな。
 3)おにいちゃん、そんなに奥ばっかりこすったら
 わたし癖になっちゃうよぅ」

 すこん

女「ファイルでぶたれました!?」

男「ったりまえだっての!」
女「で、どなの?」

男「……んー」
女「抱え込まないでってば。マネージャだからって
 一人でバトったりしてちゃ勝ち目薄いって。
 修羅場の数ならうちの方が多いっての。言ってみ?」



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:51:54.72 ID:K/cjTthi0
男「現場が増える」
女「ふむ」

男「だいたい今回のと似たような手順と規模。どうも池袋の
 チームがコケたっぽい」
女「あー。あそこのマネジも表情死んでたもんね」

男「四月あたりは気をつけろーって本部に言っておいたのに」
女「定番なのにね」

男「で、現場が増える。引き継ぎ書類はない」
女「まぁ、しかたないね。こっちが順調なペースだったのが
 不幸中の幸いだね。ウチとBかCのどっちかをとばして
 二正面作戦で行くんでしょ?」

男「えっと」
女「?」

男「現場が増えたのは、一個じゃなくて、二個」

ビキッ



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:56:24.29 ID:K/cjTthi0
女「ニコ?」
男「あっちは連鎖コケでチーム壊滅で」
女「マネジ以外も?」

男「マネジが辞めたら他の負担が増えて全員辞めた」
女「まじで?」

男「まじで。で、クライアントの都合で別件のスケジュールが
 前倒しになった」

女「まじで?」
男「まじで」

女「……うわー」
男「どしたん?」
女「人間追い詰められると頭が悪くなって『まじで?』
 しか言えなくなるんだねー。うち勉強になったよ!」

男「そこは感心するとこじゃないだろうっ!」
女「あはははは」
男「……」

女「あははははは」
男「あははははは」



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:59:29.21 ID:K/cjTthi0
B男「どうしたでござるか? 楽しそうでござるね」

男「あははは」
女「あははははは」
B男「あはははは」
C男「あはははは」

男「諸君。ただいまから当部隊は戒厳令下の戦闘に入る」
B男「――」
C男「え? え?」
女「希望者を選抜とか言う戯れ言があるけれど、
 戦場には理性も法も通用しないので徴兵制で」

B男「つまり仕事が増えたのでござるか?」
C男「バックれようよ」

男「出来ません。まぁ、引き継ぎの詳しい内容とか来てないので
 今日のところはちょっと早いけれど、解散で。
 しばらく忙しくなるからゆっくり休んで。
 んー。心配な人は着替え持ってくると良いかなー?」

B男「何で疑問系でござるか」ボソリ

女「指示にしちゃうといろいろ問題があるから」にっこり



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:02:39.17 ID:K/cjTthi0
――会社

男「んにー。……あー。もうこんな時間だな」
女「んだねー。夜ご飯とかどうする? そろそろ引き上げる?」

男「あー」
女「?」

男「今日はちょっとダイエット。先輩はそろそろあがると
 良いよ〜。俺は切りの良いとこまでやってくから」
女「ふぅん」

男「どしたの?」
女「いや、んだね。終電まで後1時間くらいだし、
 こんなもんかなぁ」
男「ういっす! いつも遅くまでお疲れ様であります」
女「いえいえ。マネジの指示のたまものですよ」

男「またまたまた」
女「いえいえいえ」

男「んじゃ、下の給湯室だけ電気消してって」
女「あいさー」

男「また明日ねー」
女「はーい、まったねー」



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:06:23.58 ID:K/cjTthi0
男「……さって、と」

男「気合い入れていくか。6台使っちゃおうかな〜。
 界王拳6倍? オラわくわくしてきたぞー」

男「って、作業速度はそこまであがんないけどな。朝まで
 みっちりやって12セット、ってとこかなぁ……」

ガチャコンガチャコン

男「まぁ、今のうちにマージン稼いでおかないとな。
 どこでトラブっか判らないし……」

男「俺らまでつぶされちゃ、たまんねっつの」

男「くそ」

男「ぼけが」

男「やらせないっての」

女「ですよねー」



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:09:48.80 ID:K/cjTthi0
男「帰ったんじゃないのかよ!?」
女「うちもお泊まり」

