2009年04月21日

同僚女「うちから、ウォリアー取っちゃダメだよ」その2

418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 12:17:22.75 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 黎明

(暖かいなぁ……)

(すごいなぁ。これ。もしかしてこれが噂の
 ヘブン状態なんではないだろうか)

(うちの身体、ふわふわで、ぽにぽにで。
 間接がじわーっと甘くてさー。これなんだろ……。
 はちみつっぽいな……)

(はちみつ……だぁ……)

(まさにヘブン状態だぁ……癖になる、これ)

(あ。浮かびそう)

(浮かんでいきそう……)



421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 12:21:59.69 ID:RSslweiZP
ん……

(なんだろ……これ……)

こつん

(なんか、あったかくて、よいものだ……)

すりすり……

(まぁいいや……もうちょい、はちみつ……)

(ヘブンだぁ……)

くてんっ

(暖かいなぁ……)

“ちくん”

(あれ……)



424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 12:28:09.03 ID:RSslweiZP
(……そか)

(ダメかぁ……)

“ちくん”

(ん。しゃぁない……。これ、うちのものじゃないもんね)

(今日はちょっと借りてただけ……)

(そろそろ……戻らなきゃね……)

男「すぴぃ……。んぅ……」

女「……」“ちくん”

男「んぅ。……すんっ。すんっ」

女(鼻すすり上げたりしてる。ぷくく)



429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 12:44:46.14 ID:RSslweiZP
女(……ん)

女(起きよかっ)

もそもそ

女「……そーっと、そーっと」

男「んぅ……。くふぅ……」ぱたぱた

女「?」

男「……」ぱた

女(なんか探してるのかな? マクラ押しつけとこ)

男「んっ。すぅ……。すぅ……」

女「よし、ちゃちゃっと洗顔して身繕いをしよー」

女(元気、少し出たなぁ)



441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 12:55:06.36 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 07:00 パン屋

女「もうちょっとゆっくり寝てても良かったのに。
 8時半に間に合えば良いんだからさ」
男「いや、起きちゃうと気が焦る」

女「まぁ、気持ちは判るけどね〜」
男「女先輩、何買うの?」

女「うち、コーンブレッドと焼きそばパンと
 メロンパンと唐揚げロールふたつ」
男「なんか、えらい買い込むね」

女「あ。お昼ご飯も。買い出し面倒だし」
男「そっか。それいいな。俺もそうしよう」

女「うんうん。うち賢いなぁ」
男「唐揚げ2つってちょっと馬鹿っぽいけど」

女「なぬ? 唐揚げを愚弄するのか!?」
男「しません」

女「よし」



490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:12:24.13 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 07:10 神楽坂の路上

女「暖かいね〜」
男「初夏だね、これは」

女「やー。これは本当に、電車じゃなくて良かったよ」
男「その点だけは全く同意だ」

女 けふっ
男「ん? どした?」

女「花粉症?」
男「しゃっきりしてな。女先輩。多少疲れとれたでしょ?」

女「おお。もう、ばっちり!」
男「今日はなんかこざっぱりしてるもんね」

女「まぁね! ちゃんと身支度したしね! 睡眠足りてるしっ」
男「今日は社会人みたいに見えるよね」
女「普段は?」
男「幽霊船みたいな感じ?」

女「あははは」べきっ

男「すんませんしたっ」



493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:20:43.12 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 08:20 神楽坂作業室

C男「今日も捨てに来た」
女「おはよー」
男「おはよう」
新人女「おはようございますっ」

女「新人女ちゃんもおはようー」
男「おはよー。今日もよろしくねー」

新人女「わ。ちゃんと帰れたみたいですね」
女「?」

新人女「いえ、昨日もあんな感じでしたから、
 会社泊まりになっちゃったかと」

C男「そう言えば、今日はまとも」

女「失敬だなぁ。キミたちはいつもうちをどうゆう
 目線で見てたのかね」

新人女「いえ、それは。……うぉりあ」ぼそっ
C男「妖怪人間カイシャセンジュウミンゾク」

女「あははは」べきっ



497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:27:10.01 ID:RSslweiZP
男「ほいほい。そろそろ時間だ。本日分を始めよう」
新人女「はい」

C男「く。理不尽な暴力を捨てよう」
女「なんか云った?」ぎろっ

C男「ううう」

男「それぞれ昨日の続きでお願いします。俺は午後は
 池袋いかなきゃならんので。多分2、3時間だと思うけど」
新人女「B男さん?」
女「なんぞ救援でも出ておるん?」

男「んー。いや、クライアントと会う」
女「そっか」

男「その間は、まぁなんもないと思うけど。
 先輩おねがいします」
女「ほーい」

男「んじゃがんばろー」
新人女「はーい」



499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:30:38.77 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 15:00 池袋/ドーナツ屋

