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街はクリスマスの雰囲気。
そのためキリスト教に因む宗教判例等をアップすることにする。

(イエス・キリストは素晴らしく聖書も素晴らしいが、キリスト・聖書と現実の宗教には残念ながらギャップが有るのも事実なのでそのような判例も含まれる。)

[日本]

*津地鎮祭事件
(①政教分離を判断する目的効果基準はアメリカの判例のレモンテストをほぼ採用
②クリスチャンの最高裁長官が信教の自由の重要性を補足意見で唱える。)

*エホバの証人東大病院輸血拒否事件
エホバの証人勝訴
(エホバの証人は輸血拒否というかなりオリジナルな教理を有するが、東大病院輸血拒否事件で死ぬことも覚悟する真摯な患者の意思を尊重しなかったと勝訴)

*エホバの証人剣道拒否事件
校長が退学にしたがエホバの証人勝訴
(エホバの証人は格技拒否というかなりオリジナルな教理を有するが、剣道拒否で代替処置をせず退学は校長の裁量を越えると勝訴。 勿論、その学科以外での真面目な授業態度や世界全体のエホバの証人の動向も総合勘案した上での判決)

*統一教会霊感商法事件
(①先祖の霊が苦しんでいるとか、先祖の因縁を説かれ、高価な印鑑、壺、多宝塔等を購入したことが問題になった。被害人数3.2万人・被害金額1117億円
②法の華三法行事件も霊感商法に入るが、被害人数2.2万人・被害金額950億円)

*統一教会信徒拉致監禁事件
(統一教会勝訴と敗訴両方有り。 統一教会の信徒の殆どは統一教会は被害者で拉致監禁が殆どだと思っているが、実際は自らの意思で逃げ出した人もかなり多く敗訴も多い。 但し、実際に拉致監禁の事例も複数有ったのも事実。)

*統一教会青春を返せ訴訟
(伝道の違法性や統一教会信徒の自発的意思決定度や社会的相当性の逸脱などが問われた。)

*日曜授業参観訴訟
クリスチャン敗訴
(某クリスチャンが日曜日に授業参観が有るのは信教の自由違反と主張したが、敗訴。 宗教的中立性や現時点の社会状況を考慮するとこの判決で正しいと思う。)

*日本キリスト教団北村牧師免職事件
(北村牧師は聖餐式に洗礼を必要とせず誰でも受けられるとオープン聖餐式をしたが教団から免職されたので提訴したが敗訴。 理由は法律上の争訟に当たらないから。)

*愛媛県靖国神社玉串訴訟
(愛媛県知事が、戦没者の遺族の援護行政のために靖国神社などに対し玉串料を支出したことにつき争われた訴訟。 最終的に最高裁違憲判決を出した。 国のために亡くなった英霊は大切にすべきだが、政教分離は大事)

[アメリカ]


公立学校での祈り訴訟
 最高裁は1962年、州によって作成された祈りを教室で朗唱することを違憲と判断し(エンジェル事件)、
1992年には公立学校の卒業式で牧師が祈りをささげることも違憲とした。
 2000年、、テキサス州の公立高校で、フットボールの試合の開始前に伝統的に行っていた生徒代表の祈りに対し、反対する生徒や親が違憲訴訟を起こしていたが、連邦最高裁は、憲法修正第一条に反するとしてこれも違憲判決を下した。
(①但し、トランプ政権になり保守派判事を最高裁に送り込めば逆転する可能性も有る。
②生徒による「自発的な祈り」に対する判決である点が今までの判例と異なる。)

*十戒記念碑設置訴訟

公共施設に「十戒」を掲示することの是非が問われた訴訟で、宗教色が色濃く提示される場合は違憲だが、宗教色が薄ければ合憲との判断を下した。
(十戒だとユダヤ教・キリスト教・イスラム教いずれにもに共通するので、クリスマスツリー等に比し宗教性が減少するメリットが一応有り。)

進化論訴訟
1968年
アーカンソー州反進化論法裁判
 アーカンソー州の公立学校における進化論教育を禁止した法律に対する裁判(エパーソン対アーカンソー州事件において、聖書に一致しないという理由で進化論を教授することを禁止することは、特定の理論を抹消しようとする試みであり、合衆国憲法修正第1条(表現の自由や信教の自由などをあつかっている)に違反

1982年
アーカンソー州授業時間均等法裁判
 1981年にアーカンソー州とルイジアナ州で制定された公立学校教育において進化論と創造科学を均等な授業時間で教えることを定めた法律であるが、創造科学を科学ではないと結論し、特定の宗教の教義を助けるものだとして、1982年、アーカンソー州法に違憲判決を下した