男「帰るって言ったでしょ。先輩」
女「うん。気が変わった」

男「……」
女「……」

男「んー」
女「うちも、こっちの6台つかっちゃおっかなー」
男「もう終電終わっちゃうよ、先輩」

女「これ」とん
男「え?」

女「差し入れだよ。時間が遅くてやっぱりコンビニご飯
 なんだけどさ。プリンもあるから二人で食べよう」
男「先輩……」

女「なに?」
男「えっと……。何でもないす」

女「うむ」



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:14:06.35 ID:K/cjTthi0
男「仕掛け終わりました?」
女「うん、終わってる。回ってる」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「即席にしちゃ良いフィルタ書けた感じですね。自動処理で
 限界まで削り切れれば、16セットいくかな」

女「二人いるんだよ。30越えなきゃ」
男「あー」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「そもそも、この6台連結教えたのうちだよ?」
男「そうでした」

女「うむ。敬意を忘れなければよろしい」
男「感謝します、上官殿っ」
女「よきにはからえ」

男「えと」



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:18:18.77 ID:K/cjTthi0
女「ん?」
男「悪いです。仕事増やして」

女「しゃぁないよ」
男「NO! お断りだ!! って言えば良いんだろうけどさ」

女「んにゃ。……断れば、男がマネジから降格されて、
 もっとダメで責任感がないヤツがマネジになって
 泥沼の消耗戦になって、一人も生き残れないだけだよ」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「だから男は気にしちゃダメだよ。マネジは下に
 気を遣っても良いけれど、顔色をうかがっちゃ、ダメ」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「何でこのタイミングでそう言うこと言えちゃうかな」ボソリ

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「うちの才能に気がついた?」
男「わー。プリンうまーっ」



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:23:28.62 ID:K/cjTthi0
男「先輩も泊まりでいくの?」
女「何を今更。もう終電ないし」

男「終電切れるの待ってから会社に戻ってきたくせに」ボソリ

女「なんか言った?」
男「いえいえ」

女「うむ」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「どうしょっかね。編制」
男「ですねー」

女「考えてあるんでしょ?」
男「まぁ」

女「聞かせてよ」



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:28:13.76 ID:K/cjTthi0
男「池袋のチームが投げ出した現場、進捗不明なんですよ」
女「誰も残ってないの? メンバー」
男「いえ、一人残ってるみたい」
女「ほほう」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「なんでも今回の現場が初めての新人で」
女「ああ。それで修羅場の意味もわからないで、
 逃げなかったんだ」
男「それもあるかな」
女「ふむ」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「でも、新人なんで話も要領を得ないらしいです。こっちの
 チームに臨時預かりの形になるってはなしですけれど」
女「ふむふむ」
男「女らしいんですよ」



71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:31:33.78 ID:K/cjTthi0
女「あー」
男「……」
女「面倒だね」
男「はい」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「まぁ、考えても仕方ないでやりますけど。
 まず、膿は出させたいので、向こうの現場は放置の予定です」
女「うっわ、思い切るね」
男「多少ヘッドクォーター脅さないと意見通らないですし」
女「ううう。あの純真な少年が黒マネジに」

男「ほっといでください」
女「褒めてるんだよ?」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「聞こえません」
女「偉いぞ」にぱ



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:35:38.54 ID:K/cjTthi0
男「……。で、こっちの現場を前倒しして、急ピッチで作業
 進めておきます。この場だけの話でお願いしますが」
女「任せて」

男「ここは今週中にあげる感じで」

女「全力投下で?」

男「いや、無理っしょ。本部が二班体制を強要してくると
 思いますよ。B男を池袋の現場に貼り付けて、C男と俺の
 どっちかがここと池袋をどっちも掛け持つ感じで」

女「自分でやるつもりでしょ?」
男「はぁ。……まぁ」

女「それ、うちがやる」
男「先輩はここの面倒を任せようかと」

女「マネジが動くとろくな事にならないよ。うちがやる。
 B男の手綱とるのも、現場で切ったはったも、うちなら出来る」
男「出来るでしょうけど」

女「文句、ある?」
男「ないですけど」

女「うちの言うこと、間違ってる?」
男「間違ってないですけど」



74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:40:34.32 ID:K/cjTthi0
女「うち、ウォリアーだかんね」
男「ええ、まぁ」

女「……しけた顔しない」とんっ
男「結構修羅場ですからね−。それにほら」
女「?」

男(池袋チームのマネジみたいに、周囲も自分も一緒に
 使いつぶすような人間にはなりたくねーんですよ、俺)

