神奈川県横須賀市公郷町で2002年7月、米兵がマンションの一室に放火した事件で、防衛省の作業の遅れが原因で、事件から約8年経過した今も、部屋を所有する同市の被害者男性(66)に損害賠償金が支払われていないことが分かった。

 事件は同年7月27日に起きた。米兵が同町の賃貸マンションの一室に侵入し、家具などを盗んだうえで放火し、部屋を全焼させた。

 米兵の身柄は米軍が拘束。県警は03年1月に現住建造物等放火などの容疑で書類送検したが、横浜地検横須賀支部は不起訴とした。米軍は同年5月、軍法会議を開き、米兵の他の犯罪を含めて除隊とし、懲役25年を言い渡した。

 被害者の男性は同年12月、日米地位協定に基づき、約1050万円の損害賠償請求書を横浜防衛施設局(現・南関東防衛局)に提出。同省は調査・査定後、在日米軍司令部を通じて報告書を送り、米政府が慰謝料の額を決めることになっていた。

 ところが、同省が報告書を送ったのは請求書が提出されてから6年以上たった先月末。同局は「作業を放置した訳ではない。米兵の放火は特殊事案で、被害額の算定に手間取った」と釈明しているが、19日、同市内で被害者の男性に「時間がかかって申し訳ない」と謝罪した。

 男性は20日に横須賀市役所で記者会見。男性によると、これまで同省に3回ほど賠償の見通しを問い合わせたが、具体的な説明はなかったという。男性は「防衛省の怠慢だと思う。信頼をなくした。担当者は自分の身になって考えてほしい」と訴えた。

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