皆さんこんにちは!高知の山岸です。

11月ももう中旬、朝晩の気温が冷え込みが強くなるなど、一気に季節が進みましたね。

 先日、休みの日に高知県立牧野植物園に遊びに行ってきました!

牧野植物園とは、植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設です。


画像1

                (写真:牧野植物園 筆者撮影)

一昨年のNHK朝の連続テレビ小説では、牧野富太郎博士の人生をモデルにした「らんまん」も放送されましたよね。

高知県民として一度は行ってみなければ!ということで足を運ぶと、「こんにちは、タネです。」という種に焦点を当てた企画展が開催されていました。

正直、植物といえば花。春のお花見や最近ではコスモスなど、どうしても花に目が行きがちです。(紅葉は、葉の色付きですが・・)
ただ、花でもなく葉でもなく「タネ」に目を向けるとは、奥がふかそうな予感!

 

入ってみると、どんぐりの世界というコーナーがありました。


画像2

           (牧野植物園 「こんにちは、タネです。」 筆者撮影)

 

“どんぐり”は、植物のどの部分にあたるかというと、

いわゆる果実にあたる部分のことで、正確には「堅果」と呼ばれる部分のことだそう。そしてひとくちに「どんぐり」といっても日本のどんぐりは22種類もあるんです。「どんぐりの背比べ」という言葉がありますが、上背の前に姿かたちでそれぞれ個性があるんです。

 

そしてこんなに面白いものも!1本のコナラの木からなるどんぐりはなんと1000個!

そしてここから発芽するどんぐりは「2個」と言われています。少ない!!!!

画像3

              
              
         (写真「1本のコナラの木からなるどんぐりの数」 筆者撮影)


画像4


               (写真「どんぐりの行方」 筆者撮影)

 

そしてどんぐりの数は毎年、豊作・凶作の年が繰り返しあるようです。
その原因の一つに考えられているのが
気象」

コナラでは、7月から8月が翌年の花芽の分化時期に当たっています。このため梅雨時から夏にかけて雨の降らない日が多い年は、花芽の分化が促進され、翌年の開花量が多くなると考えられているそうです。

しかし、花がたくさん咲いても雌しべに花粉が着かなければ受精せず、種子は生産されません。特にコナラは風媒花といって風によって花粉が運ばれ受粉するタイプであるため、雨が降ると花粉の飛散量は少なくなります。このため花の咲く時期に雨が多い年は、種子の結実量はあまり多くならないそう。

その年に落ちるどんぐりの数が天気によって左右されるということは、天気というのは何も空を見るだけではなく、地面を見るだけで知ることもできますね。それもどんぐりは今年の天気の特徴も教えてくれます。

 

天気は人間だけでなく動植物たちにも切ってもきれない関係がありますね。秋に限らず、野外に出たときは天気や花の咲き方、実の付き方などにほんの少し注意を払ってみると、意外な変化に気が付くことがありそうです。

 

・高知県立牧野植物園 企画展 「こんにちは、タネです。」

・「どんぐりの豊凶」https://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/ikurin/9902gr.html



こんにちは。川崎市在住の瀬古芙実子です。暦の上では「立冬」も過ぎ、冬の足音が聞こえてくる頃となりました。今週末の15日は「七五三」。各地の神社では、色鮮やかな晴れ着に身を包んだお子さんたちの、可愛らしい姿が見られることでしょう。

さて、そもそも「七五三」は、なぜお祝いするのでしょうか。

その由来は、医療が未発達だった時代、子供が生まれても小さいうちに病気で亡くなってしまうことの多かったことにあります。 昔の人々は、子どもの無事な成長を「節目」ごとに神様に感謝し、祈りを捧げてきました。