女「どしたん?」

男「あ。いえ――。1セット終わったみたいですよ?
 R取っ替えますか」
女「ほいきた」

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

男「結局は流れ見ながら臨機応変にしかならないですし」
女「それはそだね」

男「出たとこ勝負で」
女「毎回それしかない業界だね」



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:44:04.63 ID:K/cjTthi0
――早朝

男「……んぅ。やばーうとうとしかけた」
女「……」

男「20分くらいか。おーい先輩」
女「すぅー。……くぴぃー」

男「……まぁ、いっか。ディスク変えてマクロ仕掛けよ」

男:カタカタカタカタ

女「くぷぅー……すぅ〜」

男:カタカタカタカタ

男「よいせっ」

男:カタカタカタカタ

女「む」

男:カタカタカタカタ

女「起きた」
男「起きた?」



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:48:30.55 ID:K/cjTthi0
女「起きました」
男「あんまり起きてないね」

女「完全に起きた」
男「目が死んでるよ?」

女「生死と覚醒は関係ない」

男「よだれ」
女「うう」こしこし「こっちみんな」

男「ほっぺた。キーボードの跡」
女「うぅぅ」ごしごし

男:カタカタカタカタ

女「起こしてくれればいいのに」
男「ま、ね」

女「趣味わるい」
男「役得でしょ」



78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:51:52.03 ID:K/cjTthi0
女「へ?」
男「顔洗ってきたら?」
女「うん、いってくる」

男:カタカタカタカタ

男「寝顔があんまりマヌケだから起こす気にならなかっただけ」

男:カタカタカタカタ

男「うわ、独り言キモっ」

男:カタカタカタカタ

男「修羅場の空気は知能を低下させるね」

男:カタカタカタカタ

女「ただいまー。ごめんねー。寝ちって」
男「気にしないで」
女「どんなもん?」
男「もう、30セット越えてる」

女「悪くないね」
男「うん」



86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:59:05.59 ID:K/cjTthi0
――修羅場開始!

ピコローン♪

B男「メールが来たでござる」
女「読みたくないなー」
男「どこから?」

B男「クライアントのところの本部班から」
C男「捨てよう」

男「なんだってー?」
B男「1.0342bが動かないって」
C男「捨てよう」

男「動かないじゃ判らない。子供じゃないんだから
 具体的な状況のレポート出さなきゃ話にならないってくらい
 判れっての。仕事しろって。
 なんで正社員のくせに仕事しねぇんだ」

C男「とりあえず捨てよう」

男「捨てちゃダメだろ!」



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:02:12.60 ID:K/cjTthi0
――30分後

ピコローン♪

B男「またメールが来たでござる」
女「読みたくない」
男「返事でしょ、読んで」

B男「納品したファイルに欠損が発見されたそうでござる」
C男「捨てよう」
男「うちの分?」

B男「池袋チームの残務だって」
女「そんな気はしてた」
男「俺も」

女「どうしよか」
男「まいるね。……んー」
B男「勘弁するでござるよこの地獄のさなかに」

C男「この会社は俺たちをハンバーガーにしようとしているよ」

男「ミンチになりそうだね、これはこれは」
女「……ん〜」



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:07:15.65 ID:K/cjTthi0
ぽぴっ♪

女tell>>BもCもこれ以上は負荷大きいと思う
男tell>>それはその通り
女tell>>うちが行くよ
男tell>>しゃぁない

女tell>>相談通りでしょ。うち、今日はまだHPたりてるし
男tell>>それは俺も一緒なんだけどな

女tell>>マネジは動いちゃダメ
男tell>>わかった

男tell>>ごめんなさい
男tell>>じゃなくて、お願いします

女tell>>ん。偉いぞ



92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:10:40.18 ID:K/cjTthi0
男「ほいほい。んじゃね。女先輩が巣鴨へ今から移動ね。
 Bもついてって。Bは現地で作業ひき次いでそのまま穴埋めね。
 女先輩は事情把握して、問題なくてもこっちに
 報告は定期的にあげて」

女「はーい」

B男「移動でござるか? こっちの作業も進捗なれてきたんで
 ござるが、こっち平気でござるか?」
C男「この偽ニンジャも捨てよう」

男「エコを覚えろって。捨ててばっかりじゃ
 環境に良くないだろ。
 あーBの仕事はCに全部引き継ぎな」
C男「!?」

男「そろそろ界王拳覚えような、Cも」
C男「俺を捨てたい……」

女「準備できた。出られるよ」
男「悪いけれど、頼む。クライアント側からなんかあったら
 直接俺のほうに回してもらって」
女「はいほい」

男「ほいじゃみんなでがんばろう〜」
女「おー」



93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:13:44.01 ID:K/cjTthi0
――14時間経過 深夜04:00

