2013年10月18日

遺伝子を含むDNAはメッセンジャーRNA(mRNA)へと転写された後、タンパク質へと翻訳され、体内の様々な化学反応を触媒する。そのため、ヒトがヒトとなり得た要因のとして、遺伝子の制御が大きな役割を持っていると考えられている。そのため、遺伝情報と触媒機能を媒介するmRNAを解析することで、どのように遺伝子が制御されタンパク質として実際の機能へと反映されているのかが分かるとされてきた。

しかしこの度、シカゴ大学の Yoav Gilad博士らによって、mRNAにおける相違は必ずしもタンパク質の相違へと反映されるわけではないことが分かった。Gilad博士らが、ヒトとチンパンジーのmRNAとタンパク質の発現の差について解析したところ、mRNAでは815箇所異なっていた発現がタンパク質では571箇所としてしか現れていなかった。

この事実は従来通りにmRNAの発現を解析することで、遺伝子の機能的重要性を主張することが難しくなったことを示している。また、なぜタンパク質の発現として現れないのに関わらず、mRNAの発現が変化する必要があったのかという謎を残すことになった。

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元記事:
Gene Regulation Differences Between Humans, Chimpanzees Very Complex
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/10/131017144632.htm

参照:
Zia Khan, Michael J. Ford, Darren A. Cusanovich, Amy Mitrano, Jonathan K. Pritchard, and Yoav Gilad. Primate Transcript and Protein Expression Levels Evolve under Compensatory Selection Pressures. Science, October 2013

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