2009年04月08日

同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」その3

486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:54:32.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場4日目 21:00 神楽坂作業室

女「ただいまー」

男 カタカタカタカタカタ

男「おかえりー。――あれ? おかえり?」

女「ラーメン食ってきた!」
男「そっか。柴犬?」

男 カタカタカタカタカタ

女「うん。ヘッドクォーター行ってきたんだって?」
男「あー。新人女さんに聞いたの?」
女「うん、そう」

男 カタカタカタカタカタ

男「……」
女「どう?」
男「んー」

男 カタカタカタカタカタ

女「いいずらい?」
男「いや」



488 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:58:25.60 ID:vIdZBssS0
男「言葉を選んでる」

男 カタカタカタカタカタ

女「またまた。言葉選んでも地獄は地獄でしょー。
 仕事が減る訳でもないし。お姉さんに言ってみよう」
男「ほい」

女「で? wktk」

男「まぁ、ご想像の通りだよ。残業はしないで、派遣社員を
 酷使しないで、でも締め切りは延びないし、仕事は確実に
 納期までにあげろってさ」
女「そか」

男「……」
女「……」

男「増員するとは言ってた。来週半ばをめどに5人増員して
 もうひと班編制するつもりだって。……でもこれはね」
女「?」

男「――んー。まぁ、いっか」
女「なにさ?」

男「いや。保留。もちっと裏とる」



490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:01:43.45 ID:vIdZBssS0
女「現行の受注はどうなってんの?」
男「巣鴨のクライアントのは納期伸ばしてもらえるらしいね」

女「お!」
男「二日くらい」
女「意味ねーっ!」

男「無いよりはあった方が、くらいかね」

女「あ。でもでも。二日延びるんならさ。今週末に神楽坂の分
 あげてさ。来週の火曜までに池袋の粗変換までかましてさ。
 巣鴨の仕事がどれくらいの規模か手をつけてないから判らな
 いけれど、締め切りまで10日前後はあるって事じゃない?
 そんなら、なんとかなるかも?」

男「まぁ、ね」
女「んー。ノリわるいなぁ。どしたんさ?」

男(たしかに今の受注分は何とかなるんだよね。
 でも、池袋チームが壊滅した今、実際の仕事処理能力は
 半分になっている訳で。っていうことは会社の受注能力も
 半分になってるって事だろ。――それがなぁ。
 このまま、いくのか? このまま行って、良いのか?
 今回の修羅場は死にものぐるいでやれば勝てるけれど
 勝てば、全員体力ぼろぼろなんだぞ……。
 いいのか? ここで体力使い切っちゃって平気なのか?)



493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:04:52.52 ID:vIdZBssS0
男「実は……」
女「うんうん」

男「女先輩が」
女「うち?」

男「トンコツ独り占めしたのが許せなくて」
女「えー!? そっちなん!?」

男 こくり
女「でもしかたないでそ。新人女さんといったんだよ」
男「あー。どうでした? あの娘」

女「びっくりしましたよ。うちは!
 ネジ、まき直してあるじゃないですか。仕事になってる!」
男「まーね」

女「あのレベルなら、雑用中心で行くなら問題ないよね」
男「雑用ってのもね。女だしさ」

女「あー。そりゃそうだけど。まぁ、けなげに仕事してたよ。
 自分の分はこなそうと頑張ってたね。うちびっくりしたよ!
 すごいね、男の調教!」

男「調教とかエロワード禁止」



494 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:08:51.14 ID:vIdZBssS0
女「ぶーぶー」

男「で、池袋どうなんです?」
女「あー。あっちもね。最悪の予想よりは、まだましだった」
男「ふむ」

男 カタカタカタカタカタ

女「C男がねー。思ったよりは意地見せてね」
男「ほほぅ」

女「うちも仕事しながら話そーっと」
男「どぞ」

男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ

女「編制このままで、池袋3人でいくなら、来週の火曜までに
 粗変換はいけると思うな。うちは」
男「それって、先輩無茶する気でしょ?」
女「リトル無茶」
男「なんですそれ?」

女「日常化した無茶のこと」



500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:22:13.00 ID:vIdZBssS0
男「そんなわけで。仕事の遅れは週末に取り返そうかなーとか」
女「休日出勤ですよ、来たこれ」

