November 12, 2004
『会社はあなたを幸せにしてくれない』 これ本当です
と思ってしまう学生がいます。
残念ながらこれは大きな間違いです。
あなたの人生がバラ色に思えるのは「入社をするその日まで」
です。
希望の会社に入ったからといって、会社はあなたを幸せにして
くれません。
なぜなら会社はあなたの「イコールパートナー」なのであなた
の幸せに義務を負わなくても良いのです。
人気企業に入社することを自慢げに話す学生がいます。
きっと彼らにとっては「入社すること」が目的です。
本当に入社後が心配です。
会社に甘えず、幸せになる努力をしてくれれば良いのですが・・・。
「社員でいるだけ」で幸せにしてくれる・・・そんな幸せな
会社ありませんよ!
幸せはあなたが会社という存在を活用して勝ち取るものです。
October 12, 2004
『コンサル』に騙されやすい学生
コンサルティング業界もしくは外資系金融会社希望とする学生って本当に増えましたね。
ただ、学生のみなさんが「コンサルティング業」だと思っているその仕事、実は「普通の営業」だったりします。
というか、純粋な「コンサルティング業」って求人の1%もありませんよ。
「コンサルティング業」というのは「コンサルティングすることによって」代金をいただける仕事のことです。
みなさんがコンサルティングだと思っている仕事の多くが「顧客ニーズに合った提案を行い、その結果として自社商品を買っていただいたことによって」代金をいただける仕事だったりします。
世の中に「顧客ニーズに合った提案を行っていない営業」なんて、今の時代あり得ません。(実際にはありますが・・・)
ということは営業にとって「顧客ニーズに合った提案をする」というのは当たり前の業務ということになります。
つまり、みなさんが「コンサルティング業」だと思っているのは「普通の営業」ということになります。
コンサルティングファーム以外の求人ではほとんどコンサルティング業を見かけません。
「コンサルティング」ってなんだかカッコイイ響きですけど、職種名に騙されて仕事内容の理解を疎かにしていると、入社後イメージした働き方と全然違うなんてことが起こってしまいますよ!
October 11, 2004
『囚人のジレンマ』に陥らないこと!
これもよく学生から聞かれること。
「〜な場合、どんな回答だと面接官の心証が良いですか?」
かわいそうだけど、こんなこと考えてる時点で君に幸せなビジネスマン生活はないね。
「囚人のジレンマ」ってご存知ですか?
ゲーム理論とか勉強したことのある人なら知ってると思いますが、学問的な理論を省いて、教訓的なところだけ今回の話に合わせて抽出すると「お互いを信用できないばかりに最悪の結果になっちゃう」という非常にアリガタイお話です。
企業と学生の間で行われる面接も「囚人のジレンマ」が起きて「最悪の結果」が大量生産されているのではないかと思います。
企業は自分たちを「良く思わせよう」と(そして、自分たちの虜になった学生からお気に入りだけをピックアップしようと)考え、学生も自分たちを「良く思わせよう」と(そして、まんまと内定を出した複数の企業の中から条件の一番良いところを選ぼうと)考え、お互いの信頼関係ゼロ。
お互いの悪い部分を事前に見せ合わないから入社後、「なんか違うぞ!?」となり、「3年以内に大卒新入社員の3割が退職」なんて最悪の結果になっちゃうわけです。
君が本当の姿をありのまま見せたらどうなるでしょうか?君と企業の相性が合わないままそれに気が付かずに入社してしまうという残念な結果になる確率は2分の1まで下がります(簡単な算数だから各自考えてみてください)。
他人(=企業)を変えることはできませんが、自分を考えることは今すぐにでも出来ます。まずは自分から「本当の姿をありのまま見せる」を実行してみてはどうでしょうか?
「本当の自分」を見せて「OK!」と言ってくれない企業で働き続けることできますか?
『囚人のジレンマ』を脱出するためにはまず本当の自分を見せること。
October 05, 2004
特訓なしでコミュニケーション能力を簡単に上げる方法
前回お話した『コミュニケーション能力』ですが、実は簡単に上げることができます。
ではまずコミュニケーションギャップがよくわかる実験をしてみましょう。A氏がB氏に対して「好きな色を聞く」というコミュニケーションの例です。
A:「Bさん。好きな色はなんですか?」
B:「え〜っと、私は小さい頃からポストやフェラーリのような色が好きで・・・」
さて、これを読んでる皆さん。Bさんの好きな色を想像してみてください。では続きです。
B:「・・・なので黄色が好きです!」
・・・たぶんみなさんは「赤色」を想像したんじゃありませんか?
