2010年09月11日

悪人4

akunin公式サイト。吉田修一原作、李相日監督、妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、柄本明、樹木希林、余貴美子、宮崎美子、塩見三省。 光代役の深津絵里が自転車に乗っていると、どうしても「博士の愛した数式」で自転車でせっせと博士宅に通う「無学で一人ぼっち」な家政婦の杏子を思い出す。光代は杏子のキャラクターをそのまま引き継いでいるのかとさえ思え、今度の相手祐一(妻夫木聡)も博士に劣らず一筋縄でいかない男だ。
山奥で圭吾(岡田将生)に車から道路傍に蹴り落とされた佳乃(満島ひかり)は尾行してきて助けようと現れた祐一に向かって不可解な事を叫ぶ。「人殺し!」。一瞬、聞き間違いか、と思ったが二度ほどそう言っていた。
この時点で祐一はまだ誰も殺していない筈なのに。
佳乃と祐一は出会い系で知り合ったベッドを共にする仲だが、以前から佳乃は祐一のある異常な性衝動に勘づいていたのではないか。その性衝動はこうした助けを呼べない真夜中の場所で発現することも。だからこそ山奥で祐一が現れて泡を食ったのではなかったか。いくらついさっき振った相手といえど、状況から助けを求めてしかるべきなのに。振った事情も佳乃にはあったということだ。
そもそも貧乏なはずの祐一がなぜ車だけ高級車に執心し、祖父を甲斐甲斐しく世話している割に遠出を頻繁にしているのか。そのことはラストまで伏せられていた。
キャッチコピーに「誰が本当の“悪人”なのか?」とあるが、紛れもなく“悪人”は祐一であって、圭吾ではない。圭吾は観客を騙すためのダミーなのだ。もしキャッチコピーに釣られ、圭吾こそ“悪人”だと思ってしまう向きがあるとしたら、人間の本当の怖さを知らないからだろう。圭吾は所詮どこにでもいそうな“小悪人”に過ぎない。
大体、脚本に難がある。圭吾は逮捕されてすぐ釈放されたようだが、本当なら警察は圭吾を傷害と遺棄容疑ばかりか、さらに祐一との関係を追及し、殺人教唆容疑も視野に入れて徹底的に取り調べるはずだ。
つまり、圭吾容疑者は佳乃に愛想を尽かし、子分格の祐一と共謀のうえ、山奥に佳乃を誘い出し、祐一に山奥で殺害させ、佳乃を遺棄した疑い。それが警察の描くシナリオ調書であってしかるべきだろう。ラストでやっと殺人教唆の嫌疑は晴れる、というのが正統派の脚本だろう。もちろん、殺人容疑は消えても傷害と遺棄で起訴相当の身の筈だ。
従って、祐一の自宅に報道陣が押し寄せ、育ての親の祖母房枝(樹木希林)に付き纏うのは間が抜けている。本来なら知名度もありそうでワイドショー的ニュース性もある圭吾の実家、湯布院の老舗旅館に殺到すべきなのだ。
まあ、そのことには目を瞑って、祐一の異常性衝動に気付かない光代は似た者同士のよしみで、最初にいきなりホテルに誘われて戸惑いながらも従う。これには裏があって、祐一も最初にいきなり「灯台に行こう」と言われて実は戸惑っていたのだ。その場所は祐一にとっては最後に行くべき場所なのに・・・。映像では赤信号を長々と映し、文字通り危険シグナルを送っているのだが。