男「池袋も土曜は出て欲しいかなー」
女「んー。二人に言っておくけれど。二人とも土日両方覚悟
 してたから問題ないと思うよ。新人女さんも?」

男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ

男「いや、さすがに新人は無理でしょ。あの子根性なさそうだし」
女「そうかな」

男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ

男「なんにせよ、壊しちゃったら元も子もない訳で」
女「んだね。んじゃ、あの子は土日休みで?」
男「そのつもりです」

女「じゃあさ−。ちと提案だけど」
男「はい?」

女「あの子が根性見せたら、残業許可出してあげて」
男「……?」
女「見せたら、で良いから。覚えておいて。
 一応うち先輩だし。先輩のコメントって事で」



503 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:25:25.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 23:00 駅

女「やー。風、涼しいね」
男「やっとね。寒さが抜けてきた感じ」

女「家に帰れるって素晴らしいね!」
男「終電ですけどね」

女「素晴らしいって、いっえっ」
男「痛っ」

女「素晴らしいですよね?」
男「素晴らしいです」

女「今のクライアントって土日休み?」
男「らしいですよ。役所系だから」
女「んじゃ、どっちにしろ土日は状況動かないか」
男「です」

女「んじゃ、金曜ちょっと気合い入れて。土曜は飲み行こうか」
男「なんで?」

女「新人女さんのチーム参加記念」



504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:28:39.27 ID:vIdZBssS0
男「あー」
女「やろー」

男「必要ですか? それ。修羅場中に」
女「必要か、必要じゃないかで言えば、必要じゃない」

男「ですよね」

女「でもやろう」 男「でもやりますか」

女「……あはははは」
男「……あはははは」

女「んじゃ、そういうノリでひとつ」
男「了解です。上官殿!」

女「マネジは男でしょ」
男「でも、上官は女先輩」

女「えへへへ。偉いぞ」
男「マネジですからねっ」

女「自慢しなければもっと偉いぞ」
男「善処します」にこっ



506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:33:50.27 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 10:00 神楽坂作業室

男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

新人女「……ん」
男「……」

男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ

新人女「セーブ、リロード……」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

男「……」

男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ

新人女「……これは、変則処理」
男「……」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ



507 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:37:43.23 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、マネージャー……さん」
男「男で良いよ」

新人女「――男さん。終わりました」
男「そか。……ん、後半、時間詰めたね」
新人女「ちょっと覚えました」

男「ん。じゃ、見るね。お茶でも飲んでて」
新人女「はい」

男 カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「んーっと、クロスチェックのマクロ走らせる。
 そっちはファイルセーブして閉じて」

新人女「はい。――やっぱり、早いなぁ」ボソリ

男「?」
新人女「えと、どうですか?」
男「問題なさそうだよ」

新人女「良かった」ほっ



513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:40:58.47 ID:vIdZBssS0
男「じゃぁ、報告書とドキュメント書こうか」
新人女「はい」

男「メアドもらってる?」
新人女「はい、もらってます」

男「共有のとこにデキュとか書類とかはテンプレ入ってるんで」
新人女「はい」

男「今回処理したファイルのナンバリングと処理内容を
 ここに書いて、この上の部分は諸元ね。日付は西暦で。
 時間は24時間表記ね」
新人女「はい」

男「一回やってみせる?」

新人女「お願いし――いえ、一回自分でやります」
男「そか」

新人女 カタ

新人女「……」

新人女 カタ

新人女「…………」



515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:44:19.77 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ

新人女「……」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ

新人女「……」

男「新人女さん?」
新人女「はいっ?」かたんっ

男「いや、そんなに緊張しなくても」
新人女「はい……」

男「そろそろお昼だよ?」
新人女「えっと、はい」

男「俺はもうちょいがんばるけど。食べ行って良いからね」
新人女「外出しないんですか?」

男「電話待ちが一件あるんだよね」



520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:50:18.22 ID:vIdZBssS0
新人女「判りました」
男「それから」
新人女「はい?」

男「ここのキャビネットの、青いファイルね。これ」
新人女「はい」

男「これ、先月と先々月の報告書の控えなんだ。神楽坂の分
 だけだけどね。うちのチームの人間が書いた分はそろってる」
新人女「はぁ」

男「午後はこれ読んで良いよ。暇を見つけて読むと良い」
新人女「はい」

男「報告書もクライアントへの質問書も提案書も入ってるから」
新人女「……?」

男「判らないよね。提案書なんて」にこっ
新人女「はい」
男「流してで良いからさ。報告書の書式とか、他の人が何を
 書いてるのかとか……。興味を持てば、それだけで
 仕事は覚えるよ。好奇心だけ」
新人女「はいっ」

