2006年08月07日

針金でなく吸水口の問題だ

livedoor ニュース:[プール事故]ずさんな安全管理が次々と明らかに ふじみ野市のプール事故の報道に接し、ずさん管理ばかりが批判されている。しかし、真犯人はどう見ても、あの大きな吸水口だ。
大体、子供の体がすっぽり吸い込まれるような大きな穴が、子供たちが一杯いるすぐ近くに穿たれているということ自体が信じられない。
針金で固定されていたからケシカラン? 管理が杜撰だからケシカラン?
じゃあ、通達のようにボルトとナットで固定されていればOKだとでも言うのだろうか。ボルトやナットは簡単に外れる。外れるからめんどくなって針金にしたんじゃないのか?
プールが竣工当初、防護柵はしっかりボルトとナットで固定されていたはずだ。それが時を経て、外れたり、悪戯で外されてこの体たらくだ。今更、元通りしっかりボルトとナットで固定してもまた同じことが繰り返されるのは目に見えている。
ボルトやナットなんて故意に悪戯で外そうと思えば、簡単に外れる。要するに針金で留めるのと大して変わりないのだ。
いつまで管理者を信頼して子供たちの命を預ける気なのだろう。その人の良さに呆れてしまう。管理者は不注意集団だという前提で考えるしかない。別に管理者をバカにするわけではない。人間というのは気が緩むものだということを前提にしないで子供たちの命を預けるというその暢気さだ。これは公営だろうが民営だろうが関係ない。
吸水口の楕円形の長い方の口径は60cmという。なんでまた子供たちを吸い込むのにお誂え向きの吸水口を造るのだろう。しかも流れるプールの流れを作るのだから吸引力は凄い筈だ。ボルトやナットでOK、管理さえしっかりしていればOKなんて発想自体が根本的に誤りで、設計思想自体が間違っている。
業者に丸投げなどとか、お役所の杜撰管理とか、そんな矮小な問題じゃない。たった1つだけの前提「防護柵が閉まっている」が崩れれば殺人プールに早代わりするのは見れば分かるのに、それを平然と造った施工業者の想像力の無さが信じられない。
人間掃除機にしないためには、吸水口そのものを細いスリット構造にして中に吸い込まれないようにした上で、吸水力を一箇所に集中しないように分散するとか、その気になればいくらでもある。吸水口でなく吸水路にして吸水路に流されても上は青空、いくらでも這い出られるようにしておけばいい。
それじゃ流れが弱くなる、コスト高になるというのなら、弱くてかまわない。
別に流れなんてどうしても必要なもんじゃない。六本木ヒルズの自動回転ドア事故にしても、別に必要のないものを「付加価値」を付けるために思慮も無く付けると、世の中落とし穴だらけになる。
報道を見ていて、いつの間にか、お決まりのお役所バッシングに落ち着いてしまった。こういうのをバカの一つ覚えというのだろうか。テレビコメンテーターの暢気なコメント聞いていると本当に苛立つ。
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Posted by y0780121 at 08:36│Comments(4)TrackBack(4)clip!

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この記事へのコメント
賛成。これまで吸い込み事故は何件も生じているのに工夫されないままというのはほんと不思議。どうでも良い消費財はこれでもかというほど改良がなされるのに、一度設置されると長年使用される物に関しては全く放置されるというのも儲けと効率しか頭にないということなんでしょうね。
Posted by さなえ at 2006年08月07日 17:07
幼い頃は、
たしかに流れるプールは流れないプールより楽しかったけど、
危険ならばわざわざ流れなくてもいいかなって思います。

それか、もっと安全な設計を考え直してもらうとか・・・。
Posted by まき at 2006年08月08日 00:06
文部科学省の通達によると、防護柵は二重に設置して、どちらかが外れても、すぐに危険に直結しないように求められていたそうですが、改めて調査してみると守られていなかった(柵が一重だけ)プールは百以上あったそうですね。
飛行機などは一系統が故障しても別の系統でバックアップして、すぐに墜落しないような安全設計がされてるそうで、エレベーターもそうらしいですが、シンドラー事故を見ればそれが守られていなかったようです。
結局、こういうのって、性善説で管理されてるうちは問題が起きるでしょう。耐震強度偽装の検査もそうですね。
通達を出したから、それで終わりではなく、それが守られているか検証するまで責任を持ってやらなければ駄目でしょう。
Posted by uesama01 at 2006年08月08日 01:10
全く同感ですね。私もそもそもネジ止めという設計、工法それ自体の問題点が指摘されないことを不思議に思っていました。今回は、吸水口に体ごと吸い込まれて亡くなるというより痛ましい事故だっただけに、騒ぎになりましたが、吸水口に水着や足が吸い込まれて溺死した事故は毎年どこかで起きていたはずです。
 設計者や施工者本位の姿勢が耐震偽装と同根の問題に思われます。その辺に全く突っ込まないマスメディア、民営化、人員不足の問題に触れても、コストには触れない報道。相変わらずですな。
Posted by yokoiti at 2006年08月08日 23:05