光代は佐賀県の小学校から現在の職場の国道傍の紳士服チェーン店まで、自転車で通える範囲内で人生を送っていた。何か「国道20号線」から飛び出して来たようなキャラで、長崎県の海のそばで暮す祐一を羨ましく思う。対して祐一は「海のそばに住んでいるともう行き止まりのように感じてしまう」という。同じ海が光代には解放感、祐一には閉塞感のシンボルとして180度違っていた。2人の心は最初からすれ違っている。
この設定は「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」と似ている。男の車から放り出されて道路脇に倒れるカヨちゃんって佳乃かよ。ケンタとジュンも祐一と同じ解体作業員。破壊衝動ダダ漏れの職業的記号ではないか。しかもケンタとジュンは「未知の向こう」を目指すが海で力尽きている。
akunin2その2人が辿り着く灯台にはまことに美しい海が果てしなく広がる。実は祐一は真夜中、この灯台が見える場所で母依子(余貴美子)に捨てられたのだ。余貴美子はほんのわずかしか登場しないが、そのほんのわずかな時間でこの女の本性を見事に表現している。
とすると、祐一が光代に魅かれたのは境遇の類似というより、単に光代がメールで「灯台」を話題にしただけだったからかもしれないのだ。この「行き止まり」と「息止まり」を駄洒落覚悟で掛けたような灯台と真夜中の時間が合わさる時、あの衝動が発現する。祐一は佳乃を殺めた時と同じ首を絞めて性的快感を得る異常性欲行為を光代に対しても行うのだ。もはや、「誰が本当の“悪人”なのか?」などという平和ボケ的キャッチコピーは吹っ飛んでしまう。
ちなみにこの場面、映画評論家の福本次郎氏は「1人で罪をかぶろうとする不器用な祐一の思いやり」と書いているけれど、意味不明だ。光代はそもそも共犯ではない。強いて言えば犯人隠避罪だが、仮に祐一が殺すふりをしたところで、犯人隠避罪が消えるわけではない。せいぜい情状酌量の対象になる程度だろう。また、そんなことしなくても情状酌量されて釈放されるだろう。映画では警察が突入する前に首を絞めているので、そんなゴマカシ通用しない。彼の究極の愛の表現形式は絞殺だったのだ。
一体、光代は「本物の愛」に出会えたと思った相手にその「本物の愛」の何たるかを悟った時、何をどう感じたのだろうか。ラストで被害者佳乃の殺害現場を訪れるが、父親(柄本明)と遭遇して花束をそのまま持って帰る。後ろめたさと同時に自分もいっそ佳乃のように絞殺されていたらという思いが去来したのではないか。彼女は再び孤独な生活に戻らねばならぬのだ。
映画では殺人1件、殺人未遂1件どまりだが、警察が余罪を追及したら、ゾロゾロと連続殺人が発覚という予感を残して終わる(本当はそんな予感映画では感じられないのだけど)。
そう言えば、今思い出したが、佐賀女性7人連続殺人事件という実際にあった事件があった。wikiによると、

