●9/11トリック─「テロ」は起きなかった [2009年09月11日(金)]
9/11トリック─「テロ」は起きなかった〜序文


マック・レイカー

「われわれはテロについて真実を語らなくてはならない。9/11攻撃に関するとんでもない謀略説を断じて容認してはならない。それはテロリストたちから非難の矛先をそらし、その犯罪から遠ざけようとする、悪質きわまりない嘘なのだ」 ("We must speak the truth about terror. Let us never tolerate outrageous conspiracy theories concerning the attacks of September the 11th; malicious lies that attempt to shift the blame away from the terrorists, themselves, away from the guilty." by George W. Bush- RealPlayer Movie)

─ジョージ・W・ブッシュ(2001年11月10日、国連総会での大統領演説より)


2001年9月11日にニューヨークとワシントンで相次いで起きた「米中枢同時テロ」なるものは、言われているような「自爆テロ」などではなかった。実体はアメリカとイスラエルによって緻密に遂行された自作自演のテロ擬装工作、つまりは“世紀の茶番劇”であった。テロリズムとは本来「国家権力による恐怖政治」を意味するものであるから言葉の定義に則せばテロは現実に起きたわけだが、アメリカ国務省が定義するところの「テロ」(Patterns of Global Terrorism)は起きなかった。

いわゆる「テロ首謀者」のアル・カイダとオサマ・ビン・ラディンとは、「テロ」を口実にして侵略を正当化するための“敵役”を演じる両国の諜報機関CIAとモサドのアセット(資産)にほかならない。オサマ・ビン・ラディンはCIAから「ティム・オスマン」というコードネームで呼ばれていた(OrlinGrabbe.com, "When Osama Bin Ladin Was Tim Osman"- Document)。彼の母親はシリア系ユダヤ人で、彼女の身内はイスラエルに居住している。イスラエルのメディアはオサマがユダヤ人であることを知りつつも、公表せずにわざと伏せている(イスラエル人ジャーナリストの報告による)。またサウジアラビア国防大臣スルタン・ビン・アブドルアジズ王子は、サウジ首脳会談の席上でこう発言した、オサマは「ユダヤによって送り込まれた」と(WorldNetDaily, "Saudi official: Bin Laden sent by Jews")。

Enlargement & Source: Prison Planet.com

もともとブッシュ一族とビン・ラディン一族とは25年にもわたる腐れ縁の仲で、言わば石油&軍事ビジネスにおける盟友、パートナーであった。1977年6月、現大統領ジョージ・W・ブッシュが石油掘削会社アルブスト・エネルギーを設立した時の共同出資者がジェームス・R・バスという人物で、彼は1978年オサマの長兄サレム・M・ビン・ラディンと米国での代理人契約を結び、アルブスト社に5万ドルを出資していた。これが縁でビン・ラディン一族はブッシュのお膝元テキサス州へ足しげく訪問するようになる。だがサレムは1988年、パパ・ブッシュことジョージ・H・W・ブッシュが大統領に当選した年に、テキサス州サン・アントニオ近くで軽飛行機“事故”により不慮の死を遂げる(Texas Observer, "The Bush-bin Laden Connection"/Allnews.Ru, "Lenta.Ru Investigates Bush's Family Relations With Osama Bin Laden"/"Trust Agreement, Harris County, Texas, signed by Salem M. Binladen, July 8, 1976"- Document)。

ビン・ラディンとのビジネス・パートナーはブッシュだけにとどまらない。「石油王」として知られるスタンダード石油創設者の曾孫でネルソン・A・ロックフェラー副大統領の叔父ことジョン・D・ロックフェラー四世の妻シャロン・パーシー・ロックフェラーの一族もパートナーである。ビン・ラディンのいわゆる「隠し口座」はシカゴのハリス銀行にあるとされ、シャロン・パーシー・ロックフェラー一族との共同口座になっているという(Sherman Skolnick's Report, "America's Reichstag Fire")。

