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色管理(カラーマネジメント)のプロ、エックスライトジャパンのblog

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インクの色

24 8月

余ったインクを捨てていませんか?もう一度使えます!

ブランドオーナーは、消費者の目にとまる商品パッケージを日々求めています。そのため、印刷会社は、印刷時間を短くし、特殊な色材で、正確なカラーを実現することを求められています。多くの印刷会社が、インク調色(インクの色)に多くの時間を費やし、色が正しくないときには、そのインクを捨てることになります。
このサイクルで立ち往生してしまうと、実質的にインク代を2倍支払わなくてはなりません。購入しては廃棄する、この廃棄物が経済にまたは地球に与える影響はどのようなものでしょう?
 
今日は、インク調色ソフトウェア(インクカラーソリューション)の残インク管理機能がどのように在庫と廃棄物を削減し、廃棄コストを抑えることができるのかご説明します。
 
 
インクカラーソリューション
 

手動でインクを調色していますか?

 
コンピューターを使用せずインクを調色している方は、正しい色を得るために約12回ほどの試行錯誤が必要なのはご存知かもしれません。コンピュータによるカラーフォーミュレーションは、試行錯誤の回数を劇的に減らしてくれます。正しいプロセスを確立すれば、最初のトライで、ある程度の色差に近づけ、要求の95%の一致を期待できます!
 
 
カラーフォーミュレーション
 
インク調色ソフトウェア(インクカラーソリューション)をセットアップしましょう。まずは基本色のデータベース作成に役立ちます。そして、生産過程では、調色レシピを生成し、そのレシピに強弱をつけ、無駄を最小限に抑えた最も効率的なインクワークフローを作ることに貢献します。
弊社のブログをチェックしてください。コンピュータによる調合の用意はよろしいですか?
 

余ったインクが眠っていませんか?

 
さらなるコスト削減を達成してくるのは、残インク管理機能です。実際にインハウスの色から新しい調色を行うためのガイドを与えます。
 
方法は次のとおりです。
 
1 - 分光測色計を使用して、余ったインクを測定します。 IFS(Ink Formulation Software)が今後のレシピで使用するためにデータをライブラリに追加します。
 
 
データをライブラリに追加
 
2 - あなたが本当に取り除きたいインクがある場合、レシピでその色を指定することもできます。
 
 
残インクの管理機能
 
以上です。残インクの管理機能は、特殊インクの在庫を減らし、誤った調色や再印刷を減らし、製造時間を短縮することを意味します。
 

試してみませんか?

 
詳細については、IFS(Ink Formulation Software)について弊社へお問合せください。


30 6月

なぜ印刷された色が違って見えるのか:計測の必要性

もし世界がパーフェクトな世界だったら、印刷機にインクを入れて印刷したとすれば、一貫した色が実現できるでしょう。しかし残念なことに、フレキソ印刷およびグラビア印刷作業は毎年、正しい色を得るためにインク、基材および印刷にかかる時間を無駄にしています。
 
 
カラー管理の8つの注意点
 
技術の進歩によって正確な色へ到達するのは容易になりましたが、色に影響する不確定要素は依然として存在します。このシリーズでは、色が違って印刷されしまうことの多くの理由を紹介していますが、今日のトピックでは、印刷のカラー管理の8つの注意点を掲載しています。
 

1 - 間違った機器の選択

私たちのeXact500シリーズ製品グループのような0°/ 45°のエックスライト 分光測色計は、印刷やパッケージング カラーマネジメントの分野で非常に人気があります。しかし、ポリまたはアルミフォイルのような反射材料やメタリックインクによる印刷の場合は、積分球分光測色計を使用する必要があります。
 
 
積分球分光測色計
 
反射面は、光沢の効果を受けて、実際のサンプルの色の見え方を変えてしまう可能性があるため、難しくなります。0°/ 45°分光光度計は、光沢を除外して測定するため、0°/ 45°でホイルを測定すると、本来の色とは違った値が得られてしまいます。ポータブル積分球分光測色計 Ci64のような積分球測色計を使用すれば、正反射を含めたり除外したりして測定できるので、人間の目に見える色と一致させることが出来ます。私たちのブログ「反射面を測定する効果的な方法」(英語)をご覧ください。
 

2 - キャリブレーションされていない、または故障した機器の使用

キャリブレーションが不十分な機器、特にうっかり落としてしまったような機器は、間違った値を示すことがあります。計測器が正しく読み取れない場合、またキャリブレーションを頻繁にしていない場合、その値をもとにしてカラーマネジメントソフトウェアが正しいとする色を作ったとしても、あるべき色と違ってしまう可能性があります。
 