B男「旨いでござるなぁ。フレンチクルーラーは
 バカ旨でござるなぁ。もしゃもしゃ」

男「ホントに忍者なのか?」
B男「!? ほ、ほんとでござるよっ!
 拙者これでも脱いだらACは-4達成でござるよ。
 う、疑うならすぐさま脱ぐでござるよっ」

男「ごめんなさい。疑いません」
B男「それでいいでござるよ−。拙者も変態の汚名を
 着たくはないでござる」

男「なんか理不尽な感じだなぁ」
B男「まぁまぁ。男氏も食べるでござるよ」

男「食うけどさ」
B男「そうでござるよ。もしゃもしゃ」

男「――どんな感じかな」



505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:41:32.07 ID:RSslweiZP
B男「ん〜。M野は、まぁ、一日半分くらいはいるでござるね」
男「何やってるの?」

B男「あちこち電話したり。マインスイーパーしたり?」
男「上手いの?」

B男「天才チンパンジーのアイちゃんクラスでござるね」

男「――まぁ、どうでも良いか」
B男「どうでも良いでござるよ」

男「仕事の方は、どう?」

B男「きつくないでござるよ。というか、楽勝でござるね。
 なんといっても、ほとんど全部の仕事、神楽坂班に
 行ってる訳でござるから」

男「そりゃそうだ。交通整理が終わったら」
B男「戻すでござるか?」

男「いやー。戻すのも面倒でしょ。なんせM野が上で
 ガチャガチャやって仕事の流れふってるんだから。
 それをメンテして戻したところでね」

B男「ふむ」

男「べつに、M野とケンカしても実務が減る訳じゃないし」



506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:47:05.95 ID:RSslweiZP

B男「ちょっと臆病に聞こえるでござる」
男「そうじゃない、とは思うけど」
B男「拙者もそう思うでござるよ」

男「んじゃま、それは当面後回しで」
B男「了解でござる」

男「で、もう一人の女の人、様子は?」
B男「ちょっと落ち着いたでござるね」
男「M野のちょっかいは?」

B男「M野はご存じの通り、顔だけで選んだみたいで
 ござって。でもまぁ、手を出す順番としてその人
 ――眼鏡女氏と呼んでおきますが、彼女は後回しに
 したみたいなんでござるよ。地味だから」
男「ふむ」

B男「ま、そんな流れで手を出すつもりは、
 当面はなさそうでござる」
男「その人にも悪いことしてるな−。このごたごたで」

B男「結構タフな人でござるよ」
男「ほー」

B男「修羅場くぐってきたん匂いがするでござる。
 生活保護とか云ってましたし」



510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 14:55:08.94 ID:RSslweiZP
男「あー。そうゆう人は、強いよね」
B男「同意でござる」

男「仕事の方はどう?」
B男「こっちの業界はド素人でござるね。エディタと
 Exelと……まぁ、つまり入力くらいはここ数日で」

男「さきゆきは、どうかな」
B男「……?」

男「腕は、あがりそう? それ以前に生き抜けそう?」
B男「それは男氏の判断領域ではござらんか?」

男「時間がないから、ここはB男を信じる」
B男「いけると思うでござるよ」
男「即答か」
B男「推挙を考えてござった」

男「了解。――女所帯だね」
B男「仕方ないでござるよ。あるもので戦わないと」



512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 15:00:22.59 ID:RSslweiZP
男「状況把握。んじゃ、今日からでもこっちの仕事回す」
B男「ふむ。こっそりで?」

男「もちろん。さすがにB男いないときついんだ」
B男「拙者の活躍が認められてきたでござるね」

男「ぬるい池袋でなまってないか?」
B男「ぎくっ」
男「うわ。眼鏡っ娘とナニしてなまってるのかー!?」
B男「そんなことはないでござる」

男「ま。いいや。ファイル送るよ」
B男「了解。単純作業は、眼鏡女氏にも
 振っていいでござるか?」

男「うん。積極的にそうしてあげて」

B男「――で、マネジ氏。拙者の方の案件は?」
男「難所は通した」

B男「ではっ」ぎらっ
男「ん。今週末、必要な書類。送っておくよ」

B男「ありがたいでござる」
男「こっちこそだ」



515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 15:06:59.45 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 15:00 神楽坂作業室

女「うー」ぽきっ
男「女先輩、進んだ?」
女「めたくた進んでますよ。うち」
C男「悪魔のような素早さだ」

女「ふはははは。ドクター・ヘルのポーズ」
男「……もはやコメント不能領域だ」

新人女「負けてられません」

新人女:カタカタカタ

C男「――捨てる」

C男:カタカタカタカタカタ

女「みんなやるなぁ。けふんっ」
男「女先輩、なんかその咳。変に可愛くてヤダ」

女「ヤダって云うなっ。うちだって花粉症になるの
 初めてだからよくわかんないのだ」



518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 15:12:02.79 ID:RSslweiZP
新人女「マスクつけて生姜湯が良いと云いますよ?」
女「ディケイドか……。あれもなぁ」

