「私は無罪です」。村木被告は罪状認否でこう口火を切ると、「国民から信頼を得られるよう仕事してきた。国会議員に依頼されても、法に反することを引き受けることはあり得ません」と、毅然(きぜん)とした口調で書面を読み上げた。

 紺のスーツに眼鏡をかけた姿で入廷。弁護人の前の被告人席には座らず、ロス疑惑で無罪を勝ち取った辣腕(らつわん)の主任弁護人、弘中惇一郎弁護士の隣に着席した。検察側の冒頭陳述の間は、手元の書類と照合しながらメモを取り、時折検察官を見据えた。

 逮捕までは障害者雇用や男女共同参画など厚労行政の一線で活躍してきた。現在は起訴休職中で、同じ厚労省で最高幹部の総括審議官を務める夫と子供2人に囲まれて「初めての主婦生活」を送るが、今も復職を強く願っている。

 昨年11月に保釈されるまでは、支援者らが連日拘置所に面会に訪れ、この日も傍聴席は満席だった。閉廷後に会見した村木被告は「応援が支えになっている。信頼に応えて裁判を闘っていきたい」と話した。

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