僕とまろんちゃんは、街のコンサート会場へ来ていた。
今日は人気女性グループのコンサートがあるのだ。

傍から見ると恋人同士のように見えるかもしれないが、別にデートとかではない。

昨日、話があると呼び出された僕は、ホテルで一発ヤったあと、まろんちゃんに今日の計画を聞かされた。

「ちょっと手伝ってほしいことがあるの」
「どんなこと?」
「それはね・・・」

小さい頃からの夢を叶えたいのだそうだ。



開場までまだだいぶ時間がある。
この辺りは一般参加者の入り口とは反対側なので、人もまばらだ。

周囲を探索すると、入館証を首に下げた人を見つけた。
ショートカットで、スーツを着たキレイ系のお姉さんだ。


「ふむ、あたしはヘアメイクさんなのね」

そのお姉さんの皮を奪い、そのお姉さんに成りすましたまろんちゃんは、そのお姉さんの入館証を使って会場の中に入った。
もちろん、僕も一緒だ。

「この設定を使えば、うまくいくかも」


まろんちゃんの小さい頃の夢とは、歌手になることだった。
なので今日は、女性グループの誰かに代わってもらって、ステージに立ちたいとのこと。

「センターの子でなくていいの。ステージの端っこでも、そこに立てるだけでいいの」

その女性グループは40人以上からなる大型のグループだ。
今日もそのうち30人近くがステージに登る。

人数が多ければ、代わってもらえるチャンスも増えるだろう。
僕らは奥へ向かった。

「なんとかひとり、連れ出せないかしら」

控え室は、メンバーが多いため大部屋が割り当てられているようだ。
そこから女の子が出てきた。

メンバーのひとり、後列担当の娘だった。

「・・・あの娘でいいわ、フォローお願いね」
「うん」

まろんちゃんは、彼女に近づいていった。

「あの・・・」
「はい、なにか?」
「あたし、あなた達のヘアメイクを担当してる者ですが」
「はい」
「いきなりで申し訳ないんだけど、ちょっと仮セットのモデルをお願いできないかしら。すぐ済むから」
「あ、はい、いいですよ〜」
「ありがとう、じゃこっち来て」

そう言って、まろんちゃんは彼女を空いてる部屋に連れ込んだ。

「はい、じゃあそこに座ってください」
「はい」
「まずはリラックスして力を抜きます」
「はぁい」

ブラシを入れながら彼女に話しかける。
そして髪をかき分け、空気栓を取り付けた。

「では次に、空気を抜きまぁす」
「あはは、なんですかそれ?」

ぷしっ

栓を抜くと、空気が漏れ始める。
まろんちゃんは彼女の顔を掴み、握りつぶした。

「あ・・・は・・・はぁぁ・・・・・・」

顔をくしゃくしゃにしてしまう。
そして次に身体を折りたたみ、床に押し付ける。

しゅー

程なくして女の子はペッタンコに潰れてしまった。
まろんちゃんはそれを拾い上げ、ひらひらさせる。

「うふふ、ぺっちゃんこw」

そして僕に手渡した。

「はい」
「・・・え?」
「はやく着替えて。時間がないんだから」
「なんで?まろんちゃん、自分が出たいんじゃないの?」
「なに言ってんの、あんたも出るのよ。そのためについて来てもらったんだから。
あたしひとりじゃ心細いでしょ」
「えええ!?」

あらためて手にした皮を見る。
テレビとか雑誌でよく見る顔だ。
可愛いな。

この顔が僕の顔に・・・?

僕がアイドルに・・・。

まろんちゃんに手伝ってもらって、彼女の服を脱がす。
自分も、着ているものを脱いで裸になった。

彼女を手に取る。

股間を開くと、割れ目が現れた。
キレイな割れ目だ。
まだ使ったことはないのだろう。

ファンはもちろん、関係者だって誰も見たことのないトコロだ。

これが・・・アイドルのあそこ・・・。

そう思うとドキドキした。

僕はそこを広げて顔を突っ込む。
そして皮の中へと入っていった。

「ん・・・」
変身が終わると、僕はアイドルになった。

「じゃ、もうひとり分の皮、調達してきて。あたしはここで待ってるから」
「うん」

控え室のほうへと向かう。
さて、誰にしよう。

皮の彼女に聞いてみると、ひとりの女の子が浮かんだ。
彼女の親友らしい。

控え室に入り、その子を探す。

「いた」

声をかけ、人気のないところへ連れ出した。

「用事ってなぁに?」
「うん、ちょっと動かないでね」
親友の中身が別人だとは、微塵も思ってない様子。

「ぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・」

空気栓を使って、皮だけにしてしまう。
これでよし。
まろんちゃんのところへ持っていこう。

「ありがとう」

皮を受け取ったまろんちゃんは、ヘアメイクのお姉さんを脱ぎ、床に放った。
そして膨らまし始める。

「やっとこうか?」

と聞いたんだけど、

「いまのあんたが膨らましたら、この人正気に戻っちゃうでしょ」

と言われた。
・・・僕より空気栓、使いこなしてるんじゃないか?