男「いま、確実に違うマスクを想像したでしょ」
女「通りすがりやから、うち」
男「良いから仕事しましょう」

女「くしゅんっ」
男「鼻水ふいて」

女「うちは鼻たれたりしないもんっ。
 そんな乙女にあるまじき真似ですよ。
 男こそ鼻すんすんしてたくせに」ずびしっ

新人女「?」 男「へ?」 C男「捨てよう」

男「俺は花粉症じゃないですが」

女「いや、そうじゃなくて、こう……。
 ぱたぱた枕を探しちゃったりしてっ」

新人女「??」

男「女先輩壊れたんですか?」



520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 15:17:23.27 ID:RSslweiZP
女「そうじゃなくて男のなっ。寝す」

男「?」 新人女「?」 C男:カタカタカタカタカタ

女「ね、ねす……ネス……」

男「あ」

女「PKサンダーっ」
C男「ムーンサイドッ!?」がくがくがく

女「……」ちらっ
男「?」
新人女「――」

男「まぁ、いいや。とにかく、やっぱりちょっと遅れ気味。
 それもこれも仕事が多すぎるせいで申し訳ないけど。
 ともあれ納期は絶対なんで」

女「納期は絶対」じゃきーん

男「期限は厳守ですからね」

新人女「はい」
C男「納期も期限も捨て去る」

女「捨てるなっ」べしっ



541 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 16:52:02.59 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 19:00 神楽坂作業室

女「……よし。うち、今日の分終わった!」
男「お、すごい」

女「褒めても良いよ?」
男「女先輩、えらい。スゴイ!」

女「ふふーん。ふふふーん」
男「えいっ」ベキッ

女「何をしますかっ!?」
男「いや、鼻高々になっていたので、折っておいた」
女「これは丁寧に、すいません」
男「いえいえ。どういたしまして」

女「……」
男「……」

C男「神楽坂小芝居劇場を捨てよう」

女「うち、コンビニいってくるけど」
男「あ、ご飯?」

女「一緒に来る人ー? 何か頼む人−?」



547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 16:58:56.10 ID:RSslweiZP
C男「む……。じゃアクエリアス・カボス味を」
女「そんなのあるかーっ。C男はうちと一緒に来るの」

C男「へ?」
女「うちの子分でしょ。ほら」
C男「な、なぜ?」

女「うちのことポンコツ女とか捨てるとかゆったでしょ。
 荷物持たせてあげるから。ほら、行くよ。」

新人女「えと、お願いして良いですか?」
女「いいよ、いいよ。なんでもゆって」

新人女「タマゴサンドと何か紅茶を」
女「おっけー。おとこは?」

男「おにぎり。……高菜と昆布。あと日本茶。それから
 カロリーメイト」

女「フルーツ味ね」
男「おねがいします」

C男「ううう」
女「ほら、いくよっ。C男」
C男「人間の尊厳が捨てられた」



549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:04:18.56 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 19:10 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……。えと、こう……。ん」ちらっ

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「あの……」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「男さん? すいません」
男「……はい? ごめん、聞こえてなかった」

新人女「いえ。はい。……あの、明日なのですが」
男「うん。土曜だよ。ちゃんと休んでね」

新人女「男さんはいらっしゃいますよね?」



555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:17:14.06 ID:RSslweiZP
男「うん? ……んー。まぁ、そうなる、かな?」
新人女「あの」そーっ

男:カタカタカタカタカタカタ

男「ん? どしました?」
新人女「私も、出たいです」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「スケジュールとか仕事量は気にしないで良いよ。
 ――週休二日の条件でここに来たのでしょ?」

新人女「それは、はい。……出ては、ダメですか?」

男「理由は?」

男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「……はい。えっと」

男:カタカタカタカタカタカタ



557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:22:16.87 ID:RSslweiZP
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「……」
新人女「…………。男さん」

男:カタ

男「ん」くるっ

新人女「私、いま伸びてると思うんです」
男「うん、保証する」

新人女「……」
男「大丈夫、伸びてるよ」

新人女「だから、いま頼ってもらえれば
 わたし『何か』になれる気がするんです」

男「何か」



560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:27:33.37 ID:RSslweiZP
新人女「ウォリアー……は、わたしよく判らないんですけど。
 でも、いつまでもお豆さんって云うか、
 女の子扱いっていうか。そうじゃない何かに。
 ――ちがう、何かになりたいんです。
 すみません、訳の判らないこと云って」

男「……」

新人女「だから使ってください。一緒にいたいんです」

男「はい?」

新人女「あ……」かぁっ

男「えーっと」

新人女「この職場、楽しいんです。いつまでも新人扱いは
 肩身が狭いです。お願いします。使ってください」

男「……」

新人女「まだ力不足ですか?」



565 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:33:39.59 ID:RSslweiZP
(あの子が根性見せたら、残業許可出してあげて)