女「ってなわけで、こっちはなんとか
 遅延0.5人工くらいかなー」
男「思ったほどじゃないね」

女「うち有能だからねっ」
男「うん」
女「……そこは突っ込み欲しかったり」

男「突っ込みは体力消費上経理部から禁止されてる」
女「そっちは?」

男「BとCは潰れた。さっき仮眠室いった」
女「よくあんなくさいところで寝れるなぁ」
男「俺もダメだな」

女「タバコとカップラーメンで畳みどろどろだもん」
男「もっとダメなもんも染み付いてるような」



96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:16:51.58 ID:K/cjTthi0
女「こっちは全員返したよ。朝まで粘って、
 09:00に引き継いでそっちに移動するよー」

男「了解。俺もそんな感じで。んでっと
 例の女新人? は明日から池袋に回してもらえる
 手はずになったから。新人でも以前の仕事の進み具合とか
 多少は情報判ってるでしょ」
女「はーい」

男「信用して無い?」
女「うん」
男「ですよねー」

女「まぁ、その新人きたら仕切り直しかな」
男「と、いきたい」
女「どんな人?」
男「19とからしいよ。スキルシートでは有能そう」

女「へー」
男「おや無感動。セクハラ発言が足りて無いよ」



97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:16:52.49 ID:sH58N3wLO
俺が昔勤めていた会社を見ているようだ
辞めてよかった



99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:20:48.24 ID:K/cjTthi0
女「じゃぁ揉むか」
男「揉むんですか」
女「部族ノ掟。揉ム、命カケテ」
男「命はいきすぎでしょ」

女「揉ム、暇ツブシデ。……何トナク」
男「それは嫌がらせでしょ」

女「まぁトラブらなきゃいいよね」
男「期待は出来ないけどね」
女「まぁね」
男「女はメンドクセ」
女「誰に言ってるのよ」

男「女先輩だけど?」
女「……」

男「あれれ」
女「キミは教育が必要のようですな」



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:24:15.03 ID:K/cjTthi0
――25時間経過 朝05:00

ピピピピ。ピピピピピ。

男「うー……。んぅ……」

ピピピピ。ピピピピピ。

男「……。……むぅ」ポチっ

ピピ。……。

男「頭重いけど。起きないと……。ううう、身体痛い。
 会議室はこれだからなぁ。へこむなぁ」

女「……んー。始める−?」

男「先輩、何で寝てるのっ」
女「……だって目覚まし一個しかないし。一緒の方が
 便利だしさ」

男「そか」
女「……んー」



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:28:09.03 ID:K/cjTthi0
女「……。んぅ……」
男「?」

女「ぅんー」
男「どうしたの?」

女「……脳が起動中デス」
男「寝起きダメだっけね」

女「すんませんすんません」
男「いやいいけど」

女「……」
男「なに見てんの?」
女「横に人間がいる目覚めって珍しい」

男「そうだね」
女「ぅんー」

男「顔洗ってきたら」
女「うん」 もそもそ

男(や、やべーっ。朝現象ばれずに済んだっ!)



114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:33:04.37 ID:K/cjTthi0
女「ぅー……」
男「気合い入ってきた?」

女「もう、はいった」
男「なんだかな」

女「いやいやいや。もうね。ばっちり。うちウォリアーだから」
男「自分でウォリアーいってるじゃん」

女「汗臭くて済んません」
男「お互い様だし。別にくさくないでしょ」

女「そうかなぁ」くんくん
男「トマトジュース飲む?」
女「うん」
男「どぞ」

女「ん……。んくっ……んくっ」
男 カタカタカタカタ

女「やー。美味っ。朝からおごってもらったし。
 男の朝現象も見たしっ!」



117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:37:06.53 ID:K/cjTthi0
男 カタカタカタカタ

女 ニヤニヤ

男 カタカタカタカタ

女 ニヤニヤ

男 カタカタカタカタ

男「ディスク変えてもらえます?」
女「……ぅお!? 冷静な反応」

男「先輩のセクハラには鍛えられたからね」
女「まね。仕事しないとねー」
男「そうそう」

男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ

女「うちの女の魅力の勝利?」
男「いやただ単に生理現象。この修羅場にそんな余裕無い」
女「ですよねー。お見苦しい物見せてすいません」
男「――いや結構お宝的な」ボソ