 
定期的にキャリブレーションを行う
 
このよくある問題は、適切なデバイスメンテナンスで簡単に解決できます。少なくとも使用者が変わる前ごとに、定期的にキャリブレーションを行うことが大切です。計測器が正しくキャリブレーションされない場合、または測定値が実際の値とあまりに遠く離れている場合は、おそらくサービスの対象となります。私たちのブログ「分光測色計のお手入れ」(英語)では、私たちエックスライトのサービスや品質保証について説明しています。
 

3 - 間違った光源設定の選択

常に「サンプルを観察する光源」と「測定器の光源」を同じように設定することを忘れないでください。ほとんどの印刷施設は、D65/10°の正午の太陽光やD50 / 2 °の地平線の日光のもとで色をチェックしますが、時には前もって独自の許容範囲を指定されることもあります。印刷作業を開始する前にこれを確認してください。
 

4 - 適切なデルタEを設定する

Delta E CMCは1988年に開発されて以来最も人気がありましたが、現在はデルタE 2000がその役割を牽引しています。この新しい計算式は、カラーサンプルの測定に関してより寛容です。詳細については、エックスライトのブログ「許容ブログ」(英語)をご覧ください。 一部のワークフローでは、顧客によってデルタEの計算を切り替える必要があります。前印刷準備の忙しさの中で、忘れられてしまいがちなポイントです。
 

5 - バッキング(測定サンプルの下に敷くもの)を選ぶ

プリントサンプルを何の上に置くかは非常に重要です。多くのサンプルは完全に不透明ではないため、測定器は背景からもカラーデータをピックアップし、測定結果に影響を与えてしまいます。バッキングを使用すると、計測器は測定したいカラーデータのみを読み取ることができます。
ステンレススチールや木製のテーブルは良い背景ではありません。一貫した測定のためには、常に同じ黒または白のバッキングを使用してください。ISO認証バッキング材を購入することもできますが、ホームセンターでセラミックタイルを購入して使用するのも良いでしょう。ただし同じロットの色であることを確認するようにしてください。また、標準値の測定を印刷側で使用するのと同じバッキング材で測定することも忘れないでください。
 
 
カラー測定デバイス
 

6 - 手動によるL * a * b *値の入力

これもよく見られる問題です。印刷担当者へ色を測定したときの反射率データを含まないL * a * b *値を送ってしまうと、いくら印刷担当者が手動で標準のL * a * b *値を正しく入力しても、最終的な色が正しく出ない可能性があります。 カラー測定デバイスを使用してカラーマネジメントソフトウェアに標準を読み込み、.mifまたは.cxfファイルとしてエクスポートするのが最善の方法です。これらのファイルは、クライアントとの間で簡単にメールでやりとりすることができ、誰もが反射率データを含む同じ、デジタルの基準色から作業することを可能にします。
 

7 - 誤ったフィルタ(M0、M1、M2、M3)の使用

紙に含まれる蛍光増白剤を調整するために、ますます多くの印刷担当者が測定器をM1で設定しています。GRACOLを含む業界は、この設定を採用する方向に傾き始めています。もしあなたの印刷担当者が切り替えていない場合、一部の標準値がどちらか一方を使用して入力された可能性があることを理解することが重要です。これらのM設定に注意してオペレーションを行ってください。そして、この設定の切り替えを行うときには、多くの基準値を再入力する必要があるかもしれないことを覚えていてください。
 

8 - 異なる操作手順

これらの手順に従う印刷担当者が1人だけしかいなければ、色の一貫性は保てません。すべてを文書化し、ワークフローに関わる全員に伝える必要があります。標準的な運用手順書(SOPs)は、ロードマップを提供し、問題解決をサポートし、新入社員を訓練するのをはるかに容易にします。SOPsが適切に作成され、実行されれば、シフトやロケーションに関係なく、誰もが分光測色計を同じように操作できるようになります。
 

次回は

「なぜ印刷された色が違って見えるのか」第2部では、基準値とインクに関する問題についてお話しします。引き続きエックスライトのブログにご注目ください。
 


16 5月

卵を染めることから パッケージデザインについて学べること

私たちが知る必要のあるものはすべて幼稚園で学ぶと言われていますが、このフレーズは印刷担当者やパッケージ・デザイナーにとっても当てはまるでしょうか?
 