男「……」

(見せたら、で良いから。覚えておいて。
 一応うち先輩だし。先輩のコメントって事で)

男「いや、力なんかじゃないよね。根性、かな」

新人女「?」

男「ありがたい。戦力が欲しかったのは本当だ。
 新人女さんは、うちの戦力だよ」

新人女「はいっ!」 ぱぁっ

男「――うん」
新人女「はい?」

男「いや、そういう表情するんだな、って。
 びっくりした。
 新人女さんのこと始めてちゃんと見たような気がする。
 マネージャーなのにいろいろ気を遣わせて、ごめんね」

新人女「いえいえっ。こちらこそ不出来で済みません」



567 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:39:45.20 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 19:30 神楽坂作業室

がちゃん

女「アイス買ってきたでー!」
C男「カロリーメイト捨てよう」

男「初っぱなから捨てるな」

女「きょうはうちの奢りだ。遠慮せずに食べてくれ!」
男「……スーパーカップじゃん」

新人女「バニラですね。これ好きです」
女「やっぱね。判る娘にはわかるんだよ」

男「もらえるものはもらうけど」
新人女「頂きます」ぱくっ
C男「……はぁ。後悔を捨てよう」

女「文句ある?」
男「ぜんぜん無い」

新人女「美味しいですよ?」



569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:46:06.09 ID:RSslweiZP
女「美味いよね〜」にこっ
新人女「はいっ」

  C男「うう。結界発生」
  男「いいからメシにしようぜ。俺たちは」

新人女「あの、女さん……」
女「なに? もきゅもきゅ」

新人女「明日、私も来ます」
女「へ? ああ。土曜出勤? 根性見せるね!」
新人女「はいっ」

  C男「ふっ。昆布など過去の遺物。捨てよう」
  男「王道ってのは正しいから王道なんだ」

女「新人女ちゃんも、ウォリアになってきたかな」
新人女「いえ。ウォリアは判らないんですけど」

  男「お。これ何? 美味いじゃん」
  C男「わさび漬けおにぎりだ」

新人女「女先輩は、あの。
 その……」
女「うちは根っからのウォリアーだよ?」



571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 17:52:06.07 ID:RSslweiZP
新人女「男さんの、ウォリアーですか?」ぽそり

女「――」

新人女「……ですか?」じ、じぃっ

女「新人女ちゃん。びっくりしたよ、うち。
 新人女ちゃんも、ウォリアやん」

新人女「自分が一番びっくりしてます。
 なんでこんな事口走ってるんだろうって思ってます。
 緊張しすぎで心臓壊れそうです」じ、じぃっ

女「そっか。えへへ」
新人女「……」

女「うちはー……。違うかな。男のウォリアじゃ、ないよ」
新人女「……」

女「そういうんや、ないよ。うちは。……うちらは」
新人女「……でも」

女「男のウォリアになりたいん?」
新人女「……判らない、です」



576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 18:01:25.28 ID:RSslweiZP
新人女「けれど」
女「うん」

新人女「何かに。
 ……『そういうの』っていう用意されたお誕生日席じゃ
 ないような、ちゃんとした『何か』に。
 なれるかもしれないと。なり、たい……と。
 ……だいそれてるんですけど」

女「……」

新人女「望んで、得るような。何かに。
 ……。済みません。
 日本語壊れてますよね。
 ゆとりなんです、わたしっ。
 日本人なのにまともに説明も出来ないでっ。
 男さんの『何か』って、それがどんなものか
 説明も出来ないんですけど、どんなものかも
 判らないんですけど」おろおろ

女「ん」
新人女「シリメツレツなんです。お恥ずかしい」

女「それは、やっぱりさ」



584 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 18:10:25.41 ID:RSslweiZP
  C男「だから、おかかは貧乏人のおにぎり」
  男「ちょっと表出ろ」

  C男「その無駄な国粋プライドを捨てよう」
  男「お か か な め る な ッ !!!」

女「じゃかしい、キミらっ!!」だむんっ!

  C男&男 びくっ!!

女「君らがカラケヨメ星人だって事は判った。
 そこでうちが特別にエアリードの技能講習をしたげる」

  C男&男 ぶるぶる

女「安心していいって。うちのは、
 ハンニバル・レクター直伝の高速学習だからっ
 もちろん、テキストはバインダー式っ」わきわきっ

  C男&男 がくがくっ!!

