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色管理(カラーマネジメント)のプロ、エックスライトジャパンのblog

色管理(カラーマネジメント)のスペシャリスト エックスライトジャパン社のブログです

エックスライト

16 5月

コンピューターでのカラー・フォーミュレーションを始めませんか?

色を配合する際、どれほどのトライアンドエラーを繰り返さなくてはならないでしょうか?3回以上と答えた人は、コンピュータを使ったカラーマネジメントソリューションの導入を考える時期かもしれません。
 
コンピュータを使ったカラー配合は、あなたのビジネスに大きな利益をもたらします。初心者でもターゲット色をいち早く得ることができ、時間、費用、高価な着色料を節約することができます。正確なプロセスを確立すると、最初のトライアルで合理的な色の範囲内で、要件を95%満たす色が期待できます!マニュアル作業でのフォーミュレーションは、平均12回の試行が必要です。配合ソフトウェア(カラーマネジメントソフトウェア)は、開発段階と生産段階において、ラボでの多くの時間と費用を節約します。
 
 
カラーマネジメントソフトウェア
 
そのメリットについては、「世界で話題のカラー・オブ・ザ・イヤーをいち早く商品化するには?」を参照ください。
 
今回は、ポータブル分光光度計ベンチトップ積分球分光測色計とColor iMatch(カラーマネジメントソフトウェア)を使って、塗料、プラスチックの色、テキスタイルの色をいかに速く、無駄なく調合するかをご紹介いたします。
 

ステップ1:着色剤を選択します。

 
選択した着色剤の量と種類は、配合プロセスの成功に大きな役割を果たします。きれいで鮮やかな顔料/着色剤を使用することが不可欠です。ソフト上で着色剤を慎重に特徴付けることも非常に重要です!コンピューターがどんなに高性能でも、不完全なデータを入力すれば、不完全な答えしか得られません。
 
より多くの着色剤を使用すると、再現可能な色の範囲が広がります。この例では、1つではなく3つの緑色顔料を使用すると、色域がどのくらい大きくなるかを示しています。しかしながら、あまりにも多くの着色剤を導入することは正しい解決法とは言えません。かえってコストとメタメリズム(光源依存性)のリスクを増加させるだけです。最終的には、全てバランスの問題です。コンピュータシステムを使用して作業することで、迅速かつ正確なカラーマッチングを達成するための最良の着色剤の選択方法を学ぶことになります。
 
 
ミックスを準備し、ドローダウンを作成する
 

ステップ2:ミックスを準備し、ドローダウンを作成する

 
カラーマッチングソリューションを使用するには、ソフトウェアに顔料や着色剤がどのように見えるかを入力する必要があります。これは、マックストーン(樹脂またはベース材料に対する最大着色剤負荷)とその調剤を入力することを意味します。この例では、2.5%、1%、および0.1%のミックスで95%の透明ベースを持つ5%の赤を使用しています。
白と黒のコントラストカードにミックスを適用し、分光光度計を使用してそれらを測定することで、不透明度を決定する必要があります。このデータはiMatchのコントラスト比で得ることができます。
 
 
7つの混合物+2つの任意の混合物
1つの着色剤の典型的な設定は、7つの混合物+2つの任意の混合物からなる
 
 

ステップ3:iMatchへのドローダウンを測定する。

 
次に、ソフトウェアへのドローダウンを測定し、着色剤を作成する必要があります。これは、iMatchでどのように見えるかの画面イメージです。
 
 
iMatch
 
1 - 既にファイル上にある着色剤を選択できます。
2 - 上に着色剤が、下にベースまたは樹脂材料が記載された着色剤エディタです。
3 – ここでは、単一の着色剤のミックスが表示されます。
4 - 特定のインク用の着色剤プレミックスです。ソフトウェアはミックスの実際のスケールされた量、光に対する測定値、および暗所での測定値を知っているので、その光学特性を用いて濃度を特徴付けることができます。
 

