2009年04月26日

同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その5

590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:36:31.55 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 04:15 神楽坂作業室/仮眠室

男「おーい。C男。起きろー」
C男「……にく」

男「起・き・ろ」
C男「……仕事……捨て」

男「眠りを捨てろよ」
C男「……拾…う…」くてっ

男「起きろ」ゆさゆさ
C男「……む」

男「起きたか? 麦茶のむか?」
C男「……」ぼへぇ

男「どだ?」
C男「……こきゅ、こきゅ」

男「起きたか?」
C男「月は出ているか?」

男「まだ四時過ぎだから出てるんじゃないかな」
C男「僕らが求めた戦争だ」

男「いいから目を覚ませ」



591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:37:16.65 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 05:30 神楽坂作業室

C男「マネジ男は寝ないのか?」
男「その呼び方、定着するのかよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男 こくり

男「んー。まぁ、今日のところは持ちそうだし、いいや」
C男「そうか」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「後でコンビニでドリンク剤でもかってくる」
C男「内臓を捨てよう」
男「捨てたいな、実際。胃が痛むってのな」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「新人女は」
男「昨日は早めに返したから、朝は普通にくるんじゃないか」

C男「がんばるな」
男「うん」



592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:38:06.03 ID:b1AJlvQP
男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「残務も終わった。マネジ男」
男「ん。了解」
C男「次はどこにかかる」

男「……んじゃ、見えてるものをちっと見せるよ。
 こっち見て」

C男「これは?」
男「進捗表」
C男「規模が大きすぎる」

男「プロジェクトじゃなくて、全体俯瞰だよ。
 この細いラインと球根みたいな膨らみが
 一個のプロジェクトだ」

C男「……」

男「赤が危険度が高くて、青が低い」
C男「赤いサングラスかけてるような画面だ」
男「まーねー」

C男「なんでこんなに多い?」

男「開発とか営業の進捗も追跡してるから」
C男「――っ」



593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:39:05.96 ID:b1AJlvQP
男「ここまでやっても不意打ちを受ける」
C男「……」

男「世知辛いね、会社ってのは」

C男「この巨大な赤い固まりは? 画面に入りきらない」

男「それは巣鴨。今は気にしないでいいよ」

C男「これは?」
男「想像通り、保険屋だね。不発弾に近い」

C男「……」
男「把握?」

C男「把握した」
男「どれに行く?」

C男「マネジの配置指示」
男「だるいよ」

C男「?」

男「指示なんてだるいって」



594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 12:39:34.78 ID:b1AJlvQP
C男「職務放棄。捨てるな」
男「マネジの仕事は指揮でもみんなの仕事の様子を
 チェックして叱ることでもないよ」

C男「……」

男「C男はもう十分戦闘能力がある。戦う気もある。
 マネジの仕事なんて、あとは『仕事をやっつけようぜ』
 って言うだけだよ。
 ――どれと戦りたい?」

C男「これ」

男「でかいとこ食うね。錦糸町か」

C男「形が唐翌揚げに似てる」

男「……唐翌揚げ独り占めすると女先輩にどつかれるよ?」

C男「いないのが悪い」

男「そう言えばそうだな」

C男「資料は?」
男「用意する」



604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/25(土) 13:01:43.39 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 12:30 神楽坂作業室
――電話

男「はい。……そうです。そこらにありませんか?
 あははは。こっちも地獄ですよ。
 いえ。開発と話が出来るようになったので、
 援軍三個師団気分ですよ。
 ……はい? はい。
 あ、手直しくらいならします。とりあえず、
 送ってくれれば。はい、感謝します」

男「ああ。聞かれました? あはははは。
 うちの忍者なんですけどね。
 へ? 忍者ですよ。いるんですよ、うち。そういうの。
 うん……殴っちゃったみたいです。
 ……。
 …………。
 いえいえ、そう言ってもらえると忍者も喜ぶと
 思いますよ。あいつはアレでなかなか大器ですから。
 ……。
 …………。
 ああ、はい。お心遣いありがとうございます。
 いえ、B派遣社には一度自分もご挨拶に行くつもりでした。
 いや。違いますよ。あははっ」