またビン・ラディン一族は、サン・フランシスコに拠点を置く世界最大手の総合建設会社べクテル・グループの子会社フレモント社(旧ベクテル・インベストメンツ)へも1000万ドルの投資を行っていた。べクテルおよびフレモント会長兼CEO(最高経営責任者)のライリー・P・ベクテルはブッシュ大統領の「輸出諮問委員会」メンバーであり、ドナルド・H・ラムズフェルド国防長官の「国防政策諮問委員会」メンバーであるべクテル上級副社長ジャック・シーハンともどもブッシュ共和党政権に深く癒着し、全世界のエネルギー開発を一手に握っている。1983年から84年にかけてラムズフェルドが中東和平特使としてイラクを表敬訪問し、べクテルの石油パイプライン・プロジェクトをフセイン大統領に持ちかけた話はあまりにも有名である(New York Times, "And the Winner Is Bechtel"/New Yorker, "Dept. of Connections; The Contractors"/CNN,"The Bechtel-bin Laden connection"/Public Citizen, "Bechtel: Profiting from Destruction"- PDF Document)。

さらにビン・ラディン一族は、「カーライル・パートナーズ II」というファンドにも初期投資で200万ドルを融資していた。このファンドを運営する米投資顧問会社カーライル・グループは軍需産業と密接に関わり、会長には元CIA副長官および元米国防長官のフランク・C・カールッチ、上級顧問には元CIA長官および元大統領パパ・ブッシュと元米国務長官ジェイムズ・A・ベイカーが就任し、かつては現大統領ブッシュもカーライル社の理事だった。ワシントン・ポスト(2003年3月16日)の記事によれば、9/11事件前日から当日にかけての2日間、カーライル社は首都ワシントンDCのリッツ・カールトン・ホテルで年次投資家会議を主催しており、その会議にはオサマの異母兄シャフィグ・ビン・ラディンが出席、10日の会議にはパパ・ブッシュもシャフィグと並んで同席していたという(Washington Post, "Connections and Then Some: David Rubenstein Has Made Millions Pairing the Powerful With the Rich")。

またパパ・ブッシュは同10日夕、何の打ち合わせか、ホワイトハウスの大統領執務室でリチャード・B・チェイニー副大統領とも会っていた。この2人こそ「湾岸戦争」を仕掛けた時の大統領と国防長官という間柄であったが、その戦争でリーダーシップを発揮し勝利へと導いた貢献と功績によりチェイニーは1991年7月3日、大統領自由勲章を授与されている。その後チェイニーは1995年から副大統領に就任する直前の2000年までテキサス州に本社がある石油関連企業ハリバートン社(カーライル社の主要投資先)の会長兼CEOを務め、副大統領になってからもハリバートン社から報酬を受け取るなど癒着をものともせず、イランやイラクとのオイル・ビジネスに精通したキーパースンである(Reuters, "Cheney Took in $178,437 from Halliburton in 2003"/CBS News, "Doing Business With The Enemy")。

そして事件直後の数日間、航空機の飛行が全面禁止されていた中で、米国内にいたサウド王家関係者とビン・ラディン近親者24人がFBIの取り調べも受けずサウジアラビア国籍の特別チャーター機で密かに出国していた事実は、その癒着ぶりをより際立たせるものとなった(国外退去許可を与えていたのはチェイニー副大統領)(New York Times, "Fearing Harm, bin Laden Kin Fled From U.S."/New York Times, "New Details on F.B.I. Aid for Saudis After 9/11"/House of Bush, House of Saud, "The Bush-Saudi Files")。