女「楽しい講義の時間だ、諸君……ッ!」

男「ちょ、女先輩ったんまっ」 C男「現世を捨てよう」

新人女「……」
女「そこへ座んなさいっ」



611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 19:59:55.20 ID:RSslweiZP
――5/24、土曜日 11:30 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」
新人女「女さん、来ませんね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「先輩にしては珍しいね」
新人女「ん……。はい……」
男「どした?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「いえ、気を遣わせてたりしたら悪いと」
男「女先輩が? 遠慮するような人じゃないよ」
新人女「そうですか?」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ



614 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:04:58.67 ID:RSslweiZP
新人女「出来ましたっ」
男「ほい、見るよ」

男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「どうでしょう?」
男「ん。なれたね。この工程は、もう任せる」
新人女「はい。残りに進んで良いですか?」
男「うん。もう個別チェック出さなくて良いよ。まとめてで」
新人女「了解です」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「新人女さん、そう言えばさ。先週仮納品したやつの
 担当分の帳票ってあがってる?」
新人女「あがってますよ−。
 女さんの分と、C男さんの分もあがってますよ。
 連番処理をして、共有の日付に入れてます」

男「あんがと」



618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:10:51.58 ID:RSslweiZP
男「新人女さんは、伸びてるよ」
新人女「そうですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「うん。――女先輩やB男とはタイプ違うけどね」
新人女「……?」
男「二人は、集中力で仕事するタイプ。瞬間的な速度と
 それを維持するための精神力で切り込む感じだよね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「新人女さんは、細かい仕事の繰り返しを続けるタイプ」
新人女「はい。自分でも意外ですけど」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「地味仕事、苦にならない?」
新人女「一個ずつ部品がたまっていくみたいで、
 ちょっと嬉しいですよね」にこっ



621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:16:33.23 ID:RSslweiZP

男「視野も広がってきてるよ」
新人女「そうですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「ん。集中タイプは集中すると、目の前の仕事しか
 見えなくなるから。その代わり驚異的な速度が出るんだけどね。
 新人女さんは、俺と似た側だよね。スケジュール管理とか
 すぐ出来るようになるよ」

新人女「そうですか? 嬉しいですね」にこっ

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そう?」
新人女「はい。褒められなれてないので、すごく照れます」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そうかー?」



623 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:19:50.97 ID:rYG7bqmi0
得手不得手ってあるよね


625 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:23:09.53 ID:RSslweiZP
新人女「仕事で褒められると嬉しいですよー」にこぉ

 (偉いぞっ)

男「うん。そだね。判るよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

とててて。がちゃっ。

女「おくれてごめんっ!」
男「おはようございます。女先輩」
新人女「おはようございますー」

女「や! いろいろ事情が」
男「休日出勤だし時間決めてないんだから、そんなに焦らないでも」
新人女「ええ」こくり

女「仕事たまってるしさ。よいしょ」

男「で、事情って?」



629 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:28:13.60 ID:RSslweiZP
女「実はさ――」
新人女「そんなに深刻な話なんですか」
女「ちょっとね」
男「なんだよ」

女「洗ってないぱんつがなくなっちゃってね」

男「……」
新人女「……」

女「いや、うち青ざめたよ。気がついたのが早くて良かった。
 このままじゃ乙女として色々失格しちゃうところだったね。
 そこで急遽連続洗濯作戦を実行せざるを得なくなってさ」

  男「これはまだ失格前なの?」こっそり
  新人女「審判が見てない反則は反則じゃないんですよ」こそっ
  男「女って奥が深いんだなぁ」
  新人女「女の子っての基本卑怯なイキモノですから」

女「まぁ、そんなわけで。洗い立てぱんつを装備した
 うちにもはや敵はいないねっ!」



635 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:33:59.47 ID:RSslweiZP
男「あー」
新人女「はい?」

男「やっぱさ。職場でぱんつの色とか胸のサイズとか聞くと、
 セクハラになる訳じゃない?」
新人女「ですね」こくこく

男「でもさ、聞かないうちから大声で教えてくれるってのも
 ある種のセクハラだと思うんだよ」

女「今日は水色だよっ」にこーっ

男「……」
新人女「……」

女「え? どして黙る?」

男「ウォリアーってのも善し悪しだなぁ」

新人女「えっと、私が話しましょうか?」

男「悪いけど、頼める?」

新人女「女さん、あの。ちょっと」
女「へ?」
新人女「ちょっと、あっちでですね」



645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:39:01.95 ID:RSslweiZP
 新人女「――。――――」
 女「――?」

男「いや、こんなに新人女さんが頼りがいあるとは」

男:カタカタカタカタカタカタ

 新人女「――――。――」
 女「――っ!?」

男「まじでありがたいな。ほんと」
男:カタカタカタカタカタカタ

 新人女「――。……!?」
 女「――。――ッ!」

男「さばけてるのは良いんだけど、返答に困るのはなぁ」

男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「男さん。男さん」

男「話判ってくれた?」

新人女「水色なのは確認しました」こくり

男「……」



647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:41:15.62 ID:SDi45SoSO
何しに行ったんだよww


649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:41:38.47 ID:AS2QXwF7O
確認てwww