江戸時代、子供が生まれると誕生から七日目に、
髪の一部を残して、あとはつるっと剃ってしまったものでした。

子どもの髪型

              参考文献をもとに筆者作成


それが3歳になると髪を伸ばしはじめます。
これは3歳の「髪置き(かみおき)」と呼ばれる儀式が由来となっています。

そのほか5歳の「袴着(はかまぎ)」(初めて袴をつける儀式)、

7歳の「帯解き(おびとき)」(着物の帯を使い始める儀式)といった

もともと武家や貴族の間で行われていた成長の儀礼が民間に広がり、

次第に現在の七五三の形になったと言われています。

「七五三祝ひ乃圖」歌川豊国:東京都立図書館所蔵

        「七五三祝ひ乃圖」歌川豊国:東京都立図書館所蔵

さて、気象予報士の視点から見ると、この七五三は「当日の天気が非常に重要な行事」の一つです。

なぜなら、主役のお子さんたちは、慣れない和装で、屋外の神社を訪れるためです。 昔の人々が、今以上に切実な思いで子どもの成長を感謝した「ハレの日」(日常とは違う特別な日という意味)には、お天気も穏やかなハレ(晴れ)が理想ですよね・・・!

しかし、この時期はひとたび冬型の気圧配置が強まれば、太平洋側では空気が乾燥し、冷たい北風が強く吹きます。

和装にとって、強風は大敵です。着物や髪型が乱れるだけでなく、風が体温を奪い、体感温度は実際の気温よりもぐっと下がってしまいます。一般的に、風速1m/sで体感温度は約1℃下がると言われます。


お子さんは大人よりも体温調節が苦手です。お参りの日には天気予報で最高気温だけでなく、時間帯ごとの気温変化や風の強さをぜひチェックしてください。当日は、脱ぎ着しやすい羽織ものや、カイロなどで調節してみてくださいね。

お子さんの健やかな成長を祝う大切な一日。
ご家族の皆さんの思い出に残る一日となることを心から願っています。

瀬古 芙実子

参考文献

谷口貢・板橋春夫(2014)『日本人の一生 通過儀礼の民俗学』八千代出版

喜田川守貞(1997)『近世風俗志(二)』岩波文庫

愛媛の竹之熊です。

一昨日5日の夜は満月「スーパームーン」でした。

私の住む松山でも雲の隙間からぼんやり見えましたよ。

通常の満月より明るいということで、雲が多めでも確認することができました。

IMG_7778


また、松山では「キンモクセイ」もようやく満開になってきました。
暑さの影響で、見頃が遅れたと考えられます
IMG_7761

さて、これからの時期、暖かくて穏やかな天気のことを「小春日和(こはるびより)」といいますが、この言葉、「晩秋から初冬」しか使われません。

「春」という言葉に惑わされて春先に使う言葉と勘違いされがちですが、あくまで春そのものではなく、”まるで春のような天気”という意味で使います。

23月頃に誤って「小春日和」を使わないようにしましょう。

ちなみに、「小春」は旧暦10月の異称で、現在の11月から12月上旬頃にあたります。

 

実は、「小春日和」は、海外にもあります。ここでクイズです。

ドイツの小春日和の名称「老婦人の●」この●に入る季節は何でしょう?

A:春 B:夏 C:秋 D:冬










正解は、B:夏で、「老婦人の夏」といいます。

老婦人というのは、この時期のクモの糸が日差しにあたって老婦人の白髪のように見えたからという説があります。

ではなぜ夏なのか。例えとしてドイツのベルリンと松山の平均気温を見てみます。

ドイツは札幌より北の緯度にあるので、松山より気温は低いですが・・・

画像1


ベルリンの夏の平均気温19.3℃、松山の秋の平均気温が19.1℃、ほぼ一致しています。

したがってドイツでは、日本と違い、夏のように穏やかな晴天を小春日和といいます。

ドイツ以外では、北米では「セカンドサマー」、イギリスは「聖マーティンの夏」、ロシアは「女の夏」といわれます。




高緯度の国の場合、快適な季節=夏にあたるので、「夏」という言葉が使われています。
「春」か「夏」かで、日本とそれぞれの国の気候の違いが感じられますね。

これからの「小春日和」の日は、昼間は過ごしやすいですが、朝晩と日中の気温差が大きくなります。
体調管理や服装選びにお気を付けください。


運営会社:ウェザーマップ

↑このページのトップヘ