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色管理(カラーマネジメント)のプロ、エックスライトジャパンのblog

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色管理

5 8月

大手FMCG(日用消費財)メーカーが教えてくれたパッケージのブランド・カラー・レッスン

グローバルなパッケージング(包装)サプライチェーンで2,000色以上のブランドカラーを管理(色管理)しようとすると、どうなるでしょうか? とても複雑なことになってきます!
 
 
ブランドカラーを管理
 
最も近いカラーマッチを見つけるためにデータベースやカラードローダウンのファイルをひっくり返し探すより、新しい色を作成するほうが簡単かもしれません。しかし、後で、管理不能な巨大なライブラリーができてしまう問題が発生します。
X-Rite社のクライアントの一つで、誰もが知る大手消費財生産会社は、物事がいかに簡単に制御不能になるかを理解していました。 彼らは、独自のカラーライブラリーを使用することで生じる時間とコストの非効率性を克服しようと戦っていただけでなく、ブランドカラーの作成、伝達、管理の標準化に欠けていることを知っていました。生産コストは高く、品質は悩ましいものでした。 彼らは何かを変えなければならないことを分かってはいましたが、どこから始めるべきか知りませんでした。 そんな時、私たちはクライアントに出会いました。
今日、私たちの予測を超えた成功事例を共有しています。
 
カラーライブラリーが制御不能になるとどうなるでしょうか?
クライアントである会社の代表者は、2000色以上のカラーライブラリーを発展させることが意味することをこう説明します。「私たちは独自のカラーライブラリーを使用して、Pantone社が50年以上にわたって仕様と伝達を標準化してきたことと、本質的に同じことをしているのだと気づいたのです。 」品質も悩ましいものでした。 プロジェクトを開始する前に、我々は新しく作られたばかりの歯磨き粉のパッケージ(チューブ)をカラーサートのスコアカードColorCert Scorecards評価(カラー評価)しました。 得点は100点中14点~25点と、合格点数の50点にも達しませんでした。
 

PantoneLIVEが改善します!

PantoneLIVEは、印刷会社やパッケージ(包装)印刷会社が、サプライチェーン全体を通して正確で達成可能な色を共有することを可能にします。(パッケージのカラーマネジメント) 共通のカラースタンダードを使用することで、ブランドオーナー、デザイナー、印刷担当者は、異なる基材、インク、印刷機、で達成可能なものは何かを正確に把握し、色を管理することができます。
PantoneLIVEを使用し、当社のサービスを活用することで、この会社はカラーライブラリーを統合し、基材、色材、印刷方式にあわせたスタンダードをPantone Colorsにマッピングし、カラー伝達プロセスを標準化しました。 これから、それを実現するため採用したカラーマネジメントサービスについてお話ししましょう。
 
 
カラーマネジメントサービス
 

1 - 私たちはアナログ的に集められていたファイルから、デジタル値を集めました。

 
その後、各色の分光データをPantone Colorsへ、クライアントの指定した許容範囲内でマッピングしました。 ブランド固有のカラースタンダードからPantoneに移行することで、無駄な余剰を減らし、より種類の限られた、管理しやすいパレットに仕上げました。
 

2 – 近い色を統合することで、カラーを合理化しました。

 
合理化とは、カラーライブラリーを分析し、事実上同じような色のデータを統合するサービスです。 この合理化されたカラーセットが標準のPantone®マッチングシステム(PMS)のマスターカラーにマッピングされ、PantoneLIVEで参照できるようになります。 ブランドカラーがPMSカラーにマップされていない場合、PantoneLIVEプライベートライブラリーにカスタムカラーを追加できます。 このビデオ(英語)では、X-Rite Pantone Senior Color Scientistの Edward Hattenbergerが、カラーライブラリーの合理化とマッピングの多くの利点について説明しています。
カスタムカラーとPantone Colorが類似している場合は、Pantone Colorに置き換えました。色差がはっきりと認識できるほど大きい場合、ブランドオーナーは最も近いPantone Colorに置き換えるか、新しい色を作成するかを選択できます。私たちは最終的に約100色の新しい色を作成しました。約3分の2がPantone Libraryに標準Pantone Colorsとしてインポートされ、残りの色は会社固有のものになりました。 最終的に、カラーの合理化によって当初2000色以上もあったパレット色の数が元の約半分に減ったのです!
 
