カテゴリ: 冬の話題

こんにちは、高橋です。
きょう2月19日は二十四節気の雨水(うすい)
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雪がようやく雨に変わり、積もった雪や氷が本格的に解け始める頃とされています。
でも今季の冬は全体的には暖冬で、雪国でも度々雨が降っていました。雪山の様子もいつもの2月と少し違うようです。

日本三大樹氷のひとつ、秋田・森吉山の樹氷は例年だと3月でも楽しむことができます。詳しい方にお聞きしたところ、今年は2月13日の雨で早々に樹氷が落ちてしまったそうです。
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 ▲おととし2月中旬に観に行った森吉山の樹氷

スキー場では、積雪不足で地面がむき出しになっている所も。
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▲2024年2月14日 秋田県内のスキー場
(写真はTwitterのフォロワーさんご提供)

雪が足りず、既に今季の営業を終了したスキー場もあります。暖冬の年は雪や氷を利用したレジャー・観光に影響が出やすいです。

地球温暖化が進むと、こうした雪の少ない暖冬が増えると言われています。
ただし、減るのはひと冬に降る雪の総量稀に降るドカ雪の量は増える可能性があります。

気温が上がると、雨として降りやすくなり、ひと冬に降る雪の総量は減ります。
でも気温が上がると、空気中に含むことができる水蒸気の量(=雪や雨のもと)は増えるのです。
寒さの厳しい場所では少し気温が上がっても、雪は雨に変わりません。雪のまま降り、しかも量が多くなるおそれがあります。

現状のまま追加的な対策をせずに温暖化が進んだ世界では、北海道の内陸部や本州の山岳部で、稀に降るドカ雪の量が増えると予測されています。(下図の(b)10年に1度の大雪の変化)
 
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日本の気候変動2020より(気象庁)

温暖化が進むと、気温が上がるだけでなく、このように雪の降り方も変わってくると考えられます。

スキー場の周辺地域など、冬のレジャー・観光が地域経済の中心になっている所もあります。暖冬による雪不足が常態化するようだと、雪に頼らない別の事業が必要になるケースも出てくるかもしれません。難しい問題ですが、目を背けずに考えるフェーズに来ていると感じます。


さて、きょうは南から暖かい空気が流れ込んでいます。予想最高気温は4月~5月上旬並みと、季節先取りの暖かさに。北海道や東北北部では、2月としては記録的な高温になる所もありそうです。
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積雪のある地域では、急激な雪解けによるなだれや土砂災害に注意をお願いします。


高橋亜弓


高橋です。
皆さま、2024年もよろしくお願いします。

先週、土日は関東平野部でも雪が降るのでは?と話題になっていましたね。
18日(水)に気象庁が発表した東京都の気象情報でも、東京23区で積雪となる可能性があるとされていました。

ですが、その後は雨の予想が優勢に。
実際に週末の関東平野部は雨で、21日(日)は千葉や茨城で雨が強まりました。今回、雪が降ったのは北関東の山沿いが中心でした。
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関東平野部に雪をもたらすのは、ほとんどが南岸低気圧です。今回もこの南岸低気圧が通過しました。
南岸低気圧による雪は最新の技術でも予想が難しく、予報官泣かせと言われます。

南岸低気圧はその名の通り、日本の本州南岸近くを通る低気圧のことです。

▼南岸低気圧(2014年2月15日) 
関東甲信を中心に大雪となった
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雨か雪か?
積もる雪なのか?
そもそも何も降らない?

これらは低気圧のコースや気温、湿度のわずかな違いで変わってきます。
下図は南岸低気圧のコースを示した模式図です(気象庁HPより抜粋、加筆)。
 
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南岸低気圧は南の暖気と北の寒気の間で発達する「温帯低気圧」です。
簡単に言うと、低気圧や前線の北側は冷たい空気、南側は暖かい空気です。


【A】陸地に近いコース
関東に降水をもたらす雲域がかかる。
暖気も入るので雪ではなく雨になりやすい。
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【B】陸地からある程度離れたコース
関東には降水をもたらす雲域がかかる。
北から引き込む寒気が優勢で雪になる。
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【C】陸地からかなり離れたコース
寒気に覆われるが、降水をもたらす雲域が関東にかからず、曇り。
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同じ位置を通っても降水域が小さく陸地に届かない場合は、雨や雪が降りません。他にも「低気圧の発達度合い」や「関東平野に溜まっている冷気」など様々な条件が関わって決まります。