男「では、休憩どうぞ」
新人女「はい……」

男「時間なくなっちゃうよ。良い天気だし。いってらっしゃい」
新人女「いってきます」



522 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:55:43.68 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 12:15 神楽坂作業室
――電話中

男「はい。そうです……。頂いた資料には、はい」

男「はい。判りました……。御社の仕様だと、おそらく
 40枚強になると思います。ええ、神奈川分ですか?」

男「御社の本拠地は四国でしたよね? あ、いえ。ネットで
 拝見させていただいただけです。……はい。 はい。
 千葉と、神奈川と。……ええ、判ります。
 そうなると関東全域ですね?」

男「それはちょっと自分の方では判断つきかねますね。
 いえ、そう言う訳ではなく。……え? はい」

男「申し訳ございません。……はい、週明けにでも営業の者に
 連絡を取らせますので。はい、お手数をおかけします」



523 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:00:33.08 ID:vIdZBssS0
男「……そう、ですか。そうなりますと、実際の移行は
 夏ですね。ええ、はい。それは問題がありません。
 実際のところはデータの傾向と分量を見てみないと。
 そう、ですね……はい。はい」

男「私の方の連絡先ですか? こちらは神楽坂の作業事務所に
 なりまして。電話番号は、はい……。メールアドレスは、
 こちらから送らせていただきます」

男「いえ、こちらこそ。……ご挨拶も出来ずに申しわけありません。
 円滑にプロジェクトを進めるためですので、はい。
 はい? ――はい。
 来週末の検品の時に、お伺いさせていただきます。
 その時にご挨拶を。ありがとうございました。
 ――失礼します」

カチャン

男「……やっぱしなぁ。残りも発注する予定、ってか。
 これは地獄じゃ、済まないなー」



525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:08:13.41 ID:vIdZBssS0
新人女「ただいま帰りましたー」
男「あれ、早かったね」
新人女「はい。あの男さん」
男「?」

新人女「昨日のサンドイッチなんですけど、買ってきたので」
男「あ。ごめん! 気を遣わせちゃったね」

新人女「いえ。あの、ついででしたし」
男「ごめんね。お金いくらだった」
新人女「はい。あ」

はらり

男「うわ、すごいね」
新人女「気がつきませんでした」

男「桜の花びら、一杯だ」
新人女「風ではらはら舞っていたので……」
男「そういう季節だしね」

新人女「どうぞ」
男「ありがとうございます」
新人女「紅茶で良かったですか?」

男「なんでもOKです。生き延びれるなら」



527 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:16:03.26 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 20:00 神楽坂作業室
――電話中

女「もしもしー。きいてまーすか」
男「聞こえてますよ、先輩」
女「どうですか? 調子は」
男「普通」

女「なんだか張り合い無いですな」
男「まぁ、トラブルがなかったって事っすよ。とりあえず
 今日のところは〜。そっちはどう? まだB男もC男も
 いるんでしょ」

女「うん、いるよー。進捗は報告書あげたー」

男「あー。メールね。見たよ。これほんと?」
女「ほんとほんと。まじまじ」

男「すごいじゃん」
女「うちがエロいマクロ書いたからね!」
男「エロいのかよっ!」

女「偉くてロマンチックでイかすマクロなのだ!!」
男「……えーっと」



529 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:19:36.70 ID:vIdZBssS0
女「褒めて!」
男「突っ込み希望じゃなかったの?」

女「褒める希望」
男「偉いぞ!」
女「ふふーん」

男「エロイぞ!」
女「ふふふーん♪」

男「じゃ、池袋は間に合いそうなんだ」
女「この調子で行くなら、毎日家に帰っても来週火曜には行けるね」
男「ふむふむ」
女「どうする? 作戦変更する?」
男「いや、このままで」

女「ほーい」
男「あと今後、進捗は個人メアドか、電話による口頭で」

女「うっわ。ねぇねぇ。警戒段階あげてるよ! マネジが!」
 B男「わー。ほんとでござるか−?」
 C男「もうダメだ。捨てよう」

女「どうしたの?」



532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:23:08.47 ID:vIdZBssS0
男「その辺はまた今度で。飲み会ででも」
女「らじゃー。場所はどうしよっか?」

