2020年06月21日

イントゥ・ザ・ワイルド(2008)3

EX_C1u4WsAE3Z_U「荒野へ」の舞台となったバス撤去 「巡礼者」の遭難相次ぎ 米アラスカ
【6月20日 AFP】米アラスカ州の荒野にうち捨てられ、旅行者にとって時には危険な「巡礼地」となっていた1940年代製のバスが18日、同州の軍用ヘリによって撤去された。このバスはジョン・クラカワー(Jon Krakauer)氏による1996年のノンフィクション「荒野へ(Into the Wild)」、また同作をショーン・ペン(Sean Penn)監督が2007年に映画化した『イントゥ・ザ・ワイルド(Into the Wild)』に登場していた。

公式サイト。 ジョン・クラカワー原作、ショーン・ペン監督、エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、ハル・ホルブルック、キャサリン・キーナー、ヴィンス・ヴォーン、ジェナ・マローン、クリステン・スチュワート、ブライアン・ディアカー。人間嫌いのジョージ・ゴードン・バイロンとヒューマニズムのレフ・トルストイって読み合わせが悪く、その結果、中毒を起こして死に至ることもある、という話なのかもしれない。(初出:2008年9月9日)
intothewild「キャリアは20世紀の遺物」と言い放って、ハーバード・ロースクールの道を捨てて、アラスカに消えた青年。ラストではモデルになった現実の青年の写真も写される。何か遅れて来たヒッピーという感じで、実際にアラスカに行くまでの過程で元祖ヒッピーのなれの果てのような人たちと交流している。
その中でとりわけ、キャサリン・キーナーが出色で、矢野顕子を思わせる風貌と笑顔に自由と若さから次第に老いと現実に直面する憂愁が表れているように思える。後輩というか自分の息子のように主人公のアブナサを見つめる目が優しい。オーマイゴッド温泉だとか、彼らが生息する名所がまだあるというところも見所。あのロズウェルもそうなのか。
先輩たちは、ある意味居心地よさそうな自然にとどまったのに、彼はなぜアラスカを目指したのか。より純度の高い自己放棄を目指したのだろうか。彼の語っていることは絵に描いたように青臭いのだけれど、人間嫌いの純度はより高くなっていて、先輩たちは戸惑い、それゆえに愛しがっているようだ。
ITTWちょうどコンピュータゲームのようだと称された湾岸戦争の時代。ベトナム戦争世代のヒッピーとは違う汗臭さもない第2世代のサイバーゲーム感覚的ヒッピーのようでもある。実物の写真は絵に描いたような好青年なのだけれど。
それにしても、なぜ弾が尽きれば役立たずのライフルで、もっと素朴で持続可能な釣り道具は持ってなかったのだろう。目の前に川が流れているというのに。ここら辺、現実的行動というより宗教的行動に近く、しかも間が抜けている。文明を捨てると言い放って、中古のダットサンを捨て、紙幣も捨てながら、ヒッチハイクにバイトって、支離滅裂。
一体、彼はあのマジックバスで何をしようとしていたんだろうか。そこにあったのは偽の自己放棄、偽の文明否定。生の自然に向き合って、そう悟ったとき、彼はキリストのように痩せこけ、美し過ぎる自然に処刑される。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログへ

