2010年04月19日

17歳の肖像3

educationmain公式サイト。原題:AN EDUCATION。リン・バーバー原作、ロネ・シェルフィグ監督、キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、アルフレッド・モリーナ、ロザムンド・パイク、オリヴィア・ウィリアムズ、ドミニク・クーパー。上の写真と下の写真、同じシーンなのに撮り方で随分印象が違う。前者はいかにも若い男女同士の思い詰めた切ない純愛ロマンの情景。けれど、後者はなんか微妙で、男女とも少し老けて見え、表情にも恋の切実さは既に失われているように見える。
実際、オバサンなのか子供なのかよく分からない顔したキャリー・マリガン演ずるロンドンの高校生ジェニーが処女狩り族の餌食にされ、手痛い教育(原題:AN EDUCATION)を受けるという1960年代のお話。
その男デイヴィッド(ピーター・サースガード)はなぜジェニーに近づいたのかと思っていたら、答えはジェニーがクラブ活動でやっているチェロだろう。不動産や美術品などをブロックバスティングのような如何わしい手口で売買して儲けるデイヴィッドはジェニーが憧れる高級なチェロを持っていた。ひょっとしたら、つまりジェニーの親が金持ちで子煩悩だったら高く売りつけられるカモね、なんて考えたのかもしれない。
educationsubオックスフォードを目指す秀才のジェニーならいくら世間知らずといえ、途中で気付いたに違いない機会はたびたびあった。
まず、デイヴィッドが勝手に両親に会って、オックスフォード大教授の作家とコネがあるなんてテキトーなこと言っていたこと。普通だったらこの時点で怪しいと両親は思わなければいけないんだけれど、学歴コンプレックスが邪魔して正常な判断ができない。デイヴィッドは母親には「ジェニーの姉かと思いました」なんてお世辞を言って、もう言いたい放題。
そして、作家のサインはたまたま会えなかったから、親を納得させるためにデイヴィッドが自分で署名して偽造する時。
ここでジェニーだって「アレッ」ぐらいは感じていたはず。一般にこの年頃は男性より女性の方が大人っぽく、現実的なのだけれど、それが却って仇になって、「これも大人の知恵」と軽く考えていたのかもしれない。
大体、エンゲージリングを車のトランクから大袈裟に取り出すふりをするのって、ちょっと考えれば、変だ。そんなもの背広の内ポケットぐらいに入るだろう。これも巧妙な演出で、デイヴィッドがいかにジタバタして“本気”をアピールする涙ぐましい努力なんだろう。岡目八目で見れば滑稽にしか見えないんだけれど。
じゃあ、ジェニーは本当に世間知らずのバカで盲目になっていたかと言えばそうではないと思う。半信半疑でも、自分の方から一歩踏み込んだ手前、自己防衛のために自分を言い聞かせ、疑惑を無意識に自ら封じ込めていたのではないか。
ところで、デイヴィッドの最終目標は彼の奥さんの言う通り単なるビョーキだったのか。チェロを売りそびれた後は遊びだったのか、と言えば微妙な感じがする。詐欺師には芸術家めいたところがあり、本人だって実は遊びなのか本気なのか分からなかったのじゃないかと。
ただ、ラストでジェニーは困難に打ち勝ってオックスフォードに入学するわけだけれど、子供っぽい学生の恋人に「パリは初めて」と嘘をついて演じきるというのはどうか。これは多分、原作者が観客を騙すための嘘だろう。いくら60年代とはいえ、パリを殺し文句ぽく使うなんていい加減にしろ、て感じがする。
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Posted by y0780121 at 21:09│Comments(4)TrackBack(22)clip!洋画数字 | ★3

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この記事へのコメント
日本の都会の女子高生ならイケメン男性ならホイホイ付いていってしまいそうですが、それを考えると大人の世界に憧れていたとはいえデヴィッドの大人の魅力についていく分、彼女の方が日本の女子高生より大人なのかもしれないと思ったり…。
Posted by KLY at 2010年04月19日 23:06
今の日本では女子高生の方がしたたかで、大人の方が振り回されてカモられているって話も聞きますけどねえ。
Posted by 佐藤秀 at 2010年04月19日 23:54
こんにちは☆コメントありがとうございました。
私も、現在の日本では、完全におじさんがカモられてると思いますよ。
ピーター・サースガードになりきって浮かれていたら、手痛い仕打ちにあいそうです。(笑)
Posted by ノルウェーまだ〜む at 2010年10月26日 20:30
日本のオジサンの傾向としてはカモられたい人が多いのカモ。
サースガードみたいなタイプは日本ではベタにキモがられるカモ。
Posted by 佐藤秀 at 2010年10月26日 23:34