ポストもフェラーリも赤が有名ですからね。でも、Bさんにとってのポストが道端にあるあのポストでなく、家の郵便受け、それもB家では黄色をしていて、フェラーリは黄色しか見たことがなかったとしたら・・・。Bさんにとってはポストもフェラーリも黄色いモノの代表なのです。
なので上のように答えても(今回の例は極端ですが)おかしくはありません。
Aさんの頭に浮かんだものと、Bさんの頭に浮かんだものが会話を通して違ってしまった・・・。
これが「コミュニケーションにギャップができた」ということです。 では、こんな状態を起こさないで済む簡単な方法はないでしょうか?
それこそが、今回お伝えしたかった方法です。
それも非常に簡単に誰でも体得できる方法。
それは『答えから答える』です。
「当たり前だ!」と思われるかもしれませんが、意外にも「答えから答える」という習慣が身についている人は非常に少ないんです。
かなり訓練されたビジネスマンでないと習慣化していなかったりします。
先ほどの質問に「答えから答える」を使ってみるとこうなります。
A:「Bさん。好きな色は何ですか?」
B:「好きな色は黄色です。ポストやフェラーリのような黄色が小さい頃から好きです」
このコミュニケーションであれば、Aさんの頭には黄色のポストと黄色のフェラーリが話を聞きながら浮かび、Bさんの思い描いているものと一致したままです。
つまりコミュニケーションにギャップは生じていません。
コミュニケーション上手な人の多くは常に答えから答えています。 こんな簡単なことだけでグッとコミュニケーションがスムーズになります。
コミュニケーション能力を上げるのに特訓は要りません。
答えから答えるだけ。
October 04, 2004
コミュニケーション自体を勘違いしてない!?
就職活動・転職活動の際、急に耳にするようになるのが『コミュニケーション能力』という言葉。 文系の学生に「あなたの長所はなんですか?」と質問すれば、多数回答のベスト3に入るくらい「みんな持っていると思い込んでいる」能力です。
ただ、面接する側からすれば本当にコミュニケーション能力の高い人に出会える可能性は10人に1人くらいでしょうか・・・、残念なことに。
では、なぜこんなことが起こってしまうのでしょうか? それは多くの人がインフォメーション能力をコミュニケーション能力と勘違いしているからだと思われます。
例えば「大学時代に何をしていましたか?」と質問をすると、学生の多くは「待ってました!」とばかりにこう答えます。 「大学時代は●●●に所属し、●●●役を務めました。3年の初めに●●のイベントがあり、その活動を通して●●●●を身につけ、また●●●についても考えるようになり始めました。今回御社に応募したのもその●●●を十分に活用する場があると企業研究からわかり、御社であれば自分の希望に叶うと思い、応募させていただきました」(この間約1分)
だいたい7割くらいはこのパターンですね。 前の晩に一生懸命考えた「志望動機」を言いたいのはわかるよ。1分でスラスラ話せたということは相当一生懸命暗記したその努力も認めよう。 でも、君にコミュニケーション能力があるかどうかは甚だ疑問になってしまうよ。 この調子があと2・3問続いたら「コミュニケーション能力なし」と判断されても恨まないでね。
君がコミュニケーション能力だと思って発揮したその能力、それはインフォメーション能力でしか無いんだよ。コミュニケーションちゃんと取れてると思う? 君は「一方的に(自分の)情報を提供」しただけ。 相手が何を知りたいかなんて考えていない。自分が言いたいことを一言一句間違えずに言うことだけに集中した一方的な発言をしただけなんだよ。
それに質問の内容わかった? 「大学時代何をしていたのか?」って聞いたんだよ。「志望動機」なんて聞いてないよ。 面接官の多くは意図を持ってその質問をしています。 その質問の回答からいろいろなことを想像し、次の質問を設定し、あなたを理解したいんですよ。 ということは聞かれたことに的確に答えることがまず理解してもらうために重要ということです。相手が正しく自分を理解してくれるように、相手の理解度合いを見て「会話」にし、「相互理解」が深まるように話を進める。ここまで出来ればコミュニケーションできていると言っても良いでしょう。
そのためにもまず相手の質問の内容を理解しないとね。
そもそも企業はなぜコミュニケーション能力の高さを要望するのか?
それは「仕事は組織として、他の人々と協力して進めていく必要があるから」です。
何か仕事が始まれば当然、意見の対立やお互いの状況を理解し合う必要が生まれます。
そんな時、こちらの言っていることの意味をちゃんと理解してもらえず、一方的に自分の主張ばかりする人と仕事を進めないければいけないとなったらどうですか? 仕事にならない、でしょう?