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:41:26.26 ID:K/cjTthi0
女「?」
男「いやいやいや」
女「??」

男「気のせい。気の迷い。ここは戦場。戦場で死ぬのは
 弱いヤツからじゃない。油断して警戒を怠ったヤツからだ」
女「むむ?」

男「そう。ここはジャングル。蒸し暑い熱帯雨林。地獄の
 ジャングル。暗闇から現れるブロークンデータ。例外処理。
 欠落した顧客情報。どこだ。原因はどこだっ」
女「ふむふむ」

男「良性のトラブルなどこの世には存在しない。どんなに軽い
 トラブルでも俺たちを即死させる陰険トラップだと心得よっ」
女「おー!」

男「……」
女「落ち着いた?」

男「おけ」
女「んじゃ、今日もがんばって行きますか〜」

男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:45:22.81 ID:K/cjTthi0
――34時間経過 14:00

男「生きてる?」
女「生きてる、動いてる」

男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ

C男「マネージャー。こっち終わったっす」

男「おけー。次……ん。いや、ちょい休憩しよう。
 C男、悪いけどさ。コンビニでソフドリ買ってきて。
 この金でさ」
C男「了解〜。ふぁぁー」

ガチャン

女「気を遣うね」
男「マネジだからね」

女「今日は帰す?」

男「いや、だめ。まだ昼過ぎじゃん。休憩終わったら
 17まで集中してデータの荒チェック。精査は俺に任せて
 先輩とC男は池袋チームのB男のほうへ移動して
 ん〜。22時まで戦闘ね」
女「うわ。スパルタだ」



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:48:57.30 ID:K/cjTthi0
男「何とでも言って」

女「鬼軍曹だ」
男「好きに言え」

女「このロリコン。歩く性犯罪者。最悪のペドフェリア。
 アダルトショップ住み込みの呼吸する大人の玩具野郎。
 こっち見ないで、妊娠しちゃうっ」
男「……」

女「好きに言ってみた」
男「いや、俺ロリじゃないし?」
女「知ってるよ?」

男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ

男「なんだかなぁ」
女「うへへ」
男「まぁ、いっかぁ」
女「うん。良いのだ」



129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:56:18.89 ID:K/cjTthi0
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ

女「で、こっちは一人で戦線維持?」
男「うん」
女「いける?」

男「背に腹は代えられないし」
女「3-2のフォーメーションじゃダメなの?」
男「池袋の進捗報告書が気になる」
女「なんかあったの?」

男「なんもない」
女「ふーん」

男「強いて言えば違和感?」
女「どんな?」
男「判らない」



130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:00:12.76 ID:K/cjTthi0
女「了解」
男「およ。反対も聞き返しもしないんだ?」

男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ

女「だって信頼してる」
男「信用された」
女「信用は別だけど、信頼はしてる」
男「そか」

女「見てくれば良いんでしょ。男以外が全部向こうの状況の
 方が精査も本部交渉もしやすいのもあるし」
男「そうね」


女「今のペースで行けば、ぎりぎり通るけれど。いっこでも
 トラブル増えると全部破綻するね」
男「そうなんだよなー。そう言うときがさ」

女「うん」
男「勝ち目が少しだけあるときの方が、負け戦より
 よほど神経使うよな」



131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:05:16.36 ID:K/cjTthi0
――40時間経過 20:00
 女からの電話……。


女「結果から言うと、大規模なトラブルだね」
男「あー」

女「ちょっとまだ規模が読めないんだけど」
男「やっぱ新人女さん?」
女「うん。見えてたん?」
男「気配は」

女「んー。変換がねー。精査分は全部ダメだね。荒チェック
 レベルの出来にしかなってない。っていうか、そもそも
 スキル無いね。ディスクの入れ替えレベルの雑用しか
 出来てない」
男「ふむ」

女「スキルシートは埋まってるよね?」
男「そんなに当てになったことがないから」
女「まぁね……」



134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:08:36.45 ID:K/cjTthi0
男「池袋の連中が教育しないで放棄したって事かな?」
女「いや、なんというか」
男「……」

女「あれは、性格。かな」
男「あー」

女「女の子扱いされなきゃ気分悪くなるって言うか。
 仕事の面倒くさいところ、C男に甘えてなすりつけてたみたい。
 壊滅した池袋チームでも同じ事やってたね、たぶん。
 だから彼女の方の進捗報告上はペースが維持されてた」

男「なるほどね」
女「今日のところは過去分のチェックと調査回っておいたけど
 がつんとシめておいたほうがよかった?」
男「いや、シめないで正解。修羅場中に人減らしても仕方ない」
女「……うん」

