言語学入門の授業内容があまりにも伝わっていなかったので、もう一度ここでまとめておく。

日本語のアクセント

辞書に0と書いてあるのは平板アクセント。最初の一拍目を低く、後は高く発音する。
  • 森 もり(○●)(●は高い音、○は低い音を表す。以下同じ)
  • 桜 さくら(○●●)
  • 学校 がっこう(○●●●)
辞書に1と書いてあるのは頭高アクセント。最初の一拍目を高く、後を低く発音する。
  • 麦 むぎ(●○)
  • テレビ(●○○)
  • ラーメン(●○○○)
辞書に2かそれ以上の数字が書いてある単語には二種類ある。
ひとつは、単語の拍の数より数字が小さいもの。これを中高アクセントという。単語の途中で音が下がる。
  • 卵 たまご(○●○)
  • おにぎり(○●○○)
  • のこぎり(○●●○)
もう一つは、単語の拍の数と数字が同じもの。これを尾高アクセントという。
  • 海苔 のり(○●)
  • 話 はなし(○●●)
単語だけ見ていると平板アクセントのようだが、後に助詞などが付くと違いが分かる。
【平板アクセント】
  • もりで~(○●●)
  • さくらを~(○●●●)
【尾高アクセント】
  • のりに~(○●○)
  • はなしが~(○●●○)
平板アクセントは助詞も高い音で発音するが、尾高アクセントでは助詞の部分を低く発音する。

複合語のアクセント

複合語のアクセントは、次のようなルールになっている。
  1. 前の単語は全て平板アクセントに変わる
  2. 中高アクセントの単語が後ろにつく場合、一拍目は高くなるが、下がり目は変わらない。
  3. その他の平板アクセント・頭高アクセント・尾高アクセントの単語が後ろにつく場合、後ろの単語の二拍目から下がる。
【例】
  • おんせん(○●●●)+たまご【中高】(○●○)→おんせんたまご(○●●●●●○)
  • ドラゴン(●○○○)+さくら【平板】(○●●)→ドラゴンざくら(○●●●●○○)
  • ニンニク(○●○○)+ラーメン【頭高】(●○○○)→ニンニクラーメン(○●●●●○○○)
  • うわさ(○●●●)+はなし【尾高】→うわさばなし(○●●●○○)
ここまではしっかり覚えておくこと。試験に出します。

【補記】
  • 単語の中には、アクセントの位置に「揺れ」があるものもある。例えば、「たまご」は中高アクセントで(○●○)と発音すると書いたが、尾高アクセントで (○●●)と発音してもいい。そうなると、複合語の「おんせんたまご」も、(○●●●●●○)と(○●●●●○○)の二種類のアクセントが可能になる。
  • 「まんじゅう」は(○●●○)と中高アクセントの単語だが、複合語では「そうしきまんじゅう(○●●●○○○)」「もみじまんじゅう(○●●●○○)」のように、なぜかルール3が適用されてしまっている。こんな単語は探せばもっとあると思う。
  • 二拍以下の単語や接辞的に使われる語には別のルールがある。これについては別の機会に説明しようと思う。