北海道の井坂です。
9月に入っても暑い日が続いていましたが、ここ数日は秋らしくなりました。

農作物の収穫期に入っている北海道。
今夏の猛暑は、農作物へどのような影響を与えているのでしょうか。
ちょっと調べてみました。

まずは北海道と言えば「じゃがいも」
JAようてい販売事業本部の福田さんに今年のじゃがいもについて伺いました。
JAようてい農畜産物MAP
出典)JAようてい「ようていの味覚」(https://www.ja-youtei.or.jp/products/)」

「7月末までは天候がよく、生育も順調で豊作が予想されていましたが、そのあと気温が上がり、
 雨も少なく干ばつ気味だったことで葉が枯れてしまったところもありました。
 早い品種は8月始めから収穫がスタートしていますが、これまでのところ
 じゃがいもの大きさは例年と比べて若干小さめです。」

Q.収穫量はいかがですか?
「全て終わってみないとわかりませんが(10月末ごろ)、
 いまのところJAが受け入れている量としては、例年と比べて大きな変化はありません。
 ただ今年は高温によって小玉が多いことから、
 全体として収穫量が減るのではないかと予想しています。」(9月20日現在)
 とのことでした。

続いては「お米」。
北海道のほぼ中央に位置する東川町は米どころとして有名です。
東川町地図
出典)ひがしかわ観光協会


東川町は北海道でも唯一、上水道の無い町で、全ての町民の方が地下水で生活しています。
この地下水は大雪山連峰の雪どけ水が大地にしみ込み、
長い年月をかけて流れだした天然のミネラルウォーター。お米が美味しいのも納得です!

JAひがしかわ営農販売部の髙橋さんに今年の東川米について伺いました。
高橋農園
提供) 高橋農園㈱ 8月26日稲刈風景

「今年は本町の中でも
 比較的温度の高い西側の地域は例年より被害粒(腹白)が多く見られ、
 逆に大雪山側の地域は例年通り高品質米です。
 山岳地域の東側の気温が、西側に比べてやや低いことが要因かもしれません。」
*被害粒とは損傷を受けた粒のこと。(農林水産省ホームページより)

Q.食味を左右する<タンパク質含有率(低値=ふっくらやわらかいお米)>
 <アミロース含有率(低値=粘りが強いお米)>はいかがですか?
「昨年と比べてタンパク質含有率はやや高め、アミロース含有率はやや低めですが、
 平年並みの数値だと思います。」

Q.稲刈りは現在も続いていますが、今年はいかがでしょうか?
「9月19日現在、本町の作付の約半分は出荷されましたが、
 収量は昨年より少ないものの、平年並みではないかと思います。」とお話ししてくれました。

この稲刈りのタイミング、実は気温も関係しています。
北海道上川総合振興局 上川農業改良普及センター 大雪支所の大沼さんによると、
「出穂(稲の穂が出て)からの平均気温(アメダス地点:東川)の積算温度が
 950~1000℃に達した1週間後が稲刈りの目安になっています。

 ただ、実際の稲刈りのタイミングはそれぞれの田んぼの状況によっても異なりますので、
 普及センターとしてはあくまでも目安の一つとして農家さんにお伝えしています。」
 とのことでした。
東川アメダスの場所
気象庁ホームページより

稲刈りのタイミングの一つに積算温度があること、
その気温データは気象予報士がいつも見ているアメダス(気温)が活用されているとは!

そして今夏の高温の影響は農作物だけではありません。
日本一紅葉が早い場所として知られる大雪山系。

大雪山旭岳ロープウェイの国井さんによると、
「今年の紅葉は例年より10日ほど遅れています。」とのこと。
きのう(9月21日)撮影された旭岳です。
旭岳とチングルマ(0921)
9月21日撮影/提供)大雪山旭岳ロープウェイ
標高1600m付近は少し色づいてきました。

チングルマの紅葉は?
チングルマUP
提供)大雪山旭岳ロープウェイ
いい色になってきましたね。

このあと紅葉はロープウェイ沿いへと進んでいくようです。
ロープウェイ車窓から2023
提供)大雪山旭岳ロープウェイ

ちなみにおととし(2021年)同日(9月21日)に撮影された写真がこちら。
ロープウェイ車窓から20210921.
提供)大雪山旭岳ロープウェイ

2021年9月上旬は緑が多かったものの、そのあと一気に色づき、
9月中旬にはこのように数年に一度と言われる美しい紅葉になりました。

今年はどうなる?
国井さんによると「葉に水分がまだしっかりあるので、
気温が下がればきれいに色づきそうです。」とのこと。期待しましょう!


猛暑の影響はこのほかにも
夜の気温が下がらずメロンの糖度が上がらなかったり、
これまであまり収穫量が増えなかったさつまいもがたくさん獲れた。
と言った話しも耳にしました。

秋も季節の歩みがゆっくりな北海道。
しかし、最近は「初雪はいつごろ?」と聞かれることもしばしば。
道民の気持ちは少しずつ冬へ向かっているようです。

ウェザーマップ 井坂綾
https://caster.weathermap.co.jp/isaka-aya








こんにちは、名古屋の上野です。

9月も下旬に入りましたが、残暑が厳しく、なかなか秋らしさを感じられない日が続いていますね。
季節外れではないですが、愛知県の豊橋市にある豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」ではサクラが見頃となっています。
サクラと言っても狂い咲きのソメイヨシノではなく、
秋から春にかけて咲く「ジュウガツザクラ」です。
 
