愛媛の竹之熊です。

暑さが長引いていますね。

今月6日、気象庁は「長期間の高温に関する気象情報」を東日本~西日本を対象に発表しました。

それによると、8月の月平均気温平年差は、東海地方で+1.8℃、四国地方で+1.8℃、九州北部で+1.9℃、九州南部で+1.5℃となり、1946年の統計開始以降、8月としては最も高く(東海地方はタイ記録)、記録的な高温となりました。

 

さて、こちらの発表にある「平年差」「平年」という言葉は、気象情報で頻繁に用いられますが、「平年値」について、今回ある調査をしてみました。

 

「平年値」とは、その時々の気象(気温、降水量、日照時間等)や天候(冷夏、暖冬、少雨、多雨等)を評価する基準として利用されるとともに、その地点の気候を表す値として用いられています。

気象庁では、西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新しています。

現在は、19912020年の観測値による平年値を使用しています。
現在の平年値は、2021519日に使用開始となりました。

ということは、次回の更新は2031年で、「20012030年の30年間の平均値」が「次回平年値となります。

そこで、今は2024年ですのでまだ気が早すぎますが(笑)、次の平年値更新でどれくらい平均気温が上がるのか、とりあえずいったん、2001年~20248月までの毎日の平均気温を抽出して、「次回平年値(仮)」を算出してみました。

 

※なお、以下にお示しする「次回平年値(仮)」については、8月までが2001年~2024年、9月以降は2001年~2023年の平均気温をもとに算出しています。

 

今回は、私の住んでいる松山と、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇で算出してみます。

 

 

算出結果はこちら・・・

1
2

黄色マーカー:差が「+0.5以上」の箇所

水色マーカー:差が「-(マイナス)」の箇所

 

20248月時点で算出した「次回平年値(仮)」でも、現在の平年値より平均気温が下がる月はほぼありませんでした。

地球温暖化の影響等も考慮すると、今後2030年までの数値がそろって、2031年の次回平年値更新時には、ほぼ全域で、平均気温の平年値が高くなりそうですね。

ちなみに、2021年に現在の平年値の運用が始まった際は、平均気温について、現平年値は旧平年値に比べて0.10.5℃程度高温となっています。

2030年までの気候次第ですが、平均気温の平年値の上昇幅も、次回更新時には現平年値運用開始時より、大きくなっているかもしれません。

 

そしてもう一点、上の表で注目したいことは・・・

「東京」の平均気温の差、他の地点と比べて大きすぎる!

2001年~20248月時点を対象として計算しても、11月の差が1.13月・7月・8月・9月の差が0.9もあります。

上昇幅の大きい月を見ると、夏の厳しすぎる暑さの長期化や、3月や11月にも夏日で季節外れの暖かさの日があることが考えられます。

また、東京ならではの要因としては、「都市化の影響」があげられます。

ヒートアイランド現状等の影響を受けていると言って良いでしょう。

 

以上、色々と書き連ねてきましたが、とにかく気になるのは、2031年から使われる予定の、次期の「平均気温」平年値上昇幅がどうなるのか?

今は「今年の夏の気温、平年より高く猛暑」と伝えていますが、そう近くない将来、「今年の夏の気温は、平年並みの猛暑」と伝える時代が来るかもしれません。

 

竹之熊 和也(https://caster.weathermap.co.jp/takenokuma-kazuya


【参考】

・気象庁報道発表(令和67月以降の顕著な高温と7月下旬の北日本の大雨の特徴と要因について)(https://www.jma.go.jp/jma/press/2409/02a/kentoukai20240902.html)

・気象庁報道発表(平年値の更新について ~平年値(統計期間19912020年)を作成しました~)(https://www.jma.go.jp/jma/press/2103/24a/210324_heinenchi.html)

・気象庁HPhttps://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr_faq/02/qa.html

・気象庁長期変化傾向の解説(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/trend.html


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