幹細胞

2014年08月11日

背景:
今年1月、幹細胞の世界で革新的な研究論文が発表されたが、それらの論文には多くの問題点が見つかった。この問題に関わった理化学研究所・発生・再生科学総合研究センター(RIKEN CDB)やその副センター長であり責任著者の1人である笹井芳樹博士は多くの批判に晒されることになった。そして8月5日、問題の収束も見えぬ中、笹井博士は自らの命を断ってしまった。

要約:
世界中の研究者は、幹細胞研究における最も輝かしい星の1つを失ったことを受け止められずにいる。8月5日、幹細胞分野に刺激と厳しさをもたらした理化学研究所・発生・再生科学総合研究センター(RIKEN CDB)の笹井芳樹博士が52歳で亡くなった。自殺を図った原因は明確にされていないが、今年1月にNatureで発表された2本の幹細胞論文に関するスキャンダルが彼のキャリアを傷つけていたのは確かだ。

カナダはトロントの小児病院(Hospital for Sick Cheldren)に勤め国際幹細胞研究学会(International Society for Stem Cell Research、ISSCR)の前理事であったJanet Rossant博士は、笹井博士は厳しく独創的な研究者であり、その死を深く受け止めなければならないという。幹細胞分野での彼の主要な成果は、発生生物 学における知識からきているようであったという。

笹井博士の研究は、発生生物学・幹細胞・器官形成・生体組織工学を繋ぐ架け橋となっていた。彼は多大な努力によって、胚性幹細胞も培養液に何を加え・何を除けば、神経細胞をはじめとする成熟した細胞へと分化するのかを解明していた。

笹井博士が1990年代半ばにポスドクとして勤めた当時の指導教官である、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)のEddy De Robertis博士は、彼は他の人々には見えないものが見えていたようだったという。De Robertis博士は、笹井博士が論文の作成過程中にコンピューターのデータが消えてしまった時に、一字一句完璧に書き直したことを思い出し、そのようなことをできる人は見たことがないと述べた。

笹井博士の大きな成果の1つは、2007年に発表された研究論文であった。そこでは、胚性幹細胞が分離された時に生存率を高める薬理学的な物質が紹介された。それまでは、胚性幹細胞は扱いにくい手法で切り取られ、不完全なコロニーとして移し変えなければならず、実験の結果に不確実性を生み出していた。ベルギーはブリュッセル自由大学のLuc Leyns博士は、彼の論文はそのような問題を突然に改善してしまったのだという。

しかし笹井博士の極めて輝かしい成果はその後すぐに発表されたものであった。胚性幹細胞の神経細胞への分化を基礎として、笹井博士は胚の胎内での成長を模して、細胞が自らの柔軟性を持って3次元構造を形成できる環境を作り上げた。その環境を操作することで、眼杯と呼ばれる網膜組織の一部や大脳皮質を想起させる組織の層が作成された。

これらの発見は、生体外での脳の器官形成が可能であることを示すことになった。Leyns博士によると、これでついに胚の顕微解剖なしに発達中の脳を研究できるようになったという。またLeyns博士は笹井博士の論文を用いることで、修士課程の生徒に現代の科学的発見がどのように成され、どのように実用へと進んでいくのかを教えているようだ。

笹井博士が昨年11月、眼杯の作成についてのプレゼンテーションを行ったユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのPete Coffey博士は、大きなインスピレーションを受けたという。笹井博士のプレゼンテーションの明快さや刺激、その後の研究者や生徒との議論は今日に至っても話題に上がり、Coffey博士の研究チームに大きな影響を与えたという。笹井博士の研究は黄斑変性など様々な眼疾患の治療を可能にするはずだ。彼の発見は、進歩を続ける眼疾患の細胞療法において、とても大きな衝撃をもたらしたという。

笹井博士は、血液の供給のある脳下垂体など、脳各部の3次元構造作成を進めることを計画していた。さらに、脳がどのように各部を連結させることで複雑な構造を形成しているのかを解明するための、より遠大なビジョンも描いていたようだ。

