2007年02月19日

宮台真司氏と西部邁氏の歴史的和解

十年一昔と言うけれど、「マル激トーク・オン・ディマンド 西部邁流、保守主義のすすめ」で、宮台真司氏が西部邁氏の言説を大人しく聞いているのを見ると、その感慨と懐かしさを強くする。10年前、宮台氏は西部氏の天敵だったのだから。
10年ほど前のテレビ朝日系の深夜の田原総一朗、丸川珠代司会の討論番組(朝まで生テレビではない)で、この2人は「歴史的対決」を行っており、宮台氏のTKO勝ちだった。どこがTKOかと言えば、「こんなダサい保守評論家が日本を変えられるわけないじゃないですか」などとことごとく西部氏の言うことを否定して一方的にまくしたて、西部氏は「うるさい、バカ」と涙目ではき捨てるのが精一杯で、番組途中で逃走した。後は宮台氏と田原氏で残り時間を埋め、田原氏が「西部さんは宮台さんが苦手なのかなあ」と言っていたのを覚えている。
今だったら、YouTubeにアップされて激しく祭りになっていたろう。宮台氏はこの一戦で保守派朝生文化人の巨頭を完膚なきまでに殲滅したと喝采されたのだ。
だけど、西部氏は本当は逃げておらず、スタジオの控え室で酒飲んで酔っ払いながら番組終了するのを待っていて、戻ってきた宮台氏に「これからは君たち若い者が頑張ってくれよ」うんぬんかんぬんとおだをあげ、それを見て宮台氏がますます辟易したというオマケまでついている。
そして今。西部氏の言っていることは10年前も今も何も変わっていない。びた一文変わっていない。宮台氏の反応はさすがに過去の経緯があったためか、いつもより硬く、相槌しかうてなかった。「同意できることばかりですね。用語法の違いだけで、日頃この番組で取り上げてきた問題ばかりですよ」。
確かに、最近の宮台氏の言動は、「なんか、昔、仇敵だった西部さんの言っていたことと似て来ているよなあ」と思っていて、今日の和解を悪寒はしていたのだけれど、ご本人が自ら認めるとは思わなかった。西部氏の言う「伝統」なるものは、「新しさ」に自動的にくっついていて、無意味なことだとかなんとか言っていたのではなかったのか。
それにしても、10年前となんら変わっていない西部氏がこの番組に招かれたことは何だったのだろう。10年前の西部氏は実はTKO負けではなく、10年越しの不戦勝だったのか。
宮台氏は番組の最後に「西部先生は若い人に誤解され易い」と言っていたが、過去の自分のことを言っているのか、はっきりして欲しいものだ。西部氏も「僕はもうじきで死ぬから宮台青年頑張ってくれ」って、これも10年前とちっとも変わっていない。
何が変わったのか。ネオコンのブッシュ政権のその後の失敗ぶりと小泉内閣の「改革暴走」とそれに続く安倍晋三政権という外部環境の変化が今の和解に結びついたのか。あるいはお互い近親憎悪を抱いていただけだったのか。
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Posted by y0780121 at 15:00│Comments(5)TrackBack(1)clip! 

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MIYADAI.com Blog:出でよ、新しき知識人「KY」が突きつける日本的課題 自民党の残りと民主党の過半がリベラル新党に向かうかもしれません(民主党の一部は保守新党に行きます)。 そうなんだろうね。私の言う「因数分解」がいよいよ始まるということか。
宮台真司先生久々に気合のKY論【佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン】at 2007年12月23日 19:36
この記事へのコメント
明らかに宮台真司の立ち位置が保守側に移動したからでしょう。「終わり無き日常」から「天皇」や「パトリ」に転向したら、西部邁と意見が一致するのは当然のこと。

Posted by 通りすがり at 2007年02月20日 20:57
最近の宮台氏は、語りが「それっぽい」だけで、「それそのもの」ではないですよ。「それっぽく」語ることで、「それそのもの」をズラそうとしてるんですよ。彼は相当危機感を感じてると思いますよ。危機感というより、絶望感に近いような気もしますが。
Posted by 丸激見るひと at 2007年02月21日 06:52
同じようなことが西部邁⇔小林よしのりの間にあって、西部さんはけなされた小林さんを毛嫌いしていたけれど、「戦争論」で近付き、教科書論争でまた仲違いし、9.11テロでまた仲直りした経緯があります。
まるで国家間の紛争の歴史を見ているようです。
Posted by 佐藤秀 at 2007年02月21日 14:40
宮台氏の言論が特に社会に影響を与えるようなものではないと思われますので、あんまり気にするのはどうかと。

ちなみに、昔の西部VS宮台は、宮台のTKO勝ちではなく、反則勝ちではないでしょうか。随分と無礼な輩だなあと、見ながら思った記憶があります。
Posted by とおりすがり2 at 2009年02月12日 23:14
>反則勝ちではないでしょうか

まあそう言えばそうでしょうし、試合放棄と言えば試合放棄だし、微妙ですね。
Posted by 佐藤秀 at 2009年02月12日 23:47