一方、オサマ・ビン・ラディンはと言えば、9月11日の前夜、パキスタンのラワルピンディにある軍病院で腎臓透析治療を受けていたことがパキスタン情報筋によって明かされた(CBS News, "Hospital Worker: I Saw Osama")。病院職員が目撃したというこの有力な情報は、AP通信(2000年3月24日)が伝えた西側諜報機関職員による「ビン・ラディンは腎疾患と肝疾患で重病にある」との報告や、オサマが事件2か月前の7月4日から14日にかけてパキスタン経由でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるアメリカン病院へ腎臓病治療のために入院し、そこへビン・ラディン一族、サウジ諜報機関の最高責任者トゥルキ・アル・ファイサル王子(翌8月31日に解任された)、さらにはCIAのドバイ支局長ラリー・ミッチェル(翌15日CIA本部へ呼び戻された)までもが面会に訪れていたというフランス・フィガロ紙(2001年10月31日)の報じたスクープとも符合する(Associated Press, "Bin Laden Reportedly Ailing"/Guardian, "CIA agent alleged to have met Bin Laden in July')。この時すでにオサマは重度の腎不全にあったが、同年12月ひっそりと息を引き取った。エジプトのアル・ワフド紙(2001年12月26日)が「ビン・ラディンはアフガニスタンのトラボラで10日前に埋葬された」と葬儀の模様を伝えたのをはじめ、FBIテロ対策本部長デイル・ワトソンとパキスタンのムシャラフ大統領も彼の死を追認するに至り、2001年12月14日付の遺言がアラブのニュース雑誌アル・マジャラによって公表された(Welfare State, "Why won't U.S. report the proof that bin Laden is dead"/CBS News, "FBI Official Thinks Bin Laden Is Dead"/CNN, "Musharraf: bin Laden likely dead"/World Tribune, Israeli intelligence: Bin Laden is dead, heir has been chosen"/CNN, "Magazine runs what it calls bin Laden's will")。


1999年10月、実に興味深い本『幸運なる二世 ジョージ・ブッシュの真実』(Soft Skull Press, "Fortunate Son: George W. Bush and the Making of an American President" by James H. Hatfield)が大手出版社のセント・マーティンズ社から発売され、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにたちまちランクインした。ところが、「1988年に殺人教唆の共謀を働き(未遂)、刑期5年の有罪判決を受けた」という著者の犯罪歴なるものが持ち上がり、わずか1週間たらずで出版を差し止められ、2万部はお蔵入りのまま、7万部が書店から回収され、すべて焼却されるに至った。本の著者ジェームズ・H・ハットフィールド(=写真)は自ら犯した過ちを認めつつも、本を弁護することだけはしっかり忘れなかった、「私が書いた真実は、私の過去より重みがある」。その後この“発禁本”は、弱小のソフトスカル・プレス社から新版として2000年1月復刊。騒動の顛末はドキュメンタリー映画(Horns and Halos, 邦題は『解禁!ジョージ・ブッシュ伝 噂の真相』)にもなり、ブッシュ陣営の圧力にひるまず健闘する著者の姿をそこに見ることができる。

ところでこの本は、ブッシュ大統領の生い立ちから大統領選出馬表明までを追った伝記本であるが、その内容はスキャンダラスにまみれ、たとえば1972年州兵時代にコカイン所持の罪で逮捕されたブッシュが父親のコネで罪状却下され逮捕歴がもみ消された一件をはじめ、祖父プレスコット・S・ブッシュがナチスのスポンサーとして資金援助していたことや、クー・クラックス・クラン(KKK)、統一協会(ムーニーズ)、ビン・ラディン一族とのつながりなど、ブッシュ家の暗部を白日の下にさらすものであった。さらに圧巻は、これまでソースの秘匿を厳守していた情報提供者の名前が、2001年6月発売の第二版から実名で書かれたことだ。誰あろうそれは、「ブッシュを大統領にした参謀」カール・C・ローヴ大統領上級顧問と、ブッシュの友人クレイ・ジョンソンで、この2人がブッシュのコカイン所持・逮捕歴を証言していたのである(Salon News, "Book: Bush was arrested for cocaine in 1972"/Democracy Now!, "Full Interview with Bush Biographer J.H. Hatfield Who Died"/"G. W. Bush's Military Record"- Document)。