イースターは終わってしまいましたが、春に初心に立ち返り、卵を染めるという簡単な子供のアクティビティを通して、パッケージ・デザイナーと印刷会社が直面している最も複雑な色の問題を解決してみましょう。
 
 
複雑な色の問題
 
ここに、パッケージのカラーマネジメントにおける3つのレッスンがあります。
 

1.カラー印刷で黒が必要なのはなぜ?

 
シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエローを混ぜれば、黒を含んだどんな色だって作ることができます。では、なぜプリンタにはCMYKというシアン(青)、マゼンタ(赤)、イエローに加えて、ブラックインク(黒)が必要なのでしょうか?
 
実験:
 
イエローのインクに同量のシアン、マゼンタのインクを加え、黒色のインクを作成します。
 
 
黒色のインク
 
そこに白い卵を入れ、20分間置きます。 卵は黒くなるでしょうか?
 
 
卵は黒くなるでしょうか?
 
結果:
 
 
減法混色の原色
 
赤、緑、青の加法原色を異なる組み合わせで混合すると、全ての色のスペクトルが作成されます。 2つの純粋な加法原色を組み合わせると、減法混色の原色が得られます。シアン、マゼンタ、イエローの減法混色の原色は、赤、緑、青の反対色です。
 
私たちが卵を染めたのと同様に、多くのプリンタでは、色の範囲を広げるためにシアン、マゼンタ、イエローを使用しています。白色の基材(紙など)に印刷すると、それぞれが白色光からのその反対色を完全に吸収または減法します。(Additive vs. Subtractive Color Modelsの記事で詳しく知ることができます)。
 
 
では、本当に卵を黒く染めたいなら、何をする必要があるのでしょう?
 
シアン、マゼンタ、イエローの染料をもっと多く使うこともできますし、4色目の色として黒を加えることもできます。減色印刷方法では、黒(または鍵=Keyを表すK)がCMYに追加され、4色印刷のCMYKが作成されます。黒は、それほど高価ではないうえに、画像やグラフィックスを中和するのに役立ち、陰影に濃度を加える重要な役割です。
 

2.基材(印刷の対象物)には色があります

 
あなたが完璧にデザインを指示したのに、印刷会社からプルーフを入手すると、色が正しくありません。何が起こったのでしょう?
 
実験:
 
色が豊富な美しい卵を、地元の農場で見つけました。
 
 
色が豊富な美しい卵
 
同じ色のインクで異なる色がどのように反応するかを見るため、純粋な赤いインクにそれぞれをちょうど4分間ずつ漬けてみます。
 
 
同じ色のインクで異なる色がどのように反応するか
 
全て同じ赤の色合いになったでしょうか?
 
 
オレンジ色または茶色の色調
 
結果:
 
背景の色は、染色された卵の最終的な色を決定する上で非常に重要な役割を果たします。赤色ではなく、それぞれがオレンジ色または茶色の色調になっています。
 
これはデザイナーとプリンタをいたるところで悩ませている、よく見落とされる問題です。 色を明示してインクを混色するときは、基材の色を考慮する必要があります。赤い染料、赤い印刷用のインクは、純粋な白い背景においてのみ赤く見えるのです。
 
私たちの実験から明らかに分かるように、同じインクの色を使用しても、基材の色がわずかに違うだけで、最終結果に大きく影響します。 特に、同じデザインを複数の基材に印刷する場合は、常にこれを考慮することが重要です。
 

3.カラーコミュニケーションは主観的なものです。

 
あなたがこれらの卵を染色して、「春の色」を表現したいとします。どのようにインクの色を設定すれば、あなたの「春の色」が再現できるでしょうか?
 
実験:
 
CAPSUREハンドヘルドカラーマッチングツールを使用して、明るい春の花/植物のカラー測定をし、それぞれに最も近いPantone Colorマッチを見つけます。
 
 
ハンドヘルドカラーマッチングツール
 
次に、そのカラーデータを使用して、黄色、オレンジ色、赤色を混ぜてインクを作り、卵を染めます。
 
 
明確なカラーのターゲットを設ける
 
出来ました。
 
ここから学べること:
 
デザイナーは、周囲の色からインスピレーションを受けて、印刷担当者が理解できないような主観的な言葉でプリンタに説明してしまいがちです。 「晴れやかな」、「桃色の」、「新鮮な」、「春っぽい」…などという色は、インク缶で見つかる色ではありません。明確なカラーのターゲットを設けないと、あなたの印刷担当者が作成する「春の色」は、あなたが思い描いた「春の色」ではなく、やり直し作業が必要になる可能性があります。
 