ステップ4:クリックして色を合わせます

 
着色剤ファイルが準備完了したら、ボタンをクリックするだけで色を一致させることができます。
 
 
iMatch
 
1 - 着色剤は、この着色剤パネルに表示されます。ここでは、使用する着色剤を選択するか、それらをすべて使用するかを選択できます。
2 - 特定のベースを選択するか、ソフトウェアに最適なベースを選択させることができます。不透明度を定義してターゲットに実行するか、完全に不透明なレイヤー上で実行することもできます。つまり、真っ暗なエリアに完全に隠れることを意味します。
3 - "Formulate"をクリックすると、iMatchは数秒でレシピ計算を行います!
4 - この例では、0.02の予測デルタE色距離を達成するために、97%の中性基底、2.78の白色顔料、小さな黒色顔料、若干の黄色酸化物およびある程度の赤色を必要という結果がでました。
 

ステップ5:計算式からミックスを準備する

 
 
ソフトウェアで測定
 
では、結果のテストです!計算された数式からミックスとドローダウンを準備し、それをソフトウェアで測定します。たいてい最初のテストで十分に近いものが得られるはずです。そうでない場合は、訂正ボタンをクリックして、マッチングを改善することができます。
 
多くのお客様は、リモート接続を使用して調剤プロセスを自動化することを選択しています。 iMatchはこれらのシステムとのやりとりに非常に柔軟性があり、自動的にデータを送信することができます。生産スケールの調剤機械にも適用可能です。
 
システム全体のプロセスと同じくらい正確です!
 
1.非常に重要なので、もう一度...ソフトウェアは元の着色剤のキャリブレーションデータと同じ精度でしかありません。正しいデータを取得できていないなら、良い結果を期待することはできません。
2.着色剤のバッチの変動を考慮する。着色剤のバッチは、着色剤の強度評価によって制御することができます。
3.コントラストカードを安定して清潔に保ち、定期的に交換してください。
4.正確な目盛りを使用し、正確な測定量を最後の桁まで書き留めます。
5.サンプルの厚さは、特に半透明塗料の外観に影響します。
6.非均質なサンプル、汚れ、傷、表面条件の変化はすべて結果に影響を与えますので、可能な限り条件を統一してください。
7.最高のカラーマッチング処理を行うには、生産プロセス全体を再現可能にする必要があります。誰もが同じ手順に従っていることを再度確認してください。
 
あなたの顔料や着色料のバッチ品質をコントロールすることは不可欠です。
 
 
粒子の顕微鏡画像
この画像は、粒子の顕微鏡画像とともに、同じ顔料の物理的状態を示しています。小さな粉砕顔料粒子は、粗い顔料よりもはるかに高い表面積を有します。これが顔料の外観に及ぼす影響に注目してください。着色剤の強度をコントロールをしてこそ、これを制御することができます。
 
素晴らしい投資収益率!
お客様の90%がコンピュータによるカラーマッチングシステムをインストールしてから12ヶ月以内にROIを確認しています。エックスライト社ではサンプル測定サービスも実施しています。まずは、お気軽にご相談ください。
 
17 3月

もはや視覚評価だけでは十分ではない?

 
色/カラーは大切と言われますが、なぜでしょう?実際、製造過程において色は欠かせない要素です。ですが、思い通りの色を製品で実現することは、以前より難しいと感じる製造者が増え、こうした製品のブランドを持つ会社はより厳しい基準や許容値を満たすことを求めています。
 
 
実際、製造過程において色は欠かせない要素です。
 
なぜこのようなことが起こっているのでしょうか?
 
色/カラーに関する技術が進化する一方で、顧客の要求は高度になっています。例えば、金属のパッケージ、パール加工、カスタムデザインのテキスタイル、鮮やかな新色を考えてみてください。様々な材料に対して色の一貫性を実現するのは困難になっています。
 
例えば、家庭用のウッドデッキを考えてみてください。昔は、ウッドデッキには灰色か茶色か2つの選択肢しかありませんでした。当時は、デッキ全体で色の調和がとれていれば、それはいい仕事として評価されていました。
 
しかし現在では、深い木目や、異国情緒溢れる色合いなど、あまりにも多くの選択肢が存在します。製造者は、2つや3つのパターンではなく、より多くの色の管理を行う必要があります。 つまり、今日では色を一貫して製造することが容易ではないのです。
 