ジュウガツザクラ②
【筆者撮影】

このジュウガツザクラは、春の開花の後、休眠せずに秋と冬も咲くサクラの品種です。

ただ、今年は例年とは違う点があります。
例年であれば、秋の開花時期は2分咲きくらいで、ポツポツと咲く程度だそうですが、
今年は春の時期と同じくらいの6~8分咲きの咲く具合になっているのです。



 
ジュウガツザクラ①
【筆者撮影】

のんほいパークの植物担当の方によると、まだ原因ははっきりしていないものの、春から夏にかけて気温が高かった影響か、花芽の成長が早く、例年より1~2週間早い開花と、
例年より花の数が多くなったのではということです。

どれくらい豊橋が例年に比べて暑かったか真夏日日数で見てみましょう。

 
豊橋真夏日日数2023

愛知県の東部、三河地方の沿岸部にあたる豊橋市は、
本来は海からの風が入りやすく
海風の影響で真夏日になっても日数はそこまで多くないはずなのですが、

今年の真夏日の日数がここ数年の中でもかなり多くなり、今年すでに78日と統計開始から最も多かった去年をすでに上回っています。

 
豊橋地図


今年の今年の最高気温は、35℃以上の猛暑日は1日だけでしたが、そもそも33℃34℃まで上がること自体があまりなく、上がっても32℃くらい、夏でも30℃~31℃くらいの暑さがほとんどの沿岸の地域です。
それが、今年は33℃前後まで上がる日が多く、のんほいパークの担当者も、とにかく暑かったと言っていました。

夏の太平洋高気圧の強まりが続き、南の暑い夏の空気に覆われる日が続いたためと考えられます。

植物は、そのような環境の変化に素直ですので、
この暑さが、秋咲きのサクラにも影響を与えたものと考えてもおかしくありません。
秋なのに花見を楽しめるのはいいですが、ちょっと心配になりますね。


ただ、せっかくなので花見も楽しみました
花見と言えば、花より団子
のんほいパークでは動物をモチーフにしたグルメもオススメ


 
ジュウガツザクラ (4)
【提供:テレビ愛知】

私はパンダをモチーフにした、ハンバーグを中華まんの生地で挟んだパンダハンバーグをいただきました!
秋の行楽シーズンに、ジュウガツザクラで花見はいかがでしょうか?

 
ジュウガツザクラ (5)
【筆者撮影】

※一部画像は地理院地図を加工して使用


取材協力
豊橋総合動植物公園のんほいパーク


上野高明

こんにちは!北海道の赤羽です。

 

季節は秋。読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋…いろんな秋がありますが

僕はもっぱら食欲の秋を迎えています。(春も夏もですが笑)

 

そんな僕は先日、仕事の休憩中にこんなものを食べました!

image_6483441 (11)

エクレアです!!

シュークリーム派、エクレア派分かれますが、皆さんはどちら派ですか?

僕はチョコが好きなのでエクレア派です。

 

そんなスイーツトークをしたいわけじゃありません。

というのも、この「エクレア」天気と関係があるんです。

 

なぜかというとエクレアの語源はフランス語で「雷」を意味するéclair(エクレール)」

これはシュー生地の亀裂が稲妻のようだ、中のクリームが飛び出さないように稲妻のように素早く食べる必要があるという点から来ていると言われています。

全く関係がなさそうな2つが天気と関係しているんだから面白いですよね。

 

まだまだ、晴れていたと思ったら急に土砂降りというおかしな天気(夕立シーズン)は続きますから、(エクレアのような)黒い雲が近づいたり、雷鳴が聞こえたら、(エクレアを食べるように)素早く頑丈な建物に移動して下さい。

2207-19_積乱雲が近づくサイン (1)

一方、この時期のお菓子といえば「おはぎ」じゃないでしょうか?

image_50388225 (1)

実は私の実家は和菓子屋なので、洋菓子に負けないくらい和菓子愛はひとより強いです。

 

よくこの時期におはぎ牡丹餅は何が違うのか?問題』が勃発しますが、お彼岸の真っただ中の今日ここではっきりさせましょう。


spe_2_1_ph02

引用:農林水産省HPより

 

まずは「牡丹」が咲く時期、つまり春のお彼岸に食べるのが「牡丹餅」

「萩」の花が咲く秋のお彼岸に食べるのが「おはぎ」という名前の分け方になっています。

 

では、名前が違うだけなんでしょうか?

 

これはいろんな意見があるので、今回は一説を紹介します。

それは「おはぎ=つぶあん」「牡丹餅=こしあん」という説です。

 

というのも、あんこの原料である小豆の収穫は

収穫したばかりの小豆は皮も柔らかいので、小豆を粒のまま(つぶあん)食べられるというわけです。一方、収穫から時間のたった皮が固くなるのでこしあんとして食べる。

 

ただ、保存技術が発達した現在では春も秋もどちらのあんこも楽しめるようになり

明確な境界線がなくなったともいわれています。(諸説あり)

 

つまり結論は「今は明確な違いはないけれど、昔はあんこの種類に違いがあった」

unnamed (82)

ただ、秋は小豆が特に美味しい季節なので、おはぎつぶあんで小豆本来の風味を味わってみてはいかがでしょうか?

 

そんなことを考えていたら、おなかがすいてきました。

秋の夜長、やはり食欲の秋です。それでは、また!

↓ 赤羽祐介のプロフィール

運営会社:ウェザーマップ

↑このページのトップヘ