男「納得いかない気持ちは、マネジにつけておいて」
女「うち、自分で処理できる」



138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:18:28.27 ID:K/cjTthi0
男「おおむね状況は理解できました。で、先輩が見たところの
 彼女の戦力評価はどんなもんです?」
女「半人工あれば上等だね」

男「あらあら」

女「あと、彼女が手をつけた仕事部分は、もう一回精査が
 必要だと思う。毒が回ってるね。こちらの方が深刻かもしれない」
男「……ですね」
女「ちょっと、うち的にはかちんときてる」

男「検品前でよかったと思おう」
女「――うん」

男「で、明日からのフォーメーションですけど」
女「ん」

男「彼女は池袋から抜いてこっちに回します。先輩は明日は
 池袋へ出勤。B男とC男はそのまま池袋の仕事、手をつけて
 ない仕事を消化で。先輩は悪いけれど、新人女さんの手をつけた
 仕事のチェックとドキュメント関連の整備をおねがいします」

女「まぁ、そうなるよねー」



140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:22:08.29 ID:K/cjTthi0
男「なんかあります?」

女「いえね」
男「?」

女「ちょっと、すごいから」
男「??」

女「や。こう、栗色って言うの? 髪の毛さらさらーで
 肩よりちょっと長いくらいのストレートで、春物のカーディ
 ガンかなんか着ちゃったりして、もうね。ほそっこいのよ!
 ウェストが! ちょっと力を込めて抱き寄せると
 腕にすっぽり収まる感じ?」

男「あー」

女「胸なんか、小降りで感度良さそうなのがつんっと
 上向きで、顔なんかね。子犬見たいって言うの?
 甘えるみたいな黒目がちの瞳がうるっとかしちゃったりして」

男「面倒くさいですね」
女「感動のないマネジだなぁ!」

男「トラブルの種にしか聞こえません」
女「……それはそうか」



141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:27:25.28 ID:K/cjTthi0
男「まぁ、とにかく。明日の朝一でその娘はこっちに
 回してください。後の面倒はこっちでみますから」

女「しゃぶらせたり?」
男「先輩レッド」

女「ぅぇー!? 一発退場?」
男「ええ」

女「厳しいよぅ。あ、でも修羅場抜けられてラッキー?」
男「いえ、修羅場にはまだまだ参加です。退場するのは
 乙女の常識や倫理観の世界からです」

女「ちぇっ。まぁいいや。うちそこの会員権もってないし」
男「ないんだ?」

女「ないよ? ブラック会社にいるひとは人権無いよ」
男「明るく酷いこと言った!?」

女「えへへへ」



142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:31:59.25 ID:K/cjTthi0
――53時間経過 09:00 会社作業室

新人女「あの、おはようございます」
男「おはようございます」

新人女「女さんが、こっちへ移動するようにって」

男「新人女さんだよね? 話は聞いています。本プロジェクトの
 統括とマネージャーをやっています。男です。
 よろしくお願いしますね」

新人女「はい、よろしくお願いします」ぺこり

男「……」
新人女「どうされました?」

男「いや、作業割り振りをね」
新人女「はい」

男「とりあえず、このディスクは判るよね? 池袋でやってた
 物と同じだから」
新人女「はい。これを読み取らせて、顧客名簿と照合するんですね」

男「いや、それはいいから、こっちの段ボールから向こうの
 ダンボールに詰め替えて。これがリストで、検品しながらね」



144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:35:21.76 ID:K/cjTthi0
――作業中

新人女「……」

男 カタカタカタカタ

新人女「……」せっせ

男 カタカタカタカタ

新人女「あの。先輩」
男「はい?」

新人女「お昼とか……」
男「ああ、もちろん。休憩とってください」

新人女「この辺は、どこで食べれば良いんでしょう?
 なにかありますか? お勧めの店、とか」

男「んー」カタカタカタ

新人女「一緒に食べませんか?」
男「……了解。行こうか」




同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」その2へ続く

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/wordroom/51362231
この記事へのコメント
  1. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月09日 20:37
  2. ひょっとして実話か?これ
    だとしたらSEめっさ怖いんだが
  3. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月10日 15:31
  4. エロがないかどうか流し読みしてるけどエロはなかった
  5. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月10日 15:31
  6. エロがないかどうか流し読みしてるけどエロはなかった
  7. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年05月09日 21:53
  8. http://123.jp