金玉満堂~日本人女性の台湾観察記~

台湾への渡航回数は多数にのぼるものの、台湾中部の街で生活するようになって、研究者として台北を中心に足を運んでいた頃とは全く違う台湾社会の姿に台湾の奥深さを実感。台湾の地方都市での生活から感じたことや考えたことについて、日本や中国との比較も交えながら気楽に綴っています。

久しぶりのブログ更新。日本では年度が変わり、2018年度がスタートして1ヶ月がたちました。実は私はこのたび、台湾での仕事の任期を終え、中国の大学で教えることになりました。台湾での仕事の任期を延長することも可能でしたし、生活環境としては台湾の方が慣れていて安心感がありますが、今回はさまざまな条件を勘案して、中国の大学に行って教えてみることにいたしました。(ということで、ブログ名も「台湾の地方都市で頑張る日本人女性のブログ」から変えました。)

今回私が中国で教えることになった大学は、中国北方の大都市にある大学で、日本語教育では昔から有名な大学です。そこで学生などと接していて思うことは、1)中国はよく「反日」だといわれますが、それはあくまで政府レベルでのことであって、人々はいたって普通であり、その点では台湾で感じる日本人へのまなざしとあまり変わらないこと(街中の食堂やお店で出会う中国人も、こちらが日本人と分かると片言の日本語で対応してくれたり、日本に興味があるという人も少なくない)、2)所属しているのが日本語学部というのもありますが、大学生など若者の雰囲気、そして彼ら彼女らが興味を持っていることや価値観は、台湾だろうが中国だろうが変わらないということです。もちろん、教育制度の違いや国土・国情などからくる違いはあるでしょうが、中国の大学生たちは総じてみな素直で教師を敬う心を持っていて、学業に熱心な学生たちが多いという印象です。

これから中国の大学生や若者、そして授業・教育や日常生活から感じた気付きやさまざまな事象の中国と台湾との比較などについても適宜発信していく予定です。また、台湾についての記事は、今後も引き続き時折発信していく予定です。ブログ読者の皆様、これからもよろしくお願いします。

2021年4月14日追記: 「世界で日本語」というサイトに中国での日本語教師体験談を執筆しました。
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最近、中国政府が中国で就労を希望する台湾人に優遇策を与える方針が加速化しているとの
ニュースが話題となっている。

中国の“越境”優遇策に反発 「のみ込む狙いだ」
https://mainichi.jp/articles/20180312/k00/00m/030/078000c

(全人代2018)台湾の若者、呼び込む中国 就職・起業で優遇、統一見据える
https://www.asahi.com/articles/DA3S13406534.html

中国が台湾向けに「内国民」優遇措置
http://www.sankei.com/world/news/180301/wor1803010017-n1.html

台湾、中国の優遇策警戒=「技術、人材、資金」狙い
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018031601010&g=int


このことに対して台湾の政府筋や日本の台湾信者の人々からは懸念の声も上がっており、
ここにきて台湾政府は、台湾は民主主義で人権や多様性を尊重する社会であることを
あらためて強調しているようだ。
たしかに、同じ中華圏の場合、台湾の方が中国よりリスクは少ないことはいうまでもない。
外国人として台湾に暮らしていても、それは非常によく感じる点である。

しかし、人はふつう、なにかしら働かなければ生きていけないし、社会が発展すればするほど、
仕事に対してその能力や「投資」に見合ったやり甲斐や待遇を求めるようになるのが人間の常である。
台湾の賃金水準が低いままで、能力に見合った給与や待遇が得られる場が少ないとなれば、
日本人などに比べて昔から海外(台湾以外)に出て仕事をしたり生活をしたりすることに
比較的抵抗が少ないこともあって、台湾以外で就労を考える人が増えることになる。
たしかに、「大陸」と聞いただけで拒否反応を示す台湾人もいることはいるが(とくに閩南系
高齢者のなかには)、自分の見聞きする範囲内では、最近の台湾人は、政治と仕事は
切り離して考える傾向があるようだ。

そう考えたとき、台湾と中国は言葉が基本的に同じであるため(簡体字か繁体字か、言い回しや
発音に若干の違いはあるが)、言語上の障壁が少ない中国での就労が自ずと視野に入ってくるのは
無理もないといえる。この点は、台湾にとってのひとつのジレンマでもあろう。
(日本の台湾研究者、とくに台湾政治の研究者には、台湾人のアイデンティティを緑がどうの
青がどうの、外省人がどうの本省人がどうのという観点からばかりでなく、
もう少しこういう側面から掘り下げていただきたいものである。)

中国も、かつてのように中華アイデンティティや「外省人」の大陸に対するノスタルジーに訴えて
台湾に接近しようとするのではなく、そういう「ソフトな」側面から台湾とくに若者世代に接近しようとしている。
台湾の人々にとって魅力ある就労市場とそれに見合った待遇が自国内で形成されなければ、
中国で働く台湾人は減少することはないだろう。
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海外では、就職や転職の採用選考でスカイプを利用しての選考がけっこう盛んにおこなわれている。
この方法は、応募者にとっての時間・労力や交通費の負担を軽減できるため、
なかなか合理的であると思うが、なぜか日本ではスカイプを導入した採用選考を取り入れている
企業や職場がまだまだ少ない。

たしかに、スカイプで採用選考を進めるには、双方に良好な通信環境がなければならないが、
とくに遠隔地に住んでいる人が高い交通費をかけて応募先の企業まで出向く上での負担を減らせるし、
採用側にとっても選考にかかる経費や労力の負担を軽減できると思われるのだが。。。

このようなことを言えば、直接対面して面接を進めることの意義や、応募者にとっても、
応募先に直に足を運んでみてそこで雰囲気や感触をつかむことの意義を強調する人がいる。
たしかに、それはそのとおりだと思うが、それはある程度採用選考が進んで、
選考の最終段階になってからや、採用が内定して手続きを進める段階になってからでも問題はないと思う。

応募者が近くに住んでいるのだったら、もちろん最初から直接足を運んでの採用選考でもいいと思うが、
地方や海外に住んでいる人が東京の企業などに応募するのに何回も往復しなければならないのは、
応募者にとっての負担も大きいし、それで応募をあきらめてしまう人だっているだろう。
それがネックで優秀な人材が得られなかったら採用側にとってもプラスにならないのではないか。

日本の職場でも、就転職の採用選考とくにその初期段階においては、
スカイプ面接をもっと積極的に活用したらいいのではないかと思うのである。

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