606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 13:02:26.48 ID:b1AJlvQP
男「はい。お願いします。はい、はい?
 んー。どうした方がいいでしょうかね?
 周辺機材のあまりってあります?
 うちはケーブルは5mクラスしかないんですけど」

男「あー。判りました。いえ、いいんですか?
 すみません。では、お願いします。
 はい、はい。……ではまた」

がちゃり

C男「開発か?」
男「そう」

C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「関係改善」
男「んだね」

C男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「なにかお手伝いできること、ありますか?」

男「いや、これはC男の仕事なんだな」
C男「捨てよう」



607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 13:03:48.24 ID:b1AJlvQP
男「いま、開発から追加機材届くから。
 C男は荷物と手持ちのツールディスクまとめて」

C男「夜逃げか?」

男「近いね。錦糸町に移動。クライアントさんのところで
 作業するよ。クライアントさんは、訂正用の顧客情報を
 社外へ持ち出ししたくないらしい」

C男「Netは?」

男「開発の方で、臨時にFTP立ち上げてくれるから、
 Toolとかはそこで受け渡し。いまやってる作業の継続も
 そのまま持ってって、向こうでやることになる。
 新人女さん?」

新人女「はいっ」

男「そんな訳で俺とC男出るから。ああ、俺は挨拶だけ
 だからすぐ戻る」

C男「俺が捨てられるっ!?」

新人女「はい」

男「その間だけ、留守番お願い。電話は留守電でOK」

新人女「判りました」



609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 13:09:38.75 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 16:00 総武線の内部

C男「……機材捨てよう」
男「重いのは判るけど、捨てるなよ」

C男「ちょうど橋だ。うまく捨てればばれない」
男「ばれるよ。どうやって電車の窓から捨てるんだよっ」

C男「……」
男「……」

C男「大丈夫か?」
男「なにが?」

C男「俺まで移動して平気か?」
男「しゃぁないでしょ」

C男「――」

男「今はこれが一番早く仕事が進む。錦糸町を
 処理できれば、後は細かいドキュメントや残務処理、
 ミスの修正なんかだ。
 これは指示をして、資料さえ完全にそろえていれば
 新人女さんがペースは遅くてももれなくつぶしてくれる」

C男「不発弾」
男「ああ」



610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 13:11:20.88 ID:b1AJlvQP
C男「保険屋」
男「B男が抜けたのが痛いね。まぁ、そいつは俺がやるよ」

C男「つぶれる」
男「……」

C男「つぶれたマネジ男。かっこ悪っ」
男「あんなー」

C男「捨てよう」
男「……」

C男「捨てたいな」
男「ん?」

C男「結局M野が生き残る」
男「ああ」

C男「殺すべき」

男「殺しても仕方ないよ。
 あんなのは、どこにでもいる。多分ね。
 出くわす度に殺すの殺さないのなんて
 面倒でやっていられないよ」

C男「マネジ男は草食過ぎる」
男「ものぐさなんだ」



611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 13:12:14.84 ID:b1AJlvQP
C男「……」
男「……」

 ゴオオオオオ。ぷしゅーっ。
 あさくさーばーしーあさーくさーば

C男「しのげるのか?」
男「保証が欲しけりゃ公務員やってやがれ」

C男「女先輩の場所だ」
男「しのげるよ」

C男「即答か」
男「即答しないと捨てられる」

C男「捨てるだけで済ますものか」
男「……」

C男「一生呪うからな」
男「だから、重いんだって」

C男 ぷいっ

男(なんてんだっけ、これ……。
 あ。そうだ。ツンデレ……なのか?)