しかし2012年12月より、CDBの研究者である小保方博士によって研究されていた、ストレスによる成熟した細胞の幹細胞化についての論文作成を手伝うことになった。STAPと呼ばれることになったこの手法は、2014年1月のNature誌上で2本の論文として発表された。しかしこれらの論文には多くの問題が含まれていたため、7月2日にはNatureから撤回される結果となった。

4月1日には調査委員会によって、論文内の図の1つと、異なる現象を報告していた博士論文内でも使われていた画像について、小保方博士の研究不正であると結論付けられた。笹井博士については、直接的な介入については否定されたが、指導する立場としての重大な責任が指摘された。そして理研の懲罰委員会による裁定を待っている状態であった。

笹井博士と同様の立場にある人たちは、これほど革新的な研究であったのだからその再現性にはより大きな注意を払うべきであったし、当時の誇大な発表については責任があるだろうという意見もある。しかし笹井博士を知る人物は、これは珍しい事例であると考えているようだ。UCLAで笹井博士を知ったLeyns博士によると、彼は独立した確認を常に求めている1人であったという。笹井博士は、STAP細胞といった自身の専門分野とは外れた場所で、このような精神を置き忘れてしまったのではないか。しかし彼を知る立場としては、笹井博士が研究不正に関わったとは全く思えないという。

日本のメディアでは、笹井博士に対する批判で溢れていた。そこには根拠のない非難も含まれ、不正根絶を目指す理研とは独立した理研改革委員会による厳しい調査結果として現れることになった。そこでは、小保方博士の割烹着姿・記者会見・PR戦略は、STAP細胞の成果をセンセーショナルなものとするため、笹井博士によって仕組まれたものだと示唆されていた。また調査結果では、STAP研究による大きな予算獲得のため、笹井博士がこのようなことをしたと推測されていた。

6月26日にNatureニュースチームに送られた笹井博士の最後のeメールでは、笹井博士は研究データの精査を欠いたことは認めたが、予算獲得について考慮が働いていたことや、小保方博士がメディアの前で何を着るかについて決めたという憶測については、強く否定していた。

6月にNatureニュースチームは、笹井博士やCDBに対する様々な疑惑に関する根拠を質問したが、改革委員会長の岸輝雄東京大学教授も他の委員会メンバーもそれらを提示することはなかった。これに関して以下のような回答を得た。委員会の役目は果たされ解散してしまっており、不必要な混乱や誤解を招かないように、委員会の主張に関する証拠は提示できないということであった。

また前例のない動きとして、改革委員会はCDBの解体を推奨していた。2000年にCDBの設立に深く関わった笹井博士に関して、ロンドンは国立医学研究所のRobin Lovell-Badge博士は、このような圧力はとても重いものであり、委員会は公平ではなかったという。

笹井博士が自殺を図った理由については明確ではないが、CDBに隣接する研究棟の踊り場で首を吊っていたところが発見されている。その場にあったカバンの中から、CDB幹部・笹井ラボメンバー・小保方博士へ向けた3通の遺書が発見されている。

Coffey博士は、これは科学、特に再生医学にとっては多大な損失となってしまったという。また笹井博士の家族にとっては更に大きなものだろう。彼がCoffey博士の研究室にいた時代、いつも夜には早く家へ帰り家族と過ごし、子供の入浴や就寝を済ませた後、ラボに戻って遅くまで研究をしていたという。Coffey博士の想いは、まず彼の優しい妻と子供へと向けられるという。

2012年、De Robertis博士は笹井博士の業績を称えて、再生医療実現へ向けての長い道のりを照らす真なる導灯であると評していた。しかし今、彼の道は惜しくも絶たれてしまうこととなってしまった。

補足:
一週間近く前のものですがNatureの記事を紹介しました。この問題に関しては、日本と海外・一般紙と科学誌の報道姿勢や記事への反応はだいぶ違うなと思います。 仕方のないことかもしれませんが、もう少し落ち着いてほしいなと思います。日本で誰もが中高のたった6年間で勉強するような基礎的な科学も、何百・何千年も失敗や訂正を繰り返しながら少しずつ積み重ねられてきたものだということを思い出してほしいと思います。

