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ジブリ作品の傑作として知られている「火垂るの墓」。子どものころに見てトラウマになったという人も多いそうです。
日本の子供から見た戦争を描いた作品ですが、日本国外でも非常に高い評価を受けています。
外国人の感想をご紹介します。

"Hotaru no haka  Reviews & Ratings - IMDb"
★★★★★★★★☆☆ (平均得点8.5 / 総評価数95,300)

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★★★★★★★★★★戦争の本当の犠牲を教えてくれる、美しくて忘れがたい傑作 Earely (アメリカ)

昨日火垂るの墓を見ようと決めた。私の友達は物凄く感動的で悲しいと言っていた。最初はためらったけれど、「わかった、見てみる」と答えた。映画の最後では、目から涙が溢れた。今まで見た中で最高のアニメ映画だ。戦争の被害者となった孤児の運命を感動的に描いている。

この映画は一般的なアニメ映画ではない。ピクサーやディズニーの映画はハッピーエンドだ。そういう映画が悪いと言いたいのではない。もちろん素晴らしい作品たちだ。でも火垂るの墓は真実を伝えている。視聴者を楽しませようとはしていない。戦争が本当はどのようなものなのかを伝えようとしている。思わず涙を流してしまうようなたくさんの場面があった。

この映画が受けるべきたくさんの賞を受けなかったことは納得がいかない。これについてはまったくもって過小評価されているし、顧みられていない。きちんと尊重され、評価されていたとしたら、この映画は我々の歴史に残っただろう。この映画がオスカー賞の最優秀アニメ映画を受賞するべきだと確信している。スタジオジブリの発表した作品の中で一番だ。

ハンカチを用意するよう真剣にお勧めする。泣く機会があるから。

万人に見るようお勧めする、感動的な大作アニメ映画。

文句なしの10点。


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★★★★★★★★★★二度と見たくないだろう最高の映画Nogami (カナダ)

2年前、火垂るの墓をシアトルの映画館の大きなスクリーンで見る機会があった。まさにその映画祭のために遠出した甲斐があった。映画の最後には、場内は静かに、完璧に静まり返っていた - そして、エンドクレジットが終わり館内の照明がつくまで、たまにすすり泣きが聞こえるだけだった。なにか言葉を発してその静寂を冒涜することは無礼なように思えた。

戦争に対する態度をまったく変えてしまう映画 - 本当に苦しんだ人を描いており、苦しみの内に失われたものについて真剣に考えると、名誉や栄光などは底の浅い見返りだと気づかされる。

以前友だちに、もしこの映画で心を動かされない人がいたとしたら、その人には魂がないと言った。この映画を見るには、電話の電源を切り、照明を落とし、誰か愛する人と一緒にこの映画に没頭する - 見終わる頃には良い人間になっているだろう。

この映画にはたくさんのレビューがついているが、ほとんどはおそらく僕のよりもっと包括的だろう - 僕の結論だと、この映画は万人が人生のどこかで見るべきだ(広島や長崎の平和記念館を万人が見るべきであるように)。

戦争や争いをニュースや新聞で見たら、この映画のことを思い出して - 視野が広がり、更に目が見開かれるだろう。

この映画は4回くらいしか見ていない - 見た後「気を取り直す」のに1年かそこらはかかる。何度も見過ぎると印象が弱まるし、それはこの映画に対して最悪のことだ。


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★★★★★★★★★★不遇の評価を受けている傑作Lupercali (タスマニア)

この映画を見るとき、トラウマになるのを覚悟した。今まで読んだ全部のレビューに「自殺願望のある人は見るな」と書いてあったからだ。代わりに、私はこの映画に対してただ一言付け足すとしたら、それは「美しい」だろう。

確かに悲しく、ほぼ間違いなく落ち込むけれど、この映画を「プライベート・ライアン」と比べたレビューを読んだ。バカバカしい。「火垂るの墓」は暴力シーンよりも穏やかで詩的な場面が多く、反戦メッセージを前面に押し出さないよう非常に抑制している。この映画はただ物語を語っている。説教じみたところはほんのわずかしかない。このような物語が、どうしてゴリ押しなど必要とするだろうか?