印刷担当者はターゲットを正しく理解していますか?分光濃度計光学濃度計色測定 価格Pantoneカラーブックマンセル表色系など、色を明確に特定する方法はたくさんあります。
 
もちろん、私たちは幼稚園で学ぶような方法よりも、正確な色を指定し、伝達し、印刷する色の管理の方法がはるかに多くあることを知っています。 しかし、時に基本に立ち返ることは、私たちがまだまだ多くのことを知る必要があることを理解するのに役立つのではないでしょうか。
19 4月

グローバルに資材調達するテキスタイル業界のカラー評価と管理

コスト削減や、需要の拡大に対応して、アメリカのテキスタイル業界やアパレル業界各社は、グローバルでの資材調達へとシフトしています。ノースカロライナ州立大学の研究によると、この傾向は貿易協定の進展を背景により顕著になっており、結果として、製造業者の多くは、高品質な資材を低価格で提供することのできるサプライヤー探しにプレッシャーがかかっています。
 
 
資材調達
 
資材は製品の要であり、複数の異なる材料を元に事業を展開するのは簡単ではありません。この課題はシンプルなカラーマネージメントツールを導入することで解決できます。この記事では、そのシンプルなツールによって、どれだけ大きな効果が生まれ、御社の色にまつわる業務に革新をもたらし、より経済的な資材調達が可能になるかご説明しましょう。
 
染料の色のチェックは製造ワークフローの一部であり、多くの企業で注意が払われているにも関わらず、生地の色や素材の確認は見落とされている場合があります。例えば、ウールやコットンの場合を考えてみましょう。アジアで生産される生地と米国南部で生産される生地には大きな違いが見られます。生地が異なれば、染料の染み込み具合が異なります。さらに、布地の色と染料の反応にも変化が見られるでしょう。
 
例えば目の前にわずかに異なる2種類の生地があるとします。これに同じ染料を使うと、結果には違いが見られるものです。さらに、この2つを縫合わせてセット商品にしてみると、違和感はより顕著なものになるはずです。質の高い布地を求める人が、そんな一貫性のない製品にお金を払う訳がありません。
 
 
素材の色
 
解決策は意外とシンプルです。製品の製造を行う前に素材の色をしっかりと確認しましょう。
 
 

Ultimate Textile社のカラーマネージメント

 
染色前の布地から顧客の要望に合わせて、室内装飾品、最新技術を搭載した防火服、防弾ベスト、トートバッグといった製品を製造し、長年エックスライトのユーザーであるUltimate Textile社にどのような工程を導入しているのかお話を伺いました。
 
彼らが扱う多くの生地が、世界の様々な場所から輸入した、天然素材でつくられています。経営者のアンソニー・ガリエロ氏は「素材が天然なので、それぞれ大きく色の違いが見られます。だからこそ、最初に、素材に基づいて、ブリーチングやソーシングで色を標準化するのです」と説明しています。
 
こちらが、Ultimate Textile社が、布地の一貫した色を確保するために実施する、カラーマネージメントの流れです。
 

1.仕入れられた生地の色を正しく把握

製造工程では分光測色計で色の情報を取得、また色の精度を評価します。多くのテキスタイル業界の企業ではCi7800 といったベンチトップデバイスが使用されますが、Ultimate Textile社では持ち運びに便利なCi64UVが採用されています。ガリエロ氏は、「Ci64UVは、工場内で自由に持ち歩き、様々な素材の色の計測に使え、iMatchにデータをダウンロード、さらにレポートの出力までできるので、大変便利です」と語ります。
 
 
材料見本をエックスライトCi64UVで確認
材料見本をエックスライトCi64UVで確認
 

2.染料の色づくり

分光測色計により計測された反射率はエックスライトのColor iMatchソフトウェアに取り込まれ、これと染料の反射率とのマッチング、特定の布地の上で正しい色を表現することのできる最適な解を弾き出します。染め上げには赤外線染色機を使います。こうして、ブレを最小限に抑えた色の複製に成功することができるのです。複数の機械が組み合わさった製造環境であるからこそ、色を包括的に把握するためにColor iMatchが利用されています。
 
 
材料見本をエックスライトCi64UVで確認
 
ガリエロ氏は言います、「結果的に、人間の勘に頼ることは高くつく。研究段階で100分の1gの違いが生じると、製造時にこれは何千倍の欠陥となって現れます。ラボでのエラーが生産工程では致命的なミスになるのです。」
 