また笹井博士への過去のインタビュー記事が載せられていて、とてもよいインタビュー記事だと思ったので、ご存知の方は多いかと思いますが紹介しておきます。
笹井芳樹博士が語った「これまでの道のり」と「再生医療の未来」

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元記事:
Stem-cell scientists mourn loss of brain engineer - A famous name in regenerative medicine, Yoshiki Sasai was found dead on 5 August.
http://www.nature.com/news/stem-cell-scientists-mourn-loss-of-brain-engineer-1.15679

参照:
Kawasaki, H. et al. Neuron 28, 31–40 (2000).
Watanabe, K. et al. Nature Biotechnol. 25, 681–686 (2007).
Eiraku, M. et al. Nature 472, 51–56 (2011).
Eiraku, M. et al. Cell Stem Cell 3, 519–532 (2008).
Obokata, H. et al. Nature 505, 641–647 (2014).
Obokata, H. et al. Nature 505, 676–680 (2014).
Obokata, H. et al. Nature 511, 112 (2014).
Obokata, H. et al. Nature 511, 112 (2014).

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2014年07月23日

人工多能性幹細胞(iPS細胞)は患者の皮膚細胞などから作ることができ、理論的にはどんな細胞へも分化することができるため、広範な再生医療の実現に向けて様々な研究が行われている。しかし同時に様々な問題も議論されているため、iPS細胞が作られる過程を解明することで、それらの問題を解決することへとつながる。

この度ミシガン州立大学のJose Cibelli博士らによって、細胞の再プログラムにはASF1Aと呼ばれる遺伝子が必須であることが分かった。彼らは卵子へと分化する卵母細胞内の遺伝子5000以上を解析することで、この遺伝子を特定した。ASF1AはiPS細胞の作成時に導入されるOCT4と共に、GDF9と呼ばれる配位子と協力することで再プログラム化を進めているようだ。

Cibelli博士らは、ASF1AやGDF9は再プログラム化に必要な、まだ見つかっていない多くの要素のうちの2つだと考えているようだ。近い将来、卵母細胞に隠された秘密を明らかにし、安全な幹細胞医療へと応用されることが期待される。

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元記事:
Discovery may make it easier to develop life-saving stem cells
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140717180534.htm

参照:
Elena Gonzalez-Muñoz, Yohanna Arboleda-Estudillo, Hasan H. Out, and Jose B. Cibelli. Histone chaperone ASF1A is required for maintenance of pluripotency and cellular reprogramming. Science, July 2014 DOI: 10.1126/science.1254745


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2014年07月03日

背景:
幹細胞は将来の再生医療実現にむけて様々な研究が行われている。ES細胞と同程度の機能を持ち患者自身の細胞から作成することのできる、iPS細胞の登場によってその分野に大きな進歩がもたらされた。そして今年1月、更なる進歩をもたらすことが期待された研究が発表された。

要約:
今年1月、幹細胞の分野を一足飛びに前進させる革命的な研究が、理化学研究所(RIKEN)の小保方春子博士らによって2本の論文としてネイチャー誌上で発表された。そのうちの1本は、酸などのストレスによって、体細胞を胚性幹細胞(ES細胞)様の万能性を持つ幹細胞へと変化させるというものであった。刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)と名づけられたその細胞は、もう1本の論文でES細胞ですら実現していない胎盤組織への分化能を示していた。

当初STAP細胞は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)よりも早く簡単に、そして分化させた細胞は安全に利用できると主張され、大きな賞賛の声と共に一大ニュースとなって世界中を駆け巡った。しかし数週間もしないうちに、論文内に画像の編集や転用、文章の盗用など、多くの問題が見つかることで、その声は失望へと変わっていった。

