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色管理(カラーマネジメント)のプロ、エックスライトジャパンのblog

色管理(カラーマネジメント)のスペシャリスト エックスライトジャパン社のブログです

カラーマネジメント印刷

25 8月

16_均等な色空間の試み

今回は前回説明した色彩値CIEXYZから均等な色空間への試みを説明しようと思います。
その前に、前回求めたCIEXYZで現される3次元の色空間でした。3次元の空間というのは人間にとってその位置関係を想像しにくいため、この3次元空間を特定の平面で切り取って、分かりやすい2次元平面として提示するxy色度図がよく利用されるようになっています。
 
この馬蹄形で有名なxy色度図(図-36)は皆さんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか?
このxy色度図はCIEXYZから下の簡単な変換式から求められます。
 
xy色度図の変換図
 
ここで求められたxを横軸に、yを縦軸としてプロットすることでCIEXYZを2次元座標にプロットすることができるようになりました。
これはちょうどXYZ直交座標系においてX+Y+Z=1で切り取った面にXYZを投射した2次元平面を表しています。
 
 
xy色度図
 
図-36 xy色度図
 
この色つきの色度図は色を正しい色を表していないため、色彩屋さんたちは上のようにカラーで表示される色度図を嫌います。あまり重要なことだとは思いませんが...。ですので、図-37のように白黒の色度図を使用しましょう。
 
ここで、上側の曲線はスペクトル色(単色)を表すスペクトル軌跡と呼ばれます。その上にプロットされている数値はスペクトルの波長を表しています。
点線は輝度が0となる純紫軌跡と呼ばれます。
人の目に知覚される色はすべてこの馬蹄形の内側にプロットされることになります。馬蹄形の中心に行くほど彩度が失われ無彩色になります。
 
 
白黒のxy色度図
 
図-37 白黒のxy色度図
 
X,Y,Zの値を入力すると色度図上にプロットされるものを作ってみました。遊んでみてください。
 
このように作成されたXYZ色空間と、そこから派生したxy色度図により色を数値で指定するすることができるようになりました。しかし、これらの色空間や色度図にマンセルの視覚的に均等に配置された色をプロットしてみると、この色空間はどうも私たちの視覚に対して均等な空間になっていないようでした。
 
たとえば、視感反射率となるXYZのYをマンセルの明度をあらわすバリューのVと比較すると図-38のように非線形な関係になっていました。
 
 
視感反射率Yとマンセルバリューの比較
 
図-38 視感反射率Yとマンセルバリューの比較
 
このグラフを良く見るとY=20 でV=5で真ん中ぐらいの明るさになっています。つまり,20%ぐらいが白になると人は概ね半分ぐらいの明るさに見えることになります。
写真のグレーバランスカードは18%グレーのカードを使用していたのはこのためです。
また、5本に1本ぐらい白髪が生えると「ずいぶん白くなりましたねー」と言われるのもここに原因があります。
 
色度のほうもマンセルの均等に配置された色のxy色度図へのプロットが円形とはならず、図-39のように少し歪ん楕円となっていますし、マンセルの同一色相線が直線になっていません。
 
 
xy色度図にプロットした等間隔のマンセル色
 
図-39 xy色度図にプロットした等間隔のマンセル色(V=5)
 
このような均等でない色空間は、色彩値の絶対値はもとより、色を生産する産業界にとってより重要な役割を持つ色差の計算に悪い影響を与えてしまいます。
このため、色彩学者はより均等な色空間を求めて改善を重ねることになります。
 
途中さまざまな均等色空間への挑戦が試みられますが、最終的に1976年にCIEから現在最も広く使用されているL*a*b*の色空間が提案され、多くの色管理の現場で使用されています。
 
XYZからの変換式は
 
L*に関しては、
 
XYZからの変換式L
 
a*,b*に関しては、
 
XYZからの変換式a*b*
 
ここで
 
XYZからの変換式
 
(X⁄Xnおよび f (Z⁄Znに関しても同じ
 
ここでXn Yn Znはイルミナントの白色点のX,Y,Zを意味します。
 
となります。
 
こうして求められたL*a*b*の色空間は図40のように明度のL*とマンセルバリューにはほぼ線形の関係がとられていると共に、図41のようにa*-b*色度も概ねマンセルの色票を円形に配置するよう均等な空間となっています。
 
 
xy色度図にプロットした等間隔のマンセル色
 
図-40 L*とマンセルバリューの関係
 
 
xy色度図にプロットした等間隔のマンセル色
 
図-41 a*b*色度図にプロットした等間隔のマンセル色(V=5)
 
