初めましての方は初めまして、誰彼夕トです。

この度、「writers' light vol.01」に小説を五編載せていただきました。

小説
『在』、『私』、『生』、『罰』、『水』

これらの内、『在』は「vol.01」の特集「書く/読む」向けに書かれています。

皆さん、どうぞよろしくお願いします。


『「書く/読む」について特集する 』と言うと、ヌーヴォーロマン的と言うべきでしょうか、文字だけでは難しいものや、取っ付きにくい印象を受ける方も大勢いらっしゃるかもしれません。
 実際にそうなのかどうかは、読者である皆さんに読んでいただく他ありませんが、私自身としては「書く/読む」というテーマは初歩的なものとして捉えています。本と付き合う上で「書く」行為、「読む」行為を切り離すことはできません。当然な事実であり、わざわざ言われなくてもいいことでしょうが、それでは「書く」こと、「読む」こととは一体どういうことなのか。単なる辞書的な意味で捉える方もいるかもしれませんが、メイルなどの伝達文と小説の文を書く時、そして読む時、書き手にしろ読み手にしろそこには心理的に、方法論的に差異が存在するのではないか。それを提示することは、今後いかなるジャンルの小説だろうが、詩だろうが、評論だろうが、エッセイだろうが、書いてゆく上で大切な道標になるように自分は思いました。
 スタートラインを切る意味で、あえて挑戦したテーマ。読者の皆さんはそれほど身構えずに、もしくは思いっ切り身構え、驚いたり拍子抜けにあったりしてください。そして少しでも自分が書いていたり、読んでいたりすることについて、振り返っていただけるなら、この本はその役割を果たしたものだと、私は思います。

 誰彼夕ト