その直後に発足されたRIKENの調査チームによって、それらの問題のいくつかは小保方博士の故意によるものであると結論付けられ、論文の著者へと撤回が勧められていた。その後にも、論文の責任著者の1人でありマウスや細胞の実験を担当した若山博士が、自身の手元にある細胞の遺伝的な解析を第三者機関へと依頼したところ、その細胞は若山博士が小保方博士へ渡したマウス由来のものではないことが判明した。

論文の撤回については小保方博士や、責任著者の1人であるハーバード大学ブリグハム・ウィメンズ病院のチャールズ・バカンティ博士らによって反対されていたが、この度すべての共著者が同意したことによってネイチャーから正式に撤回されることになった。バカンティ博士によると、STAP現象そのものの存在を否定する情報があるわけではないが、論文の信頼性を損なう様々な問題が特定されているとし、撤回に同意したようだ。

またネイチャーはRIKENの調査によって判明した問題のほかにも、マウスと細胞の遺伝的な相違点や画像へのラベルや記載の不備などを指摘した。そして、これらの問題はこの研究全体の信頼性を損なうことになり、STAP幹細胞現象が本物であるかどうかを疑いなく主張することはできない、と結論付けた。また論文の審査体制の見直しや不正や問題をより正確に特定できる方策を取り入れるなど、出版過程を改善していくという。

多くの専門家にとっては、当初から抱いていた疑義が論文の撤回によって確かめられたことになった。カリフォルニア再生医学研究所のAlan Trounson博士によると、体内には幹細胞が見つからない多くの酸性環境があるため、体細胞が弱酸性によって幹細胞へと変化するというのは理屈に合わないという。もし体内でそのようなことが起こってしまうと、癌の発生率増加など多くの問題が起こってしまうことになる。

しかし、まだSTAP細胞の存在を完全に否定していない研究者も存在する。北京動物学研究所のQi Zhou博士によると、化学的・物理的な刺激によって細胞の状態が変わる可能性はあるだろうという。しかし弱酸性の溶液に浸すだけや単一の条件によって、体細胞が万能性を持つことは難しいだろうという。しかし、いつかそのような方法が確立されることを期待しているという。

シンガポール生医学研究所のDavor Solter博士によると、細胞が不用意な刺激によって再プログラム化される可能性は考えられるが、それらの細胞を正確に検知することは難しいだろうという。STAP細胞論文は、彼にとって全く納得のいくものではないが、もし論文の記載が事実であったとしたら、それらの細胞は理解の難しい挙動を示しており、それだけを見て存在を証明しようとすることは不可能であろうという。

一方、RIKENは責任著者の1人である丹羽博士を中心として、STAP細胞の再現を試みている。また小保方博士にもチャンスが与えられ、丹羽博士らとは独立して再現実験が試みられることになった。小保方博士の実験室にはビデオによる24時間の監視などがつき、11月までにSTAP細胞の存在を示す結果を出すことができなければ、再現実験は終了することになるようだ。

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元記事:
Papers on ‘stress-induced’ stem cells are retracted - High-profile reports claiming an easy way to create pluripotent cells were flawed, Nature announces.
http://www.nature.com/news/papers-on-stress-induced-stem-cells-are-retracted-1.15501
Nature retracts controversial stem cell papers
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/07/nature-retracts-controversial-stem-cell-papers

参照:
STAP retracted. Nature. 511, 5–6. (03 July 2014). doi:10.1038/511005b

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2014年06月09日

神経細胞はかつては再生することはないと考えられていたが、現在では少なくとも海馬や脳室下帯において、神経幹細胞から新たな神経細胞が分化し続けていることが知られている。しかし神経発生(ニューロン新生)と呼ばれるこの現象については、明らかになっていないことは多い。

この度、デューク大学のChay Kuo博士らによって、神経幹細胞に分化を促す信号を発する新たなタイプの神経細胞が、脳室下帯で発見された。この神経細胞は神経伝達物質の1つアセチルコリンを生成するための、コリンアセチルトランスフェラーゼを発現し、活性・不活性をコントロールすることで神経発生量の変化が確認された。