653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:23:13.56 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 18:20 神楽坂作業所

新人女:カタカタカタ

新人女「できた。……よし、もう一個」

がちゃり

男「たっだいま」
新人女「お帰りなさい〜。どうでしたか」

男「こちらは問題なし。C男は週明けまで缶詰だね」

新人女「作業はこんな感じの進捗になってます」ぺらっ

男「さんきゅ。まとめてもらえるとすごく助かる」

新人女「いえ。出来ること自体がまだ少ないですから」

男「……ん。この緑のラインは?」

新人女「ちょっと自信がないところです。帳票の内容を
 チェックして欲しいです」

男「了解」



654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:24:37.35 ID:b1AJlvQP
男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「ん……。問題なし。調べた方がいい点は
 別紙にプリントした」

新人女「ありがとうございます」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「いえいえ。実際助かる」
新人女「細かい仕事をこなすのは楽しいですね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そうゆうもの?」
新人女「小さい人形を修理してショーケースに
 ちまちまっと並べていく感覚に近いです」

男「ああ。うん、それ、判りやすいね」
新人女「はい」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「でも、貴重な人材だ」
新人女「そうですか?」



655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:25:16.62 ID:b1AJlvQP
男「うちは大物狙いが多いからね。でかい仕事に突っ込んで
 腕力で倒しきると言うか。体当たり主義的な」

新人女「女さんですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「先輩もそうだけど。実は最近C男もそうだよね。
 B男はそのへんは自在派で、俺がどちらかというと
 雑用処理が多かったからさ」

新人女「個性が出るんですね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そりゃそうだよ。仕事ほど個性でること無いよ」

新人女「……友達なんかは、サラリーマンになったら
 個性が無くなるっていってたから」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そんなこと無いよ。というか、消そうと思って
 消せるくらいなら個性じゃないんだよ」

新人女「そうですね」
男「個性ばりばりで仕事する人ばっかりだけどね
 うちの班は」



656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 16:26:44.12 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 19:40 神楽坂作業所

新人女「ん……」ちらっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「あのぅ」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「あの、男さん?」
男「はいっ?」

新人女「聞かれる前に云いますけど、私、土日出ます」
男「きついでしょ?」

新人女「いえ出ます。ここが正念場だって言う気がしますし」

男「そう言ってくれるなら願ったりかなったりだけど」



658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 16:29:47.68 ID:b1AJlvQP
新人女「やた」にこっ
男「そんなに仕事楽しい?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「いえ、そういうのじゃないですけれど。
 ううん、……楽しいのかな?
 がんばってる気がして嬉しいです」

男「ああ、充実?」
新人女「そうそう、それです! 言いたかったの」

男「そっか」にこっ
新人女「はい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」
新人女「……」ちらっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そか。明日来るなら、今日はもう切り上げよう」



660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 16:30:58.67 ID:b1AJlvQP
新人女「男さんも帰りますか?」
男「いや、俺はもうちょいいるけれど」

新人女「それじゃ私も付き合います」
男「いやいや。切り上げましょう。女性なんだし」

新人女「仕事忙しいですし……」

男「却下で」

新人女「だめ……ですか?」じぃっ

男「そういう反則くさいポーズしてもダメです」

新人女「反則なんかじゃないですよっ」おろおろ

男「……」
新人女「……」しょぼん

男「自分はもうちょい残りますけど、
 良い時間だからご飯に行きます。事務所一緒に出ましょう」

新人女「はいっ」
男「いや、そうでもしないと残りかねないからね、
 新人女さんは」



661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 16:31:49.80 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 19:50 神楽坂の路上

新人女「土日は雨らしいですね」
男「そっかぁ。滅入るね」
新人女「どこでお食事するんですか」

男「ん……。そだね。美味しい親子丼
 食べさせるところがあるんだ」

新人女「わぁ。いいですねっ」
男「行くよね?」

新人女「はいっ。お供します」
男「ちょっと裏手のおそば屋さんなんだけどね」

新人女「この辺のお店沢山知ってるんですか?」
男「うん。職場に入ると付近の探検しない?」

新人女「あんまりしたことはなかったです」

男「座ってデータ管理の仕事とかしていると、
 食事がストレス発散みたいになるしさ。
 散歩がてら店を探したりするよね」

新人女「そうなんですか」

男「こうゆうのは忍者が抜群に上手いんだ。みつけるの」



662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:33:25.49 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 20:00 蕎麦処『酉伊勢』