3.多様な光源でビジュアル評価を行う

分光測色計カラーマネジメントソフトウェアを活用し、色が狙い通りに再現されているかどうかを知ることができます。しかし、これに加えて、組み上がった後に各部分が期待通りの色であるかを確認することも重要です。あらゆる光の当たり具合で色の変化を評価してください。これには標準光源ブースが便利でしょう。Ultimate Textile社では、エックスライトのライティングブースを使い、サンプル検査室、染色所、ラボ各所において正しい色が再現されているか確認が行われています。
 
 
 
Spectra Light QC
エックスライトのSpectra Light QCを使い布地サンプルの色を比較する様子
 

賢い投資で大きなリターンを

弊社のテキスタイルパンフレットで複数のサプライヤーから素材を確保する際のポイントをご紹介しています。または、お気軽にこちらへお問い合わせください。御社の状況に即した最適な戦略策定のお手伝いができればと考えております。


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18 4月

10_ドットゲインの測定と計算の仕組み

今回はビジュアルドットゲインとメカニカルドットゲインの測定および計算方法について説明します。
 
まず、ビジュアルドットの測定手順は以下のようになります。
 
①  基材(用紙)を測定
②  ベタパッチを測定
③  指定された名目%のアミパッチを測定
 
たとえばシアンの50%のドットゲインを測定する場合、図-17のような順番で測定することになります。
この際、用紙やベタパッチはドットゲインを求めるアミパッチにできる限り近いパッチを測定します。
(測定器によっては用紙やベタパッチの測定は初回のみ求められます。)
 
 
照明光のもぐりこみによる光学ドットゲイン
図-17 カラーバー上のドットゲイン測定パッチ
 
このようにして求められる数値はアミ点面積率(%)になります。
ドットゲインは測定されたアミ点面積率(%)から名目ドット(%)を引き算することで算出します。
たとえば、上の例で測定したシアンのアミ点面積率が64%だったとすると、そこから名目ドット(%)の50%を引き算して14% がドットゲインということになります。
 
ドットゲイン
 
ここで、アミ点面積率の算出自体は測定器内部で実行されますが、以下のような計算で導かれています。
 
たとえば、図-18の左図のアミ点のエリアを右図のように寄せ集めて、これが全体に占める面積の割合(ここでは、マゼンタのアミ点面積率)を a とします。(領域全体を1として考えます)
測定によるマゼンタのベタ濃度(白紙基準濃度)が Ds だったとすると、マゼンタの画像部の反射率は 10-Ds となります。
 
つまり、全反射におけるマゼンタドットによる反射の寄与は面積率X反射率で a ×10-Ds です。
今度は用紙からの反射の寄与分を考えます。用紙の面積率は全体が1としたので 1-a になります。
白紙基準濃度を使用しているので用紙の濃度は0、つまり反射率は1として考えます。
用紙からの反射の寄与は1×(1-a) となります。
マゼンタアミ点からと用紙からの反射をあわせて全領域からの反射は a ×10-Ds + 1×1-a
これがアミ点全領域からの反射率と等しくなるわけです。
アミ点全領域からの反射率はアミ点パッチの測定濃度(用紙基準濃度)が Dt だったとすると 10 - Dt となります。
つまり、
10 - Dt = a × 10 -Ds + 1 × (1 - a) となるため
 
求めるアミ点面積率
 
が求めるアミ点面積率となります。
 
 
ドットを寄せ集めたアミ点の面積率
図-18 ドットを寄せ集めたアミ点の面積率
 
このように、測定濃度値からビジュアルドットゲインを計算する計算方式をマレイ・デイビスと呼びます。
 
 
一方、メカニカルドットゲインの場合はどうでしょうか?
メカニカルドットの面積率は光学的な太りを含まない物理的な面積ですから、一般的には濃度計ではなくiCPlateのようなCCDなどのカメラベースの測定デバイスのほうが適しています。
 
しかし、測定濃度値からこのメカニカルドットの面積率を求める方法もあります。
これが、ユール・ニールセンという計算方式で下のような計算式を使用します。
 
 
ユール・ニールセン
 
ポイントはマレイ・デイビス式の濃度値をnで割った値を使用することです。
このnの値をnファクターと呼び,理論からではなく経験値から帰納的に求めることになります。
このnファクターは基材やプレートのタイプによって異なります。
一般的にはプレートメーカー*などからこのnファクターを入手します。
自分でnファクターを求めたい場合は、面積率が50%と判明しているパッチを測定して、このアミ点面積率の値が50%になるようnを調整して求めます。
 
*メカニカルドットゲインは、通常プレートのキャリブレーションのために使用されます。
 
 
ギャラリー
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