パッケージもいい例でしょう。かつては店の棚に並んでいたのは印刷の施された箱ですが、今では、フォイルパウチ、ブリスターパック、複数の素材を使ったパッケージが目につきます。半透明で反射性のある素材において、特に、色の管理は難しくなり、ある種類でうまくいく方法が他の素材では必ずしも役に立ちません。

 
 
パッケージデザイン
上の写真は棚に並べられたパッケージデザインの様子です。パウチ、ラベル、カートン、ダンボールなどの色が視覚的に調和していません。これらは克服できる問題です。
 
布地であれ、プラスチックであれ、塗料であれ、コーティングであれ、あらゆる業界で同じことが言えます。かつて合格していた色はもはや十分ではありません。さらに、消費者もブランド側も、色に対してより要求が厳しくなっています。色合いが正しく表現されていないと、消費者は商品の前を通り過ぎて、ライバル企業の他の製品を手に取るでしょう。注目を得ることのできなかった商品は、不良在庫となり、しまいにはゴミ箱行きです。
 
これこそが、製造業者を苦しめる現状です。あなたは大丈夫でしょうか?
 
下の質問の1つにでも「はい」と答えたとしたら、色の選定工程に改善の余地があります。
 
* 色の評価のために屋外で、日昼光で確認を行っていますか?
* 評価や承認を得るために、他の人に写真をE-mailで送っていますか?
* どの色を製品として実現すればいいのか迷っていませんか?
* 昔は承認された色が、現在では却下されていますか?
 
Good Newsです。
見直しを開始するためには多くの時間、資金、労力はかかりません。
では、色の選定において最も起こりやすい間違いをご紹介しましょう。
 
 

1. 間違った照明

 
下の画像は、色の評価になぜ標準光源が必要かを説明しています。ご覧ください。光の種類によって、赤の色合いがどれだけ変化するのか、一目瞭然ですよね。
 
 
色温度
色温度が変化することで、見え方も大きく変わるのです。
 
では、もしあなたのオフィスや研究室に設置してある環境光が標準光源にどれだけ近いのか分からない場合は、どうすればいいでしょう?そんな時には、PANTONE® ライティング・インディケーター・ステッカーD50をお勧めします。このシールにはそれぞれ、上下2色のパッチが用意されています。2つがぴったり同じ色であれば、その場所は自然な日中の光と同じであると考えることができます。違いが見られれば、色の判断をする前に標準光源の下に移動すべきでしょう。
 
もちろん、お気づきのように、「PANTONE® ライティング・インディケーター・ステッカーD50」を使っても、蛍光灯、白熱灯、LEDなどの設置された店舗や家庭、オフィスでどのような見た目になるのかはわかりません。完成品が実際に、どのような色に見えるのかを知るための最善策は、標準光源ブースを使うことです。
 
特に、携帯電話のケースと携帯背面のカバー、車のサイドミラーといった、組み立て式の部品をつくる場合には、すべての色が調和する必要があるので注意が必要です。「完璧につくりあげた試作品」が、必ずしも、店舗やショールーム、家庭で思い通りの色に見える訳ではありません。
 
標準光源ブースはそれほど大きな投資ではありません。しかも、色の選定失敗ややり直しが減れば減るほど、その投資分は回収できることになります。標準光源ブースの活用については、視覚的に色を判断する際のコツ10選をご確認ください。
 

2. 色の認識能力についての過信

 
多くの人が、自分の視覚の不完全性に気づいていません。実際、これはあらゆる人に言えることです。男性の13人1人、女性の300人1人が、色の認識における何かしらの問題があると言われています。
 
 
視覚の不完全性
 
 
石原式色覚異常検査表
上の画像は石原式色覚異常検査表の一部です。左側の柄に「6」が、右側の柄に「2」が見えなければ、ひょっとすると、何かしらの色覚異常が起こっているかもしれません。
 
色の選定を担当する人であれば、視覚のテストを受けることが必要かもしれません。より簡易的な手段をお求めであればオンラインカラーチャレンジが便利です。
 

3. 間違った色見本

 
色の判断のために物理的な見本を使用していますか?色の把握において、実際の見本を元に色を評価するのは、効果的なコミュニケーション方法です・・・ただし、その場合は、基本的なガイドラインに従っていなければなりません。
 