新人女「緊張しますね」
男「そう?」

新人女「結構高そうなお店ですよ」こそっ
男「奢ってもらえるでしょ? 男の子に」

新人女「和食のお店って選択肢にないんですよ。
 ――独特の気配ですね」
男「ああ。音楽とか流さないもんね。静かだよね」

男「親子丼二つ。と、茶碗蒸しも二つ」

 店員「はい、ただいまぁ〜」

新人女「メニューが出てこないってすごいプレッシャーですよね」
男「あ、それは判る」

新人女「『判ってないやつは帰れよ!』みたいな」
男「うんうん。それはあるなぁ」

新人女「変な注文したら奥で
 笑ってるかもしれないとか考えませんか?」

男「結構小心だなぁ、新人女さんは。ははは」
新人女「いえ、小心者ですから」

男「その時は二人で笑いものになると言うことで」
新人女「そうですね」にこっ


663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:36:42.60 ID:b1AJlvQP
男「ここもB男がさがしてきてさ」
新人女「ふむふむ」

男「看板にメニューも出て無いじゃない?
 鶏料理、蕎麦だけで」

新人女「はい。真っ黒壁ですしね」

男「それなのに一人でランチ食いに入ったらしいんだよ。
 で、美味い美味い! って今度食いに行こうって。
 そりゃ、ござるござる言うわけさ」

新人女「あはははっ」にこぉっ

男「ん」

新人女「はい?」

男「いや、まだ元気があるみたいで良いことだ」

新人女「……B男さん、なにしてるでしょうか」

男「元気してるよ」

新人女「そうだ。メールの返事は来ましたか?」

男「うん、きてる」



664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:37:49.45 ID:b1AJlvQP
新人女「どうでした?」
男「さっぱりしたものだよ」

新人女「戻ってくるんですよね?」
男「――」

新人女「おかしいですよね。こんな事で、辞めちゃうなんてっ」
男「うん、おかしい」
新人女「……」

男「でも、おかしいことは世の中に沢山あるから」
新人女「……っ」

男「新人女さんはこの先どうなるのかな」
新人女「……はい?」

男「まだ19だもんね。他の会社に行くかもしれないし、
 誰かと付き合ったり結婚するかもしれないでしょ」

新人女「……」

男「でも、B男はあれで、野良だからさ。
 ――ちゃんと生き抜くよ。
 まぁ、仕方ないよね。殴りたければ殴る。
 やってはいけないことだけど、野良は王様だからなー。
 あれは俺もびっくりしたよ。
 よっぽど腹に据えかねたんだな」



665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:39:02.86 ID:b1AJlvQP
新人女「……」

男「そういう顔してると、まずくなるよ? せっかくなのに」
新人女「はい?」

男「さっきの顔がいいね」
新人女「え?」

男「笑った顔の方が美味しいよ。
 ――親子丼ってさ、どんぶりの中で卵が蒸されて、
 どんどん加熱されてる訳。つまり、1秒を争う
 デスマーチな食い物なんだよ。
 だから、笑いながら食べないと、負けちゃうよ?」

新人女「え?」

 店員「お待たせしました。親子丼二つ、茶碗蒸し二つ。
  本日の香の物は蕪菁にしてみました。ごゆっくりどうぞ」

男「食おうぜ」
新人女「はい」

男「いただきます」
新人女「いただきます」

男「まぐっ。……もぐっ。ん」
新人女「……もぐ」

男「どうよ」



666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:40:09.05 ID:b1AJlvQP
新人女「……美味しいです」にこっ
男「そんな感じの顔で」にこっ

男「もぐっ。……まぐ、まぐっ。ん」
新人女「美味しい……本当に」

男「まぁ、あれだよ」
新人女「……?」

男「野良になりたてのちび猫に心配されたら
 忍者だってへそを曲げるよ」

新人女「わたしも、野良ですか?」

男「じゃない? もぐ、もぐっ。あ、茶碗蒸しもどうぞ」

新人女「はい……、いたきます。あの、野良ですか?」

男「違うの?」

新人女「いえ。……嬉しいです」

新人女「びっくりでして……。こんなに嬉しいんだ」

男「あはははっ。変なの。野良なんてウォリアー並に
 底辺なんだぞ?」



667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:41:14.98 ID:b1AJlvQP
新人女「ええ。そうなんですけど。
 お母さんに云ったら卒倒しちゃうくらいなんですけど」

