2009年04月26日

同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その2

79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 19:07:38.33 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 15:20 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「おはようございますっ」
男「おはよー」
C男 こくり

男「わるいね。日曜日に」
新人女「いえ、良いんです。私も神楽坂班ですから。
 あ……」

男「ん?」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「いえ、神楽坂班って始めて自分で云いました」
男「うん」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「えっと、つまり……。ううん、説明できません」
男「――そか」

新人女「あはは〜。ゆとりは困りますね」



80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 19:08:17.13 ID:qv6ULQoP
C男「ご飯」
新人女「あ、はい。ご注文通り途中で買ってきましたよ」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

C男「感謝」
男「あんがとうね。んじゃ、食っちまおう。C男」

新人女「こっちにだしますね」

がたん。かたたん

男「いただきまっす」
C男「いただき」
新人女「いただきます」

C男「……ん。こくっ」
男「まぐもぐっ……」
新人女「ん……」

C男「ん……」
男「もぐ、もぐ……」

新人女「えっと」



81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 19:09:17.52 ID:qv6ULQoP
男「ん?」
新人女「静か、ですね。……その」

男「女先輩がいないとね」

新人女「……はい」

C男「もぐっ。もぐっ」

男「うん。静かすぎてかえって落ち着かないよ」
C男「同意」

新人女「ですよね」

C男「録音」
新人女「え?」

C男「『女はうるさい』と新人女が発言した。
 録音完了。……あとでチクる」

男「ぷっ」
新人女「え、あ。……そんなこと云ってませんよっ!」

C男「……」ニカッ
男「いやー」



82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 19:10:11.48 ID:qv6ULQoP
新人女「云ってませんよっ。男さんまで」

男「いや、笑わないとまずいよなって思って」
新人女「?」

C男「笑ってないと、勝てない」
男「勝てないな」

新人女「??」

C男「チクろう」
男「おー。チクらんとね!」

新人女「もーっ」

男「まずはここを凌いで。女先輩を迎えに行かないと」
C男 こくり

新人女「女先輩……どうしてるかな」
C男「メールは?」

男「あー。メールの返事、来ないんだよな。困ってる」
新人女「携帯ですか?」

男「うん。女はたしか自宅にPCないんだよなー」



83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 19:11:44.21 ID:qv6ULQoP
新人女「私も出してみましょうか」

男「うん、やってみて」

新人女 ぽぴぴぽぴぱぽぴあぽぴぴ

男「うわ、すごい早い」
新人女「そうですか?」

C男「異次元生物だ」

男「俺、携帯でメール出せない」
新人女「えっ!? どうしてですか?」

男「おかしいだろ、普通に考えて。なんであんな15個も
 キーがないような入力デバイスで文字が打てるんだよ」
新人女「だって、それは普通じゃ」

新人女 ぽぴぴぽぴぱぽぴあぽぴぴ

男「普通に考えてキーボードが必須だろう」
新人女「そうですか? ん……」

新人女「出来ました。送信……っと」

――う゛う゛う゛う゛う゛う゛。



84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 19:13:03.83 ID:qv6ULQoP
男「なんか聞こえない?」

――う゛う゛う゛う゛う゛う゛。

C男「バカを捨てよう」

がちゃ。かちゃんっ

新人女「女さんの携帯、ここにあるじゃないですかっ」

C男「まさに捨てるべきバカ」

男「だって気がつかないって!!」

新人女「……」じぃっ
C男「廃棄」

男「いや、すみません」
新人女「いえ。考えてみれば、付き添いの
 私が確認していくべきでした。あああ。
 無いと困ってますよね。女さん」

C男「同意」

男「?」
新人女「自分で救急車も呼べない訳ですし」



85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 19:14:56.73 ID:qv6ULQoP
男「でも、過労だしな。点滴うって家に帰ったら、
 激しい労働しない限り普通のはずだよ」

新人女「そうなんですか?」
男「俺も何回か点滴うったし」

新人女「……」

C男「全然自慢にならない」
男「面目ない」

新人女「でもそれじゃ、余計におかしいかもしれません」
男「なんで?」

新人女「日常行動できる程度にはすぐ回復するなら、
 連絡くらいあったり携帯取りに来たりしても良いような」

男「ほんとだ」

新人女「……」 C男「……」

男「んー。心配だなぁ。女先輩、天然なとこあるからな」



159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:19:13.35 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 20:00 小さなアパート

(……なんだろ)