L*a*b*空間の特徴を以下に挙げておきます。
  • L*は明度をあらわす軸
  • a*は緑―赤軸で(+)方向に進むと赤の色味が強く、(-)方向に進むと緑の色味が強くなる
  • b*は緑―赤軸で(+)方向に進むと黄の色味が強く、(-)方向に進むと青の色味が強くなる
  • XYZからの非線形な変換によって数値計算によって導出することができる
  • 知覚的に概ね均等な色空間である
  • イルミナントの白色点Xn,Yn,Znで正規化されているため,白はどの照明でも同じような値となる
  • へリングタイプの反対色ビジョンセオリーへの対応が盛り込まれている
 
 
L*a*b*色空間
 
図-42 L*a*b*色空間
 
具体的には図-42にあるような色空間になっています。
 
 
24 8月

余ったインクを捨てていませんか?もう一度使えます!

ブランドオーナーは、消費者の目にとまる商品パッケージを日々求めています。そのため、印刷会社は、印刷時間を短くし、特殊な色材で、正確なカラーを実現することを求められています。多くの印刷会社が、インク調色(インクの色)に多くの時間を費やし、色が正しくないときには、そのインクを捨てることになります。
このサイクルで立ち往生してしまうと、実質的にインク代を2倍支払わなくてはなりません。購入しては廃棄する、この廃棄物が経済にまたは地球に与える影響はどのようなものでしょう?
 
今日は、インク調色ソフトウェア(インクカラーソリューション)の残インク管理機能がどのように在庫と廃棄物を削減し、廃棄コストを抑えることができるのかご説明します。
 
 
インクカラーソリューション
 

手動でインクを調色していますか?

 
コンピューターを使用せずインクを調色している方は、正しい色を得るために約12回ほどの試行錯誤が必要なのはご存知かもしれません。コンピュータによるカラーフォーミュレーションは、試行錯誤の回数を劇的に減らしてくれます。正しいプロセスを確立すれば、最初のトライで、ある程度の色差に近づけ、要求の95%の一致を期待できます!
 
 
カラーフォーミュレーション
 
インク調色ソフトウェア(インクカラーソリューション)をセットアップしましょう。まずは基本色のデータベース作成に役立ちます。そして、生産過程では、調色レシピを生成し、そのレシピに強弱をつけ、無駄を最小限に抑えた最も効率的なインクワークフローを作ることに貢献します。
弊社のブログをチェックしてください。コンピュータによる調合の用意はよろしいですか?
 

余ったインクが眠っていませんか?

 
さらなるコスト削減を達成してくるのは、残インク管理機能です。実際にインハウスの色から新しい調色を行うためのガイドを与えます。
 
方法は次のとおりです。
 
1 - 分光測色計を使用して、余ったインクを測定します。 IFS(Ink Formulation Software)が今後のレシピで使用するためにデータをライブラリに追加します。
 
 
データをライブラリに追加
 
2 - あなたが本当に取り除きたいインクがある場合、レシピでその色を指定することもできます。
 
 
残インクの管理機能
 
以上です。残インクの管理機能は、特殊インクの在庫を減らし、誤った調色や再印刷を減らし、製造時間を短縮することを意味します。
 

試してみませんか?

 
詳細については、IFS(Ink Formulation Software)について弊社へお問合せください。


14 8月

14_色彩値の2°と4°?

