今年のNHK大河ドラマの視聴率が低迷しているが、主演女優が悪いわけではない。
 明治時代も戦国時代に次ぐ激動の時代・人気の時代なので、明治時代選択も悪いわけではない。
  女性視聴者を獲得するために女性を主人公にする気持ち・方向性も理解でき良いと思う。
しかし、視聴率は低迷している。
 
 批判だけだと安易・無責任だから、代案を提示する(笑い)。
同じ明治時代でも、知名度が有り人気も高い「大隈重信と福沢諭吉」というタイトル・人物ならば、主演が誰であれ、視聴率がもっと上がったと思う。
(日本史に限定しないことが可能ならば、ナポレオン・アレキサンダー大王・カエサルでも視聴率は上がると思う。)
 しかし、
知名度が有り人気も高い大隈重信と福沢諭吉、早稲田大学と慶應義塾大学だが、有名で特色も有り一定のイメージを持ちやすいために、誤解されている点も複数有ると思う。
 

[慶応東大等が早稲田を誤解しやすいポイント]

☆大隈重信は政府を追われた在野精神の人・早稲田は非保守で野党的
①確かに政府を追われた時期も有ったし、野党議員も多いが、首相を2度も務めたし、首相に成る前も若い頃から、政権中枢に位置し、在野の時期より政権中枢に居た時期の方が長いし、
  ②中枢に居なかった時も、無為に過ごしていたわけではなく、大学や政党政治を目指して政党を作っていて日本の近代化に重要な役割を果たしていたし、追い出した伊藤博文も大隈重信の実力・人柄等を認めていたし、後年、両者は和解した。
(もともと伊藤博文を登用したのも大隈重信であり、両者は一体だった時期の方が長い。)
  ③大隈重信が創った立憲改進党は野党と言えば野党だが、急進的な自由党とは違い漸進的なものだし、政党がない時代即ち、与党がない時代だったのだから、今日の野党とも同列に見るべきでない。
  ④早稲田は意見の違いを幅広く認め、与党の気持ちだけでなく、野党の気持ちも理解できる幅広さを持つ。
   (夜間の第2文学部や半夜間の社会科学部や中退者まで認める度量を持つ。) 
  ⑤野に下った後、首相になったし、高齢になって再度首相に就任し、全体的に野の人ではない。
 

☆早稲田は金を軽視
①大隈重信は長期間明治新政府の財務を預かる役職に就いており、金の重要性を認識
  ②大隈重信や早稲田は政治と経済が一体だと考えている。
  ③大隈重信・早稲田はリアリストであり、経済という生の現実を軽視しない。
   (「現世を忘れぬ久遠の理想」(校歌))

☆早稲田は歴史・伝統を軽視
①大隈重信はよく読書しており、外国を説き伏せるにも、国内で論じるにも、歴史から説くことが多かった。
  ②大隈重信は歴史・伝統を軽視して徒に変えれば良いと思う人ではなく、現実主義者・大所高所から見る人・効用を重んずる人であり、プラス・マイナスを計った上で善処した。
  ③大隈重信は単なる現実主義者ではなく理想主義者であった。
  ④より良い国家社会を創ることを大隈重信は志しており、時代に逆行して迄権力にしがみつくことを潔しとしなかった。
  ⑤校歌「都の西北」応援歌「紺碧の空」にも理想という言葉がそれぞれ複数回登場するし、「伝統の下」「重ね来し歴史尊く承け継ぎて輝く」「伝統の息吹通いて」という言葉も有るし、歴史・伝統を軽視するのではなく、「理想」を重んじ、「学の独立」を重んずると共に、「進取の精神」を重んじているのだ。

☆早稲田は女子教育を軽視
  ①大隈重信は女子教育の重要性を認識し、日本女子大学の創立委員長になった。
  ②1921年というかなり早い段階で早稲田大学は女子聴講生を受け入れた

  ③かなり多くの早稲女が各界で大いに活躍
  ④現在、早稲田の方が慶応より女子学生比率が高い。

☆早稲田は田舎には強いが、国際性・外国を軽視
①確かに大隈重信は留学経験は無いが、出世の契機も優れた国際感覚を買われて外交交渉をしたことだったし、その後も長期間明治新政府の外交を主導したし、
  ②欧米への使節団派遣も大隈が提案したものだし、大隈自身が行くことに内定していたが、留守内閣の内、西郷は内政能力行政能力に欠けるので大隈が残らざるを得なかった。
  (本人も欧米への使節団に入れなかったのを残念に思っている。 因みに留守を預かった大隈が中心となって、使節団の留守中に文明開化の半ばを成し遂げた。)
    ③大隈重信が学校を創ってみようと思ったのは、友人福沢諭吉に刺激を受けただけでなく、若い頃、宣教師フルベッキ(=恩師)からバイブルやアメリカ独立宣言を英語で学んで強い印象を受け、同じような学校を創ろうと思ったためである。
    ④早稲田は外国人留学生が最も受け入れている大学だし
(平成26年5月1日現在の在籍者数4306人)、海外留学制度利用学生数も慶応より数も率も高い。
  ⑤早稲田には門がないというボーダーレスな発想が有り、敷居が高くなく、それは外人に対しても変わらない。
  ⑥早稲田大学教旨には「世界の学問に裨補せん事を期す」「広く世界に活動す可き人格を養成せん事を期す」としている。
  ⑦大隈重信邸への訪問客はかなり多かった(1年で数万人の年も有り)が、孫文その他外国人訪問客も多かった。
  ⑧
大隈重信は「開国五十年史」という本も編纂しているが、大隈重信は改革者でも内側からの改革をする人だった。
  ⑨「学術に国境なく、真理に藩籬なし(大隈)」
  ⑩大隈重信は「東西文明の調和」ということをかなり意識しライフワークになっていた。
(「東西文明の調和」という著作も有るし、校歌にも「東西古今の文化の潮一つに渦まく大島国」とある。)
 
