サディが心もちおどろいたようにシルクを見た。「てっきり知っているものと思っていましたよ。カル?ザカーズがザンドラマスの首に賞金をかけたんです。だからマロリーの予備部隊の注意はもっぱらラク?ハッガに集中しています。ザンドラマスがハッガを通ってクタンに行こうとすれば、部隊はすべてをほうりだしてザンドラマスの首を狙いに走るでしょう。ザンドラマスにとって安全に船を出せる港は、ラク?ヴァーカトしかないんです」
「あんたが抱きこんだその下っ端だが、当てになるやつだったのか?」シルクが問いつめた。
「当てになるもんですか。すべてを話しおえたらすぐに、そいつはわたしに報酬を迫るつもりだったんです――当然ながら、死の報酬をね。ということは、わたしに嘘をつく理由はなかったということですよ。いずれにせよ、話をでっちあげるほど頭のあるやつじゃなかったんです」宦官は冷酷に笑った。「だが、わたしも策略にはくわしいですからね。非常に信用できる策略です。そいつはわたしにまったくの真実を話していたんです。じっさい、わたしがうんざりしてきてもまだ真実をしゃべりつづけてましたっけ。サリスはザンドラマスにニーサへ渡る護衛と、ヴァーカト島へ行く一番近い道順を書いた詳細な地図をやったんです」
「その男がしゃべったのはそれだけか?」ガリオンがきいた。
「いやいや」サディは答えた。「学校の試験をごまかしたことまで告白しましたよ、もっともその最中にイサスに喉をかききらせましたがね。一日にそんなにたくさんの事実に関与するわけにはいきませんから」
 ガリオンはそれを無視して、「そうか、ザンドラマスはヴァーカト島へ行くんだな。それがどうわれわれのプラスになるんだ?」
「ザンドラマスは大回りをせざるをえないはずです――わたしの言った懸賞金のせいでね。いっぽう、わたしたちはクトル?マーゴスをまっすぐ突っきって島へ行くことができる。数ヵ月は節約できますよ」
「それだと戦闘地帯のどまんなかを通ることになるぞ」シルクが異議をとなえた。
「そんなのはとりたてて問題ではありませんよ。わたしならマーゴ軍からも、マロリー軍からもいっさい妨害されずに、あなたがたを直接ヴァーカトへ連れていってあげられます」
「どうやってきりぬけるつもりだ?」
「若かりしころ、クトル?マーゴスで奴隷売買にたずさわっていたことがあるんです。地理にはくわしいし、だれに賄賂をつかませたらいいか、だれを避ければいいかもわかっています。奴隷商人は戦いとなると、マーゴ軍にとってもマロリー軍にとっても役に立つので、自由に動きまわれるんですよ。わたしたちに必要なのは、奴隷商人の身なりをすることだけです、そうすればだれも干渉しません」
「国境を越えたとたん、おまえがおれたちをグロリムどもに売りつけないという保障は?」シルクはぶっきらぼうにたずねた。
「利己心ですよ」サディは肩をすくめた。「グロリムというのは恩知らずな連中でね。わたしがあなたがたを売ったら、今度はわたしが連中にサルミスラに売られることもおおいにありうる。それだけはごめんですからね」
「サルミスラは本当にあんたに腹をたてているのか?」ガリオンがきいた。
「いらだっているんですよ。蛇というやつは腹はたてないんです。もっとも、彼女個人はわたしにかみつきたがっているそうですがね。むろん、それは大変な名誉なんですが、わたしとしては遠慮したい」
 隠しドアがカチャリと開いて、ドロブレクが顔をのぞかせた。「イサスが戻ってきた」
「よし」ベルガラスは言った。「朝がくる前にまた川を渡りたい」
 片目の男はサディが説明したとおりの箱を持ってはいってきた。さしわたしが二フィート、厚みが数インチのひらべったい四角な箱だ。「なにがはいっているんです、サディ?」イサスがきいた。「ゴトゴト音がしますぜ」かれは箱をふった。
