2010年03月22日

花のあと2

hananoato公式サイト。藤沢周平原作、中西健二監督、北川景子、宮尾俊太郎、甲本雅裕、市川亀治郎、國村隼、佐藤めぐみ、相築あきこ、伊藤歩、柄本明。舞台は藤沢周平お馴染の庄内・海坂藩。男勝りの女剣士以登(北川景子)は生まれた時、藩内随一の剣豪だった思われる父甚左衛門(國村隼)からも「男でなかったか」と残念がられた女性蔑視の環境で育ってきた。
生まれてこの方、いくら剣の腕を上げても「所詮女」と男から見下されて来た以登にとって、自分を初めて対等に扱って本気で竹刀を交えてくれた平藩士孫四郎(宮尾俊太郎)は一瞬に運命の人となった。自分より強い男に初めて会ったからと勘違いしてしまいそうだが、そうではないだろう。
実はもう一人、自分を対等に見てくれている男を以登は発見することになる。ほかならぬ以登の許嫁才助(甲本雅裕)。こちらは一瞬ではなくゆっくりゆっくり分かって来る。
江戸から帰って来ると、日を置かず以登に会いに来て大飯をくらい、お尻を触る才助の行いは一見下卑たように見えるが、不器用な照れ隠しの愛情表現であることはすぐ分かる。
孫四郎が藤井勘解由(市川亀治郎)の策謀で江戸で自害すると、何より以登を心配したのは才助。鈍感そうに見えても以登が何を考えているか以登に直に確かめる前から孫四郎への思いを不憫に思っていたことは言外ならぬ映像外に暗示されている。江戸で長年勉強して政の何たるかも心得ている。それは甚左衛門とて同じだろう。「いざという時何かの役に立つかもしれん」とさりげなく以登に小刀を手渡している。
いざ決闘となると、口では「腕が立つといっても真剣ではないだろう」と以登を侮る勘解由だが、家来3人を従えたうえに以登には「一人か」と念押しまで取っている。この用意周到な卑怯ぶりは同じ藤沢周平原作の「武士の一分」と同じ。侮り方が女性か盲人かの違いだけだ。
しかし、以登はその時も一人じゃなかったのだ。才助の剣術の腕はどこにも暗示されておらず、見た目は武術は駄目そうな印象だが、いざという時には身を呈して以登を守ろうとしていたことは明らかだろう。何よりも以登の孫四郎への思いを大切にしてやりたいという思い遣りが伺える。
藤沢周平原作と言えば、桜が物語の核の役割を担っている点では「山桜」と同じ。以登はそれ以降、孫四郎との出会いとなった花見には二度と行かない。ぶっちゃけた話、以登にとって、孫四郎は花、才助は団子、けれど「花より団子」では決してない。「花も団子も」堪能した幸せな人生を送ったのだ。
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Posted by y0780121 at 21:28│Comments(0)TrackBack(19)clip!邦画ハ | ★2

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