TIGER&BUNNY(タイガー&バニー) 1 (初回限定版)  [Blu-ray]

実在の企業のスポンサーロゴを背負って登場し一躍話題になったヒーローアニメ『Tiger & Bunny』。海外人気も高いとされる同作品ですが、実際にどのような点が人気なのでしょうか?

"Tiger & Bunny"
★★★★★★★★☆☆(平均得点 8.22 / 総評価数 33,112)
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★★★★★★★★★☆ Nadir

もっとたくさんの人にこれを見る機会をあげたい。

最初にタイトルを見た時、虎さんやうさちゃんとお話する可愛い系なのかと思った。違った。
もしかしたらその所為でがっかりする人がいるかもね。

そして番宣を見て「あーこれはロボット物なのね。ロボット物は嫌いだから見ないでおこう」と思った人も多い。断言するけれど、これはロボット物じゃない。ロボットに見えるものは、主人公たちがパワースーツを着ているところなの。これをロボットと言うのは、トニー・スターク(アイアンマン)をロボットのパイロットと言うのと同じだよ。

それで、ではいったいこれは何のアニメかと疑問に思うでしょうね。単刀直入に言うと、みんなが子どもの頃見ていた土曜朝7時のアニメみたいな、グリグリ動く子ども向けアニメ。あらすじはとてもシンプルで、ビュンビュン動く。基本的にはいい意味でオーソドックスな、悪役を倒(そうとする)すヒーロー物。

もっと詳しく知りたければ、この説明を読んで本編を見るといい。とても単純なの。

でも、大人の視聴者にとって何も得るものがないかと言うとそういう訳じゃない。懐かしさをおいておいても、演出にはどこか興味をひかれる部分があって、他のアニメやヒーロー物(西洋のでもそうでなくても)から一線を画している。

1) このアニメは広告で一杯。これは悪いことじゃない。反対に、このアニメの売りになっている。あまりセンスのよくない広告が、設定の一部になっている。ヒーローたちは商品なの。資本主義がカリスマ的なヒーローをうまく利用していて、ヒーローは商品の宣伝に使われている。これはセレブの名前を商品販売に利用している現代とそんなに違わない。

2) 明るい作品。最近はヒーロー物のストーリーは「暗くて神経質な」話になる傾向があるけれど(ウォッチメン、バットマンなど)、この作品はそういう精神的に重いネタには触れず、代わりに楽天主義や気分が良くなるメッセージを選んでいる。「自分を信じろ。誇りを持て」きっとヒーローたちをいつも応援するようになる。

3)主人公は娘がいる中年男性。ちょっと説明させて。これはショッキングだ。子どもや10代のキャラを主人公にする代わりに、若くないお父さんキャラが据えられている。この主人公のような視聴者がいて、彼らは共感するし、多くのアニメが子どもや十代を主人公にしてターゲット層となる同年代の視聴者の共感を得ようという惰性に陥っている。でも虎徹は年上の年代設定にも関わらず、心から好ましい人物だ。

ストーリーは素晴らしくて独特で、最近のアニメやヒーロー物とはかなり異なっている。前提条件や設定を活用している。

キャラクター作りは素晴らしい。虎徹は理想主義者だが、イライラするほど理想に一直線でもない。彼は基本的には自分の個性とスポンサーの期待とのバランスをとっている。他のヒーローは自分自身のポリシーを持っており、特に虎徹のあまり仲の良くないパートナー・バーナビーはそうだ。キャラクターの性格は言葉ではなくアクションを通じて表現されるが、それはこのアニメの明確な特徴だ。紋切り型のキャラはいない。

全体的に、この作品は素晴らしい。万人受けする訳ではないが、次に何が起こるのかとてもワクワクした。全体的に漂う西洋的な雰囲気にはちょっと困惑するかもしれない。でもカウボーイ・ビバップやトライガンはむしろこの西洋的な雰囲気があったおかげで成功したし、この作品も色んな層を引き付けてほしい。


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★★★★★★★★★☆ IceAndCream

見る前にタイトルとポスターだけ見て、チャラ男の出てくる話かと思った。それかマフィアの話か。そして動画アップロードサイトで、アクションとコメディありの少年ロボット物というタグがつけられているのを見た。混乱した。でもどちらにせよ(マフィアでもロボでも)、いい分類ではなかった。

そしてHuluで第一話を見た。Hulu?これは合法だったの?まぁ、とにかく見た。予想していたのと違った。マフィアでもロボでもなかった。ヒーロー物だ!なんで誰もそう言わなかったんだろう?まぁいいや、これは他の日本のアメリカ風キャラクターの焼き直しみたいなヒーロー物とは違う。ウルヴァリンやアイアンマンではないんだよ。これはいい作品だ。とーってもいい。