男「いつものあたりでいいんじゃないかな?」
女「はいはい。了解。えーっと、土曜日に仕事あげて
 そっちに移動すると、それでいい?」
男「はいはい。時間は17時とかにしとこか」
女「およ。早いね」

男「宴会も早めにきりあげて、帰さないとね。
 せっかくの休日だし。新人女さんには言ってある。
 彼女は休日に出てくることになるけどねー」

女「残業してった?」
男「粘ってたけど、定時で帰したよ」

女「そか。……マネジの要求はきついなー」
男「なんのこと?」
女「いやいや、こっちの話」

男「じゃ、今週はそんな感じで」
女「了解。もうちょいだけ、がんばりますか!」
 B男「おー!」
 C男「ファイトー!」



546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:42:50.81 ID:XeqzVqm8O
こういう話を読むと涙が出る。辛いのは自分だけじゃない、仲間と頑張って乗り切るんだと思える職場はほんと幸せだと思う。


566 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:01:15.93 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 13:00 神楽坂作業室

男 カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「……」

男 カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「週末だと仕事が進みまくるな。電話ならないし」

男 カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「……八台連結にチャレーンジっ。伝説の大技ですよ」

男 カタカタカタカタカタカタカタカタ。タカタンッ!

男「おお、動くぞ。転送も……いってるな。おけおけ」

男 カタカタカタカタ

ガチャ

男「?」
新人女「こんにちはー」そー



569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:06:41.35 ID:vIdZBssS0
男「新人女さん。飲み会は夕方だよ? メールで場所、
 行ってなかった?」
新人女「あ、いえ。それはちゃんと」
男「?」

新人女「時間がちょっと空いたので」
男「ちょっと?」
新人女「……えーと」

男「……」
新人女「……その」

男「稼いでいく?」
新人女「はいっ」

男「おけ、んじゃタイムカード押して」
新人女「判りましたっ」



570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:09:48.52 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

男「あんまり慣れちゃダメだよ」
新人女「はい?」

男「休日出勤になれると人間性が失せるよ」
新人女「あはは。男さんにそう言われましても」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

男「そういえばそうか」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

新人女「はい」
男「……」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ



571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:13:50.96 ID:vIdZBssS0
新人女「……男さん。ファイルの46と47がないです」
男「あー。それはただ単純にないんだ。とばして48いって」

新人女「でも、バックアップにはありますよ?」
男「え?」

男 カタカタカタカタカタカタ

男「あー」
新人女「?」

男 カタカタカタカタカタカタ

男「何かあったんだな、これは。事故で消えたのかな」
新人女「え?」

男「まぁいいや。この追跡調査はこっちでするから、
 新人女さんは48にいっておいて」
新人女「はい」

男 カタカタカタカタカタカタ

男「少し視界広がったみたいだね」
新人女「?」

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ



575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:17:56.64 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 16:30 神楽坂作業室

男「よーっし」
新人女「はいっ?」カタンっ
男「いや、緊張しないでも」

新人女「ええ、はい」
男「そろそろ撤収するよ。17時には店はいりたいし」
新人女「はい」

男「あがった?」
新人女「5つは完成してます」

男「了解。共有に放り込んでおいて」
新人女「はい」

男「じゃ、向かおう〜」
新人女「判りました。あ」
男「?」

新人女「タイムカードを」
男「そだね」

がちゃこん がちゃこん



579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:22:00.52 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 17:00 居酒屋「デスマーチ」

女「それでは、新人女さんの歓迎会といたしましてー。
 てか、花見もやってないぞこんちくしょーとしまして。
 神楽坂班飲み会を開催したいと思いますー!」

B男「飲むでござる〜!」
C男「丸かじり!」
新人女 にこにこっ

女「ではわれらがマネジから一言」
男「始めよう」

女「短っ! かんぱ〜い!」

「「「「かんぱーい」」」」

男「わかめサラダ、誰?」
B男「拙者でござる」

女「やー。良い天気で良かったね」
新人女「そうですね」
男「引きこもり職業だから関係ないでしょ?」
C男「駄目な人の発言だ。捨てよう」
女「せっかくだから良い天気が良いでしょ。
 雨降ったら桜散っちゃうし」



584 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:27:03.29 ID:vIdZBssS0
B男「桜でござるか」
C男「食えないからな、あれ」

女「風情無いね、君たち」
男「今は風情よりも酒と食料」

新人女「あ。唐揚げ来ましたよ」
B男「美味そうでござる!」
C男「食おう、食おう!」
女「うちの唐揚げに手を出すなっ」どんっ
新人女 びくっ!?