「ん・・・」
お姉さん(中身僕)が目を覚ます。

「んじゃ、僕は仕事に戻るね」
といって部屋を出て行った。
まあ、そっちは心配ないだろう。

「ああ、これで小さい頃の夢が叶うのね!
アイドルになって、憧れの舞台に立てるのね!」

一方、まろんちゃんのほうは胸熱のようだ。
女の子の皮を握り締めて感激している。
おちんちんが勃っていた。

皮を着て、女の子に変身する。
「これであたしもアイドルね、どう?」
「うん、可愛いよ」
「えへ」

実際、今のまろんちゃんはテレビや雑誌で見るアイドルグループのひとりと同じ姿をしていて、まったく区別ができなかった。
本人の皮を被っているんだから当然か。
そしてそれは僕も同じだ。

「あなたのおかげよ」

ちゅ、とキスをする。

そして僕に腕を回してきた。

彼女の胸が当たり、服越しだが、むにっとした感触が伝わってきた。
僕も彼女を抱きしめる。
人肌で暖かく、ぽちゃっとして柔らかい。

「ふ・・・んん・・・ぁ・・・ふ・・・」
「ぅむ、ん・・・んんむ・・・ぅふ・・・」

どちらからともなく、お互いをまさぐり合う。

「あく・・・」
「ぅんん・・・」

気持ちいい。
ちら、と彼女を見るとテレビでお馴染みの顔だ。
僕はアイドルとエッチしてるんだ。

「うく」

股間を指をなぞると、しっとりとした感触。
そこを広げて、こねくり回す。

「ん・・・ん・・・ぁぅふ・・・・・・」

負けじと彼女も、僕のスコートに手を入れてきた。

「・・・ぁ・・・ぁ・・・かはっ・・・」

ぐるぐるとかき回され、立っていられなくなる。
膝をつくと、スコートに手をかけられ、そのままパンツと一緒に膝まで下ろされた。
座りなおして、全部脱ぐ。

チェック柄のミニスカに、ニーソでノーパンだ。
股間がスースーする。

スカートをかき分けて、彼女が入ってきた。

ぺちょ

「あ・・・あ・・・はぁ・・・ぅ・・・む・・・ん・・・」
「んく・・・ぅふ・・・ぁ・・・ふむ・・・くぁ・・・」

ふたつの貝がお互いを咥えあい、そして腰を振る。

「あ、脱ぐ、脱ぐぅ」

僕は着ているものがうっとおしくなり、服を脱いだ。
まろんちゃんと股間をくっつけたままなので、スカートは頭から脱ぐ。

ぴちゃ、ちゅく、ぷちゃ、ぶちゅ、にちゃ、ちゃぐ・・・・・・

イヤらしい音をたて、汁が混じり、滴って床をテラテラと光らせた。

「あ、あ、あ、あぅあぅ、ぅぅぅうううう・・・ぉ・・・ぅらめぇ・・・・・・」
「ん、ん、・・・んんんんんん・・・ぅいく・・・ぅぅんんぁ・・・・・・」
「ぅあああああ、はああああああ!」
「んぅ・・・・・・くふぅぅぅぅああああ!」

びしゃあああっ

イク瞬間、潮が飛び散った。
僕のなのか、まろんちゃんのなのか、それはわからない。

「はぁはぁ」
「はぁはぁ」
「気持ちよかったね」
「うん」

高揚感と脱力感を感じながら、僕は漠然と『まろんちゃんが僕の姿のときに襲ってこなくてよかった』と考えていた。
だってあたし、処女だもん。

ふと目の端に人影が映った。
ハッとしてそっちを見る。

「あ・・・」
まろんちゃんも気づいたみたいだ。

「いや・・・すごいもの見ちゃった〜」

そこにいたのは、ヘアメイクさんだった。
僕らはほっとした。

「手が空いてたんで様子を見に来たんだけど・・・あたしも感じちゃった」

そういう彼女は、股間に手が伸びていた。

「写真も撮ったよ。あとで二人に送るね。」
「いいけど、その携帯には写真、残さないでよ」
「あ、そうだね」
「それより片付けないと」

床は二人の行為で、ビショビショに濡れていた。

「それはあたしがやっておくから、二人は早く支度なさい」
「え、いいの?」
「これから忙しくなるんでしょ」
「ありがとー」

僕らは控え室に戻った。

そこからは、目が回るほどの忙しさだった。
段取りの確認、ミーティング、リハから最終調整、そして本番。
もはや肉体労働といっていい。
アイドルも楽じゃない。

特に曲の合間の衣装の着替えでは、舞台袖のタコ部屋に押し込まれ、狭いところで制限時間つきで着替えなきゃならなかった。
部屋の中は、女の子の熱気と湯気と汗と化粧の匂いがスゴい充満していた。

「男がこの部屋に入ったら、ひと呼吸でシャセーしちゃうね」
「いえてる〜」

などという会話まで聞けちゃう始末。

それでも舞台に立つのは楽しかった。
忙しいことすらも楽しい。

コンサートが終わったとき、僕は言いようのない充実感と心地よい疲労感を感じていた。

「楽しかったー、面白かったねー!」
「うん」

まろんちゃんも大満足だったようだ。

「ああもう、ずっとこのままでいたいなー。元に戻るのヤメようかなー」
「まろんちゃん!」
「あはは、冗談よ、冗談。ま、もちろん半分は本気なんだけどね」
「もう」
「ありがとね」
「え?」
「あなたのおかげで夢が叶ったわ。ホント、夢みたい。舞台に立てたなんて、感激よ」
「まろんちゃん・・・」

そのあと、僕らは借りてた身体を解放した。
そして、ひと欠片の想い出を胸に家路についた。


他人が羨ましいと思ったら代わってもらおう。

これが空気栓の正しい使い方だったのかもしれない。
僕はあらためて、素晴らしい体験をさせてくれた空気栓に感謝した。