「気をつけろ!」サディが叫んだ。「壊れやすい瓶もはいってるんだ」
「これはなんだ?」ベルガラスがといつめた。
「なんやかやとね」サディはごまかした。
「薬か?」
「毒と解毒剤です――催淫剤が少し、麻酔剤が一つ二つ、きわめて効果的な正真正銘の薬がひとつ――それにジスです」
「ジスとはなんだ?」
「ジスは生き物ですよ、長老、ただの物じゃない。わたしは彼女なしではどこにも行きません」サディは箱をあけると、小さな土焼きの壺を後生大事にとりだした。口にはきっちりコルク栓がしてあり、首の周囲に小さな穴があいている。「これを持っててもらえますか?」サディはシルクにその瓶を手渡しながら言った。「イサスがなにも壊していないか確認したいんです」箱のなかのビロード張りのポケットにずらりと並んだガラス瓶を、サディは慎重に確かめはじめた。
 シルクはものめずらしげに瓶をながめてから、コルク栓をつかんだ。
「わたしならやめときますがね、ケルダー王子」サディが忠告した。「ぎょっとしても知りませんよ」
「なにがはいってるんだ?」シルクは瓶をゆすった。
「やめてください、ケルダー。不機嫌になるんです」サディは箱のふたをしめてわきにおしやると、シルクから瓶をうけとった。「これこれ」かれはあやすように話しかけた。「びっくりしないでいいんだよ、ディア。わたしがきたからもうだいじょうぶだ」
 瓶のなかから奇妙な喉をならすような音がした。
「どうやってネコをそんなところにいれたんだ?」ガリオンがたずねた。
「ああ、ジスはネコじゃありませんよ、ベルガリオン。ほら、お見せしましょう」サディはそうっとコルクをぬくと、瓶を倒してテーブルの上にのせた。「もう出てきていいよ、ディア」かれは猫撫で声で言った。
 なにも起きなかった。
「さあ、おいで、ジス。はずかしがらないで」
 すると、緑に輝く小さな蛇がおとなしく瓶の口からずるずるとはいだしてきた。目は黄色にきらめき、頭から尻尾まで明るく光る赤の縞模様がはいっている。ふたまたに分かれた舌がすばやくのびて、サディのさしだした手をなめた。


「はい、ミルタイ」女王は素直に答え、嘆息した。
 外出はまるで休日の遠足の気分だった。ファランさえそれを感じ取って、みずからもその祭典に加わるべく、鞍にまたがろうとするスパーホークの足を両方同時に踏みつけた。
 天候はまる物業二按で静止しているかのようだった。空は曇っているが薄曇りで、その冬の特徴だった身を切るような寒さも、暖かくなったとは言わないものの、我慢できる程度にゆるんでいた。風はそよとも吹く気配がなく、スパーホークは不安な気持ちで、パレルから東に向かうときトロールの神ノームが時を停止させ、永遠の〝今?の中を進んでいったことを思い出した。
 シミュラをあとにした一行は、レンダやデモスといった街に向かう街道をたどっていった。スパーホークがダナエとフルートの姿を同時に目にすることになる可能性は、どうやらなくなった。幼い王女が旅をするにはまだ寒すぎるというミルタイの決定で、ダナエは王宮に残って、侍女がその面倒を見ることになったのだ。将来起きるであろうすさまじい意見の衝突が、今から目に見えるようだった。いずれミルタイとダナエが正面衝突することになるのは避けられない。騎士は心ひそかにその時を楽しみにしていた。
 ちょうどシーカーと出くわしたあたりで、一行は小さな焚《た》き火のそ公屋貸款ばに座っているセフレーニアとヴァニオンの姿を見いだした。フルートはいかにもフルートらしく、近くの樫《かし》の木の枝に腰をおろしている。ヴァニオンは若々しくなって、ここ何年も見たことがないほど元気そうだった。立ち上がって友人たちに挨拶するその姿は、なかばスパーホークが予期していたとおり、スティリクムふうの白いローブを着け、剣は帯びていなかった。
