こんにちは!北海道の赤羽です。
いよいよ流氷シーズンがやってきました!!
今シーズンは平年よりも氷が少ないことに加え、1月に冬型の気圧配置が続かなかったことで、流氷の南下がかなり遅れていました。
しかし、先週末に行ってみると・・・
【網走市の能取岬】
・・・オホーツク海はあたり一面、真っ白な流氷に埋め尽くされていました!!
さらに、紋別市では流氷砕氷船「ガリンコ号」にも乗ることができ、ドリルで流氷をガリガリと砕きながら進む様子に感動しました。
【紋別市の流氷砕氷船「ガリンコ号」】
量は少ないし、南下も遅れた今シーズンの流氷でしたが、蓋を開けてみれば宗谷地方から知床半島の広い範囲で接岸しました。観光面ではありがたい限りですね!
この流氷はロシアのアムール川由来の淡水を多く含んだ海が凍ってやってきたもので、たくさんのプランクトンやその餌となる鉄分を多く含んでいます。そのため、流氷に覆い尽くされたオホーツク海は栄養が豊富となり、毛ガニをはじめとする魚介類が美味しくなると言われています。そんな恩恵のある流氷ですが、今回は天気の面での影響を見ていきましょう。
まずは北海道に流氷が接岸するとオホーツクでは晴れることが多くなります。これは流氷が海に蓋をすることで雪雲のもとになる水蒸気が得られにくくなるからです。
さらに流氷がやってくると寒くなります。というのも、流氷が接岸すると冷たい陸地が広がるので、空気が圧縮されて小さな高気圧が生まれます。イメージとしては、暖かい空気は軽いので上昇気流ができますが、冷たい空気は重いので反対に下降気流ができるといったような感じです。

高気圧の下では夜間に地表付近の熱が空に奪われる放射冷却が強まるので気温が下がります。流氷が接岸する前は、内陸の北見などで-15℃前後の時も沿岸の網走などは-8℃くらいですが、接岸後は同じくらい冷えることも多々あります。その上、北風が吹く時は流氷の上で冷やされた風がやってくるので特に気温が下がります。

つまり、流氷がやってくるとオホーツクは晴れやすく、寒くなるのが特徴です。
ただ、流氷の影響が出るのは近くのオホーツクだけではありません。
実は遠く離れた札幌の雪の降り方に関わるのです。
というのも、オホーツク海に流氷由来の高気圧が生まれるとそこから吹き出す風と季節風(北西風)が石狩湾でぶつかります。すると、石狩湾には帯状の発達した雪雲が生まれ、札幌方面では同じような場所で長い時間に渡り、雪が降り続けることになります。こうしたパターンはひと冬に何回かあり、時に大雪をもたらします。
札幌周辺は寒さのピークを超えた2月~3月に雪がたくさん降る、いわゆる「帳尻合わせ」が起こる理由のひとつが、実は遠く離れたオホーツクの流氷の存在だったのです。なかなか面白いですよね。
とは言え、春の足音は確かに聞こえてきました。
今後は寒くなったり暖かくなったりの三寒四温を繰り返していきそうです。体調管理にはくれぐれも気を付けて元気に過ごしましょう!
ちなみに、紋別ではこんな思い出も・・・♡
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