Posted by y0780121 at 10:58│Comments(2)clip!洋画イ | ★3
この記事へのトラックバック
名優、ショーン・ペンが10年の歳月をかけて実現{/star/}監督、脚本した会心作{/atten/} 試写行って来ました。 全米で大ベストセラーとなったジョン・クラカワー原作の「荒野へ」で実話。 持ってたチラシをじっくりみてなかったから、てっきりショーン・ペン主演してる...
イントゥ・ザ・ワイルド/INTO THE WILD【我想一個人映画美的女人blog】at 2008年09月09日 23:58
若者が欲するピュアな孤独を描いた秀作。大学卒業と同時に家族や金銭、車を捨てて、真の自由を求めてアラスカの荒野を目指す青年クリスが、彷徨の果てに悲劇的な最期を迎えるまでを静かにつづる。一歩間違えば甘ったれた青年のドジな物語なのだが、若さとはいつも必要以上に....
イントゥ・ザ・ワイルド【映画通信シネマッシモ☆プロの映画ライターが贈る映画評】at 2008年09月10日 00:10
優秀な人間は時として奇行起こす 【Story】 大学を優秀な成績で卒業したクリス(エミール・ハーシュ)は車や財布を捨て、自由を手に入れる??.
イントゥ・ザ・ワイルド【Memoirs_of_dai】at 2008年09月10日 09:48
監督:ショーン・ペン共演:エミール・ハーシュ、ヴィンス・ヴォーン、キャサリン・キーナー 他 ステータス:撮影中 原作邦訳あり Watch the l...
イントゥ・ザ・ワイルド/Into the Wild【Kristen Stewart News】at 2008年09月11日 22:54
ワシントンDC郊外の高級住宅街で育ったクリスは、大学を優秀な成績で卒業した後、貯金を寄付し行方をくらます。 2年後、彼の謎めいた死がアメリカの地方新聞で報じられ、やがて全米に波紋を呼んだ。 彼はなぜアラスカの荒野へひとり旅立ったのか? すべてを捨てた彼のさす...
イントゥ・ザ・ワイルド【象のロケット】at 2008年09月12日 13:07
「イントゥ・ザ・ワイルド」 (c) MMVII by RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC and PARAMOUNT VANTAGE, A Division of PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. All Rights Reserved. {{{   ***STORY***             2007年  アメリカ 1990年夏、...
*イントゥ・ザ・ワイルド*【Cartouche】at 2008年09月13日 12:27
今週の平日休みはラゾーナ川崎の「109シネマズ川崎」でこの作品。 ショーン・ペン監督作品で、 「スピード・レーサー」に主演のエミール・ハーシュがまたまた主演。 実話ものらしいけど、アラスカ・・って、見るからに寒そう。
★「イントゥ・ザ・ワイルド」【★☆ひらりん的映画ブログ☆★】at 2008年09月18日 03:01
原題:INTO THE WILD 予告も見ず、予備知識も何一つ得ないまま、ただタイトルに興味を惹かれての映画鑑賞だったけど、魂を揺さぶられると言っていい??衝撃の実話の映画化?? 本当に実話ということを知ったのは映画の最後のほうだったけど、最初のほうでは長くて退屈...
映画「イントゥ・ザ・ワイルド」【茸茶の想い ∞ ??祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり??】at 2008年09月20日 17:57
 アメリカ  ドラマ&青春  監督:ショーン・ペン  出演:エミール・ハーシュ      マーシャ・ゲイ・ハーデン      ウィリアム・ハート      ジェナ・マローン 【物語】  1990年夏、ジョージア州の大学を優秀な成績で卒業した22歳の青年、 クリス...
イントゥ・ザ・ワイルド【江戸っ子風情♪の蹴球二日制に映画道楽】at 2008年09月21日 13:15
 『そして僕は歩いて行く まだ見ぬ自分と出会うために』  コチラの「イントゥ・ザ・ワイルド」は、裕福な家庭に育った優等生の若者が全てを捨て去り、”ジブンをぶっこわす旅”の末、過酷なアラスカの荒野で1992年夏に遺体で発見された実在の人物クリス・マッカンドレ....
イントゥ・ザ・ワイルド【☆彡映画鑑賞日記☆彡】at 2008年09月28日 17:47
ショーン・ペン監督最新作で、エミール・ハーシュ主演の『イントゥ・ザ・ワイルド』のeiga.comさん主催の試写会に行ってきました。 ロケーションの美しさと放浪を続ける主人公の姿を静かに追った映像が、とても印象に残る作品になっていると思います。 *****************...
『イントゥ・ザ・ワイルド』【cinema!cinema! ミーハー映画・DVDレビュー】at 2008年09月28日 23:46
【36-18-】  今日から10月、今月は下半期のスタートということで、いろんなことが変わります。 ◆ 政管健保→協会けんぽに ◆ 厚生年金の保険料 149.96/1000(労使各々74.98/1000)→153.5/1000(76.75/1000) ◆ 姥捨て山医療制度、失礼、長寿医療制度(←嘘つき)、...