男「だよ。……もぐっ。……ん」

新人女「卵とろとろですね」

男「そこが美味い訳だ」

新人女「はいっ」

――偉いぞっ

男「?」

新人女「あ、いえ……。その」

男「茶碗蒸し美味い?」

新人女「美味しいです。いや、そうじゃなくて」

(褒めてもらう、あの姿が。――欲しくて)

新人女「あの。なんでもないです。美味しいですっ」



668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/25(土) 16:43:19.25 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 20:45 神楽坂路上

男「それでは、お疲れ様ー」
新人女「はい。ごちそうさまでしたっ」ぴょこっ

男「いえいえいえ。奢りのお礼は労働で!」
新人女「了解しました。マネージャー!」

男「ゆっくり寝てください」
新人女「休養してきます」

男「お休みなさい〜」
新人女「あのっ」

男「はい?」
新人女「あ……いえ。なんでもありません。
 お休みなさい、また明日がんばります」

男「はい。ではまたね!」

ぱたぱたぱたぱたっ。

男「さーってと。んじゃ、こっちはもうひとがんばり。
 ……と、そ、の、ま、え、にっ」

男「食事券は残念だけど、全部換金して、振り込んじゃうかな。
 ま、これも先行投資のスカウト料金だ」



781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 11:33:31.49 ID:OTso.pkP
――6/8、土曜日 11:00 神楽坂作業室

ざぁぁぁぁぁああぁああ

新人女「すごい降りですね」
男「早い台風が来てるらしい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「でも、悪くないですよ」
男「そう?」

新人女「雨の中でも、暖かい部屋で集中して
 キーボード叩いているのって。いいですよね」

男「……うーん」
新人女「外に買い物行くのよりは」にこっ

男「そうかもなぁ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「夜は困りますね」
男「あー。そういえばさ」



782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 11:34:52.66 ID:OTso.pkP
新人女「はい?」
男「なんにもないと思うけれど、雨もすごいし
 今日は早々に切り上げた方が良いよ」

新人女「いえ……あの」
男「?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「実は、お泊まり……じゃなくて、徹夜の準備を
 してきてますので」
男「はい?」

新人女「わたしも、そろそろ完徹デビューを」
男「……えーと」

新人女「今回は引きません」
男「引かないのか」

新人女「男さんのこと見てましたから」
男「はい?」



784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 11:45:34.40 ID:vuHK/qM0
新人女「わたし技術もないですし、手も早くないです」
男「そんなこと無いと思うんだけど」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「男さん、結構焦ってますよね」
男「……」

新人女「今週末、危ないんですよね?」じぃっ
男「なんで?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「共有フォルダの日付別作業予定がどんどん
 圧縮されてます。私には教えてくれてない
 仕事があるんですよね?」

男「えー」

新人女「まだへたくそだから、真似っこしないと
 仕事のやり方が判らないですけど
 真似をずっとしてるから気がついたんです。
 真似をしたくても出来ない、変な仕事があるって」



787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 11:57:27.44 ID:vuHK/qM0
新人女「わたし技術もないですし、手も早くないです」
男「そんなこと無いと思うんだけど」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「男さん、結構焦ってますよね」
男「……」

新人女「今週末、危ないんですよね?」じぃっ
男「なんで?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「共有フォルダの日付別作業予定がどんどん
 圧縮されてます。私には教えてくれてない
 仕事があるんですよね?」

男「えー」

新人女「まだへたくそだから、真似っこしないと
 仕事のやり方が判らないですけど
 真似をずっとしてるから気がついたんです。
 真似をしたくても出来ない、変な仕事があるって」



789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 11:59:57.59 ID:vuHK/qMo
男「……びっくり」
新人女「?」

男「いやいやいや。『「男子三日会わざれば刮目して見よ』
 って、あれずいぶんセクハラな台詞だよなぁ。
 男子だけしか成長しないみたいじゃんね」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「……」
男「C男といい、新人女さんといい。すごいわ」