 しーん


男「食ってください、先輩」

女「唐揚げうまーい♪」



586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:31:11.66 ID:vIdZBssS0
女「新人女さんは、慣れた−?」
新人女「はい、すこし」

B男「神楽坂の方が環境いいでござるか?」
C男「池袋の寝袋は捨てよう」

女「あー。あの寝袋は捨てたいね」
C男「捨てるのは正義だ。捨てよう」

新人女「神楽坂の方が、駅からは近いですね」
男「それはそうかな」

女「池袋は、ちょっと治安悪い感じだよね」
新人女「そうですよね……」

男「あれ? そう?」
B男「どっちも大差ないでござろ」
C男「イラン人を捨てればよくなる」

女「君ら一般社会には不適合だよなぁ。うちはわかるで?
 池袋は、一本通り横は飲み屋街と風俗街だもんね。
 あれはねー。日が暮れるとおっかないんだ」

新人女「ですよね」



588 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:34:41.12 ID:vIdZBssS0
女「ウォリアのくせにって言うな!」
男「言ってないじゃん」

女「思うな!」
男「思ってない。思ってません」

B男「『先輩は竜殺しのウォリアなのでヤクザも避けて通る』」
男「俺の心の声を偽造するなっ!」

B男「ふふふ。忍びの技でござる」
新人女「あははっ」

女「男〜。本当のところはどうですか?」

男「先輩、酔ってません?」

B男「そりゃ、あのペースで3杯もいくから」

女「これしきの酒などうちの故郷では就学前の
 ロリータでも水代わりに飲みますよ」

男「どこの修羅の国だよ」

女「獣を捨て、人捨て、今私は修羅となる!」

C男「それは捨てちゃダメだ。拾おう」



589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:36:04.38 ID:NXXlflpt0
Cいいキャラしてるw


592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:40:19.15 ID:vIdZBssS0
女「男。あたしの目を見て」
男「なんで?」

女「目を見ればうち嘘をついてるかどうか判る」
男「揉めば処女かどうか判るんじゃなかったの?」

女「そうそう。でもこれは別の能力で、実は7歳の時に
 臨死体験をしてね、高熱でうなされて」
C男「ダメ小話だ。捨てよう」

女「うちの目を見れないのかっ。うちと男の友情は
 そんなに脆くはかない物だったのかっ」

男「ぇー。だって目なんか見たら」
B男「石化するでござる」

男「そうそう、指先がこわばって徐々に感覚がね。
 ってなんでだよ!」

B男「お、恐ろしいっ! 快癒(マディ)を覚えている仲間
 がいないいま、石化だけはなんとしてでも避けなければ
 いけないでござるっ。拙者の抵抗では心許ないでござるっ。
 暗がりから、暗がりからうなり声がっ」

男「落ち着け」
 スコン



594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:45:25.75 ID:vIdZBssS0
新人女「あははっ」にこっ
女「飲んでる−?」
新人女「はい」

女「楽しんでる?」
新人女「はいっ。楽しいですっ」

女「良かった良かった。ごっきゅ、ごっきゅ。ぷはぁ♪」
新人女「……こくん、こくん」

 B男「海草は忍びの食い物でござる。何が悪いでござるか!」
 男「いや、それはそれでいいから。春巻き食えよ」
 C男「ニセ忍者は早く捨てよう」

女「うちの職場は、基本的に男所帯だからさ」
新人女「はい」
女「てか、この業界、どこでも基本は男ばっかだけどね」
新人女「はい」

 C男「カニ早く捨てよう。まじで捨てよう」
 男「それはおかしいだろ。カニ美味いだろ?」

女「……いや、うちの男は特別に馬鹿ばっかりかな」
新人女「あははっ」



595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:48:32.42 ID:vIdZBssS0
女「基本、労働環境劣悪だから仕方ないけど。
 それでも新人さんが『居心地悪くて』やめちゃうのはね。
 それはそれで、ちょっと違うというか」