(……動いてる? ……あ、そか)

(アルファとブラボーとチャーリーだ)

(初めまして、ご挨拶します。うち女です)

(長い間放置して済みません)

(うちも別に悪気があった訳じゃないんですよ)

(ただちょーっと忙しかっただけでして)

(反省してます)

男「目、覚めた?」

女「反省してます、今度は捨てるから」

男「C男ネタか?」



160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:19:55.19 ID:qv6ULQoP
女「……」ぼへぇー
男「……」

女「……おはようございます」ぼけっ
男「おはよ」

女「うち会議室で寝ちゃった?」
男「いや、大丈夫。家まで帰った」

女「そか……」こしこし
男「うん」

女「……」
男「……」

女「夢違うよね?」
男「ちがうね」

女「うち、なんかとてつもないピンチの気がする」



161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:20:27.94 ID:qv6ULQoP
男「ま、過呼吸じゃしかたない。ストレスだもん」
女「いやいやいや」

男「?」
女「そんなピンチとちがう。我が人生のピンチ。
 てか、なんで男はそんなにけろりとしてるん?」

男「へ?」
女「乙女の部屋にコッソリ上がり込んだりして」
男「ああ。ごめん。お邪魔してます。
 大家のおばさん心配してたよ」

女「あ、あわ……。ぐっ」
男「なに?」

女「見たな」
男「何を?」

女「固形化した鍋とかっ。洗濯の山とかっ。
 コンビニの残骸とかっ。箱から出してないケロロとかっ」
男「うん」

女「我が忠実なる三人の騎士アルファ、ブラボー、
 チャーリーは何を警護してたんよっ」

男「ゴミなら捨てておいたよ」



164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:27:51.70 ID:qv6ULQoP
女「なっ!? なん……だと……」
男「なんだっけ、それ?」

女「カレーつけて食べるパンみたいな食い物」
男「ナンだっけ、それ?」

女「っていうか、うちの寝顔見たなっ!!」
男「そんなの沢山見たことあるし」
女「ですよね」

男「でも、良かった」
女「へ?」

男「意外に元気で」
女「――」

男「や。女先輩、布団の上に布団かけて、その上にコートまで
 掛けてさ……がたがたしながら寝てるし」
女「――」

男「鼻すんすんならしてさ、ほっぺた濡れてるし」
女「――」

男「良かった」
女「それは、寝汗やん。うちがこれくらいで
 へこたれる訳無いやんっ」



165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:29:01.56 ID:qv6ULQoP
男「おう。安心した」
女「……」ぷいっ

男「これ、携帯ね。こいつを届けに来た訳だ」
女「うん」

男「だいたいさ。ゴミ出せないとか、
 ゴミ袋がお出迎えとか云うからどんだけゴミ屋敷かと思えば、
 埃は積もってるけどそんなに酷くないじゃん」

女「散らかせるほど家帰れてなかったし」
男「そりゃそうか」

女「あんな、男。……うち、やっぱり」

男「女先輩は、一週間療養ね」
女「そっか……。やっぱり……」

男「その後、待ってるから」
女「へぁ?」

男「間抜けな顔しないでくださいって。派遣本社の方は
 適当な事言っておいたから。派遣先の都合と休養とか。
 大丈夫。日割りで減るかもだけど、このまま」

女「あ、うち……」



167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:36:13.82 ID:qv6ULQoP
男「来週月曜から出れるかな」
女「うんっ」

男「いや、今回はごめんなさい。マネージャーとして
 本当に不徳というか、酷い有様でした。
 せめてこんな風になる前に一回診察に行かせるべきだった」

女「いや、強がって無茶したの、うちだし」

男「ゆっくり治してよ」
女「いや、平気。なんか元気出た。明日からいけるっ」

男「全然ダメ」
女「うー」
男「療養がいやなら、謹慎と思ってもらっても良いからね」
女「だってさ」

男「なに」
女「現場、どうなってるんよ」

男「黙秘」
女「どうせ地獄みたいな有様のくせに」



168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:40:21.66 ID:qv6ULQoP
男「どうせ地獄ですよ」
女「じゃうちが行った方が良いじゃん。猫の手だって
 借りたいくせに」