「お元気そうでなによりです」スパーホークは馬を下りながら声をかけた。
「なんとかやっているよ、スパーホーク。元気だったかね」
「文句はありません、閣下」
 それだけ言うと二人は堅苦しい挨拶を切り上げ、荒っぽく抱き合った。全員がまわりに集まってきた。
「後任の騎士団長には誰が選ばれたんだね」ヴァニオンが尋ねた。
「カルテンを選ぶよう、聖議会に圧力をかけてるところです」スパーホークが穏やかに答える。
「何だって?」ヴァニオンの顔が失望に歪《ゆが》んだ。
「スパーホーク、そんなことを言うものじゃないわ」エラナが夫をたしなめた。
「冗談のつもりなんですよ、ヴァニオン」カルテンは渋い顔だった。「こいつはときどき、この鼻みたいに歪んだユーモアのセンスを発揮するんです。本当はスパーホークが騎士団長ですよ」
「それはよかっ雀巢奶粉た!」ヴァニオンがほっとしたような大声を上げた。
「ドルマントは何とか終身的にその地位を引き受けさせようとしてるんですが、ほかにもいろいろ仕事を抱えてるとか何とか言を左右して、あくまでも暫定騎士団長なんですがね」
「これ以上この身を薄く削られたら、日の光が透けて見えるようになってしまう」スパーホークは文句を言った。
 エラナは畏怖の混じった目でフルートを見つめていた。フルートはいつものように木の枝の上に、草の汁で汚れた足を足首のところで組んで腰をおろしていた。唇には笛を当てている。
「夢に出てきた姿とそっくりだわ」エラナがスパーホークにささやいた。
「いつだって同じ姿をしてるんだ――まあ、だいたいはね」
「話しかけてもいいの?」若い女王の顔は、少し怯《おび》えてさえいるようだった。
「何の内緒話をしてるのかしら、エラナ」フルートが声をかける。
「何て呼びかければいいの?」女王がおどおどと夫に尋ねる。スパーホークは肩をすくめた。
「みんなはフルートと呼んでる。もう少し格式のある名前もあるがね」
「下りるのに手を貸して、アラス」フルートが言った。
「ああ、フルート」巨漢のサレシア人騎士は反射的にそう答え、木の下へ行って小柄な女神を抱え上げると、その身体を冬枯れた草の上に下ろした。
 ダナエとして母親ばかりでなくストラゲンもプラタイムもミルタイも知っているフルートは、圧倒的に有利な立場にあった。女神は全員に親しげに声をかけ、それはエラナたちの畏怖の念をいっそう強めることとなった。ミルタイなど、見るからに動揺しているのがわかる。やがて少女はふたたびエラナに声をかけた。
「ねえ、エラナ、いつまでもここに立って睨み合ってるつもり? すばらしい夫を与えてあげたことで、わたしに感謝の言葉はないの?」
「やりすぎですよ、アフラエル」セフレーニアがたしなめた。
「わかってるわ、姉さん。だって面白いんですもの」
 エラナは思わず笑いだし、両手を差し伸べた。フルートは満面に笑みを浮かべてエラナに駆け寄った。
 フルートとセフレーニアも、エラナとミルタイとプラタイムといっしょに馬車に乗りこんだ。だが出発する寸前、幼い女神は窓から首を出して、甘い声で呼びかけた。
「タレン」
「何だい」タレンの声は警戒しているようだった。スパーホークはタレンが、若い男性と鹿だけが感じることのできる、あの悪い予感を得たのではないかと思った。自分が狙われているという予感だ。
「いっしょに馬車に乗っていかない?」《みつ》のような声で誘いかける。
 タレンはやや懸念するようにスパーホークのほうを見た。
「そうしろ」スパーホークは言った。タレンはもちろん友だちだが、何といってもダナエは娘なのだ。