この発見を受けて神経発生への理解が高まるが、さらに解決すべき疑問が提示されることにもなった。例えば、この新たな神経細胞へ神経発生を促す信号を発させる元になる信号はどこからもたらされているのだろうか、またこの神経細胞の異なる活性状態に幹細胞はどのような反応をしているのだろうか。これらの疑問を解決するために、更なる研究が薦められていくことになる。

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元記事:
Neuron tells stem cells to grow new neurons: First piece of new brain-repair circuit identified
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140602102006.htm

参照:
Patricia Paez-Gonzalez, Brent Asrican, Erica Rodriguez, Chay T Kuo. Identification of distinct ChAT neurons and activity-dependent control of postnatal SVZ neurogenesis. Nature Neuroscience, 2014; DOI: 10.1038/nn.3734

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2014年05月29日

背景:
ヒトの歯は乳歯から永久歯へと入れ替わると二度と生えてくることはない。そのため、永久歯が虫歯や歯周病によって失われると、その後は入れ歯や差し歯を利用しなければならなくなる。もし歯の再生が実現すれば、歯の疾患によって健康的な生活が損なわれることがなくなるかもしれない。

要約:
医療目的の低出力レーザーは半世紀もの間利用されている。利用法によっては皮膚や髪の毛の成長を促進させることもでき、逆に皮膚や髪の毛を切除・切断することもできる。この度、ハーバード大学はウィス研究所のDavid Mooney博士らによって、歯の幹細胞をレーザーによって象牙質へと分化させる技術が発表された。

幹細胞は再生医療の要技術として多くの研究が行われている。現在は、患者から得た幹細胞を実験室内で目的の細胞へと分化させ、その後患者へと移植する手法が考案・研究されている。しかしそこには、様々な科学的・技術的な壁が存在するため、幹細胞を取り出す必要のない技術が確立すれば、とても有効な手段となる。

実験は当時大学院生であり、現在はアメリカ国立衛生研究所(NIH)に勤めているPraveen Arany博士によって主導された。Arany博士らは、ラットの臼歯に穴を開け、幹細胞の含まれる歯の神経と呼ばれる歯髄へ向けてレーザー治療を行った。そして臼歯の穴に詰め物をしラットを通常の健康的な生活に戻すと、12週間後には象牙質の形成が確認された。

その後彼らは、培養細胞を使って分子的なメカニズムの解明へと進んだ。歯の幹細胞が象牙質へと分化するには、トランスフォーミング成長因子ベータ‐1(TGF-β1)が必要であることは知られている。TGF-β1は細胞内に存在しているが、必要な時に他の物質によって活性化される。彼らの研究によると、低出力レーザーは細胞の機能に重要な役割を果たす活性酸素を細胞内に作り出すことで、TGF-β1を活性化させているようだという。

Mooney博士によると、この技術では何か新たな機器を利用するわけでも、何か新たな物質を体内に導入するわけでもないため、実用化への壁はそれほど高くはないだろうという。もし歯を移植するのではなく再生させられるようになれば、歯科治療としてとても大きな前進となるだろうという。

現在彼らは、実用化へ向けて安全性や効果などを確かめ、臨床試験へと進められるよう努力しているようだ。またこの技術が、他の幹細胞へも利用できないかどうか探求を続けていくようだ。

healthy teeth

元記事:
Light coaxes stem cells to repair teeth: Noninvasive laser therapy could radically shift dental treatment
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/05/140528150559.htm

参照:
P. R. Arany, A. Cho, T. D. Hunt, G. Sidhu, K. Shin, E. Hahm, G. X. Huang, J. Weaver, A. C.-H. Chen, B. L. Padwa, M. R. Hamblin, M. H. Barcellos-Hoff, A. B. Kulkarni, D. J. Mooney. Photoactivation of Endogenous Latent Transforming Growth Factor- 1 Directs Dental Stem Cell Differentiation for Regeneration. Science Translational Medicine, 2014; 6 (238): 238ra69 DOI: 10.1126/scitranslmed.3008234

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