新人女「当たりましたか?」
男「うん、当たってる」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「別に隠してた訳じゃないけどね。ほら、前に話していた
 保険屋の仕事がね。B男がいなくなって凍結されてる。
 これを火曜日までにやらなきゃならない。
 まぁ、実際この週末だね」

新人女「……」

男「でも、これは。多分俺が無理すれば仕上げられる。
 幸いマクロは手の込んだヤツを作っておいたからね。
 ディスクの入れ替えが手間だけど、自動処理で
 チェックの洗い出しまで終わるはず」



790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:01:20.69 ID:vuHK/qMo
新人女「ディスク交換と、マクロのセットアップくらい出来ます」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「今晩はあの……お付き合いしますから」かぁっ

男「えっと……うん。いや、いや、ダメっ」

新人女「なんでですか?」じぃっ

男「C男がいるならともかく、初泊まり込みでしょ。
 それなのに、男女二人っきりはダメ。許可できません」

新人女「大丈夫です。男さんのこと信用してますから」
男「安易な信用よくない」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「そうですか?」
男「そうですっ」

新人女「――そんなこと無いと思うんですけど」
男「信用しちゃダメですっ」



791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:02:59.37 ID:vuHK/qMo
新人女 びくっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――世の中にはね。『僕を信用して』とか誘って
 『正社員にするから、いいよね?』とか、
 そんな甘いことを云って女の人を
 食べちゃう人もいる訳ですよ」

新人女「はい……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「だから、そう言う隙はダメ」
新人女「でも、男さんは違いますよね?」

男「マネージャーですから違いません。
 野良の基本は自助努力と自己防衛です」

新人女「……わたしも入門野良ですもんね」

男「そうそう」

新人女「でも、野良は自分の王様ですから」



792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:04:31.69 ID:vuHK/qMo
男「うん」
新人女「入門王様として、今晩は男さんと一緒にいます」

男「ぐっ」
新人女「王様だから自分で決めて良いですよね?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「新人女さんさ」
新人女「はい?」

男「ほんとはめちゃくちゃ口が上手いよね?」
新人女「そんなことありません。ゆとりですから」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「嘘だぁ〜」
新人女「でも、男の人にわがままを言うのは
 慣れてるのかもしれません」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「はぁ……。そういえば、リア充だったんだ。この娘」



793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:06:09.27 ID:vuHK/qMo
新人女「コツがあるんです」
男「どんな?」

新人女「三回に一回は、相手が
 嬉しくなっちゃうようなことを云うんです」にこっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……」にこにこ

男「……はぁぁ。だ、ダメだ。この娘。
 タイプが違うけど、先輩並にたちが悪い。今気がついた」

新人女「一緒にいていいですよね?」
男「……」

新人女「仕事がんばりますからっ」
男「了解」

新人女「がんばりますっ」ぱぁっ



799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:16:57.01 ID:vuHK/qMo
――回想:秋

男「生きてますー?」
女「うち生きてるよ。半分くらい」
男「さすが先輩。おれ3割くらいですよ」

女「やっほー。うち2割勝った」くてっ

男「……」
女「……ふぅ」

男「終わらないっすね」
女「終わらないね。むしろ増えてるね」

男「子だくさんですね」
女「仕事ってなー。ほら、台所の食器みたいに増えるんね」
男「それは皿洗いしてないせいじゃないですか?」

女「なぜその秘密を? さては男……能力者だな!?」
男「全然判りません」

女「うはは……はは。けふんっ」
男「先輩、帰ってくださいよ」



803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:20:09.69 ID:vuHK/qMo
女「ヤダヤダヤダヤダ。やだもん」
男「そんなに会社が好きですか」

女「Fuck off!! これは男に対するただの反抗期やん」びしっ
男「こんなに躊躇いなく中指立てる女見たことない」
女「えへんっ!」
男「褒めてませんよ?」

女「うちパリカリやしね」
男「なんですかそれ」

女「覚悟完了ってことよ。Pallhkari(パリカリ)。
 しらない?」
男「知りませんよ。何語です? それ」

女「ギリシャ語。
 まぁ、戦士のことやね。……勇ましくて諦めなくて、
 不屈で……。なにより死地にあって笑いを忘れないんよ。
 つまり、あれや。大阪人のことやねっ」

