おはようございますっ!!
田口です。
さて、前回の記事では特集「書く・読む」の方の作品の紹介をさせていただきました。
今回は、個人作品の方の作品を紹介させてもらえれば、と思います。
個人作品
小説『私――サン・フロホンの彼らに捧ぐ――』
『生――サーガ――』
『罰――追放、もしくは――』
『水――喪われる世界、失われる私――』 誰彼夕ト
小説『カメの異邦人』 いまひこ
短歌『そこにあるかなしみ』 酉野しっぽ
小説『恐怖の習作(リグレット、あるいはチョコレート)』 沖田灯
小説『スモールトーク』 田口亮
ですね。パッと見、誰彼さんがいちばん書いているように思われるかもしれませんが、誰彼さんの作品はどれも短編ですので、気軽に読めると思います。
いちばん文量を書いて(しまって)いるのは田口です。。。同人のみなさん、掲載を許してくれてありがとう。
では紹介に移りましょう!
小説『私――サン・フロホンの彼らに捧ぐ――』
『生――サーガ――』
『罰――追放、もしくは――』
『水――喪われる世界、失われる私――』 誰彼夕ト
沖田さんがいちばん誉めていたのは『生――サーガ――』だったように思います。
たしか「こういう種類のものを書いて、あるいは映画として撮る、という試みをしたアマチュアの作品は幾度も見てきたけど、どうしてもある側面しか描けておらず、内面に(あるいは、が、)響いてこなかった。しかしこれは違う。すごいレベルだ」
みたいなことを言っていたように思います。
え? 「 こういう種類のものってなんだ?」って?
会場で冊子を手に入れて確かめてみてね! それをきいて「なるほどなぁ」と思ったのだけれど、田口がいちばん気に入ったのはやはり『私――サン・フロホンの彼らに捧ぐ――』ですね。
というのも、この『私――サン・フロホンの彼らに捧ぐ――』、すごくおしゃれなんですよ。
すべてがおしゃれで、また文章が流れるようで美しい。流麗とでもいえばいいか……、
また話の筋もしっかりしていて、「うむ! やられた!」となりました。
こういう風に、 「自分はどの作品が好きだ!」と言えるのが、この四つのカルテットの面白さのひとつであるかもしれません。
小説『カメの異邦人』 いまひこ
いまひこさん初の小説です。
初めて小説を書いたときの気持ちというのは僕はもう思い出せませんが、僕の処女作のレベルは間違いなく低かったですね。ハイ。
いまひこさんの作品は、ちょっとこの冊子の他の小説とテイストが違い、児童文学のようなかんじがします。
もし子どもがこの冊子を手にとってくれて「おにいちゃん、どれ読めばいい?」と訊いてきたら、僕はこの『カメの異邦人』を推すと思います。
主人公が不思議なカメと出会うんですがね、このカメが喋るんです。
そしていつの間にか主人公はカメの世界に行っていて、そして……おッと、この先は言えないぜ。
終盤のある登場人物のオチ、というかがすごく好きな作品でしたね。ネタバレになるので詳しくは言えないんですが!
でもこの話は、完全に子ども向けかといえばそんなことはなく。
特に先ほど触れたオチなんかは、大人の方が笑い、またハッとする類のものではないかと。
田口は思います。
短歌『そこにあるかなしみ』 酉野しっぽ
酉野さんによる全13首の短歌の連作です。
田口も短歌をやっているので分かるのですが、かなしみ、と短歌ってかなり合うことが多いんです。
本作でもそれは確かで、今気づいたのですが、最後の2首以外はどれもみなかなしみを歌っているんですね。
でもそのかなしみの種類が少しずつ違っていたりして。
でもかなしみと分類される以上、共通する部分もあったりして。
そんな重なる部分と重ならない部分を含めて、最後の2首で酉野さんが辿り着いた結論とは。
是非読んでみて下さい。目撃者となれ!
小説『恐怖の習作(リグレット、あるいはチョコレート)』 沖田灯
沖田さんによる小説です。
沖田さんの作品て、今回だけなのかもしれませんが、特集にしろこの個人作品にしろ、伸び率すごいんですよ。
第一稿と最終稿が似ても似つかない、というか。
第一稿を読んだ直後の自分に、「最終的にはこうなるんだよ」と見せたら「ファッ?!」ってリアルに叫ぶと思います。
いやすごい。あれがこうなるなんて……。
内容としては……、これも説明がすごくしづらいんですよね。沖田ワールド全開というか。
おじさん、鏡、ウルトラマン、チョコレート、宇宙……。
沖田さんて、話したりするとかなりマトモなんですけど、小説として書くものはこうやってはっちゃけてるんですね、そのギャップを楽しむのも一興。
読んでもらうしかないですね!
特に『writer's light vol.00』を読んだことのある人には、ぜひ今回の沖田作品を読んで欲しいですね。
小説『スモールトーク』 田口亮
自作を、特に自分の(エッセイならともかく)小説を紹介するのは気がひけるのでやめときます。
原稿用紙170枚ほどの本作を掲載させてくれた同人のみなさんにただただ感謝です。
作品の外面的なことを書けば、群像新人文学賞一次選考通過作です。
そんだけ。
以上でっす!! なんか長くなりました。
いままで書いたブログの記事で、いちばん苦労したかもしれません。
なかなか文が出てこなかったよママン。
そんなわけで、
特集「書く・読む」
も、
個人作品
も、
充実の内容となっています。160p、お値段300円。
是非会場でお求めください! 場所はウ-07です。
第十七回文学フリマに参加します!
『writers' light vol.01』を、どうぞよろしくお願いいたします。
(文・田口)
【書くことストック】
・田口からみた同人の(面白い)紹介(自分でハードルあげるってどうなんだ?)
・特集「書く・読む」を我々が選択した理由
・チラシの紹介