2001年1月20日、ブッシュが大統領の座を「クーデター」(チェイニーはエドワード・N・ルットワークの著書『クーデター』を手本にした。ブッシュの実弟、フロリダ州知事ジョン・E・ブッシュも不正投票に関与)によって手中に収めると、その半年後の7月18日(第二版が出た1か月後)、ハットフィールドは、アーカンソー州スプリングデールにあるモーテルの一室で死体となって発見される。享年43。「遺書」が残されていたことから警察は「処方薬の過剰服用による自殺」と発表。検死は行われず、3日後に埋葬された。生前、彼は1931ページにも及ぶFBIのファイルを保有していたが、2002年3月12日FBIはわずか234ページ(12%)を公表しただけで、全面的な開示を拒絶している(SanderHicks.com, "Jim Hatfield Info")。彼が亡くなる間際に書き上げた遺稿のタイトルは「なぜオサマ・ビン・ラディンはかつてのビジネス・パートナーだったブッシュを殺したいと思ったのか?」というものであったが、この一文で特筆すべきは、ブッシュへの攻撃として「プラスチック爆弾を搭載した航空機の遠隔誘導による空爆」を事件2か月前に紹介していたことである(Online Journal, "Why would Osama bin Laden want to kill Dubya, his former business partner?" *1)。

*1 Dubyaとは、George W. Bushのニックネームで、ブッシュがWを「ドゥブヤ」とテキサスなまりで発音することに由来する。

何も不審な死を遂げたのは彼だけでなかった(Global Complexity, "Death by Association"/The Bush Body Count)。パパ・ブッシュ暗躍のBCCIスキャンダルを暴いた本『タコ』(The Octopus)の執筆中にあったジャーナリストのダニー・カサラロは1991年8月10日、ウエストヴァージニア州マーティンズバーグにあるシェラトンホテルの浴室で手首を切り死んでいるところを発見され(彼が調査した証拠資料は紛失していた)、ブッシュ家の犯罪コネクションを綿密に描いたドローイング作品『グローバル・ネットワークス』で知られるアーティストのマーク・ロンバルディは2000年3月22日、ニューヨークのウイリアムズバーグにある自宅アトリエで首吊り死体として発見され、『ラスベガスをやっつけろ』(Random House, "Fear and Loathing in Las Vegas" by Hunter S. Thompson)で知られるジャーナリストのハンター・S・トンプソンは、9/11事件が内部犯行であることに気付き、WTCビルの倒壊が爆発物によって引き起こされたという確たる証拠を公表しようとしていた矢先の2005年2月20日、コロラド州アスペンの自宅で銃口を口にくわえ死んでいるところを発見された(彼は生前「彼らは自殺のように見せかけるつもりでいる」と打ち明けていた)(Libertythink, "Hunter S. Thompson thought 9/11 an inside job"/Globe and Mail, "Alexander Pope in a prose convertible")。

しかし警察発表は、いずれのケースも自殺によるものと断定し片付けた。

(from left to right) Mossad "sayan" Ronald Lauder, David Rockefeller,
Gov. George Pataki, Mayor Michael Bloomberg. | Source: New York State

本当の首謀者、真の黒幕とは、欧米のエスタブリッシュメント、超エリートら(Global Elites)による策謀である。端的に言えばそれは、1991年6月ドイツのバーデン・バーデンで開催された「ビルダーバーグ会議」(Bilderberg Conference)におけるロックフェラー財閥総帥デイヴィッド・ロックフェラーの発言に集約される。彼はその席上でこう表明した、「もしその当時公表されていたならば、われわれは世界計画を展開することなど不可能であったろう。だが、今や世界はより高度化し、世界政府へ向けて進展させる態勢が整った。知的エリートと世界銀行家たちによる超国家的な支配権は、過去数世紀にわたって実施されてきた国家の独立主権よりも確実に望ましい」("It would have been impossible for us to develop our plan for the world if we had been subjected to the lights of publicity during those years. But, the world is now more sophisticated and prepared to march towards a world government. The supranational sovereignty of an intellectual elite and world bankers is surely preferable to the national auto-determination practiced in past centuries." by David Rockefeller)。

