4月なのに「銀世界」――。

 17日朝は関東甲信から東北南部の広い地域で季節はずれの降雪を観測し、花冷えを通り越して冬将軍が舞い戻ったかのような天気となった。

 普段の週末は家族連れでにぎわう行楽地も人影はまばら。都心ではストーブ用の灯油が真冬並みの売れ行きとなる一方で、クリーニング店にコートやセーターを持ち込む人が減るなどの異変が起きている。

 東京・練馬の遊園地「としまえん」では、乗り物にかぶせた雨よけシートに雪がうっすらと積もり、職員らは開園前、モップなどを使って解けた雪を払う作業に追われた。

 同園は晴天の週末、1日当たり5000人ほどの来園者を見込んでいるがここ数日間の来園者はダウンジャケットやコート姿が目立ち、客足もほぼ半減したという。

 広報担当の工藤真一さん(54)は「遊園地は天候に左右される商売。これからゴールデンウイークに向けてかきいれ時なのに……」と話した。

 最盛期を迎えた潮干狩りも、厳しい寒さで客足が遠のいている。浜松市西区の浜名湖では人出がめっきり減り、入漁料に期待していた地元の遊漁組合の担当者は「今日は風も出て気温も下がり、水に入れる状態ではない。このまま天候不順が続くとつらい」と話した。

 イベントなどの中止も相次いだ。栃木県日光市の日光二荒山神社では、予定された例祭「弥生祭」の花家体(はなやたい)行列が中止に。1200年以上の歴史ある行事で、日光観光協会によると、中止は1969年以来。同協会では「大粒のボタン雪がみるみる積もって道が真っ白になってしまった。地元に親しまれている行事なので残念」と話した。

 また、福島競馬場では、午前9時の段階で10センチの積雪があったため、予定していた全12レースを中止に。4月に雪で中央競馬の開催が中止されたのは、1954年の日本中央競馬会設立以来、初めてという。

 長引く寒さから灯油の売り上げは好調が続いている。東京都江戸川区などでガソリンスタンドを経営する共栄石油によると、4月に入ってからのストーブ用の灯油の売り上げは、例年の2倍以上のハイペースで、担当者は「こんなことは初めて」と驚く。狛江市の燃料販売会社ニシヤマでも、17日は開店直後から灯油配達の注文が相次ぎ、社員は「真冬並みの需要」と目を丸くした。

 街の商店にも影響が出ている。豊島区の巣鴨地蔵通り商店街の近くのクリーニング店「丸久」では、例年なら3月下旬から増えるコートなど冬物衣類の持ち込みが減った。同店の村川よしさん(71)は「冬物は例年の3分の1程度。早く暖かくなってくれないと、このままでは経営が苦しくなる一方」と頭を抱えた。

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