第一に、そのような見本は正しい素材でつくる必要があります。例えば、あなたがタオル用として使われるテリー織の布を製造しているとします。その場合に紙の色見本を用いてしまうと、正確な色の実現が難しくなります(テキスタイルカラーマネジメント)。素材によって、顔料、インク、染料への反応が異なるため、同じ素材でできた見本で色の判断を行うようにしましょう。これは製造業者にとってストレスになりやすいポイントです。
 
さらに、見本は汚れやシミ、色あせなどの影響が考えられますので、実物サンプル管理方法の徹底解説を参考に、正しくサンプルを管理するようにしましょう。
 
 
Judge QCライトブース
こちらの品質管理マネージャーは、Judge QCライトブースの中で、テキスタイルのサンプルを色の基準と照らし合わせて、異なる光の下でも正確な色が表現できるように細心の注意を払っています。
 

4. デバイスごとに異なって色を表示

 
電化製品の展示場や販売店を訪れたことがある人なら、並んでいるテレビそれぞれが、同じ画像なのに色を異なって表示していることに気づいたことはありませんか?このようにデバイスによって色が異なって表示されるのは大きな問題です。しかし、携帯、タブレットやパソコンの画面を使って色の決定を行う時に、多くの人はこの点を気にしていません。あなたのデジタルカメラは正しい色を撮影していますか?その写真のデータを送信したとしても、それを受け取った評価担当者は、正しい色が「見えている」のでしょうか?
 
 
色補正
写真データの転送は色を判断する上で決して最善の策ではありませんが、実物サンプルの共有が難しい場合には、使用するすべての端末の色補正を行うことが効果的です。
 

視覚だけを頼りに色を決めていませんか?

 
「素晴らしい色」の実現は終わることのない旅のようなものです。新たな素材や製造方法の登場で色の管理が複雑化していますが、一方で色管理のツールも進化しています。これらを使いこなして、正しい色に近づきましょう。
 

標準光源色彩測定ツールをすでにご利用されている場合には、あなたの旅路はもう少し先にまで進んでいることになります。今後のブログでは、より踏み込んだ内容をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!

17 3月

06_POL?

POLというのは濃度測定時に使用するフィルターで、Polarization Filterの略で偏光フィルターを意味します。
濃度測定の際にこのフィルターを使用した測定を行うことで有効な情報が得られる場合があります。
 
偏光フィルターは通常濃度測定のみに使用し色彩値測定(たとえばL*a*b*測定)には使用しません。
偏光フィルターの役割は測定する光の成分から表面反射の影響を除きます。 
ですから、印刷物測定の場合、色材内部からの反射のみを評価したい場合に使用します。 印刷された基材(用紙)上のインキフィルムの塗膜内にどれだけ色材が含まれているかを判断する場合に有効なのです。
 
偏光フィルターによる測定の仕組みは、たとえば、照明する光をあらかじめ特定の方向に直線偏光させておいてからサンプルに照明します。
そうしておいて、受光側では照明側の偏光とは直交ニコルの方向性を持つ偏光フィルターを通して受光します。
 
通常、印刷物の観察のモデルおよび測定器の受光モデルは、図-9のように表面からの反射光と色材内部(基材での散乱も含む)からの内部反射の2つの要素を同時に受光して評価しています。
表面反射はインキがぬれた状態のウエットの場合と、乾燥後のドライの状態では反射状態が大きく変化します。 乾いたアスファルトの道路に水を撒くとアスファルトが濃く見えるようになりますが、これは、アスファルトの表面が撒かれた水によってスムーズになるため、表面反射が正反射方向に集中することで目に受光される表面反射の光量が小さくなるために生じます。 一方、色材内部からの内部反射は乾燥の前後で大きな変化はありません。このため、インキフィルム塗膜内の色材量を特定するには表面反射を除去した内部反射のみの測定が都合が良いのです。
 
 
POLフィルターなしの照明と受光
図-9 POLフィルターなしの照明と受光
 
POLフィルターを使用した測定では図-10のように表面反射の成分は受光器前のPOLフィルターでカットされてしまいます。 これは表面反射の光の性質が照明光の性質と同じ*ため、直交ニコルに配置したPOLフィルターをすり抜けることができないためです。
 