 
カラーを合理化
 

3 - 印刷サンプルをカラー評価し、比較しました。

視覚的評価に加え、実際の印刷サンプルとPantoneLIVEのデジタルな従属スタンダード(基材やインク印刷方式を考慮したターゲット)と比較しました。
 

4 - サプライチェーンで全ての人が同じカラーソースにアクセスできる。

これはPantoneLIVEの素晴らしい機能の1つです。サプライチェーン全体で誰もがデジタルカラーライブラリーを利用できるようにする機能です。
 

めざましい結果

ついに、この会社はカラーライブラリーを約2,090色から1,035色に縮小しました。 これは、デザイナー、代理店、ブランドマネージャー、プリンター/パッケージングコンバーターが、幅広い色から選択し、伝達する、より迅速でより費用対効果の高い手段を手にしたことを意味します。
 
 
カラーを合理化
 
ブランドオーナーは、新しいプロジェクトや印刷品質を評価するために、指先ひとつでカラーデータを取得できるようになりました。 デザイナーは、PantoneLIVE Visualizerにアクセスすることができます。PantoneLIVE Visualizerは、選択された色が異なる基材、インク印刷方式上、異なる照明条件下で、どのように表示されるのかを見ることが出来るアプリケーションです。 また、印刷担当者は生産全体の一貫性を管理できます。
 
しかしおそらく、最も劇的な変化は、品質の向上です!デルタE 12という高い値からデルタE 0.98という平均値まで下げることが出来ました。冒頭でお話した歯磨き粉のパッケージを覚えていますか? PantoneLIVEを実施した後、同じ歯磨き粉チューブの最初のColorCert Scorecardは、100のうち89点まで向上しました!
 
このパイロット・プロジェクトが成功した後、同社はプリントサプライチェーン全体でこのプロセスを展開し始めました。 「現在、標準的な操作手順があり、X-Rite Pantoneのカラー専門知識を活用し、品質が飛躍的に向上しています。 これにより、市場投入までの時間を短縮し、全体的なコストを削減することができました。 また、Pantoneはライブラリーに色を追加できるため、我々は必要に応じて独自の色を作成することができます。 これは、全体的な品質と効率に大きな違いをもたらしました。Xrite社の援助なしには達成できなかったでしょう。」
 

PantoneLIVEに興味がありますか?

 
PantoneLIVEの利点を得るために、2000色のカスタムライブラリーが必要な訳ではありません。 X-RitePantoneが店頭でブランドが際立つパッケージ作りをお手伝いできるかについて、お気軽にお問合せください。 PantoneLIVEで優れたブランドカラーを達成する方法の詳細については、以下の無料のリソース(英語)をご覧ください。
 

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17 3月

06_POL?

POLというのは濃度測定時に使用するフィルターで、Polarization Filterの略で偏光フィルターを意味します。
濃度測定の際にこのフィルターを使用した測定を行うことで有効な情報が得られる場合があります。
 
偏光フィルターは通常濃度測定のみに使用し色彩値測定(たとえばL*a*b*測定)には使用しません。
偏光フィルターの役割は測定する光の成分から表面反射の影響を除きます。 
ですから、印刷物測定の場合、色材内部からの反射のみを評価したい場合に使用します。 印刷された基材(用紙)上のインキフィルムの塗膜内にどれだけ色材が含まれているかを判断する場合に有効なのです。
 
偏光フィルターによる測定の仕組みは、たとえば、照明する光をあらかじめ特定の方向に直線偏光させておいてからサンプルに照明します。
そうしておいて、受光側では照明側の偏光とは直交ニコルの方向性を持つ偏光フィルターを通して受光します。
 
