2013年07月22日

人工多能性幹細胞(iPS細胞)は皮膚細胞などから作られ、体内のどんな種類の細胞へも分化できるため、将来の再生医療実現へ向けて多くの研究が行われて いる。しかしiPS細胞の作成には、外部から特定の遺伝子片を導入しなければならず、それが望まれない変異や細胞の癌化を引き起こす原因になると考えられている。

これまで、必要な遺伝子を化学物質で代替させる可能性が研究されていたが、どうしてもoct4と呼ばれる遺伝子を外すことができないでいた。しかし北京大学のHongkui Deng博士らが、遺伝子を全く利用しないiPS細胞の作成を成功させた。彼らは1万の小さな化学物質をoct4の代替となるか検査をし、その後安定させるために様々な化学物質を利用し、最終的に7つの混合物によって0.2%のマウス細胞を幹細胞へと変化させることに成功した。

サンフランシスコはグラッドストーン研究所のSheng Ding博士によると、この手法が広く利用されるようになるには、マウスではなくヒトの細胞でも有効なのかどうかを示さなければならないが、この分野におけるとても大きな進歩になっただろうという。また現在では、初期に示されたDNAではなくRNAを利用する手法が利用されているが、核酸を利用しない手法が発表されたことで、成熟した細胞が幹細胞へ変化する際のメカニズム解明にも役立っていくだろう。

gene mutation

元記事:
Stem cells reprogrammed using chemicals alone - Patient-specific cells could be made without genetic manipulation.
http://www.nature.com/news/stem-cells-reprogrammed-using-chemicals-alone-1.13416

参照:
Hou, P. et al. Science http://dx.doi.org/10.1126/science.1239278 (2013).
Zhu, S. et al. Cell Stem Cell 7, 651–655 (2010).
Li, Y. et al. Cell Res. 21, 196–204 (2011).

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1. iPS細胞 最新情報 - 知識陣 (健康 医療)  [ 知識陣 健康 ]   2013年07月31日 05:40
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