このロックフェラーの言を待つまでもなく、ビルダーバーグの創設自体、2012年までに「世界政府」を実現させることを最終目標としている。周知のようにニューヨーク国連本部の敷地を寄贈したのはジョン・D・ロックフェラー二世であるが、その国連が「世界政府」を念頭においたものであることはアメリカ・ユダヤ人委員会の機関誌『コメンタリー』(1958年11月)において明確に述べられている、「国連とは、その法制上の飾りを剥ぎ取れば、実質的にはアメリカとソ連が一体となって活動する世界政府である」(American Jewish Committee's Official Magazine 'Commentary', "The International government of the United Nations, stripped of it's legal trimming, then, is really the International Government of the United States and the Soviet Union acting in Unison.")。

テキサス州選出の共和党下院議員ロン・ポールは、対テロ戦争の狙いは石油利権だと下院議会で演説した数少ない勇敢なる人物であるが(Congressman Ron Paul, House of Representatives, November 29, 2001: "Keep Your Eye on the Target")、これまで表立っては語られて来なかった「世界政府」創造という国際的な共同謀議が存在するかという問いに対して彼は、「独裁権力」(Dictatorship)は確かに存在すると言明した(Propaganda Matrix, "Congressman Ron Paul Admits Conspiracy to Create World Government" RealPlayer Movie)。

U.S. Dept. of Defense; DARPA's Information Awareness Office
Source: Memory Hole, "IAO Website Deletes Its Logo."

今回の策謀は世界制覇へ向けての契機であり、すでに10年以上も前から立案・計画されていたものだ。プロジェクトを成功させるために予備実験が繰り返しテストされ、1999年にはユーゴスラヴィアでこの雛形となる同様のビル破壊まで行われた。そして2001年5月、スウェーデンのゴッテンブルグで開かれた「ビルダーバーグ会議」で最終合意が取り交わされ、スパコンによる周到なシミュレーションを経て決行されたというわけである。それが成功した暁は、演出された世界的な危機のもとで戒厳令発動と軍政移管を契機にアメリカの国家主権を終焉させ、「北米連合」(NAU)を発足。ついで各国を「世界連合」(Global Union)へと統合し、食糧資源とエネルギー資源を制して地政学的覇権を成し遂げる。“ロックフェラー家の代理人”たるヘンリー・A・キッシンジャー元米国務長官はかつてこう述べたことがある、「食糧供給を支配する者が人々を支配し、エネルギーを支配する者が全大陸を支配し、通貨を支配する者が世界を支配できる」("Who controls the food supply controls the people; who controls the energy can control whole continents; who controls money can control the world. " by Henry A. Kissinger)。その行き着く先とは、いみじくもジョージ・オーウェルが『1984』で予見してみせた、ごく一部の巨大な富と権力を持つ「偉大なる兄弟」(Big Brother)が寡頭的専制によって支配するプライバシーなき監視社会であり、ブッシュ政権の政策決定に重要な役割を果たしているアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・A・レディーンが唱えるところの、創造的破壊による「ユニヴァーサル・ファシズム」到来である。

9/11事件を契機にまず当面の目的としては、第一に石油・天然ガス、武器、麻薬などの権益を狙ったエネルギー資源の独占と軍産複合体の復活がある。とくにアフガニスタン攻略は、『USニューズ&ワールド・レポート』が4兆ドルと見積もった広大なカスピ海海域に眠る約500年分もの価値ある手付かずの天然ガス・石油資源を、アフガニスタンからパキスタンを経由してインド洋まで運ぶパイプライン計画のため、といっても過言ではない。まだチェイニーがハリバートン社の会長兼CEOだった1998年当時、彼はカスピ海海域のエネルギー資源についてこんなスピーチを行っている、「カスピ海ほど突然浮上して戦略的に重要になった領域は、かつてない」(Guardian. "America's pipe dream")。そのため、アフガニスタン首相(その後アフガニスタン大統領に就任)に指名されたのが、カリフォルニアの石油企業ユノカルの元コンサルタント、ハミド・カルザイだった。傀儡としての彼の役割は、ユノカルの事業であるパイプライン計画を滞りなく円滑に進めることにあった。それと同時に、CIAの後ろ盾でソ連と一戦を交えたアフガン内戦にかかわる極秘作戦の「証拠」を消しておく必要もあった。また、何よりアフガニスタンは世界最大のケシ栽培産地、麻薬ビジネスを行うには絶好の機会到来であろう(GglobalResearch.ca, "Unocal Advisor Named Representative to Afghanistan")。