 


[早稲田東大等が慶応義塾を誤解しやすいポイント]

☆慶応社長は2世社長ばかり
①慶応は、他大学に無い特徴として2世社長が多いのも事実だが、2世社長ばかりではなく、半分は非2世社長
  ②慶応社長が多いのは、経済重視、民間重視の強い思いに因る
(「天下の下は民間に在り」)
  ③慶応社長が多いのは、人間関係の重要性の認識・人付き合いの良さに因る

☆慶応は金がかかる
①確かに金持ちは混じっているが、入学金、授業料等の総額は殆ど変わらない。
   各種奨学金も有る。
  ②稲門会、三田会の会費も変わらない。


☆慶応は非政治的
①確かに福沢諭吉自身は政府には入らなかったが、慶応に演説館を創るなど関心は強かった。
  ②旧憲法時代も大隈重信に引き立てられた犬養毅首相や憲政の神様とも言われた尾崎行雄などを出しているし、日本国憲法時代に入っても橋本龍太郎首相や小泉純一郎首相や
衆議院議長も、堀切善兵衛、田村元、桜内義雄、綿貫民輔、大島理森など多くの衆議院議長を輩出している。
  ③現時点では、政治の伝統が有り政治に強い早稲田78人以上の国会議員84人を擁している。 

☆慶応は内部進学者が威張っている。
①確かに塾高出身者は重要な役割を果たすが、大学からの入学組の学力を認めているので問題ない。
  ②十分親密になるので問題ない。
  ③塾高出身者はかなり強い愛塾心を有しているし、大学からの入学組にない総合力を有しているので、大学入学組と相互補完関係に有る。

☆慶応出身者は権力者や先輩を立てるイエスマン
①確かに、中心者を重んずるが、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」「独立自尊」の精神が有り、大きな歯止めがかかり健全である。
  ②慶応は力を合わす有利さを熟知し、重んじているのであり、イエスマンなのではない。
  ③親密なので協力しても心理的葛藤が起きない。
  ④権威権力を重んずるのではなく、民間の活力や独立自尊を重んずる。
  ⑤「自我作古」と言って、新しい分野へのチャレンジ精神も有る。
  ⑥ 「僕(福沢)は学校の先生にあらず、生徒は僕の門人にあらず」


☆慶応はあまり勉強しない
  ①実学を重んじるのであり、勉強のための勉強はしない
  ②勉強の効率を重んじたり、勉強と遊びの両立を考えたり、人間関係の重要性を重んじるのであり、勉強しないわけではない。
  ③
学問を重視し、「ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」と言っている(学問のすすめ)。 
    ④福沢諭吉の勉強量は侵食を忘れるほどものすごかった。
 
☆慶応ボーイはプレイボーイ
①慶応ボーイはモテるが、慶応義塾は気品の源泉であり、下品でモラルのない行動は慎む。
  ②慶応は、良かれ悪しかれ、常識の範囲内の言動をしようとする。

☆慶応は偉くない人や貧乏人を軽視する。
①福沢自身がかなり身分の低い家の出だったし、「門閥制度は親の敵」と言った位でその正反対
  ②「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
  ③経済の重視は平等の重視や合理性の重視のためであり、経済の重視が先に有りきではない。
  ④偉くない人や貧乏人を軽視ではなく、学問を重視し、「ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」と言っている。 



[東大他他大学が早稲田・慶応を誤解しやすいポイント]

☆早稲田と慶応は敵同士
①大隈重信と福沢諭吉は仲が良かったし、立場も殆ど一緒だった。
   大隈重信が慶応の卒業生を政府へ登用したし、大隈が下野した時に、大隈が登用した慶応出身者も下野。
  ②稲門会には近隣三田会が出席し、三田会には近隣稲門会が出席する。
  ③早慶戦はケンカではなく、ルールに基づいて行うし、エールの交換も有る。
   (a 一般に、叩いて見える時はさすっている時であり、さすっている時は叩いている時が少なくない。 
     b それに優れたライバルの存在は進歩向上へ必要不可欠。 自分の悪い点・弱点の克服こそ
進歩向上への最短距離なのだ。







☆早稲田法科大学院と慶應義塾法科大学院(及び他大学法科大学院)の比較、それぞれの法曹の特徴については他日に待ちたい。

☆大隈重信と福沢諭吉の比較、各体育会早慶戦戦績等については他日に待ちたい。

☆年々増加する留学生数などについては他日に待ちたい。