通常、印刷物の観察のモデルおよび測定器の受光モデルは、図-9のように表面からの反射光と色材内部(基材での散乱も含む)からの内部反射の2つの要素を同時に受光して評価しています。
表面反射はインキがぬれた状態のウエットの場合と、乾燥後のドライの状態では反射状態が大きく変化します。 乾いたアスファルトの道路に水を撒くとアスファルトが濃く見えるようになりますが、これは、アスファルトの表面が撒かれた水によってスムーズになるため、表面反射が正反射方向に集中することで目に受光される表面反射の光量が小さくなるために生じます。 一方、色材内部からの内部反射は乾燥の前後で大きな変化はありません。このため、インキフィルム塗膜内の色材量を特定するには表面反射を除去した内部反射のみの測定が都合が良いのです。
 
 
POLフィルターなしの照明と受光
図-9 POLフィルターなしの照明と受光
 
POLフィルターを使用した測定では図-10のように表面反射の成分は受光器前のPOLフィルターでカットされてしまいます。 これは表面反射の光の性質が照明光の性質と同じ*ため、直交ニコルに配置したPOLフィルターをすり抜けることができないためです。
 
 
POLフィルターを使用した照明と受光
図-10 POLフィルターを使用した照明と受光
 
* 一般的に光子自体は特定の偏りを持っているとされています。ただ原子が放出する1つの光子は〖10〗^(-8)秒程度なので次から次へと放出される光子で構成される一連の光では平均化されて特定の偏りがありません。
POL測定では、直線偏光子などを使用して特定方向に偏りを持たせた光を照明として用います。
 
表面反射における反射光の偏りは、照明光の偏りと完全に同じというわけではありません。
たとえば、入射光面内に偏った光は屈折光の角度と直角となるブルースター角では全く反射されないため、偏光後の照明光から表面反射される光の一部は失われてしまいます。しかしながら、そうであったとしても、表面反射からの光は受光器前のPOLフィルターでブロックされてしまうため、内部反射のみの特性を受光できるということに変わりはありません。
 
このようなPOLフィルターのもう1つの大きな特徴は、高濃度部における濃度と色材濃度(インキ膜厚)との線形性の改善にあります。高濃度部ににおいては表面反射の影響が大きくなります。
つまり,暗い部分では表面からの少しの反射光でも濃度値に大きな影響をもたらすのです。
このため図-11にあるようにPOLなしの測定では高濃度部で濃度が頭打になり線形性が悪くなります。
これに対してPOLを使用した測定では方面反射による不要な拡散光が受光されないため高濃度部においても比較的良好な線形性を確保できることになります。
 
 
高濃度部におけるPOLあり/なしによる線形性の違い
図-11 高濃度部におけるPOLあり/なしによる線形性の違い
 
POLフィルターを使用した測定は、濃度でインキ膜厚(色材濃度)を管理するには効果的な方法といえます。
このため、印刷機の壷管理用の測定に(特にウエット・オン・ウエットのオフセット枚葉印刷では)多く使用されています。
ただ、私たちの実際の見た目の濃度は表面反射を含んだものを観察しています。このため、見た目との相関性を重視した濃度測定ではPOLを使用しません。また、色彩値測定などではPOLを使用した測定値は使用されません。
(POLを使用した色彩値はISOの色彩値とは認められていません。)
 
濃度測定にPOLを使用すべきか、使用すべきでないかは状況によります。
印刷の生産品質管理としては使用する価値は十分にあると思います。
しかし、かならずしもPOLを使用しなければならないということは無いと思います。
POLを使用しない場合のウエット濃度の測定では,ウエット濃度とドライダウン後の色彩値(L*a*b*)との相関をあらかじめキチンととった上で自社基準濃度(ハウス・スタンダード)を設定しておくことが重要になります。
 
いずれにしても、POLを使用した濃度測定を使用するか、POLを使用しない濃度測定を使用するか、どちらかにキチンと決めて運用することが重要になります。
 
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