Two Sides of the Same Coin | Source: RandomPottins

そして第二に、イスラエルの生存と勢力拡大に基づいた「拡大中東構想」=「中東支配計画」(Greater Israel)、すなわち宿願の「ユダヤ国家」樹立という目的がある。彼らシオニストの野望とは、旧約聖書の一節「あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで、カイン人、ケナズ人、カドモニ人、ヘト人、ペリジ人、レファイム人、アモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人の土地を与える。」(創世記15:18-21 邦訳は日本聖書協会『聖書 新共同訳』による)という「神の契約」を実現させることにある。そのためアメリカとイスラエルは結託して中東一帯の土地を略奪・占領し、敵対する「ならず者国家」(Rogue States)はことごとく軍門にくだり異民族もろとも殺戮・迫害されることになる(George W. Bush - Terrorist in the White House, "The War For Israel"/Media Monitors Network, "Israel's Grand Design: Leaders Crave Area from Egypt to Iraq"/Institute for Advanced Strategic and Politcal Studies, "A Clean Break: A New Strategy for Securing the Realm")。元来シオニズムはナチズムと表裏一体の関係を形成し、本質的に「反ユダヤ」(Anti-Semite *2)である。それゆえ、正統派の立場に立つユダヤ教団体ネトゥレイ・カルタはシオニズムを異教とみなし、ユダヤ教の本質から逸脱したものとしてイスラエル建国には反対の姿勢をとっている(Neturei Karta - Orthodox Jews United Against Zionism/jewsnotzionists.org, "Jews Not Zionists")。

*2 Anti-Semiteは、今日的には「反ユダヤ」で用いられるが、語源的には「反セム族」でアラブ人も含まれる。

Operation Northwoods Document (13 of 15)
Source: National Security Archive- PDF Document

ナチス独裁の契機となったベルリンのライヒスターク(帝国議会議事堂)炎上事件とは、共産党の仕業に見せかけるためナチスが仕掛けた「自作自演の放火」であったが、今回もそれと同様の手口、イスラムの仕業に見せかけるための「自作自演テロ」にほかならない。1962年3月、アメリカ統合参謀本部(議長はライマン・L・レムニッツァー)はキューバへの軍事侵攻を正当化する口実として自作自演テロ「ノースウッヅ作戦」(Operation Northwoods)を極秘に立案・計画したが、実行寸前まで行ったところでジョン・F・ケネディ大統領に却下され、あえなく頓挫。『米国によるキューバ軍事侵攻の正当化』(Justification for U.S. Military Intervention in Cuba)と題されたそのシナリオとは、キューバ軍の軍服を着て変装した特殊工作員たちにグアンタナモ米軍基地を攻撃させ、グアンタナモ湾やキューバ海域にあるアメリカ船舶を爆破。マイアミ地区・フロリダ各市・首都ワシントンなどアメリカ本土においてもキューバ難民への襲撃やキューバ難民を乗せた貨物船(嘘でも本当でもかまわない)を爆破して撃沈。入念に選んでおいた場所をプラスチック爆弾で爆破させ、「キューバ工作員」を逮捕し、前もって準備しておいたキューバ関与の立証となる偽造文書を発表してキューバ政府の無責任さを印象づける。こうした“挑発行為”に乗じる形で、「リメンバー・メイン(米西戦争)」のスローガンと「共産主義キューバ・テロ」のキャンペーンを掲げ、キューバ・カストロへの報復攻撃を仕掛けようと画策するものだった。