男「地獄だったら復帰しなくても良いよね?」
女「う」

男「大丈夫だって。女先輩が復帰した後だって
 地獄の醍醐味は残ってっから」
女「嬉しいような嬉しくないような」

男「ウォリアーっしょ?」
女「……うち」

男「ん?」

女「うん。うち、ウォリアー」

女「うち、ウォリアーやしっ」にこっ

男「偉いぞ」
女「うん。褒めてっ」

男「偉いぞっ」
女「うんっ」ぱぁっ



169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:41:32.76 ID:V3kiLWco
くぁいいのう


177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:47:15.73 ID:qv6ULQoP
男「そういえば、なんか食います? コンビニで
 色々買ってきたけど。あ、あとレトルトも」ごそごそ
女「うん、おなか減ったかな」

男「じゃ、台所借りますよー」
女「ほいさ」

がたがた。しゅぼっ……。

  女「おとこー。おとこー」

男「はい?」

  女「用意してくれてるとこわるいけど、
   うち、先にお風呂ってかシャワーする」

男「どぞどぞ。そもそも女先輩の家でしょ」

  女「んー。おもてなしもせんで、悪いね」

男「お構いなく」

ごそごそ

  女「んじゃ、用意する」もそもそ



181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:48:42.71 ID:qv6ULQoP
男「先輩?」
女「ほい?」

男「服は着ようよ」
女「着てるやん」

男「履こうよ」
女「履いてるっしょ。ぱんつは」

男「……さっさと入ってくださいよっ」
女「なに意識してるん? 目そらしちゃったりして」にまっ

男「さっぱりですよ」
女「もしかし、うちの脚に萌えた?」

男「萎えた」
女「えーっ!?」
男「萎えました」
女「何度この防御に破れたことか……」

男「無駄に誇示しないで良いですから」
女「女バスなめるな。すべすべなんだぞっ」

男「いまや完全引きこもり系人間なんだから
 過去の栄光にすがってないで早くシャワー行ってください」



188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:55:45.63 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 20:40 ユニットバス

ざぁぁぁー

女(……終わってないんだ)

女(来てくれた。うちは、まだあそこにいられる)

女(……暖かい)

ざぁぁぁー

女(うち、まだがんばれるんだ)

女(男と一緒に、まだ戦えるんだ)

女(……なんだろ。うち、うれしいんやろか。
 めちゃくちゃ、顔ゆるんでない?
 すごい、情けない顔してない?)

女「ばれたりしないだろなぁ」にこぉ



193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:01:08.10 ID:qv6ULQoP
女「あ、そだ」

女(せっかく来てもらったし、お茶くらい……)

女「お茶ってあったっけ? 去年の正月使ったような……」

女(いや、違うだろっ)ずびしっ

女「そ、そうじゃなくてっ」

女「色々考えるべき事は他にある訳でッ。
 いやいやいや。ちがいますよ。そういうことじゃなくっ。
 うちは一人のウォリアーとして乙女としてですね
 自分の矜持は守らなきゃならない訳でですね」

女(ぱんつだけは一杯洗濯しておいて良かったぁ……)

女「いやちがう。そこホっとするところでも
 照れるところでもない。なんですか、うち。
 はしたないにもほどがありますよっ」

女(つか、いまこそおにゅーのぱんつ卸すべきでは?)

女「だからちゃぅーっ! そうゆんじゃないってっ」



200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:08:36.56 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 21:00 小さなアパート

がちゃり

男「お疲れ様」
女「あ、あがったよ?」

男「先輩」きりっ
女「え、ぁ。はい」

男「大事なお話があります」

女「なんでしょうか。いや、まて。
 いま卸すから。――ちゃんと可愛いのだから」

男「良いからこれを見る」
女「……」

男「これいつのタマネギですか? なんでこんな
 とろけるチーズも真っ青な粘液状ですか。
 ラヴクラフトも真っ青な神話的恐怖ですよっ」

女「う゛ー」

男「他のものも一通り整理しときましたからね。
 火曜日の朝にだせばいいようにしてありますから」

女「なんでかなぁ、もうっ」



201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:10:22.73 ID:qv6ULQoP
女「なんでうちだけ布団かぶらなきゃならんの」
男「寒いんでしょ」

女「暖かいよ。おかゆ食べてるから」
男「なんで部屋着がジャージしかないんですか」

女「部屋着って云ったらジャージでしょ」
男「じゃ、そのジャージを洗濯しておいてくださいよ」
女「無茶いわないでってば。臨死してたんだから」

男「じゃ、文句言わないで布団かぶる」
女「むー」

男「……」
女「……もぐ……美味しい」

男「何食ったんですか? 今日は」
女「おかゆ食べてるよ?」

男「……」
女「……」

男「……もう一杯食います?」
女「食う」



207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:17:27.45 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 22:00 小さなアパート