 それから一行は進みはじめた。何マイルか行ったところで、スパーホークはぼんやりした不安を感じはじめた。デモスとシミュラを結ぶ街道は若いころから何度となく通っているが、急にあたりの景色が見慣れないものに思えてきたのだ。丘などあるはずのないところに丘が見えるし、前には見たことのない、裕福そうな大きな農家がある。騎士は地図を調べはじめた。
「どうしたんだ」カルテンが声をかけた。
「どこかで間違えるような道があったかな。この街道はもう二十年以上も行き来してるが、急に目印がわからなくなってしまったんだ」
「そいつはすばらしい」カルテンは皮肉っぽく言って、肩越しに全員に声をかけた。「この栄えある指導者は、みごとわれわれを道に迷わせてくれた。かつてわれわれはこの男のあとについて世界を半周ほどもしたわけだが、今やこいつは自宅からわずか五リーグのところで道がわからなくなったと言ってる。ほかの諸君は知らんが、おれにとってはこれは大いに信頼を損なう事態だと言っていい」

クラヴォナス総大司教の葬儀は、その地位にふさわしい荘厳なものだった。鐘は何日ものあいだ鳴りつづけ、大聖堂の中には香を焚[#「焚」は「火+主」、第3水準1-87-40]《た》く煙と、今では理解できる者さえほとんどいない古代エレネ語の詠唱と賛美歌が渦を巻いた。普段は地味な黒の衣服を着用している聖職者たちも、このような厳粛な儀式には色とりどりの鮮やかな衣SCOTT 咖啡機装で参列する。大司教はすべて深紅色のローブに身を包み、司教たちはそれぞれに出身国の色のローブをまとっていた。十九ある僧院と尼僧院の修道士と修道女は、それぞれに固有の意味を持つ、個々の僧院に特有の色を身につけた。大聖堂の通廊は至るところに色彩があふれてぶつかり合い、厳粛な葬儀の場というよりも、カモリア国の農産物品評会場を思わせた。古代から伝えられる不思議な儀式や迷信的な作法が型どおりに踏襲されたが、その意味の片鱗《へんりん》なりと知る者はもはや皆無だった。葬儀にはかなりの数の司祭や修道士も集まっていた。いずれも伝統として受け継いだ古《いにしえ》の儀式を執り行なうことが生涯ただ一つの義務であり、公式の場に姿を見せるのはこれ一度きりという者たちだ。へこんで色褪《いろあ》せた塩壺を載せた黒いベルベットのクッションを持って棺のまわりを三周するのが人生の唯一の目的だったある老僧など、興奮のあまり心臓が止まってしまい、その場で後継者を任命しなければならない始末だった。選ばれたにきび面の若い見習い修道士は、あまり敬虔そうには見えなかったものの、ありがたさのあまり感涙にむせんだ。何しろ生涯にわたる地位を保証された上に、仕事をしなければならない場面は一世代に一度くらいしかないのだ。
 葬儀はいつ終わるとも知れないまま、祈りと賛美歌をあいだにはさんで延々と続いた。人々は合図にしたがって立ち上がり、ひざまずき、ふたたび椅子に腰をおろした。いかにも荘厳な雰囲気ではあったが、実質的な意味SCOTT 咖啡機開箱はあまりなさそうだった。
 アニアス司教は広い通廊の北側にいて、大司教席と傍聴席を仕切るベルベットのロープぎりぎりのところに陣取り、腰巾着どもを周囲に従えていた。アニアスの近くに席が取れなかったため、スパーホークはかわりにアニアスの真正面の南の通廊に席を占め、その周囲を仲間たちが取り巻いた。そこからなら、血の気のないアニアスの顔をまっすぐに見据えることができる。パンディオン騎士館の壁の内側では、反アニアス派の大司教の集会が計画どおりに進められていた。司教に――少なくともその金に――忠実な六人の大司教の逮捕と勾留も、とくに問題なく進行している。アニアスは顔に苛立ちの表情を浮かべ、しきりにコムベの大司教に伝言を書き送っていた。伝言を運んでいるのは若い小姓たちの一団だ。アニアスがマコーヴァに何か書き送るたびに、スパーホークもドルマントに伝言を届けさせた。もっとも、この勝負はスパーホークのほうがかなり有利だった。アニアス腰痛治療は実際に伝言を書かなければならないが、スパーホークは白紙を届けさせるだけでいい。ドルマントがこんな計略を承知したのが不思議なくらいだった。