とりわけこの作戦で刮目に値するのは、無人の民間旅客機と替え玉のニセ旅客機とをあらかじめ用意しておき、フロリダ南部で待ち合わせて両機をすり替え、入念に選ばれた偽名の乗客たちを乗せたダミー機の方はフロリダのエグリン空軍基地へ、遠隔操縦の無人旅客機の方はキューバまで飛ばして自爆させ、「キューバのミグ戦闘機によって撃墜された」との緊急事態発生(May Day)の無線交信を最後に消息を絶つというシナリオまで立てていたことである(ABC News, "U.S. Military Wanted to Provoke War With Cuba"/Emperor's Clothes, "U.S. Military Schemes: Ominously Like 9-11")。

PNAC Members: (from top left) Vice President Cheney, Florida Gov. Jeb Bush,
Defense Secretary Rumsfeld, Deputy Defense Secretary Paul Wolfowitz,
Cheney Chief of Staff I. Lewis Libby, Undersecretary of State John Bolton,
Undersecretary of Defense Dov Zakheim, Author Eliot Cohen.

要するに今回の企ては、その未遂に終わったプランをあらためて焼き直したものであり、その口火を切って米軍協力のもと2001年5月に絶妙のタイミングで封切られたのが、ディズニーらしからぬ国策映画『パール・ハーバー』だった。「リメンバー・パールハーバー」は中東への侵攻を抵抗なく受け入れさせるためのマインド・コントロールとして、彼らの言葉を援用するなら「新たな真珠湾攻撃のような、破局的な変化を引き起こす事件」("Further, the process of transformation, even if it brings revolutionary change, is likely to be a long one, absent some catastrophic and catalyzing event - like a new Pearl Harbor." by PNAC, Sept. 2000 *3)を画策するプロパガンダとして役目を果たしたのである。

*3 PNACが作成した文書『アメリカの防衛再建』("Rebuilding America's Defenses"- PDF Document)の中の一文で、その青写真は1992年すでにチェイニーによって構想されていた。PNACは略称で、正式名称は"Project for the New American Century"(「新しいアメリカの世紀のためのプロジェクト」)と呼ばれるイスラエル・ロビーの政策シンクタンク。ブッシュ政権中枢にいるPNAC発起人には、チェイニー副大統領を筆頭に、リビー副大統領主席補佐官、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、ファイス国防次官、ロドマン国防次官補、アーミテージ国務副長官、ドブリアンスキー国務次官、ボルトン国務次官、パール国防政策諮問委員長、エイブラムス国家安全保障会議(NSC)中東担当上級部長らが顔をそろえ、ブッシュ大統領の実弟ジェブ・ブッシュ(フロリダ州知事)も加わっている。

ディズニーと言えば、20年来ディズニーCEOの座に居座り続けたマイケル・D・アイズナーは、イスラエル建国を支持する熱心なシオニストとして知られるユダヤ人である。そして顧問は元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー(彼はまたユノカルの顧問でもあった)。そのディズニーは1999年10月、フロリダで開催された「ウォルト・ディズニー千年紀博覧会」で、エルサレムをイスラエルの首都として公に提示した。そのイベントのバックアップに、イスラエル外務省が180万ドルの寄付金を出している(BBC News, "Disney drops Jerusalem plan")。よく知られたところでは、カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞したドキュメンタリー映画『華氏911』(Fahrenheit 911)の配給を阻止しようとしたのもディズニーであった。CNNとのインタヴューで、マイケル・ムーア監督はこう打ち明けている、「1年ぐらい前、映画を撮り始めた後になって、ディズニーのマイケル・アイズナー会長がうちのエージェントにこう言ってきたんだ。この映画を製作したミラマックスにはムカついている、ミラマックスを所有しているディズニーとしてはこの作品を配給するつもりなんかないんだと」(CNN, "Moore: Anti-Bush film will be seen")。むろんアイズナー自身ブッシュ批判の映画を認めるわけにはいかなかったろう、ブッシュの選挙キャンペーンへ個人献金を行っている私情ゆえに…(NEWSMEAT, "Michael Eisner's Federal Campaign Contribution Report")。

Gov. Nelson Rockefeller (left), with Mayor John Lindsay