2013年06月07日

背景:
生物は様々な方法で外敵から身を守り生存競争に利用している。その中には、他の生物にとって毒となる物質を作り出す生物もおり、それらが抗生物質として薬などに利用されている。

要約:
巻貝やカタツムリの多くは、世界各地で侵略的外来種とされている。その中でも、淡水棲巻貝であるスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)は、自身の卵を外敵から守るための独特な機能を有している。

スクミリンゴガイのピンク色の卵は神経毒で満たされており、ファイアーアント以外の全ての捕食者を退けている。この度、アルゼンチンはラプラタ国際大学のHoracio Heras博士らによって、PcPV2と呼ばれるこの神経毒は動物にはとても珍しい種類のものであることが分かった。

まずPcPV2はABトキシンと呼ばれる、植物や細菌が利用しているタイプのものであった。次にPcPV2は、他の動物が免疫系に利用している2つの物質を合わせることで生成されるが、この方法は前例がないほど珍しいものであるという。

一方、毒に覆われた卵の中で育つスクミリンゴガイの胚は、PcPV2を分解し栄養として利用できる酵素を持っているようだ。しかし、ファイアーアントがどのように神経毒に対抗しているのかは分かっていない。

apple snail

元記事:
ScienceShot: Invasive Snails Protect Their Young With Odd Poison
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2013/06/scienceshot-invasive-snails-prot.html?ref=hp

参照:
Dreon MS, Frassa MV, Ceolín M, Ituarte S, Qiu J-W, et al. (2013) Novel Animal Defenses against Predation: A Snail Egg Neurotoxin Combining Lectin and Pore-Forming Chains That Resembles Plant Defense and Bacteria Attack Toxins. PLoS ONE 8(5): e63782. doi:10.1371/journal.pone.0063782

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