 
POLフィルターを使用した照明と受光
図-10 POLフィルターを使用した照明と受光
 
* 一般的に光子自体は特定の偏りを持っているとされています。ただ原子が放出する1つの光子は〖10〗^(-8)秒程度なので次から次へと放出される光子で構成される一連の光では平均化されて特定の偏りがありません。
POL測定では、直線偏光子などを使用して特定方向に偏りを持たせた光を照明として用います。
 
表面反射における反射光の偏りは、照明光の偏りと完全に同じというわけではありません。
たとえば、入射光面内に偏った光は屈折光の角度と直角となるブルースター角では全く反射されないため、偏光後の照明光から表面反射される光の一部は失われてしまいます。しかしながら、そうであったとしても、表面反射からの光は受光器前のPOLフィルターでブロックされてしまうため、内部反射のみの特性を受光できるということに変わりはありません。
 
このようなPOLフィルターのもう1つの大きな特徴は、高濃度部における濃度と色材濃度(インキ膜厚)との線形性の改善にあります。高濃度部ににおいては表面反射の影響が大きくなります。
つまり,暗い部分では表面からの少しの反射光でも濃度値に大きな影響をもたらすのです。
このため図-11にあるようにPOLなしの測定では高濃度部で濃度が頭打になり線形性が悪くなります。
これに対してPOLを使用した測定では方面反射による不要な拡散光が受光されないため高濃度部においても比較的良好な線形性を確保できることになります。
 
 
高濃度部におけるPOLあり/なしによる線形性の違い
図-11 高濃度部におけるPOLあり/なしによる線形性の違い
 
POLフィルターを使用した測定は、濃度でインキ膜厚(色材濃度)を管理するには効果的な方法といえます。
このため、印刷機の壷管理用の測定に(特にウエット・オン・ウエットのオフセット枚葉印刷では)多く使用されています。
ただ、私たちの実際の見た目の濃度は表面反射を含んだものを観察しています。このため、見た目との相関性を重視した濃度測定ではPOLを使用しません。また、色彩値測定などではPOLを使用した測定値は使用されません。
(POLを使用した色彩値はISOの色彩値とは認められていません。)
 
濃度測定にPOLを使用すべきか、使用すべきでないかは状況によります。
印刷の生産品質管理としては使用する価値は十分にあると思います。
しかし、かならずしもPOLを使用しなければならないということは無いと思います。
POLを使用しない場合のウエット濃度の測定では,ウエット濃度とドライダウン後の色彩値(L*a*b*)との相関をあらかじめキチンととった上で自社基準濃度(ハウス・スタンダード)を設定しておくことが重要になります。
 
いずれにしても、POLを使用した濃度測定を使用するか、POLを使用しない濃度測定を使用するか、どちらかにキチンと決めて運用することが重要になります。
 
16 3月

中間色を「モニタで見た色」で印刷するには?-分光測色計が拓く次世代印刷-

「モニタで見た色と、印刷した色が違う」

こんなトラブルを経験したことはありませんか?

 

特に微妙な色合いである中間色については「印刷したらイメージが変わった」とガッカリする方が少なくありません。

 

マンガ同人誌の印刷で定評を得ている「有限会社猫のしっぽ」も、そんなトラブルに悩まされた企業のひとつです。

 

元々同人誌の製作側で、「自分達のニーズに合う印刷会社がない」と事業を立ち上げた同社。

顧客の求める仕上がりのために、Canonオンデマンド印刷機「imagePRESS C7000VP」、KOMORIオフセット印刷機「リスロンLS26」等の最新鋭機も導入してきました。

 

ただオフセット機・データ機それぞれで印刷を行うと、色合いに差が出てしまうことも。

またマンガ原稿では、グレイ・ブラウンといった中間色の使用が多いのも問題でした。

 

個人制作者の場合、色確認をCMYKではなくRGBのみで済ませる人が少なくありません。

結果、特に中間色について「作ったデータと違う!」と言われる--こんなクレームが増えてしまったのです。

 

