二酸化炭素(CO2)より強い温室効果を持つ代替フロン類について、中国から大量に排出されていることが横内陽子・国立環境研究所室長やノルウェー大気研究所の分析で分かった。中には世界の排出量の約7割を占める気体もあった。中国は世界一のCO2排出国になったばかりだが、他の温室効果ガスについても削減対策が迫られそうだ。

 エアコン冷媒などに使われてきたオゾン層の破壊物質「特定フロン」はモントリオール議定書に基づき大幅に削減された。一方で、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類やハイドロフルオロカーボン(HFC)類への代替が進み、大気中濃度が上昇しているが、詳しい排出実態は不明だった。

 研究チームは日中韓の4地点で代替フロン類の濃度変化を観測するとともに、既存の排出データなどを含め東アジアでの08年排出量を推定した。

 その結果、CO2の1万4800倍の温室効果がある「HFC23」は中国が世界全体の排出量の51.7%を占めることが分かった。また、半導体生産などに伴って排出されるパーフルオロカーボン(PFC)類で約1万倍の温室効果を持つ「PFC318」は70.3%だった。他の大半の代替フロン類も中国由来が世界の2~4割、東アジアの5~9割を占めた。

 HFCやPFCは、温暖化防止のための京都議定書で規制対象になっているが、途上国に分類される中国には削減義務が課せられていない。【江口一】

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