2013年05月08日

背景:
生物は完全に外界から隔絶された状態で生存することはできないため、他種や同種の他の個体と常に何らかのコミュニケーションを行っている。それは植物も例外ではなく、様々な方法でお互いにコミュニケーションをとっていることが知られている。

要約:
植物はお互いに様々な方法でコミュニケーションをとっていることで知られている。それらは、陰、芳香族化合物、物理的な接触を通して行われ、成長や病気への耐性、またハチなどの花粉媒介者を誘引するのに利用される。

そこで西オーストラリア大学の研究チームによって、新しいタイプのコミュニケーション方法がBMC Ecology誌上で報告された。彼らは、唐辛子の種をバジルの近くに植えることで早く発芽することを発見し、それらはバジルから発せられる、成長を促進させる可能性のある既知の因子を防いでも同様にみられた。

唐辛子とバジルの間では光、接触、化学物質の匂いなどが厳重に防がれていたため、研究チームはナノ単位の微細な音波が関わっているのではないかと考えているようだ。バジルから発生られた成長を促す音によって、唐辛子の発芽が早まったのだろうという。

この新たなタイプのコミュニケーションを理解することで、農作物の生産量を増やすことへと応用することができるようになるかもしれない。

tropical rainforest

元記事:
ScienceShot: Shhh, the Plants Are Talking
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2013/05/scienceshot-shhh-the-plants-are-.html?ref=hp

参照:
Monica Gagliano and Michael Renton. Love thy neighbour: facilitation through an alternative signalling modality in plants. BMC Ecology, 2013 DOI: 10.1186/1472-6785-13-19

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この記事へのコメント

1. Posted by 常連   2013年05月08日 18:36
そういえば植物神経生物学なんてものがありましたね
かなり前ですが、植物間の音声を用いたコミュニケーションの話題はWIREDでも記事になっていました
2. Posted by 常連   2013年05月08日 20:58
今回の記事ではコンパニオンプランツ間の音コミュニケーションについて触れられていますが、個人的にはアレロパシー植物間で同じ現象があるのかが気になりますね
発見されたときの学誌の見出しは"植物も口喧嘩をすることが証明される"でしょうか笑
3. Posted by xcrex   2013年05月09日 11:19
>>常連さん
協力関係があるのならその逆もありそうですしね。
同じ手法で調べられそうなのでやってみてほしいと思います。
その題はいいですね。笑

植物は体全体でイロイロ感受しているので全体が神経系という考え方はありな気がします。
植物学はあまり知らないので研究者が実際にどんな考え方をしているのかは知らないのですが。
4. Posted by あか   2013年05月24日 16:39
3 同様の条件下で、音波が伝わらない環境にしたらどうなるのか検証したのかな?
5. Posted by xcrex   2013年05月25日 09:50
>>あかさん
こんにちは、コメントありがとうございます。

この研究では残念ながら音波についての実験はされていません。主題が既知のコミュニケーション法以外に何かあるのかというものなので、音波についてはこの実験で利用された条件下で可能性のあるものとして、論文の著者が仮説立てたものです。おそらく今後の実験で検証していくのだと思います。

ではでは。

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