 カルテンがティニアンの反対側の席に滑りこみ、自分で伝言を書いてスパーホークに手渡した。〝いい仕らせだ。角れてた大士教がさらに五人、反時間ほど前に奇士官の浦門に洗われた。おれたちが見方を保五してると来いて戸び出してきたらしい。運が向いて北ぞ?スパーホークはかすかにひるんだ。カルテンのエレネ語の綴りの理解度は、どうやらヴァニオンが懸念している以上に心許ないようだ。スパーホークはその走り書きをタレンに見せた。
「これでどう変わる?」
 タレンは眉根を寄せて考えこんだ。
「投票する人数は一人しか変わらないね。アニアス側を六人監禁して、こっちに五人戻ってきたんだから。今のところこっちが五十二票で、アニアス側は五十九票、それに中立票が九票ある。総数が百二十票ってことは、勝つのに必要なのが七十二票か。つまり中立の九人が全員アニアスについても足りないわけだね。六十八票にしかならないから。向こうはあと四票必要なんだ」
「その紙をくれ」スパーホークはカルテンが書いた文章の下に数字を書きつけ、自分でも二行書き加えた。〝中立派との交渉をとりあえず打ち切るよう提案します。もう連中の票は必要ありません?それをタレンに手渡して、「ドルマントのところへ持っていってくれ。途中でにやにや笑いながら行くといい」
「いやらしい笑い? ほくそ笑むってやつかな」
「うまくやれよ」スパーホークはもう一枚紙を取り、同じことを書きつけて騎士たちに回覧した。
 突如アニアス司教は、大聖堂の通廊の反対側から自分に向かって微笑みかける聖騎士の一団と対面することになった。司教は顔を曇らせ、落ち着かなげに爪を噛みはじめた。
 長かった葬儀がようやくその最終段階を迎え、通廊では人々が立ち上がって、クラヴォナスの棺のあとから列を作り、遺体が安置される大聖堂の地下室に向かって進みはじめた。スパーホークはタレンを連れて列を離れ、カルテンの横に並んで声をかけた。
「いったいどこで綴りを習ったんだ」
001

「綴りなんて紳士が気にかけるほ、スパーホーク」カルテンは偉そうに答え、立ち聞きしている者はいないかとあたりを見まわしてから小声で尋ねた。「ウォーガンはどうしたんだ」
「見当もつかん」スパーホークがささやき返す。「酔いを覚ましてるのかもしれんな。飲んでるときのウォーガンの方向感覚は、あまりあてにならんだろうから」
「別の計画も立てといたほうがいいぜ。クラヴォナスの遺体を安置したら、聖議会はすぐに再開されるんだろう」
「アニアスを阻止するだけの票はある」
「そんなことは二度も投票をすればわかっちまう。その時点で向こうは必死になるぞ。しかもここじゃあ多勢に無勢だ」カルテンは地下納骨堂へ続く階段に沿って走る、太い木の梁《はり》に目をやった。「大聖堂に火をつけてみるかな」
「気でも狂ったのか」
「いい時間稼ぎになるじゃないか。おれたちは今、何よりも時間稼ぎを必要としてるんだ」
「そこまでやるのはどんなもんかな。とにかく戻ってきた五人の大司教のことは、しばらく伏せておくことにしよう。あの五票がないとどういうことになる、タレン」
「投票総数が百十五票になるから、勝つのに必要なのは六十九票だね」

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