前回の話で人の視覚の波長応答特性としてCIERGBの等色関数ができたとこまでを説明しました。
それは、こんな感じの応答特性でした。
 
 
RGB表色系の等色関数
 
図-30 RGB表色系の等色関数
 
このCIERGB表色系の等色関数は一部に負の刺激値を含むため、計算機の発達していない1931年当時では計算が複雑になりがちでした。 そこで、どのみち生理錐体の応答特性そのものではないのだから、「さらなる線形変換をしても特に文句は無いでしょう...」ということで、全ての関数の値が正(非負)になるよう新しい仮想の原刺激[X],[Y],[Z]を定義し、CIEXYZ表色系を導入しました。
 
RGB表色計からは
 
20170810 jp
 
という行列変換によって線形一次変換で求められるようになっています。
結果として得られた等色関数は図-32のようになりました。
 
 
CIEXYZ表色系の等色関数
 
図-32 CIEXYZ表色系の等色関数
 
これにより、r ̅(λ),g ̅(λ),b(λ)からx ̅(λ),y ̅(λ),z ̅(λ)が求められました。この際、y ̅(λ)を明所視での分光視感効率のV(λ)*と同じにしたことで、Yの値が放射測定では、測光量の輝度を表すように工夫されました。また、反射測定では完全拡散反射面でY=100になるよう正規化することでYが視感反射率になるようになっています。
 
* 分光視感効率V(λ)は555nmの感度を1とした平均的な人間の波長感度です。
 
このCIEXYZ表色系は、それまでのGuildとWrightがおこなった被験者17人(それぞれ7人と10人別々におこなった実験) による平均値が使用され1931年にCIEにより定められました。この際、目の中の錐体のなかで色覚能力の高い中心窩から立体角にして2°の領域が調べられました。
 
しかし、中心窩のあたりには黄斑色素が存在し他の領域と色覚が異なること、また、2°視野の観察条件は極めて狭い範囲の色覚であり、人は通常もっと広い範囲で色覚判断をしているという観点から1964年に10°視野での等色実験が実施されました。

1931表色系の実験が17人の被験者全て白人の20代男性で,色覚異常テストがおこなわれていなかったことに関しても再実験をする必要があったようです。

 
その結果、1964年の等色関数は1931年のものとは少しばかり異なる応答特性となりました。
この表色系はX10 Y10 Z10表色系と呼ばれています。図-33に2°視野と10°視野の応答特性の違いを示します。
 
 
視野と10°視野における等色関数の違い
 
図-33 2°視野と10°視野における等色関数の違い
 
さて、ここで2つの応答特性が登場したわけですが、どのように使い分けるのでしょうか?
 
それは、色を評価する対象が4°以下の視野を使用して色を評価する場合では2°視野を使用し、4°以上の視野を用いて色を評価する場合は10°視野を使用するということになっています。
グラフィクスの場合、均一な色の領域は比較的小さいため2°視野を使用します。一方、車のボディー色(自動車 塗料)のような大きな領域で均一な色が使用されている場合、10°視野を使用します。
ただし、グラフィクスの業界でもスクリーン印刷などでは10°視野を使用するのが一般的になっています。
現実的には、実際に評価する色の領域の大きさ(カラー評価)というよりも、コミュニケーションする業界がどちらの等色関数を慣習的に使用するかで決まってしまいます。
 
このように2°の等色関数を持つ仮想的な観測者をCIE1931標準観測者もしくは2°視野標準観測者と呼び、10°の等色関数を持つ仮想的な観測者をCIE1964標準観測者もしくは10°視野標準観測者と呼びます。
 
ということで、3つの要素の概略を説明してきましたが、これで3つの要素から色彩値を求める準備が整いました。
次回はこの3つの要素からどのようにして色彩値が導かれるかを説明します。
 

5 8月

大手FMCG(日用消費財)メーカーが教えてくれたパッケージのブランド・カラー・レッスン

グローバルなパッケージング(包装)サプライチェーンで2,000色以上のブランドカラーを管理(色管理)しようとすると、どうなるでしょうか? とても複雑なことになってきます!
 