数分間だけ、マーベルのキャラを元ネタにしているアニメ作品を見てみた。そういうのが好きじゃなかった。そしてそういう作品の評価は低いから、ほとんどの人も好きじゃないんだろう。しかしこれはオリジナルのストーリーだ。新鮮で、明るく、他のコミックやマンガで比べられるようなものはない。でも特に悪人の造形に、正統派のヒーロー物の文脈は見て取れる。大体はとてもそれっぽくて、リアルな犯罪者のようではない。そしてね、マッドサイエンティストまでいるんだよ。

主人公はタイガーとバニーだけれど、脇役のヒーローもいる。アイスキャスター・ブルーローズ(タイガーに首っ丈)、ファイアシューター・ファイヤーエンブレム、風の魔術師スカイハイ、がっしりしたロックバイソン、ボーイッシュなドラゴンキッド、日本びいきのオリガミ。

このアニメが人気になってとても嬉しい。第4話の段階では平均評価は7だった。今は8だ。人気が出てきて嬉しい。

多くのアクションや謎解きが主眼の少年マンガ作品とは違って、タイガーとバニーとの絆が、絆を作ろうとする試みが主題だ。彼らに注目し、そして他のキャラクターも見るべきだ。本当に主人公たちには注目して。ほとんど青年漫画の領域だと思うかもしれない。それがすべての層の視聴者を引き付けている理由なんだろう。ドラマとちょっぴりのアクション、コメディ、素敵な音楽とアニメーション、面白い設定が好きなら、頼むから、頼むから見てください。でも気を付けて、ハマるかも。


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★★★★★★★★☆☆ Archaeon

ヒーロー物が娯楽の定番になって久しい。特に西洋では。毎年スーパーマンやバットマン、スパイダーマン、そしてハルクのようなキャラまですっかり有名人になった。抱き合わせで売られるゲームや映画化のおかげでいつも人気が出るようになり、マーベルやDC(訳注: バットマン等を出版しているアメコミレーベルです)の王座を狙う奴らがぞろぞろ出てくるのはごく当然のことだ。

こうした売れているマンガ作品からの利益を最大化しようとするもっとも明らかなやり方はテレビ放映や映画化だが、「ヒーロー」や「クロニクル」、「ミスフィット」(訳注: 原作がDC発刊のヒーロー物アニメです)の成功の度合いを見ても、改革やテコ入れ、改良を行ったヒーロー物作品のほとんどは失敗に終わっているようだ。

こんな状況でTiger & Bunnyは登場した。

シュテルンビルド(架空のニューヨークのような都市)を舞台とし、最初のNEXTという超能力を持った人類が現れてから45年後から物語が始まる。NEXT登場から20年間で、超能力を持った人間はヒーローや悪党になり、次第にその両者を行ったり来たりしている様子が娯楽とされるようになった。1978年まで話を進めると、善の側の超能力者が自分たちの番組を作る - 「ヒーローTV」、企業とスポンサー契約を結び、ポイントを稼いで「キング・オブ・ヒーロー」の名を勝ち取る機会を得た。

Tiger & Bunnyは西洋の似た作品と比べて、なんとか引けをとらないのだとしても、アメリカやヨーロッパのヒーロー物というジャンルの厚みは大抵の競合を打ち負かしてしまうほどだ。とはいうものの、この作品は最近たくさん出されているような少年モノからの新鮮な変化であり、西洋メディアからのインスピレーションを受けることをためらわなかったサンライズは実にあっぱれだ。

これは小さいが重要な点になる。

ほとんどの人気ヒーローが20年前に作られ、その頃から彼らが常に今の流行に則しているようにと改良する多くの試みがあった。残念ながらこうした変化は表面的なもので、「ヒーローズ」「ミスフィッツ」「キック・アス」「クロニクル」「スーパー」を除いては、中心となるメッセージはしっかりと生き残ったものの、多くの西洋の物語は現代社会の本当の意味での反映とはならなかった。ここはTiger & Bunnyが他の多くの作品よりも勝っている部分で、主に「リアリティ番組」やセレブの生活、企業とのスポンサー契約などに注目している。このアニメは今まで露骨に無視されてきた、こうしたとても現実的な感覚にハイライトを当てており、全体的なコンセプトは保守的な西洋のコミックファンには合わないだろうが、単純な事実として、現代のヒーロー物はここ数十年の業界の頼みの綱となっている決まりきったやり方を踏襲している。

全体的に、Tiger & Bunnyはいくつかの古典的なアイデアをブレンドし、多くの人々が最初に思っていたよりもより現代社会を反映した、未来の世界という設定に落とし込んだ楽しめる作品だ。超能力者の詐欺、コメディやドラマの混合物はアクション映画の最高の伝統的演出と足並みをそろえており、率直に言っておそらくこの作品を楽しむ一番のきっかけとなっている。

しかし頭を使わなくていいバカっぽい娯楽作品にはなっていない。

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THEビッグオー」の記事でも少しご紹介しましたが、ロボット物は食傷気味のようです。 
タイバニは王道ヒーロー物としてというより、人間関係や設定のリアルさが評価されているようですね。この辺りの評価は日本でもそう変わらないように思います。