女「そっか。C男そんなにがんばってるんだ」
男「うん。すごいよ。鬼気迫ってるかも」

女「そっかー」にこにこ「あとでメールしたげよう!」
男「それがいいかも」

女「あ! そだ」
男「なに?」

女「うち、今週は暇になる訳だし。
 お勧め風俗を検索して探してあげようっ♪」

男「あ、いや……」
女「どしたん?」

男「ほら。趣味ってのは、人様々だから」

女「ん? 男はC男の趣味知ってるの?」

男「いや。……それは、その。ねぇ。
 いくら先輩がえろトーク好きのウォリアーでも
 おのずとプライバシーってものが」

女「云っえっ」



208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:22:39.48 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 22:20 小さなアパート

女「ふむふむ」
男「で、新人女さんが一番早いんですわ」
女「そんなに?」

男「うん、いままで見た中で一番早いね、アレは。
 指先がぶれて見えるほどだし、なにより腕が動かない。
 指先だけ高速に動かして携帯操作するんだ」

女「それは一度みたいなー」

男「それでけろっとしてるんだ。これがまた。
 『これくらいは常識ですよ』って顔で。
 俺始めてリア充っていうんですか?
 遭遇した気がしたもん」

女「ま。でも、携帯は元々女の子の方が得意でさ」
男「そうなの?」

女「指が細い方が、あのキーの大きさは楽だよね」

男「そういえばそうかぁ」



212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:28:12.57 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 22:40 小さなアパート

男「B男もね。なんだか池袋の気合い入れてるみたいだし」
女「そうなん?」

男「女の人が一人残ってるって言ってたでしょ」
女「うん」

男「昼飯とか作ってもらったらしいよ」
女「まじでっ!?」

男「まじですよ。女先輩。この平成の鳳雛。
 マネジの諜報力を舐めてもらっては困りますよ」
女「孔明よりはずいぶん落ちる気がするなぁ、それ」

男「で、それが」
女「なになに」

男「あげたパンの耳のランチだったらしくて」
女「え?」

男「あげたパンの耳。きなこまぶしてあったって」
女「……」

男「忍者だしねっ」
女「そだね、忍者だしねっ!」



221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:34:33.04 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 23:00 小さなアパート

女「うっわぁ。そんで?」
男「それでもなにも。仕方ないからマクロ直しましたよ」
女「ぷくくくっ。そっか。災難やったね」
男「全くですよ」

女「あはははっ」
男「……女先輩だって後から参戦ですよ」

女「OK,OK。判ってる。ちゃんと働くから」
男「期待してます」
女「うち、ウォリアーやしっ」

男「ふぅ……。えーっと時計は?」
女「いま、23時きっかり」

男「そっか、ずいぶん居座っちゃってごめんね」

女「ううん。ひきとめたの、うちやし。忙しいのに。
 ごめんね、ほんと」

男「いえいえ。良い時間。引き上げますよ〜」

女「へ? 泊まっていかんの?」

男「何いってんですか。気軽なことを」



227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:40:06.56 ID:qv6ULQoP
女「だいたい、男は練馬でしょ? どやって帰るの?」
男「電車で」

女「もう、ないよ?」

男「何言ってるんですか。まだ23時でしょ」

女「無いよ?」

男「え、うそ。だって終電01:12って見たし」

女「それ下りだよ。練馬は東京の向こう側でしょ?
 ここ千葉だもん。上りと下りは逆になるんだよ。
 上りの終電なんて、もう終わってるよ」

男「……そうなの?」
女「うん」

男「なんでそんなに早いの?」

女「千葉だから」

男「……」
女「ま、諦めて。ほら、プリンあげるから」

男「俺が差し入れしたヤツじゃないですかっ」



231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:44:26.18 ID:qv6ULQoP
男「なんかインチキだよなぁ」

女「そんなにこだわらないでもええやん」

男「いや、こだわるよー。泊まるつもりなんて無かったし」
女「いいじゃない。もう一回泊まっちゃったんだし」

男「自宅じゃないでしょ、あれは」
女「同じだってば。一回も二回も」

男「……そう言ってもですね」
女「そんなにやかなー。うちとじゃ」

男「そういう問題じゃなくて」
女「うー。良い方の布団かしてあげるからさ」

男「そういう問題じゃなくて」
女「それともうちの肉布団とかっ? きらっ☆」

男「……」
女「ごめん。引かないで。自分で困った」

男「判ってくれれば良いんです」



238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 23:50:25.58 ID:Tuo3zoAO
女迫りすぎ
男引きすぎ