 
ブランドカラーを管理
 
最も近いカラーマッチを見つけるためにデータベースやカラードローダウンのファイルをひっくり返し探すより、新しい色を作成するほうが簡単かもしれません。しかし、後で、管理不能な巨大なライブラリーができてしまう問題が発生します。
X-Rite社のクライアントの一つで、誰もが知る大手消費財生産会社は、物事がいかに簡単に制御不能になるかを理解していました。 彼らは、独自のカラーライブラリーを使用することで生じる時間とコストの非効率性を克服しようと戦っていただけでなく、ブランドカラーの作成、伝達、管理の標準化に欠けていることを知っていました。生産コストは高く、品質は悩ましいものでした。 彼らは何かを変えなければならないことを分かってはいましたが、どこから始めるべきか知りませんでした。 そんな時、私たちはクライアントに出会いました。
今日、私たちの予測を超えた成功事例を共有しています。
 
カラーライブラリーが制御不能になるとどうなるでしょうか?
クライアントである会社の代表者は、2000色以上のカラーライブラリーを発展させることが意味することをこう説明します。「私たちは独自のカラーライブラリーを使用して、Pantone社が50年以上にわたって仕様と伝達を標準化してきたことと、本質的に同じことをしているのだと気づいたのです。 」品質も悩ましいものでした。 プロジェクトを開始する前に、我々は新しく作られたばかりの歯磨き粉のパッケージ(チューブ)をカラーサートのスコアカードColorCert Scorecards評価(カラー評価)しました。 得点は100点中14点~25点と、合格点数の50点にも達しませんでした。
 

PantoneLIVEが改善します!

PantoneLIVEは、印刷会社やパッケージ(包装)印刷会社が、サプライチェーン全体を通して正確で達成可能な色を共有することを可能にします。(パッケージのカラーマネジメント) 共通のカラースタンダードを使用することで、ブランドオーナー、デザイナー、印刷担当者は、異なる基材、インク、印刷機、で達成可能なものは何かを正確に把握し、色を管理することができます。
PantoneLIVEを使用し、当社のサービスを活用することで、この会社はカラーライブラリーを統合し、基材、色材、印刷方式にあわせたスタンダードをPantone Colorsにマッピングし、カラー伝達プロセスを標準化しました。 これから、それを実現するため採用したカラーマネジメントサービスについてお話ししましょう。
 
 
カラーマネジメントサービス
 

1 - 私たちはアナログ的に集められていたファイルから、デジタル値を集めました。

 
その後、各色の分光データをPantone Colorsへ、クライアントの指定した許容範囲内でマッピングしました。 ブランド固有のカラースタンダードからPantoneに移行することで、無駄な余剰を減らし、より種類の限られた、管理しやすいパレットに仕上げました。
 

2 – 近い色を統合することで、カラーを合理化しました。

 
合理化とは、カラーライブラリーを分析し、事実上同じような色のデータを統合するサービスです。 この合理化されたカラーセットが標準のPantone®マッチングシステム(PMS)のマスターカラーにマッピングされ、PantoneLIVEで参照できるようになります。 ブランドカラーがPMSカラーにマップされていない場合、PantoneLIVEプライベートライブラリーにカスタムカラーを追加できます。 このビデオ(英語)では、X-Rite Pantone Senior Color Scientistの Edward Hattenbergerが、カラーライブラリーの合理化とマッピングの多くの利点について説明しています。
カスタムカラーとPantone Colorが類似している場合は、Pantone Colorに置き換えました。色差がはっきりと認識できるほど大きい場合、ブランドオーナーは最も近いPantone Colorに置き換えるか、新しい色を作成するかを選択できます。私たちは最終的に約100色の新しい色を作成しました。約3分の2がPantone Libraryに標準Pantone Colorsとしてインポートされ、残りの色は会社固有のものになりました。 最終的に、カラーの合理化によって当初2000色以上もあったパレット色の数が元の約半分に減ったのです!
 
 
カラーを合理化
 

3 - 印刷サンプルをカラー評価し、比較しました。

視覚的評価に加え、実際の印刷サンプルとPantoneLIVEのデジタルな従属スタンダード(基材やインク印刷方式を考慮したターゲット)と比較しました。
 

4 - サプライチェーンで全ての人が同じカラーソースにアクセスできる。

これはPantoneLIVEの素晴らしい機能の1つです。サプライチェーン全体で誰もがデジタルカラーライブラリーを利用できるようにする機能です。
 

めざましい結果

ついに、この会社はカラーライブラリーを約2,090色から1,035色に縮小しました。 これは、デザイナー、代理店、ブランドマネージャー、プリンター/パッケージングコンバーターが、幅広い色から選択し、伝達する、より迅速でより費用対効果の高い手段を手にしたことを意味します。
 