INTO THE WILD そのまま帰って来れなかったのか。【労組書記長社労士のブログ】at 2008年10月01日 17:10
 彼が最後に呟いた言葉は、”アラスカの罠にはまった”でした・・・・・。   9月30日、この日は、「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」とこの作品を鑑賞しました。東宝シネマズ二条で観た「イントゥ・ザ・ワイルド」、俳優ショーン・ペンが監督した2001年の...
イントゥ・ザ・ワイルド☆ショーン・ペン監督作品【銅版画制作の日々】at 2008年10月05日 21:18
ロシア映画「12人の怒れる男」公開の最終日、折角銀座まで遠出したので 帰りにこれまた見たかった本作を川崎で鑑賞。 「12人の・・・」は2時間40分、本作は2時間28分、トータル5時間超え{/face_acha/} ちょっと無茶をしてしまいました。 私の無謀はこの程度・・・...
イントゥ・ザ・ワイルド  INTO THE WILD【映画の話でコーヒーブレイク】at 2008年10月12日 19:30
『イントゥ・ザ・ワイルド』 2008年94本目 11/3(月)チネ・ラヴィータ 東海岸の裕福な家庭に生まれ、大学を優秀な成績で卒業したにもかかわらず、全てを投げ出し放浪の果てアラスカで独り最期を迎えた青年の実話を元にした映画。 冒頭のシーンは「厳しい親父さんに....
『イントゥ・ザ・ワイルド』 2008年94本目【映画とJ-POPの日々】at 2008年12月03日 00:03
イントゥ・ザ・ワイルド’07:米 ◆原題:INTO THE WILD◆監督・脚本: ショーン・ペン「プレッジ」「クロッシング・ガード」◆出演:エミール・ハーシュ、ハル・ホルブルック、キャサリン・キーナー 、ウィリアム・ハート 、ヴィンス・ヴォーン ◆STORY◆1990....
イントゥ・ザ・ワイルド【C'est joli〜ここちいい毎日を〜】at 2008年12月11日 11:17
徹底的にストイックな旅・・原作が読んでみたくなりました
「イントゥ・ザ・ワイルド」【心の栄養♪映画と英語のジョーク】at 2009年03月11日 09:54
【INTO THE WILD】 頭もよく将来を期待されていた一人の青年が、何もかもを捨てアラスカの地を目指して放浪の旅をする人間ドラマ。 実際の話をショーン・ペンが監督をしてるんですがいい映画だと思います。
イントゥー・ザ・ワイルド【ピースのAMEBLO CANTABILE】at 2009年03月19日 09:41
    = 『イントゥ・ザ・ワイルド』  (2007) = 大学を優秀な成績で卒業したクリス(エミール・ハーシュ)は、車や財布を捨て、自由を手に入れるために放浪の旅へと出る。 ヒッチハイクを繰り返し、アメリカからアラスカへと北上。 アラスカ山脈の人気のない...
イントゥ・ザ・ワイルド【サムソン・マス=ラーオの失脚 −日曜日の映画たち−】at 2009年04月19日 09:42
そして僕は歩いて行く まだ見ぬ自分と出会うために  
イントゥ・ザ・ワイルド【Addict allcinema 映画レビュー】at 2009年07月06日 12:42
2007 アメリカ 洋画 ドラマ 作品のイメージ:切ない 出演:エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、ジェナ・マローン
イントゥ・ザ・ワイルド【あず沙の映画レビュー・ノート】at 2009年07月24日 14:36
すべてを捨てアラスカへと放浪の旅へ出た裕福な青年の心の軌跡を描いた人間ドラマ。ショーン・ペンが監督を務め、原作は冒険家ジョン・クラカワー著のノンフィクション小説「荒野へ」。前途有望な未来を捨て自由を選択したすえに悲惨な最期を遂げる若者を演じるのは『ロード...
mini review 09392「イントゥ・ザ・ワイルド 」★★★★★★★☆☆☆【サーカスな日々】at 2009年09月22日 02:47
「Into the Wild 〜イントゥ・ザ・ワイルド〜」 感想 Into the Wild そして僕は歩いて行く まだ見ぬ自分と出会うために 資本主義、物質社会の..
Into the Wild 〜イントゥ・ザ・ワイルド〜【むーびーふぁんたすてぃっく】at 2010年01月16日 19:37
81.イントゥ・ザ・ワイルド■原題:IntoTheWild■製作年・国:2007年、アメリカ■上映時間:148分■字幕:松浦美奈■鑑賞日:9月27日、テアトル・タイムズスクエア(新宿)ス...
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』を観て【KINTYRE’SDIARY】at 2011年02月09日 22:09
この記事へのコメント
4
こんばんは。

上手く言葉に出来ないのですが、「感じる」映画でしたね。
私はこの手の作品は正直苦手なのですが、この作品は好きです。

旅の途中で出会う人達は何かしら心に傷があって、だからこそお互いに引き合っているように感じました。

アラスカで何をしたかったのか正直解りませんが、もしかしたらそれが人生なのかもしれませんね。

家族や社会の中での旅を、自然に置き換え旅である人生を、そのものずばり旅にした。
そんな気がします。
Posted by 健太郎 at 2008年12月02日 23:53
死に場所を探していたのか・・・
Posted by うんこ at 2011年12月25日 08:02