ちょっと話が前後して、畑の話は明日記事にするとして、昨日の夜は十三のシアターセブンで、今井監督の最新作を観てきました。

今井監督とは昔、数年ほど一緒に仕事をしてたんですが、
「どういう人なのか」
と聞かれたら、イマイチよくわかりません。
たぶん、そう簡単に本心を見せない人なのかも。

その今井監督がドキュメンタリー映画を撮っているというので、気になってました。
あの距離感から、どういう風に人に食い込んでいくのかな~って。

ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~』は、2年以上の年月をかけて完成した大作です。

が、前半は不安になりながら観てました。

なんせ、主役の金木さんは、
「人間が抱える問題をすべて解決できる哲学があるはず」
といいつつ、
「俺は能力ないから、わからん」
と、具体的な「哲学」については、ほとんどノーアイデアなんですよ。

「仕事も2ヶ月以上続いたことない」
とニカッと笑うのみ。

映画の終わりに、
「だまされましたか?ただの酔っぱらいのおじさんを撮影しただけです~!」
と言われるんじゃないか、と、疑心暗鬼になってしまいました(^^ゞ
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ですが、う~ん、なんなんでしょうね。
金木さんの魅力の特長は、「我」のないことかもしれません。

「俺はすべての問題を解決する哲学を見つけてやる!」
といいながら、実は自分が見つけようとは思ってないんです。
「俺は能力ないからスタッフを集めて考えてもらうねん」などと言い出す。
あまつさえ、スタッフは頭がよくなかったらあかん。東大京大クラスやないと、と無邪気に語るんです。

彼の夢は、とにかく、人間が抱える問題すべてを解決する方法が見つかること。

「見つけること」
じゃなく
「見つかること」

ただただ、そのために、ニッツカリ笑ってリアカーをつけた自転車を走らせ、
「すべての問題を解決できる哲学」
を訴えてはるんです。

恨み言の似合わない笑顔で、自分の病気を悲嘆せず、ただ子供のような大言壮語を引き連れて、夢に向かって走ってはるのですね。

「あぁこの人は、偉大なる子供なのだ」
観ているうちにそれがわかってきます。
「純粋なのだ」
と。

映画の中で、今井監督がいつも通りの、抑揚の少ない、なんとなく感情の乏しげな声でツッコミを入れると、主人公はいつも、大きな口をあけて、心底楽しそうに笑います。

「本当に楽しんでるんだ、人生を」
「本気で精一杯生きてるんだ」

そう思ったら、なんか泣けてきましたよ。
泣く場面なんかひとつもないんですが。

そういう映画です。

上から目線で押し付けられるような教訓めいたものはありません。
ただ、「本物の少年」を淡々と(?)撮った映画です。

好評につき、22日まで上映延長となったようですので、興味のある方はぜひ、十三へ足をお運びください。
上映後、映画館の外で、きっと金木さんがツーショット写真を撮らせてくださいます(≧∇≦)

最後に。
金木さんの生き様を、かくも魅力的に、丁寧に描き出した今井監督に最敬礼。

さて、今日はこれから遠出です。


**後記**
この感想について、今井監督が、
「あったかい!」
と評してくださいました。

それ聞いて、
「あぁ、数年に及ぶ撮影の間に、今井監督は金木さんが大好きになったんだなぁ」
って思いました。


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