651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:44:51.25 ID:RSslweiZP
男「あのさ。えーっと。頭追いついてないんだけど」
新人女「はい。えっと」

 女「――」ぱたぱた。ぴしり。

男「あれ、なんかのブロックサイン?」
新人女「えっと、はい。……そ、それでですね」かぁっ

男「……なんか惨劇の予感しかしない」

新人女「つまり」

 女「――!」びっ。ぴしり。

新人女「わたしは、その。今日は白ですからっ」

男「先輩っ。新人さんに何言わせてんですかっ!
 マジハラスメントじゃないですかっ!」

女「ええじゃないか」
男「へ?」

女「セクハラでもええじゃないか!」ばむばむっ
男「えーっ!?」



653 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:47:23.20 ID:nNZG873r0
黒でなくて良かったw


655 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:51:34.93 ID:RSslweiZP
女「そもそもえろ発言はうちの芸風の1つだったのだ。
 最近は新人女ちゃんがいたから抑制してただけ」

男「ずっと抑制しようよ。社会人として」

新人女「いえ、その」おろおろ

女「しかし。その新人女ちゃんも土曜日デビュー。
 いわばうちら前線豚の仲間入りですよ。
 銀十字勲章を得たとなれば手加減無用。
 今後は多少のえろトークは個性のうちだと説得したまで。
 いや、むしろえろ発言を禁止するのはうちの人格否定だ」

男「いや、まぁ。そりゃね。女先輩がえろトークするのは
 問題ないけど……いや、ないのか? あるだろ」
女「問題ないよ」

男「でもそれと新人女さんにえろ発言強要はちがうでしょ」
新人女「あの……」

男「それはさすがに先輩らしくないですよ」
新人女「その」

女「ええじゃないか」
新人女「え、ええじゃないですか?」

男「は?」



661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 20:56:45.15 ID:RSslweiZP
新人女「いえ、その」

女「やっぱね。多少のえろトークはしていかなければ
 いけないという合意に達した。
 うちと新人女ちゃんはセクハラ仲間なのだ」

男「へ?」

女「パレスチナでの調印と相成った」
男「……」がくっ

新人女「あの。すみません、男さん……。
 本当に他意はないので」

男「他意はないって……。なんでそうなるんですか」

女「職場の彩り?」
新人女「熱に押されたというか……。多少なりとも
 意識してもらえないとと云うか」おろおろ

男「……仕事」
新人女「?」 女「?」

男「仕事開始」

女「あははは〜」 新人女「は、はいっ」



664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:03:41.18 ID:RSslweiZP
――5/25、土曜日 18:30 神楽坂作業室

女「けしゅんっ」
男「なにその可愛い咳」
新人女「風邪ですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

女「ちょっと抵抗落ちてるのかな。免疫低下」
男「気をつけないと。そろそろ疲労もピークでしょ」
女「年齢やね。疲れても抜けないし」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「筋肉痛も時間差でくるし?」
女「お肌がねー」
新人女「気を遣いますね」

女「新人女さんにツッコミされたっ!」
男「ツッコミじゃないと思うぞ?」



668 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:08:04.57 ID:RSslweiZP
女:カタカタカタカタカタカタガガガガ

新人女「すごい速度ですね」

男「一回座って6時間ノンストップだし。本気で午前中の
 分取り返すつもりだと思うよ」

新人女「集中力、続くものですか?」
男「その辺は気合いとしか云いようがないなぁ」

女:ぴたり

男「おろ?」
女「おとこー。おとこー」

男「なんです? 女先輩」
女「おなかすいた」

男「あーそんな時間かぁ」
新人女「そういえば、もう暗いですね」

女「うし、柴犬いきたい」
男「んー。じゃ、切り上げようか」



671 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:14:07.86 ID:RSslweiZP
新人女「私、まだ平気ですよっ」
女「いやいやいや」
男「いやいや」
新人女「?」

女「休日出勤で終電までやったら、死んじゃうよ?」
男「うん。確実に死ぬ」
新人女「そうですか?」

女「うん。頃合いだよ。切り上げよ?」
男「だね。撤収準備して」

新人女「はい、判りました」

女「ふんふんふ〜ん。しっばいぬー♪」
男「久しぶりだね」

女「新人女ちゃんも行くよね?」
男「ラーメンどう?」
新人女「行きますっ」

女「じゃ、出発だ!」



676 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:20:35.66 ID:RSslweiZP
――5/25、土曜日 19:00 駅前ラーメン「柴犬」

男「豚骨焦がしネギ入りで」
女「うちもそれー」
新人女「私もそれでお願いします」

男「矢吹ジョーのさ」
女「ん?」
男「ノーガード戦法ってキーボードの叩きすぎだと思うんだよね」

女「ああ。肩こりだね、あれは」
男「腕あがらなくなってるね」

新人女「わたし、最近腕太くなりました」
女「おー。見せて見せて」
新人女「ほら」

男「これで太いの?」
女「よく判らない」
新人女「筋肉ついたんですよ。力こぶだって出来るかも」

男「ちょっと無理じゃないかなぁ」


親父「トンコツ焦がしネギ三丁、お待ち」とんっ!