1987年ルイジアナ州授業時間均等法裁判

 残るもう一つの反進化論法であるルイジアナ州の授業時間均等法は、連邦最高裁判所まで争われることになった。1982年に類似の法律に判決が出ているため、それを追認するかどうかが問題点であった。

1987年、連邦最高裁判所は7対2の票差でルイジアナ州法に違憲判決を下した。

2005年インテリジェント・デザイン論訴訟
 ペンシルベニア州でも同州のドーバー学区が高校の生物の授業に創造論を別の形で復活させたインテリジェント・デザイン論を導入しようとした。
 しかし
保護者の訴えにより起こった裁判(ドーバー裁判)で、同州連邦地裁は、同教育に違憲判決を下した。ジョーンズ判事は、インテリジェント・デザイン論は「科学理論ではなく宗教的見解」だと判断し、同論の目的は「公立学校で宗教を教えることにある。」と述べた。

*妊娠中絶を制限するテキサス州法訴訟
2016年、女性の妊娠中絶を制限するテキサス州の州法を8人の判事が審理した結果、5対3で無効との判断を下した。
(保守派≒宗教に同情的は妊娠中絶に否定的)

*上記判例にように政教分離に厳しいアメリカだが、聖書に手を置いての大統領就任式も有るし、
紙幣・コインには"In God We Trust(我ら神を信ず)"の文言が刻まれている。
但しクエーカーなどの宣誓を禁ずる教派の信徒のために「神に言及しない確約」も用意。

*因みに判例ではないが、アメリカの宗教判例を生み出す米最高裁判事の宗教構成がカトリック5人、ユダヤ人3人で、アメリカ建国の主役だったプロテスタントが現在ゼロなのもトランプ大統領当選理由の1つ

*これも判例ではないが、アメリカ憲法は人権の筆頭に宗教の自由が出て来る。
(修正1条。 人権の歴史は宗教の自由の歴史と概ね一致するからである。)


[フランス・欧州人権裁判所]


フランスブルカ禁止法訴訟
2013年に23歳のパキスタン出身のフランス人女性が、イギリスの弁護団とともにフランス政府を相手に「ブルカ禁止法」が差別として訴えた裁判で、欧州人権裁判所は同法を支持する判決を下した。
(①ブルカはイスラム教徒の女性が着用
②イスラム教徒にはやや可哀想な判決だが、欧州各国で急増するイスラム教徒に対する不満は強いため、それを考慮した判決にならざるを得なかったものと見られる。
③欧州人権裁判所は47か国加盟)

*カトリック学校一時閉鎖
 1901年修道会を認可制にし修道会系教育機関の設立許可制を導入。1902年に首相となったエミール・コンブはカトリック系学校約12,500校を閉鎖。非聖職者による再開や公立学校への吸収を実施した。これは教会財産の国家接収を意味し約3万人の修道士女が国外へ亡命した。1904年にエミール・ルベ大統領がイタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世を訪問するとローマ教皇庁はフランス政府と国交を断絶した。
 カトリックの強いフランスにはこんな時代も有ったのだ。


[中国]
*十字架撤去訴訟
十字架の撤去に抵抗した中国の牧師に懲役14年、その妻に懲役12年の実刑判決
 

[韓国]

*純福音教会創設者事件

 2014年、脱税・背任などの罪でソウル中央地裁から懲役3年、執行猶予5年、罰金50億ウォン(約4億7500万円)の判決を下された。
 この事件の内幕を報道した記事によると、裁判長は事件の背景を理解し、趙鏞基牧師に無罪を主張するように促したが、息子の責任を取り、また教会を守るためにそれを拒否した。
 その後2016年に、ソウル西部地検刑事2部はこの事件について「全て嫌疑なし」決定を下し、不起訴とした。


「取税人や売春婦が先に天国に入る」
「主よ主よと言う者が天国に入るのではなく、み心を行う者が入る」
「義人はいない、ひとりもいない」
「神は砕けた心の近くにいる」
「肉による子供が神の子供ではなく、約束によって生まれる子供が神の子供」
「自分の行いの記録に応じて裁かれた」
「義とされて家に帰ったのは自分を正しいとしたファリサイ派の人ではなく、胸を打ちながら「罪人の私を憐れんで下さい」と言った徴税人
「心の割礼こそ割礼」
「御心を行う人はみな兄弟、姉妹、母である」

ので、教会に行くのがクリスチャンではなく、御心を行う人こそクリスチャンだ。






イエス・キリストの長所の客観的分析については他日に待ちたい。
☆イエス・キリストの裁判の法的分析については他日に待ちたい。