この問題を解決すべく、同社は「JapanColor認証」を取得を決意。

認証には中間色測定が不可欠であるため、エックスライト社の最新型分光測色計『eXact』が導入されました。

 

中間色の複雑な色合いも、『eXact』なら数値としてカンタンに確認できます。

顧客にJapanColorによる色指示を依頼し、『eXact』で確認を行う--

この方式を採用したことで、「色合いが違う」というトラブルは殆ど見られなくなったのです。

 

また『eXact』によって複数機での仕上がり差が無くなり、より細かいニーズにも対応可能となりました。

例えば販売までに余裕がある時には、コストの安いオフセットを。

販売間近となったら、オンデマンドで追加依頼を…こんな注文も増加し続けています。

 

「モニタで見たままの色が出せる!」

「猫のしっぽ」の評判は、今やマンガ同人誌界隈で揺るぎないものとなっています。

eXact』がその評価を支えていると言っても、過言では無いでしょう。


2 3月

メタリック素材への印刷における効果的な色管理

あなたがスーパーで,たくさんの新しいスナック菓子の中から1つ選ぶとしたらどのような基準で選択するでしょうか?特徴的で目に付くパッケージが大きく気を引くことは間違いないでしょう.
 
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製品パッケージのカラーと素材はブランドが成功するための大きな鍵となります.近年,メタリック素材のようなパッケージが特に注目を集めています.消費者にとっては魅力的なデザインですが,印刷会社にとってはコストが高く,色管理の難しいチャレンジングな仕事になります.
 
紙ベースの印刷では十分な品質のカラーマネージメントワークフローを構築していても,メタリック素材への印刷となると話が変わります.しかし,それはあなたの会社だけではありません.ベースとなる素材(基材)の反射特性が大きく異なる場合,その印刷・色管理のワークフローは必ずしも同じものではありません.
それでは,メタリック素材への印刷では一般的な印刷の色管理と,どこがどう違うのかを見てみましょう.
 
 

1. メタリック素材へ印刷する場合の3つの良くある間違い

 

間違いその1) 45/0測色計の使用

 
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45/0の測色計ではミラー表面の色を正確に捕えることができません.
 
45/0は測定器の光学幾何条件,つまり,どの方向から光をサンプルに照射し,どの方向でサンプルの反射する色を捕らえるかという条件です.45/0はサンプルの法線(垂直)方向から45°の角度で照明し,0°の角度で受光することを意味します.
紙やフィルムへ印刷する多くの印刷現場では,45/0の測色計で正確な色品質の特徴を捉えることが可能です.これは,この測定方式がインキ膜内や紙(基材)で均等に散乱された光の代表的な一部を捉えて評価するためです.また,紙の印刷では,正反射方向の反射はサンプル表面からの反射が主で,照明の特性そのものが反射されるだけになります.一般的に人はこの方向を避けて色を評価します.しかしながらメタリック素材での印刷では,反射された光は正反射方向に集中し,45°方向からの照明ではサンプルの法線方向(0°方向)にはほとんど光が反射されません.このため,メタリック素材へ印刷したサンプルを45/0の測色計で測定すると非常に暗い色(ほぼ黒)として測定されてしまいます.
 
さらにインキの色材濃度(原料の投入量)による複雑さも加わります.インキを追加で投入していくと,インキにより多くの光成分が吸収されます.インキの透明性のため,インキ内では光は部分的に吸収され,散乱は概ねベース素材(基材)によってもたらされます.このため,紙を使用した印刷では異なるインキの投入量でも結果が予測しやすいものとなりますが,メタリック素材の場合,この予測が大変難しいものとなります.
 

間違いその2) 白インキの先刷り

 
白インキを最初に印刷し,その上からインキをかぶせる.理論的には正しいやり方ですが,現実的には非常にコントロールの難しい印刷となります.なぜなら,この印刷方式の品質を左右する白インキの隠蔽能力を面内全体で均質に保つことはきわめて難しいからです.
 