いつも直前まで雨か雪か?の見極めが難しいのが現状です。2022年1月6日の南岸低気圧では、東京都心は前日夜になって曇り予報から雪予報へと変わり、東京都心で積雪10cmの大雪となりました。


「南岸低気圧」「首都圏で雪?」そんな話題が出ている時は、予報が変わりやすいことを前提に、こまめに最新情報を確認しましょう。予報が雪に変わった時の対応も考えておくと安心です。

なお、今週は南岸低気圧の雪ではなく、冬型の雪になりそうです。
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あす23日(火)から25日(木)頃にかけて冬型の気圧配置が強まり、この冬一番の強い寒気が流れ込む見込みです。東日本から西日本の日本海側を中心に大雪や猛吹雪のおそれがありますので、きょうのうちにできるだけ備えをお願いします。



【参考文献・HP】
・「地球温暖化で雪は減るのか増えるのか問題」川瀬宏明
・「よくわかる天気・気象」大西晴夫 他

こんにちは、
山口県の山崎です。


年末年始は3月並みの陽気となった日もある一方、強烈寒波の流れ込んだタイミングもあり、冬らしい寒さを感じる日も多くあります。

冬に各都道府県の気象台が観測する季節現象として、
「初雪」「初霜」「初氷」の3つがあります。

初雪は、そのシーズンで初めて雪の降った日。
初霜は、秋から冬にかけて、初めて霜のおりた日(アメダスの露場で目視観測)
初氷は、秋から冬にかけて、初めて氷が張った日(アメダスの露場で目視観測)
です。

ふと思ったのですが、、、
これら3つはどの順番で発表されることが多いのか?
地域による違いはあるのか?
恥ずかしながら気象予報士として、すぐにピンと来なかったので各地の平年日を調べてみました。

 
            表1 主要都市別、初雪・初霜・初氷の平年日
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結果はこちら
観測の早い順に赤字青字、黒字となっています。


新潟・広島以外の地点が、早い順に、
「初霜」「初氷」「初雪」ということになっています。

「霜」は、空気中の水蒸気が夜間に“冷やされる”ことで発生しますが必ずしも氷点下まで下がる必要はありません。東京都千代田区の霜注意報の発表基準も最低気温が2度以下と定められています。

「氷」は、その名のとおり氷点下まで気温が下がることが必須となり、霜よりも発生が遅くなることは容易に想像できますね。

「雪」は、気温低下のタイミングに合わせ、低気圧の接近など降水(空から降ってくるもの)の有無が重要な要素として加わるため、上記2つよりも遅くなる傾向があるのでしょう。


ただ、新潟では「初雪」がその他2つよりも早い傾向です。
日本海側に限って調べてみました。

 

            表2 日本海側の初雪・初霜・初氷の平年日
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松江では先のデータと同じ傾向
「初霜」「初氷」「初雪」でした。


一方、秋田・新潟・金沢では、
「初雪」「初霜」「初氷」と、
初雪が最も早く、次いで、初霜・初氷の順番でした。


北陸から北の日本海側では西高東低の冬型の気圧配置となることで降水の要因が多く存在し、霜よりも早く雪が降ることが多いのでしょう。
週間予報
   図1 週間予報(1月10日午前11時時点の予報)
 

この先も新潟など北陸は雪の降る日が多く、13日(土)ころは風も強まりふぶくこともある予想です。


ちなみに、、、私の住む山口県、気象台のある下関では今シーズン(1月10日午前11時時点)、これら3つの観測は、
「初雪」(11月18日)→「初氷」(12月22日)の順番で「初霜」の発表はまだです。。。

おや???

山崎貴裕https://www.weathermap.co.jp/caster/yamazaki-takahiro/

こんにちは、
山口県の山崎です。


12月に入り、当たり前ですが空気の冷たい日々が増えてきました。
ただ週末は気温が上昇し、秋っぽさを感じる陽気となる所が多くなりそうです。
 
週間予報11時
   (週間予報 12/6(水) 午前11時時点)

特に9日(土)は、西日本を中心に最高気温が20度以上、東北の仙台でも19度と日差しに温もりも感じられるでしょう。
東京も20度予想で10月下旬並みの予想です。

この〇月△旬並みという表現、
気象業界の中では一般的で、今は時期の近い秋の季節を用いていますが、春にも似たような気温の時があるはずです。

そこで、東京を例に年間の旬ごとの気温の平年値を調べてみました。

 気温旬ごと
    (東京の旬ごとの平均気温)