 
カラーを合理化
 
ブランドオーナーは、新しいプロジェクトや印刷品質を評価するために、指先ひとつでカラーデータを取得できるようになりました。 デザイナーは、PantoneLIVE Visualizerにアクセスすることができます。PantoneLIVE Visualizerは、選択された色が異なる基材、インク印刷方式上、異なる照明条件下で、どのように表示されるのかを見ることが出来るアプリケーションです。 また、印刷担当者は生産全体の一貫性を管理できます。
 
しかしおそらく、最も劇的な変化は、品質の向上です!デルタE 12という高い値からデルタE 0.98という平均値まで下げることが出来ました。冒頭でお話した歯磨き粉のパッケージを覚えていますか? PantoneLIVEを実施した後、同じ歯磨き粉チューブの最初のColorCert Scorecardは、100のうち89点まで向上しました!
 
このパイロット・プロジェクトが成功した後、同社はプリントサプライチェーン全体でこのプロセスを展開し始めました。 「現在、標準的な操作手順があり、X-Rite Pantoneのカラー専門知識を活用し、品質が飛躍的に向上しています。 これにより、市場投入までの時間を短縮し、全体的なコストを削減することができました。 また、Pantoneはライブラリーに色を追加できるため、我々は必要に応じて独自の色を作成することができます。 これは、全体的な品質と効率に大きな違いをもたらしました。Xrite社の援助なしには達成できなかったでしょう。」
 

PantoneLIVEに興味がありますか?

 
PantoneLIVEの利点を得るために、2000色のカスタムライブラリーが必要な訳ではありません。 X-RitePantoneが店頭でブランドが際立つパッケージ作りをお手伝いできるかについて、お気軽にお問合せください。 PantoneLIVEで優れたブランドカラーを達成する方法の詳細については、以下の無料のリソース(英語)をご覧ください。
 

◆ on-demand webinars (オンデマンドのオンラインセミナー)

 

◆ blog(ブログ)

 

◆YouTube

30 6月

なぜ印刷された色が違って見えるのか:計測の必要性

もし世界がパーフェクトな世界だったら、印刷機にインクを入れて印刷したとすれば、一貫した色が実現できるでしょう。しかし残念なことに、フレキソ印刷およびグラビア印刷作業は毎年、正しい色を得るためにインク、基材および印刷にかかる時間を無駄にしています。
 
 
カラー管理の8つの注意点
 
技術の進歩によって正確な色へ到達するのは容易になりましたが、色に影響する不確定要素は依然として存在します。このシリーズでは、色が違って印刷されしまうことの多くの理由を紹介していますが、今日のトピックでは、印刷のカラー管理の8つの注意点を掲載しています。
 

1 - 間違った機器の選択

私たちのeXact500シリーズ製品グループのような0°/ 45°のエックスライト 分光測色計は、印刷やパッケージング カラーマネジメントの分野で非常に人気があります。しかし、ポリまたはアルミフォイルのような反射材料やメタリックインクによる印刷の場合は、積分球分光測色計を使用する必要があります。
 
 
積分球分光測色計
 
反射面は、光沢の効果を受けて、実際のサンプルの色の見え方を変えてしまう可能性があるため、難しくなります。0°/ 45°分光光度計は、光沢を除外して測定するため、0°/ 45°でホイルを測定すると、本来の色とは違った値が得られてしまいます。ポータブル積分球分光測色計 Ci64のような積分球測色計を使用すれば、正反射を含めたり除外したりして測定できるので、人間の目に見える色と一致させることが出来ます。私たちのブログ「反射面を測定する効果的な方法」(英語)をご覧ください。
 

2 - キャリブレーションされていない、または故障した機器の使用

キャリブレーションが不十分な機器、特にうっかり落としてしまったような機器は、間違った値を示すことがあります。計測器が正しく読み取れない場合、またキャリブレーションを頻繁にしていない場合、その値をもとにしてカラーマネジメントソフトウェアが正しいとする色を作ったとしても、あるべき色と違ってしまう可能性があります。
 