新人女「いえ、良くしてもらってます。それに定時で
 上がらせてもらっちゃってますし……」

女「ああ。それは、うん。うちは基本、残業は全部自由意志だよ。
 もちろん建前だけど。今はまだ仕事にそこまで慣れてないから
 普通にあがっちゃって良いと思うよ」

新人女「なんだか申し訳ないです」

 B男「バクゥなんてのはアッカムの二番煎じでござるよ」
 C男「違うよ。全然違うよ。関係ないよ」

女「男連中は基本的にアレなんで、忙しいとか麻痺してるんだよね」
新人女「女さんもですか?」

女「うん、まぁ。うち、ウォリアーだからね」
新人女「ウォリアー?」

女「うーん。『気合い入ってる』とか『覚悟決まっている』
 とかゆー感じ? まぁ、何となくで判ってよ」



599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:53:19.55 ID:vIdZBssS0
新人女「何となく……」

女「判った?」
新人女「はい」

女「悪い連中じゃないんで、そこはうちに免じてさ
 勘弁してやってね」

新人女「いえ、そんな全然っ」わたわた
 「仕事教えてもらってます。ほんと、ちゃんとしてもらって」

女「やるな。一流の調教師め」

新人女「?」

女「いえいえこっちの話」

新人女「でも、足手まといで申し訳ないです。
 あの、こうゆうの、デスマーチっていうんですよね?
 ネットで読みました。残業地獄とかですよね」

女「え?」 男「え?」 B男「え?」



602 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:54:41.70 ID:U0WGHoROO
え?


604 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:56:32.30 ID:77NzDAnC0
え?


605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:56:33.78 ID:vIdZBssS0
新人女「え? え? 違うんですか」

女「ちがうよー」
B男「違うでござるよ〜」
男「まぁ、違うかな」

女「デスマってのはさ、こう、もっとさ。うーん。
 『ギギギ』……いや。『ギギギガガガ!?』
 っていう感じでさ」

B男「それでは判らないでござるよ。拙者が説明するでござる。
 そう、たとえばそれはDIOS(治癒)さえも尽きた第7階層、
 仲間の半数は灰(アッシュ)となり、繰返されるピットトラップ
 帰還さえも望めなく、ただひたすらに化け物に襲われないこと
 だけを願いながら、それでもドアを開けないと進めない。
 そんな暗闇の底を這いずり回る煉獄でござる」

男「余計に判らないだろ、それじゃ。……つまりね」

女「はい」

男「今の状態は、『仕事が忙しい』状態で、デスマってのは
 根本的に違うんだよ」



608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:00:29.72 ID:vIdZBssS0
男「デスマってのは。
 ……精神的な状況も含めてのデスマだからさ。
 仕事が忙しい『だけ』じゃデスマにはならないんだよね。
 仕事は忙しくなったり、緩やかになったりするけどさ。
 基本的に永遠に続く夜はない訳。こっちにも営業があるし
 クライアントにだって締め切りはあるからね。
 最悪の場合でも耳と目をふさいで耐え抜けば、
 何とか、その嵐の期間は過ぎるんだよ。
 そのやり方は、最悪の場合の話だけどね」

新人女「……」

男「それに比べてデスマっていうのは……。
 血が凍ってく感じかな。突撃しても死ぬだけで、
 なんの意味もないってのが『判って』いるのに、
 それでも突撃させられていくような。
 くだらないって事が判ってて、価値がないって判っている。
 そんなことのために大事な物を削り取られていくって言うか」

女「……」
B男「……」

C男「……」
新人女「……



613 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:05:10.27 ID:vIdZBssS0
男「えーっと。まぁ、そういうのは無いからっ!
 『本当の』デスマーチなんて世間の人が噂し合うほど
 めったにあるもんじゃないよ。たいがいはただ単純に
 忙しいだけ。ちょっと残業が多いだけ。
 そんなのは仕事の要領を良くしたり、手を動かすのを
 早くしたりすればいいし。
 最悪、残業はバックれればいいんだよ」