男「そうなのっ!?」

女「そうなんやって。まじで! ギリシャは大阪の領地やし」
男「あなどれねー」



804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:23:23.75 ID:vuHK/qMo
女「やー。ほら、デスマじゃない?」
男「ですね」

女「毎日がクライマックスじゃない?」
男「俺はエンディングロールが見たいです」

女「そういうピンチの中でも、笑いを忘れない人間で
 いたいわけよ。うちはっ。
 そして毎日のように男にセクハラ発言をしたい」きりっ

男「ありがた迷惑な主義ですね」

女「嬉しいよね」にこっ
男「えー」
女「嬉しいと、云っえっ」

男「痛っ。嬉し、嬉しいです。すいませんっ。
 ってでも、それって戦士と云うよりは、勇士じゃない?
 諦めない、挫けない、退かないって。
 いや、むしろ勇者かなぁ?
 RPGでいえばハーレムポジションじゃないですか、女先輩」

女「んー。勇者かなぁ。
 うち、勇者って云うほどじゃまだないんだよね。
 いいとこ、戦士じゃない?」

男「ウォリアーですか」

女「それだっ! それ。強そう! なんか男に勝ちそう!!」
男「負けてくれたことねーじゃないですか」



805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:24:49.32 ID:vuHK/qMo
女「年期が違うよ」にこっ
男「たかが半年差で」

女「良いね。それ、いただき。うち、ウォリアー!」
男「ウォリアーなんだ」

女「うん。これでいけたね。唐揚げ力がわいてきた」
男「また、およそ女性らしさとは無縁な」

女「うちウォリアーやしっ!」
男「そうですか、って」

女「で、男はどうすんの? 何になるのよ」
男「……」

女「ん? ほらほら。お姉さんのうちに教えてごらん?」
男「年上ぶらないんで欲しいんすけど」

女「うりうり」つんつん
男「……」ぷいっ

女「なにさ。ケチ」

男「俺はそういう根性無いからなぁ」
女「そんなことはないよ」



806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:28:27.65 ID:vuHK/qMo
女「みんな辞めちゃって二人っきりになったけど、
 うちと男は残ってる。根性がないなんて
 誰にも云わさないよ。キチガイM野にも」
男「……」

女「うち、ゆずらんし」
男「……」

女「舌噛んで死ぬし」
男「痛いですよ」
女「牛タンくらい食ったことある。うちがびびるかぁ!」
男「いや、話ずれてるし」

女「男は、うちより視界が広いもん。おまけに遠くまで
 見えてると思うよ。うちら組めば最強! どんとこい!」

男「……」

女「だいじょぶだいじょぶ。男の能力は知ってる。
 うちなんてかなわないよ!」

男「女先輩……」

女「『ウォーリーを探せ』ではねっ!」
男「仕事と関係ないじゃんっ」



807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/26(日) 12:29:52.57 ID:vuHK/qMo
女「ほいじゃま」
男「それじゃま」

 ドサッ
   ドサササッ!!

女「行ってみますか、デスマーチ」
男「開けてみますか、ヘルゲート」

女「連結準備はいい?」
男「6台2セット完了」

女「次に帰るのは?」
男「限界考えて戦うほど歳取っちゃいません」

女「む。うちを年増扱いする気だな?」
男「セクハラやめてくれたら控えます」

女「今日は男の携帯にロリ画像送ろうと思ってたのに」
男「いや、まじでごめんなさい。
 それより、ほら。セットアップできましたよ。
 マクロ片っ端から当ててっちまいますからね」

女「偉いぞっ」くしゃ
男「先輩こそ、寝ないでくださいよっ」




同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その6へ続く

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この記事へのコメント
  1. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月27日 12:15
  2. 男「食事券は残念だけど、全部換金して、振り込んじゃうかな。
     ま、これも先行投資のスカウト料金だ」

    668のこれなんなんだろうね?
    眼鏡女への振込みとも取れるし、B男ともとれるし。それ以外の企みに使ってるようにも取れる。
  3. Posted by 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 at 2009年04月27日 23:20
  4. 忍者を連れもどすための伏線だったらうれしい