また、友人とのコミュニケーションとビジネスでのコミュニケーションは大きく違います。
友人間には利害関係が(基本的には)ないはずだから「こう言えばわかってくれるだろう」というコミュニケーションで通用するかもしれませんが、ビジネスではそうは行きません。自分の頭の中で思ったことと同じものが相手の頭の中に浮かばなければなりません。 ※これについてはまた別途説明します
面接でコミュニケーションできない人をコミュニケーション能力が高いとは到底判断できません。
あなたはちゃんと「コミュニケーション」してますか?
September 29, 2004
恋人はクラスの中だけからは選ばないのになぜ?
『○○業界に絞って活動しています!』
ん?なんで、そんなに絞ってることを誇らしげに言うの?
すごく不思議です。
なんで大学生の間では『業界を絞る』ことが当たり前になっているんでしょう?
プロから見れば「恐ろしいチャンスロス」なのに・・・。
理由を聞いたところ大体以下のようなものに集約されていました。
1)先輩に「絞れ」と言われたから
2)一時期に多くの企業を廻れないから絞る切り口として
3)業界を絞らないと面接時に企業から志望意欲が低いと思われるから
って、よ〜く考えてごらん。
上記の理由はこんなにおかしいよ。
1)先輩に言われたから・・・
先輩は自分たちより数年早く「(基本的には)1回だけ」就職活動を経験したことがあるだけの人でプロでも熟練者でもありません。
2)一時期に多くの企業は・・・
あなたの雇用主は「業界」でなく「企業」です。あなたが気にしなければいけない相性は「業界」でなく「企業」との相性です。
自動車業界で考えてみてください。それぞれの企業カラーは明確に違うじゃないですか!?希望業界だからといって相性の悪い、働きにくい会社では毎日楽しく働けず、いつか辞めることになっちゃいますよ。
なので新卒の就職活動では多くの場合、切り口として「業界」は適切ではありません。
3)業界を絞らないと面接時に・・・
業界を絞ったところで「志望意欲が高い」とは思いませんが・・・。
きっと次に来る質問は「ではなぜ同業のA社じゃなくて当社なのですか?」ですよ。その理由が的を得ていれば初めて「志望意欲が高い」と伝わります。
ということでやはり「業界」という切り口よりも「会社」という切り口で考えることが重要になります。
それに最近のイケてる会社では「来たい(志望意欲が高い)人を採用するのではく、欲しい(向こうにその気がなくても自社に有用な)人材を採れ」というのが定説になっていますし。
「業界」で絞ることによって最高に相性の良いパートナーとの出会いを失っている可能性は極めて高い。
みんな恋人を探す時には「このクラスの中からだけ選ぼう」なんて考えない。
可能な限り広範囲から探そうとするのにね。
最高のパートナー(=会社)探しなんですから基本原則は同じですよ。
September 27, 2004
元々「向いてる仕事」なんてないんですよ
「私にはどんな仕事が向いているんでしょうか?」
でした。
そんな時はこう答えていました。
「誰にも『向いている仕事』はありません」と。
そうなんです、就職の時点で「向いている仕事」
なんてないんですよ。
正確に言えば、向いてる仕事なんて「わからない」。
長年の勤務実績を元に配属を決定する人事部だって
その人にどんな仕事が向いてるのか悩むのに、
就労経験のない学生がどんな仕事に向いているか
なんてわかりませんよ。
それに私はそもそも「向いている仕事」に就くこと
自体に全然意味を感じてないんです・・・。
向いている仕事をしていれば、幸せになれるんで
しょうか?
大切なのは「楽しめる」ことだと思います。
「楽しめない」仕事をすること、その仕事を続ける
ことは非常に難しいです。仕事って「現実」だから。
「楽しめない現実」は労働意欲を削いでしまいます。
※「楽しい仕事」と「仕事を楽しむこと」は別だと
思っています。これについてはまた別の機会に。
あるベンチャー企業社長の講演でこんな話を聞きました。
その社長も私と同じように
「私にはどんな仕事が向いているんでしょうか?」
とよく学生から質問されたそうです。
その社長はこう答えていたそうです。
「向き不向きより『前向き』」
これ名言ですよ。
「前向き」に仕事に取り組められれば「仕事を楽しむ」
ことができます。
仕事を楽しめるからこそ成果が出せて、新しいキャリア
も拓けて来ます。
常に仕事を楽しめるようになれば、どんな仕事をして
いたとしても、きっとみんなこう思うはずです。
「この仕事も俺に向いてるな」。
元々「向いている仕事」なんてないんですよ。