684 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:26:48.20 ID:RSslweiZP
女「あったかー……ずず」

男「ずず……ん。……んまっ」
女「ずるずる……。なんか久しぶり」
新人女「暖かいです……」

女「ずっず……おとこー」
男「ずずー。……なんです?」
女「来週って、風向きどんな感じ?」

男「まぁ、今週の続きで。正直風向きはあんまし
 良くないですね。俺はちょっと外回りが多いかな。
 クライアントに進捗説明しないと」
女「なんでまた?」

男「M野に任せてたら仕事しないでしょ?」
女「そっか」

新人女「私たちは留守番ですか?」

女「ずる……。留守番でも仕事満載やけどね」



690 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:32:16.48 ID:RSslweiZP
男「いない間の仕切りは、女先輩で」
女「らじゃー。ずずっ……」

男「で、共有フォルダの整理と門番は、新人女さん。
 やってみて」
新人女「はい」こくりっ

女「男が外回りだと、また処理速度落ちるね」
男「仕方ないですよ。きちんと説明して理解を
 得ておくのは必須ですからねー。クライアントとの
 信頼関係がないとデータ移行なんてやっちゃダメです」

新人女「ああっ!」
男「どしたの?」
新人女「いえ、今ので急に納得しちゃって」
女「どして?」

新人女「お客さんの企業秘密というか、顧客情報を
 預かってるんですもんね。やっつけはいけないですよね」

女「合格っ」
男「……」

女「うちの言うたとおりやん?」
男「ですね」



692 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:37:19.97 ID:RSslweiZP
――5/25、土曜日 19:30 神楽坂駅

新人女「では、お疲れ様でした」
女「おつかれさまー!」
男「はい。お疲れ様です。ゆっくり寝てください」

新人女「お休みなさーい」ぱたぱたぱた
女「またー!」ぱたぱたぱた

男「はーい。月曜日にー」

男「……ふぅ」

男「……二人は元気だなぁ。元気、かな。
 元気な訳無いか。……余計根性あるよな」

男「このまま、いけば……行く訳ないか」

男「あとどれだけ戦力があれば、勝てるんだかなぁ」

男「そもそも、勝ちってよく判らん」

男「負けないこと、と一緒じゃないのだけは
 判るんだけどなぁ。……疲れるなぁ」



694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:38:36.28 ID:pfzR1R430
投げ出さない事


706 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:46:43.89 ID:r/NekfgvP
無理はしないこと


707 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/22(水) 21:47:34.79 ID:xIICgT330
…なんか昔思い出すが、ついつい読んでしまう不思議。

デスマに勝ちなんてのは無い。
あるのは生きてるか死んでるかだけ。
残るのも生き残れたか死んだかだけ。

なんとなく思い出す数年前の3月末。



813 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 04:49:39.35 ID:WIVkXIxWP
――5/28、火曜日 14:00 神楽坂作業室

女「……おっけ。いいよー、このまま進めて」
新人女「……。ん」

新人女:カタカタカタ

C男「了解」

女「えーっと……。ふぅ」

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「……大丈夫ですか? 女さん」
女「へ? なんで?」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「いえ。体調」
女「へいきへいき。うち、ウォリアだもん」
新人女「でも、顔色悪いです」



815 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 04:57:06.75 ID:WIVkXIxWP
女「まぁ、時期がね。忙しいから体力はきついけどね」
新人女「はい」
C男「――」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「笑えているうちは平気」
新人女「?」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「いやね。人間、忙しいから気持ちが折れるんじゃないよね。
 笑えないから、気持ちが折れるんだよ。
 だから、忙しくても笑うんよ。そうすれば、平気」

新人女「――」
C男「サボりマネジは捨てよう」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「男はクライアント回ってる。締め切り交渉含めて。
 うちらには出来ない仕事してるんだよ」



819 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 05:10:44.61 ID:WIVkXIxWP
新人女「……」にこっ
C男「!?」
女「うん、そうだよっ。わ、新人女ちゃんは反則だなっ。
 その微笑みで何人犠牲者にしてきたことか」

新人女「……こんなの役に立たないですよ」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「そうなん?」
新人女「欲しくないものが増えて、
 欲しいものとは交換できないです」

女「いや、それも大概リア充な意見だと思うけど」
新人女「……すみません」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「ね、C男も可愛いと思うよね」
C男「戦場豚はかわいさを捨てる」



822 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 05:16:42.88 ID:WIVkXIxWP
新人女「ほら」
女「そこは空気を読め、C男っ!」べきっ
C男「……かわ、いい」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「――わらにでもすがるって言うかさ。なんにも
 出来ないときは、せめて笑うくらいしないと。
 それくらいしか身内にしてやれない時ってのもね。
 あったりしちゃう困った業界なんだな」
新人女「……」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