243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:54:39.93 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 23:15 小さなアパート

女「んじゃ、電気けすね」
男「はーい」

かちっ。

女「ん、っしょっと」もそもそ
男「……」

女「ごめんね、ろくな寝具無くて」
男「いや、一人暮らしだもん。当然ですよ」

女「……」
男「……」

こぉぉぉぉぉーーー

女「……車の音、遠く響くでしょ?」
男「はい」

女「幹線道路があるからね。遠くに木霊みたいに音がするのだ」
男「……」

女「ごめんね」



247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 23:58:47.66 ID:qv6ULQoP
男「どうしてです?」

女「うち、倒れちゃってさ。無理させてるよね」

男「気にしないで」

女「それに、派遣の方もさ。……手を回してくれたんでしょ。
 コネ一杯使わせたよね。うっすらとだけ、判る」

男「マネジとしてなんでもない。
 むしろそんなリカバリをする事態になる前に
 手を打てなかった不明を恥じるばかりですよ」

こぉぉぉぉぉーーー

女「……」
男「……」

女「おとこ」
男「はい?」

女「ちょっとだけ、触って良い?
 ううん、袖だけでもいいから」



251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 00:02:15.17 ID:lPBcTgUP
男「……」もそもそ

きゅっ

女「――うち、感謝してるから」

男「……」

女「うち、色々判ってなかった。ううん、たぶん、
 いまでも本当は判ってないんだと思う」

男「……」
女「うち、返しきれないほど、恩がある」

男「身体のことは、恩とか返すとかじゃないです」

女「それだけじゃ、ないよ」
男「……」

女「うち、おっかなくて、泣いてた。……あはは。
 いや、身体がおかしくなると、ダメだよね。
 不安になって、黒い気持ちが止まらなくてさ」

女「忙しいのに、あんなにバカ話に付き合ってくれたのも
 感謝してる」



255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 00:08:45.89 ID:lPBcTgUP
男「電車のって千葉くんだりまで来たから
 移動するのがおっくうになっただけです」

女「うちは、その……」

こぉぉぉぉぉーーー

女「……」
男「……」

女「――萎え人間なので。
 そういう用途には低ランクなんやけど
 ほら。工業用の軽油みたいな?
 あはははっ……」

女「でも、今度は。今度こそは
 ウォリアーとしてやるから。次は折れないから。
 こんどはちゃんと男の分まで斃しちゃうから。
 うち、ウォリアーやしねっ。
 そんで男と唐翌揚げ食べに行く。ううん、みんなと行くから」

女「それで、恩がえしさせて。
 すぐ行くから。ほんとは明日からでも行きたいからさ」



265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 00:17:12.41 ID:lPBcTgUP
男「何言ってるんですか。らしくもない」

女「ん……」

男「先輩が唐翌揚げマニアなのもウォリアーなのも
 バイオレンス&スパルタなのも昔からでしょ。
 だいたい俺をこういう風に育ててくれたのも
 女先輩じゃないですか」

男「それをいちいち恩に着るとか
 返すの返さないの軽油だレギュラーだバイオ燃料だと
 水くさいを通り越してミミズくさいですよ」

女「――」

男「そもそも女先輩がウォリアーなのは当然ですけど
 俺だってB男だってC男だって、その上いまは
 新人女さんだってウォリアーでしょ? ちがいます?
 ウォリアーだとかキャラ作って線引いてないで
 皆殺しレベルの仕事してくださいよ。
 それが先輩だったでしょ。
 二人っきりでデスマーチ終わらせたことあるでしょ、俺たち」

男「先輩は、ずっと勇者なんだから。
 ウォリアーだなんて甘えたこと抜かさないでくださいよ」



271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 00:23:26.33 ID:lPBcTgUP
女「あんな、おとこ」

男「なんすか」

女「偉いぞ」ぐすっ

男「ふふん」

女「偉そうにしてても、偉いぞ」

男「ふふふん」

女「信用しても良いかな」
男「どういう風の吹き回しですか」

女「信用したらうちのこと嫌いになるくせに」
男「8時間だけ執行留保します」

女「あんがとうな」
男「これについては恩に来てください」

女「任せて。――勇者の仕事を見せてやるから」




同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その3へ続く

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