他にも、この映画が冒頭の主人公の死の場面が明らかになった時点で謎やインパクトがなくなったと主張しているレビューも読んだ。私はこれについてまったく違う見解を持っている。

まず、始まりの「蛍」は、どう見てもハッピーエンドを示唆している。このような非線形の脚本は観客にその意図を気づかせず、映画の暗さに集中させる。そして幽霊の清太が幽霊の節子の手を取り、うなずく場面は、ただ幸せな瞬間であるだけでなく、苦しみが終わり、再び一緒にいられることををも表している。

清太が死んでいることは映画の最初で明らかになるが、これは長年の間多く使われている技法だ。極めて重要なのは、蛍は別に伏線ではないということだ。蛍は観客が既に結末を知っている物語を演出し、そしてこの物語の中のすべての出来事が感覚的に結末を予感させるようになっている。これを見た人は、節子と清太にとって良い方向に物語が進んでほしいと願ったはずだ。結末を知っていたとしても、その感情を抑制はできない。観客は彼らが死ぬことを知っているが、同時にそんな悪いことになってほしくないと願う。

もしこの映画についてがっかりするというか、だまされたと思う点があったとしたら、この映画がひどく正直だということだろう。つまり、この映画はもっとも正直で、小細工のない映画だということだ。この映画は反戦メッセージを決して無理強いしようとせず、暴力描写はとても少なく、死体や苦しみの描写があったとしてもとってつけたようなものではなく、すぐにそのシーンは終わる。「プライベート・ライアン」と比べると、そっちは苦しみを描いたシーンが40分あり、ほとんどに恐ろしい血や内臓が出てきて、たった一つの結論に持っていく。

この映画に伏線や、ドラマや戦争への非難さえも期待しないこと。この映画は美や命、若さの儚さを描いている。日本のアニメが巨大ロボや超人的な女子学生ばかりが出てくると思っているなら、この映画はその考えを変えるだろう。穏やかで、私的で、美しく悲しく、そして図抜けて正直だ。

私はこの映画を見て泣かなかった唯一の人間に違いない。ああ、この映画は悲しい。でもその美しさ、正直さが私の印象のすべてだ。


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★★★★★★★★★★頭から離れないBlack Rainbow (カナダ)

この映画はとても感動的だと言われたけれど、でも自分でどう受け止めていいのかわからない。最後で、私の友達と私は身を寄せ合い、今までどんな映画でも泣いたことはなかったのに涙があふれてきた。恐怖や同情、悲しみ、そしてたくさんの様々な感情が湧き上がってきてとても書ききれない。

最初に見た時からこの映画は頭から離れず、もう一度見るのは難しい。とても心が締め付けられるからだ。強い感情を再び味わわないように避けてしまうほど自分を打ちのめした唯一の映画だ。

アニメでもそれ以外でも、今まで見た映画の中でもっとも突き動かされた作品なので、強くお勧めする。


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★★★★★★★★★★予想よりも感動するbdod5489 (オーストラリア)

この映画は徹底的に感情的に消耗するが、それだけのことはある。

このアニメはリアルでスタイルがあるが、そこは重要な点ではなくて、一番の要点は兄妹のキャラクター描写にある。彼らの関係はまさに美しくいじらしい。

ネタバレしないように言うと、大人になってからどんな映画にも感動しなかった自分が感動した唯一の映画。一つか二つの映画にウルッときたことはあるけれど、火垂るの墓は号泣した。気分がぐちゃぐちゃになった!完璧に打ちのめされた。涙なくして語れない。アニメでもそうでなくても、今まで見た中で最高の映画。

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「もっと評価されるべき」という感想が散見されました。レビューサイトでは邦画部門中2位だったのですが、何か賞を受賞すべきだということなのでしょうかね。
以前ご紹介した原爆資料館の感想でもそうですが、押しつけがましくない抑制されたメッセージの伝え方が評価されているようです。


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