 
定期的にキャリブレーションを行う
 
このよくある問題は、適切なデバイスメンテナンスで簡単に解決できます。少なくとも使用者が変わる前ごとに、定期的にキャリブレーションを行うことが大切です。計測器が正しくキャリブレーションされない場合、または測定値が実際の値とあまりに遠く離れている場合は、おそらくサービスの対象となります。私たちのブログ「分光測色計のお手入れ」(英語)では、私たちエックスライトのサービスや品質保証について説明しています。
 

3 - 間違った光源設定の選択

常に「サンプルを観察する光源」と「測定器の光源」を同じように設定することを忘れないでください。ほとんどの印刷施設は、D65/10°の正午の太陽光やD50 / 2 °の地平線の日光のもとで色をチェックしますが、時には前もって独自の許容範囲を指定されることもあります。印刷作業を開始する前にこれを確認してください。
 

4 - 適切なデルタEを設定する

Delta E CMCは1988年に開発されて以来最も人気がありましたが、現在はデルタE 2000がその役割を牽引しています。この新しい計算式は、カラーサンプルの測定に関してより寛容です。詳細については、エックスライトのブログ「許容ブログ」(英語)をご覧ください。 一部のワークフローでは、顧客によってデルタEの計算を切り替える必要があります。前印刷準備の忙しさの中で、忘れられてしまいがちなポイントです。
 

5 - バッキング(測定サンプルの下に敷くもの)を選ぶ

プリントサンプルを何の上に置くかは非常に重要です。多くのサンプルは完全に不透明ではないため、測定器は背景からもカラーデータをピックアップし、測定結果に影響を与えてしまいます。バッキングを使用すると、計測器は測定したいカラーデータのみを読み取ることができます。
ステンレススチールや木製のテーブルは良い背景ではありません。一貫した測定のためには、常に同じ黒または白のバッキングを使用してください。ISO認証バッキング材を購入することもできますが、ホームセンターでセラミックタイルを購入して使用するのも良いでしょう。ただし同じロットの色であることを確認するようにしてください。また、標準値の測定を印刷側で使用するのと同じバッキング材で測定することも忘れないでください。
 
 
カラー測定デバイス
 

6 - 手動によるL * a * b *値の入力

これもよく見られる問題です。印刷担当者へ色を測定したときの反射率データを含まないL * a * b *値を送ってしまうと、いくら印刷担当者が手動で標準のL * a * b *値を正しく入力しても、最終的な色が正しく出ない可能性があります。 カラー測定デバイスを使用してカラーマネジメントソフトウェアに標準を読み込み、.mifまたは.cxfファイルとしてエクスポートするのが最善の方法です。これらのファイルは、クライアントとの間で簡単にメールでやりとりすることができ、誰もが反射率データを含む同じ、デジタルの基準色から作業することを可能にします。
 

7 - 誤ったフィルタ(M0、M1、M2、M3)の使用

紙に含まれる蛍光増白剤を調整するために、ますます多くの印刷担当者が測定器をM1で設定しています。GRACOLを含む業界は、この設定を採用する方向に傾き始めています。もしあなたの印刷担当者が切り替えていない場合、一部の標準値がどちらか一方を使用して入力された可能性があることを理解することが重要です。これらのM設定に注意してオペレーションを行ってください。そして、この設定の切り替えを行うときには、多くの基準値を再入力する必要があるかもしれないことを覚えていてください。
 

8 - 異なる操作手順

これらの手順に従う印刷担当者が1人だけしかいなければ、色の一貫性は保てません。すべてを文書化し、ワークフローに関わる全員に伝える必要があります。標準的な運用手順書(SOPs)は、ロードマップを提供し、問題解決をサポートし、新入社員を訓練するのをはるかに容易にします。SOPsが適切に作成され、実行されれば、シフトやロケーションに関係なく、誰もが分光測色計を同じように操作できるようになります。
 

次回は

「なぜ印刷された色が違って見えるのか」第2部では、基準値とインクに関する問題についてお話しします。引き続きエックスライトのブログにご注目ください。
 


ギャラリー
  • 多角度分光測色計
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  • 09_ビジュアルドットゲインとメカニカルドットゲイン
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  • 08_ドットゲインについて
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  • 08_ドットゲインについて
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