同じ色が、平均気温の値が近似していることを表します。
上記の10月下旬並みは、春でいうと4月下旬並みとほぼ同じです。

4月下旬=ゴールデンウイークなので、今度の週末は大型連休のころの気温と考えるとだいぶ過ごしやすそうなイメージになりますね。



ちなみに、他の時期も見てみましょう。
4月上旬と11月中旬がほぼ同じ
つまり、桜が満開の時期紅葉の見ごろの時期の気温が同じです。

筆者の個人の体感としては、
桜の時期は暖かく、
紅葉の時期は肌寒い、
印象があるのでこの結果は意外でした。


そして、もっと意外だったのが今の時期!!
12月上旬は、3月中旬とほぼ同じでした。
3月中旬は早い年だと桜が開花する頃です。今の寒さを考えると桜が咲くのが疑わしく感じられます。


実際にこのデータは平均気温なので最低気温と最高気温の平均にも目を向けてみました。

気温比較
(東京の最低気温と最高気温の平年値)


ここでもビックリ!
最低気温は、12月上旬より3月中旬の方が低いではないですか!!!
寒い時期を経て迎える3月は、どれだけ体が暖かく感じやすいのか!
絶対に今の方が寒い!と思うのですが・・・・・

寒いのが苦手な筆者は、今は桜が咲くころと言い聞かして体をごまかしていきます。
といっても、まわりも見渡しても枯れ葉ばかりですが・・・。


山崎貴裕https://www.weathermap.co.jp/caster/yamazaki-takahiro/

こんにちは、山形の兵頭です

一気に冬の足音が聞こえてきましたが、みなさん冬の準備はできていますか?

 

先日、1118()に、
長野(平年と同日、以下同)、松江(19日早い)、下関(22日早い)、福岡(30日早い)初雪の観測がありました

東北地方よりも早い、突然の雪に驚かれた方も多いのではないでしょうか

 

日本は今年の春から「エルニーニョ現象」が続いており、きょう(1121日)発表の最新3か月予報では、この冬は暖冬で、日本海側の降雪量は少ないとされていますが、油断は禁物です


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それは、3か月予報の解説資料を見ると、平年より冬型の気圧配置は弱いとしながらも、一時的に寒気の影響があるとしているからです

つまり、寒気が全く入ってこないのではないのです。

今は、平年よりも日本海の海面水温が高くなっているため、ひとたび寒気が南下すれば、暖冬といえども、大雪となる可能性もあります

 

今年、まだ初雪の観測がない山形では、県内の冬タイヤ装着率は45%(1115日現在、山形河川国道事務所発表)に留まっています

 

しかし、いくら暖冬でも、いつまでも雪が降らないということはなく、今週末は西日本から北日本の日本海側には、上空1500m付近に-6℃という、平地でも雪を降らせるような寒気が南下し、積雪するところもあるとみています

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太平洋側も上空1500m付近で0℃以下の寒気に覆われるため、標高の高い山や峠では積雪や路面凍結に注意が必要で、気温も真冬並みとなるでしょう

 

今回は、初雪で積雪するところも多くなりそうです

まだ、雪道の運転に慣れていない時期のため、特に注意したいですね

 

また、気温の変化にも注意が必要です

112111時、気象庁発表の予報を見てみましょう

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全国的に木曜日は10月並みの気温ですが、土曜日は真冬並みと大きく気温が変化します。


さらに、24()天気予報です

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こちらを見ると、雪マークがついている北日本でも最高気温が10℃以上になっています

日中暖かいのかなと、勘違いしそうですが、24日は寒気が流れ込んでくるタイミングのため、日本海側の最高気温は、23日から日付が変わってすぐの気温で、日中は気温が下がっていきます


このため、24日は、はじめは雨ですが次第に雪に変わる見込みで注意が必要です

また、風も強く、沿岸部では吹雪や猛吹雪の大荒れとなる所もあるでしょう

 

住民の皆さんはもちろん、観光などで北日本や日本海側へお出かけの際は

気象情報や交通情報を確認し、タイヤ交換、防寒対策をとったうえでお越しください

 

 

 

運営会社:ウェザーマップ

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