C男「……そうだ」ニカッ
女「あんたは笑わないでいいや。けふんっ」
新人女「……」



825 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 05:23:03.86 ID:WIVkXIxWP
――5/29、水曜日 9:00 神楽坂作業室

ピロリ

C男「メール着信」
女「あー。うちだ。仕事のにはアラーム設定してある」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

新人女「男さんでしょうか? でも今日は直行で蕨って
 行ってましたよね」
女「なんか訂正じゃないのかなー? んーっと」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「……」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「……っ」

新人女「どうされました?」



829 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 05:30:06.10 ID:WIVkXIxWP
C男:カタカタカタカタ

女「ん」
新人女「……」

C男:カタカタカタカタ

女「仕様漏れ。……設計前でトラブってる」
C男:ぴたり

新人女「よく判りません」
C男「……いつの? 何件?」

女「池袋が持ってた仕事。もうほとんど終わらせてた。
 件数は10万以上。ってか、データ構造に手をつけて
 リテイクだ」
新人女「……?」

C男「――捨てよう。捨てる。いや捨てさせる」

新人女「……??」

女「後ろから撃たれるんか……。あはは」



834 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 05:45:45.80 ID:WIVkXIxWP
――5/29、水曜日 13:00 神楽坂作業室

男「ん。概要はわかった。で、電話は誰から?」
女「部長」
男「ほいほい、ま。仕事してて」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「もしもし? はい。神楽坂です。はい、お疲れ様です。
 部長いますか? はい、おねがいします」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「……」すとん

女:カタカタカタカタカタ

男「はい。話の概要を聞きました。――はい? はい。
 ふむ。はい。……そうです。はい。
 ――要件定義ですよね? それは」

男「ふむふむ。うちに降りてきている書類では、
 前回のデータ構造ですよ。
 いえ、僕はそのクライアントとはお会いしてないんです」

C男「ボクを捨てよう」



838 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 05:54:53.21 ID:WIVkXIxWP
男「管理部の人間は呼ばれていませんよ。え? ああ。
 池袋班が? なるほど……。はい」

女「……っ」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「そうなりますね。……いえ、お受けできないです。
 体力? ……は、まぁ、はい。相当きついですが。
 それは今回のボトルネックではないですよ。
 はい、はい……」

男「いえ、そうではないです。
 ただし、このリテイクの作業を行うとなると、現在業務に
 手をつけている7社分はすべて期限内の実行が
 不可能となります。体力よりも、すでに物理的な
 実時間レベルの問題になっていますから……。はい」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「もちろんです、はい。……そうなりますね。
 池袋班? ……池袋班は、実働体制にないですよね。
 人数補充の予定は先週でしたが……。いえ、聞いていません。
 はい。……そうですか」



841 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 06:00:42.80 ID:WIVkXIxWP
男「いえ。そうですね。……では直接伺ってみます」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「そう言う訳にも行きませんよ。
 あははは……はい、仕事ですから。
 えっと、その足で開発に回って、時間があったら
 そちらにお邪魔しても良いですか?」

女「……っ」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「いえいえ。では、そうですね。はい。
 17:00過ぎにはお伺いできると思います」

新人女「……」 C男「……」

女「あんな。……どうやった?」

男「やっぱ出向いて聞かないと判らないかな。
 ――やだなぁ。
 そう思い詰めた顔しないで。先輩らしくもない。あはは」
男「こんな逆境今までいくらでもあったでしょ?
 話聞いてきますから」



847 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 06:07:36.05 ID:WIVkXIxWP
おっし、ここまででっ!
あと7分だからこれ以上の投下は危険(T∇T)

続きはパー速にでもスレもらってやろうかと思います。
dionにやられたとはいえ、こんなに長くなるとは。
女僧侶の時以来だよ。
短くて格好良いの書けるようになりてぇなぁ−。

みんなにママレードサンドの幸あれ!!



848 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 06:08:26.74 ID:PgNhFIMp0
おつー


852 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/23(木) 06:11:44.90 ID:wS8hnVK7P
乙でした



同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その1へ続く

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この記事へのコメント
  1. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月23日 23:46
  2. 女僧侶のひとだったのか
  3. Posted by 名無しさん at 2009年04月24日 08:08
  4. 黒パンいいじゃないか、黒! 黒パーンツ!
    毎回楽しみに読ませてもらっていますが、長すぎて駄スレにならないことを祈る。
    素晴らしい作品と思えるうちに終わってほしい
  5. Posted by at 2009年04月24日 10:54
  6. いつもながら読み応えあるな!
  7. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月25日 02:22
  8. 面白い
  9. Posted by 名無し at 2009年04月25日 03:09
  10. はやくつづきぃ〜…