新人女「はぁ……」

女「うん、そうそう。うちらの班は、デスマは……。
 えーっとあんまりない、かな」
B男「もう半年以上ないでござるね。男氏がマネジになってから」

C男「デスマなんて捨てよう」
女「そうそう」こくこく

男「えーっと。脅かしちゃったらごめんね?
 ほんと、そういうのは、無いからさ。基本は。
 うん……無いから」

新人女「はい……」



615 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:08:03.11 ID:/WMLikuI0
責任者次第だよなあ、デスマって
無理なのものは無理と言える責任者、愛してる



617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:17:14.14 ID:vIdZBssS0
男「ちとトイレ」
B男「拙者も行くでござる」

女「あぶなっかしいなぁ。あははっ」

C男「……」

女「どした? 暗いのか? C男は表情読みにくいんだから
 そうふさぎこまないで」
C男「……」ニカッ
女「笑わないでいいや」

C男「……俺はデスマしたことないみたい」
女「そだね。まだ半年弱でしょ? 良かったね」

C男「デスマ処女」
女「うん。……ごっきゅ、ごっきゅ」

C男「捨てたい」
女「えー?」

C男「今更膜つき、カコワルイ」
女「そうかなぁ」



624 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:22:10.23 ID:vIdZBssS0
女「あんなもん、経験無ければそれに超したこと無いと思うよ?」
C男「それじゃ一人前っぽくない。捨てたい」
女「そう言われてもなぁ」

C男「女先輩は経験済みだし」
女「あー。それがうちが非処女だという指摘ですかっ」だむだむ

C男「男の場合は童貞なので格好悪さが数倍」
女「まー。それはね」
C男「ウォリアー」

女「?」

C男「ウォリアーが良い」
女「うち? ふはははは。キミは見所あるな!」

C男「ウォリアーになりたい」
女「ってうちじゃないんかっ」

C男「……」
女「でも、そんなの時間の問題だよ。経験積めば強くなる」

C男「時間の問題じゃ、男さんに追いつかない」ボソリ
女「?」



626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:24:55.09 ID:WyE1ouU0O
C男はやっぱり女を狙ってるのか

それとも単純に男を超えたいのか

どちらにしても面白い



628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:28:02.45 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 19:00 居酒屋「デスマーチ」
――トイレ

ジャー

男「あの件、どーかな」
B男「了解でござる」
男「うわ、二つ返事?」

B男「拙者まだ若いですし。ニート慣れしてるでござるし」
男「さわやかに暗いことを」

B男「それに」
男「ん」

B男「暗殺ミッションは忍者の花道でござる」
男「いや、違法行為はやめようぜ」

B男「鉄砲玉は若いときしかできないでござるよ。
 拙者、退屈で忙しいのなら、同じ忙しいでも楽しいのが
 良いでござる」

男「まぁ、実際は流れ次第と言うことで」
B男「了解でござる」



631 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:31:45.57 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 19:15 居酒屋「デスマーチ」

女「お疲れ様ー。会計済ましておいたよー」
B男「いくらでござるか?」
女「二千円〜」

B男「安いでござる」
新人女「本当ですか?」

女「うむ。残りはマネジが払ってくれるそうだよ!」

男「え?」

B男「ごちそうさまでござる」C男「ごちそうさま」

女「ね? 新人女さんも」
新人女「あの……。ごちそうさまです」

女「ねー! マネジ。きゃーかっこいい!」

男「――はい、払わせていただきます」



634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:34:22.12 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 20:00 駅

女「では、今日は解散と言うことでっ!!」
男「うん」

女「ちょっと時間早いけれど、まぁあそぶひとは遊んで帰る。
 自己責任で! でも基本は家で身体を休めた方がよいかなー」

新人女「はい」
B男「了解でござる」
C男 こく
女「新人女ちゃん、ごめんね。簡単で。仕事暇になったら
 またごっつい飲み会をしましょうっ」
新人女「いえいえ」

女「では、みんな寝冷えとかしないように。
 最後にマネジから一言っ!」
男「女が一緒だと何も言わなくて済むから楽だ」

女「以上。解散っ!」

「「「お疲れ様でしたーっ」」」



同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」その4へ続く

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質問「非処女が処女に勝ってる事なんてあるのですか?」【【2ch】ニュース速報嫌儲版】at 2012年09月29日 06:00
この記事へのコメント
  1. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月22日 14:14
  2. C男の「捨てよう」がいちいち笑えるw

    仕事は金、人間関係、仕事内容のどれか1つがよければ続けられるって言うけど、
    ここは人間関係なのかな