2013年12月07日

背景:
霊長類は動物の中でも特に高い知能を持つと言われているが、それ以外にもイルカやカラスなど高い知能を持つと見られる動物は存在する。特にカラスは哺乳類ですらないため、哺乳類の知能とは全く違った進化の過程をたどった可能性もある。

要約:
カラスの知能が高いことは多くの人々に信じられており、行動生物学者は「翼を持つ霊長類」と呼ぶこともある。カラスは道具を作成・利用することができ、餌場となる多くの場所を覚えることができ、またグループに属する他の個体によって社会的な行動も選択する。鳥類の脳は哺乳類のそれとは基本的に異なる構造を持つため、これほど高い知能を示すという事実は驚くべきことであろう。

この度ドイツはテュービンゲン大学のLena Veit博士らによって、カラスの知能を測り、その時の脳の活動が観察され、哺乳類の知能との平行進化の一端が示された。カラスの記憶力を測る実験では、画像を見せた後に同じかもしくは違う画像を選択させるテストを行い、カラスはどちらのテストでもよい結果をおさめ、画像やテスト内容が変わっても柔軟に対応することができた。この実験から、カラスは動物の中でも特に高い集中力や柔軟性を持つことが示された。

またこれらのテストを行っている間に、鳥類の認知機能に深く関わる部分の観察を行った。すると、同じ画像を選ぶときと違う画像を選ぶときでは、活性化する神経細胞の一群に差があることが分かった。また脳の活動を観察することで、カラスが実際に画像を選ぶ前から、どちらのルールに従って行動しているのかを予測することが可能であった。

鳥類と哺乳類は動物の歴史上早い段階で枝分かれしているため、カラスと霊長類は異なる脳を持っているが、意思決定を制御する脳細胞はとてもよく似ている。このことは、コウモリが鳥とは独立して翼を進化させたように、進化の過程で再登場した特徴であるとみなすことができ、平行進化の一例となっている。Veit博士によると、鳥類の脳は異なる解剖学的特徴から、どのようにして知能的行動が発生するのかという代替解答を示すことができるという。

crow

元記事:
Crows Are No Bird-Brains: Neurobiologists Investigate Neuronal Basis of Crows' Intelligence
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/11/131128103835.htm

参照:
Lena Veit, Andreas Nieder. Abstract rule neurons in the endbrain support intelligent behaviour in corvid songbirds. Nature Communications, 2013; 4 DOI: 10.1038/ncomms3878

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