こんにちは、名古屋の上野です。

先日、名古屋市守山区にある東谷山フルーツパークに梨の収穫体験をさせていただきました。

実は、今年は季節とともに果物がどのような影響を受けるか取材させていただくために、定期的に梨の作業を、お手伝いをさせていただきました。

豊水・幸水・陽水のナシの木、それぞれ一枝ずつ決めて、気象予報士上野が担当する枝として、作業をさせていただきました。
 
梨取材の時系列

4月の摘花は、余分な花や上を向いている花を切り取る作業
キレイな花を切ってしまうのは罪悪感がありました。

ただ、これも美味しいナシを作るためには大切な作業。
いくつか花が重なっている箇所は、どちらの向きに果実ができるかを想定して、ハサミで切っていきました。
 
ナシ画像⑥
【提供:テレビ愛知】

ナシ画像
【筆者撮影】

今年は、3月の平均気温が平年より低く、ナシの花の開花は遅れました。
3月中にもかかわらず、名古屋で最高気温が10℃にも届かないなど、寒い春先となっていました。

ナシ画像⑦

この時期は、サクラの開花が遅れているというのが、名古屋の各テレビ局でニュースになり、今か今かと名古屋地方気象台に、私含め各局の気象予報士が毎日のように様子を見に行っていました。
それは、サクラと同じバラ科のナシも同じでした。東谷山フルーツパークでは、ナシの開花が去年に比べて1~2週間遅くなったそうです。



5月に作業した摘果は、形や生育の良くない果実や、大きくなると枝に当たってしまうなど場所が良くない果実を摘み取る作業
この時は、ゴルフボール程度に育った果実を、形が良くても、なっている場所が良くない物を切ったりしました。きれいな形な果実もあったのでもったいなかったです。
 

ナシ画像①
ゴルフボールくらいのナシの果実【筆者撮影】

 
ナシ画像⑨
摘果作業【提供:テレビ愛知】

今年は、5月や6月は雨量が平年より多く、平均気温も高かったため、どのような影響が出るか心配でしたが、特段の問題もなく、順調に育ってくれました。

ナシ画像⑧

ナシ画像⑩
袋掛けをする上野【提供:テレビ愛知】

また、愛知県は、5月や6月は気温も平年並みか高かったこともあり、カメムシが多く
カメムシ注意報が発表された時期もありました。
袋掛けをしているとはいえ害虫被害も心配されました。

東谷山フルーツパークによると、今年はカメムシ被害が多かったそうです。
果実が実ってくると、カメムシがナシの薬剤散布が終わったらリンゴへ、リンゴの薬剤散布が終わったらカキへと移っていて、フルーツパークの果樹栽培の難しさを感じているそうです。

8月~9月(今月)の収穫。心配だったのはなんといっても暑さの影響です。
今年は、名古屋で35℃以上の猛暑日が47日(9月20日時点)とこれまでの猛暑日の記録36日(2018年)を10日以上も上回る記録的な暑さとなりました。

ナシ画像⑨
平均気温が30℃を超えるというかなりの暑さとなりました。

袋掛けをしているのは、害虫被害や果実の皮の傷を守るためですが、この暑さによる高温障害や日差しによる日焼けから守るためでもあります。

私がお手伝いをさせていただいた、豊水・幸水・陽水も袋掛けを行いましたが、無事でした。
ただ、中には風雨などの影響で袋が取れてしまい。日焼けをしてしまったものもありました。

 
ナシ画像⑪
【提供:テレビ愛知】

日焼けしてしまうと、赤茶色になり、正規の値段では販売ができなくなってしまいます。
また果肉の中まで温まってしまう影響で、傷みが早いものも中にはあったそうです。
東谷山フルーツパークでは、水やりの回数を増やしたり、品種によってかける袋を変えるなど対策をしていたそうですが、それでも例年より日焼けであったり、高温障害のナシが多い傾向にあったそうです。
幸水の収穫
 
ナシ画像②
【筆者撮影】

豊水の収穫
ナシ画像③
 

陽水の収穫
ナシ画像⑫
【提供:テレビ愛知】


 
ナシ画像⑬
【提供:テレビ愛知】

 
ナシ画像④
【筆者撮影】


ちなみに陽水は、愛知県で誕生した品種で、700~800gと大きくなる上に、シャキシャキ感と果汁が多くみずみずしく甘いのが特徴です。


ナシ画像⑬ (2)
どのナシも、摘花・摘果・袋掛けと長期にわたって、東谷山フルーツパークに協力いただいたことで体験をさせていただきました。


春先からさまざまな作業を手伝わせていただき、ようやく対面したナシ
その大きさもそうですが、甘みが感動とともに体にしみわたりました。
今までで一番おいしく感じました。
あんなゴルフボールくらいの果実がこんなにも大きくなるのかと感動とともに、果汁が体に染み渡るほどです!言い過ぎですかね(笑)

今回の取材を通して、
ナシの収穫が見込める数に関しては、花の咲く頃の気温
果実の出来に関しては、記録的な猛暑や長引く暑さは、かなりの影響を与えていると感じました。

また、花の開花が遅れた影響で、収穫も1週間ほど遅れる傾向にあったそうです。

春先の寒さが夏の収穫にまで影響が出るとは驚きでした。
暑さ対策を施しても、そのさらに上をいく猛暑だったことから、職員の方は、袋掛けの袋を取るまで中身が無事かわからず心配になるほどの猛暑だったそうです。

そして今年は、猛暑やカメムシ等の影響もあり、廃棄するナシの果実が去年のおよそ倍に。

7月~8月は夏としての暑さは必要だと思いますが、
温暖化によって、ベースの気温が上昇し、猛暑の割合が増えてくると、今まで作ることができていたその土地の農業そのものが変わってくるかもしれませんね。



ちなみに!
果実担当の方によると、ナシをおいしく食べるポイントは、食べる前に冷蔵庫で冷やすのがいいそうです。

ナシ画像④

取材協力
東谷山フルーツパーク

上野高明

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