間違いその3) 目視での品質評価

 
高反射素材の目視評価というのはほぼ不可能といえます.パッケージをある方向に持って目視評価したときOKの色が,横に向けたり,太陽光の下に持ち出して観察したりすると色が変化してしまいます.あなたの意見では合格で問題の無い色かも知れませんが,ブランドオーナーが同じようにサンプルを観察評価するとは限りません.最終的な色はお店の他のパッケージとマッチングがとれているでしょうか?
 
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メタリック表面の色を管理するには,いつもとは違うワークフローを導入する必要があります.違うツールも必要になります.
 

2. メタリック素材への印刷における3つのポイント

 

ポイント1) 積分球測色計の使用

 
45/0測色計とは異なり,積分球タイプの測色計では全ての方向からの反射光を補足し正確に測定します.このタイプの測色計のもうひとつのメリットはSCI・SCEという2つの異なる測定方式を利用できることにあります.(SCIはSpecular Includeを意味し,サンプルからの正反射光を含んだ全方向からの反射光測定を行います.また,SCEはSpecular Excludeを意味し, SCEから正反射光の成分を除いた,しかしながら,大きく見るとやはり全方向からの反射光測定を行います.)
 
多くのユーザーがこのSCIを使用してメタリック素材上の色を測定しています.なぜなら,金属というのは正反射方向に色の特性が反射されるためであり,また,この測定方法が最も安定した測定結果が得られるためでもあります.しかしながら,最近の積分球測色計には,さらにさまざまなフレキシブルで便利な機能や計算方式が採用されています.是非,SCI/SCEによる多彩な機能をチェックしてみてください.このような機能はまた,いずれかの機会にこのコーナーでご紹介したいと思います.
 
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 積分球測色計Ci64はメタリック素材上の色の判定に最適なツールといえます.
 

ポイント2) 基準色のデジタル化

 
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紙の上の印刷同様,数値による色の管理により,間違いの入り込む要素をできる限り除いていきましょう.基準色をデジタル化することで全ての工場間で,また,クライアントとの間のコミュニケーションで生産色を正しく比較検討することが可能になります.
 
デジタルによる安定した基準が確定すれば,インキのレシピを合理的に確定することができます.このプレスレディーインキ(配合調整済みインキ)をセットすることで,調色担当者がプレス上でインキの振れを補正する必要がなくなります.このことはまた,プロセスの変動要素の評価を簡単にします.つまり,いつも同じインキが供給されているのであれば,変動要素はおそらくプロセス側ということに特定することができます.
 

ポイント3)ソフトウエアを使用した変動のモニターと管理

 
X-Rite ColorCertやColor iQCのようなソフトがプロセスの変動成分をモニター,トラッキングするうえで非常に役に立ちます.多くの場合,許容範囲や許容限界が品質管理者やブランドオーナーによって設定され,生産における色差(ΔE)の変動を簡単にすばやく確認することができるようになります.
 
数値的にモニタリングすることで色の変動の傾向を認識し,トラックし,把握することができます.ソフトウエアの使用は,さらにメタリック素材への印刷で目視では気が付きにくい以下の点を明確にします.
 
測定の一環として白色度を測定することで,下地白の品質を定義,管理することができるようになります.
 
・オーバーホワイトとオーバーブラックの測定により白の隠ぺい力を確認します.メタリック素材上の白の隠ぺい力は非常に重要で背後のメタリックをどれほど覆い隠す能力があるかをチェックします.
 
・インキ着色力の測定は,どこに問題があるかを明らかにします.色がばらついていますか?着色力の変動はインキの色材濃度(インキ膜厚)の問題ですか?着色力の測定は濃度測定だけよりも多くの情報をもたらします.
 
・SCIとSCEの比較により光沢のレベルを評価することができます.最近の積分球測色計ではSCIとSCEを同時に測定するため,ソフトウエアを使用したこれらの比較により光沢レベルをチェックすることができます.
 
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メタリック素材のCi64による測定.上はSCIの測定による色で,下がSCEによる測定の色.SCIには正反射光の要素が含まれて測定しているため,下のSCEよりも明るくなっています.
 
メタリック素材への印刷は非常にポピュラーになってきていて,すぐには無くなりそうにありません.これらの3つのガイドラインを参考に高反射素材への印刷への品質管理にお役立てください.
 
By MARK GUNDLACH 
Solutions Architect
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