佐賀県で発生した7人の連続殺人事件。水曜日の絞殺魔事件とも呼ばれる。

恐らく原作もこの事件をヒントに書かれたのだと思う。
また、こちらのサイトでは、

お互いが無関心な都会と違って佐賀の連続殺人の場合、地縁血縁の関係が強い地域社会で起きた凶悪犯罪が未解決である点で注目された。

とある。ある意味エポックメーキングな、象徴的な事件だったのだ。
深津絵里はこの作品でモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞したが、少なくとも「主演」には見えない。「助演」どまりの役柄だろう。助演なら深津も良かったが、満島はそれを凌ぐくらいに光っていたように思う。車の中で圭吾に掌を返された時の表情がいい。
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Posted by y0780121 at 17:05│Comments(15)TrackBack(43)clip!邦画ア~サ行 | ★4

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「悪人」観てきました。灯台。悪人は誰だ。深津絵里の首を締めて、けじめをつけようとしたけど、それは彼女を救うためのものであって、2人を大切に思う人たちに対してのけじめではない。自分の弱さに勝てない妻夫木くんは悪人。「本気で誰かに出会いたかった…。ダサいよね。
悪人【幕張コーポ前】at 2010年10月16日 09:38
さて、深津さんが賞をもらったことで注目された作品です。私自身みてみたいな??と思っていたんですがやっとみることが出来ました。監督はフラガールの李相日さんですね。あらすじ若...
悪人【にき☆ろぐ】at 2010年10月18日 23:22
あらすじ若い女性保険外交員の殺人事件。ある金持ちの大学生に疑いがかけられるが捜査を進めるうちに土木作業員、清水祐一が真犯人として浮上してくるが・・・。感想芥川賞作家の吉...
『悪人』'10・日【虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映...】at 2010年10月20日 09:02
この映画を見て真っ先に感じたのは、ドラマの背景、舞台になっている町の風景のなんと寒々しいことかということである。寒々しいだけではなく情緒がないのである。即物的な潤いのな...
悪人■主役は「風景」【映画と出会う・世界が変わる】at 2010年10月28日 08:01
映画「悪人」(映画.com) 「悪人」オフィシャルサイト ...
映画「悪人」【itchy1976の日記】at 2010年11月05日 20:21
『 悪人 』 (2010)監  督 :李相日キャスト :妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、塩見三省 吉田修一のベストセラー小説を『フラガール』の李相日監督が映画化。原作者の吉田修一は李相日と共同...
『悪人』 映画レビュー【さも観たかのような映画レビュー】at 2010年11月09日 13:51
「フラガール」が素晴らしかった李相日監督作品。原作は吉田修一。 公開したばっかり
観ました、「悪人」【オヨヨ千感ヤマト】at 2010年12月04日 18:12
自分が悪人であることは、誰もが心に秘めているのでは? 俳優たちの表現に釘付けだった139分。日本映画の攻撃力に正直タマゲタ。 吉田修一のベストセラー『悪人』の映画化。原作は ...
悪人【ここにあるもの】at 2011年01月10日 01:59
『悪人』(2010年・監督:李相日) 昨年の国内映画賞を総なめにし、すでにあまたの高評・評論が記されている本作に今さらレビュー参戦するのも何だが、末席ながらワタシなりの見方を
【映画】悪人【【@らんだむレビューなう!】 Multi Culture Review Blog】at 2011年01月23日 22:47
[悪人] ブログ村キーワードなぜ、殺したのか。なぜ、愛したのか。ひとつの殺人事件。引き裂かれた家族。誰が本当の“悪人”なのか?悪人満足度:★★★★オススメ度:★★★★製作 ...
悪人(映画/DVD Blu-ray)【映画を感じて考える〜新作映画、DVD/Blu-ray問わず映画批評】at 2011年03月08日 01:51
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悪人【サムソン・マスラーオの映画ずんどこ村】at 2011年06月03日 00:06
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映画評「悪人」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2011年08月13日 10:57
深津絵里、受賞作品という興味から見たのですが、なんとまぁ、殺される被害者が、今をときめく満島ひかり、彼女を車から蹴落とす男が、岡田将生、ってのに感心したのでした。なんとなく周辺情報で知った時は、妻夫木聡の金髪姿に驚いたのですが、原作を読み、自ら手を上げた
悪人【のほほん便り】at 2014年05月07日 12:57
この記事へのコメント
あの〜原作読んでみてくださいな
映画見た感想とまた違った思いにかられますよ
映画では祐一のエピソードかなりカットになってますが
「どっちも被害者になれんたい」」
という言葉が胸に響きます
Posted by ハル at 2010年09月11日 18:13
>「どっちも被害者になれんたい」

申し訳ないですけど、私には少しも胸に響きません。またその言葉の意味も理解できません。
Posted by 佐藤秀 at 2010年09月11日 18:51
5
 いつもとても勉強に成る映画評を読ませて頂いております。有難うございます。私は、何が映画を観ると、佐藤様の映画評を読んで、「ああ成るほど」「ああその通りだ」等と有り難く思いながら勉強します。或いは映画に対する自分の感想と佐藤様の映画評が不一致でなければ、「ああ良かった」と安心いたします。
 わたくしは「祐一は光代の事を思って、首を絞めるふりをしたのだろうか?それとも何か別の意図があったのか?」と疑問に思って居りましたが、佐藤さんの解釈が(「映画などの表現の解釈に、正しい/間違いの区別はない」と仰られるかたも居られますが)正しく思われ、また知的であると、思われました。成るほどと思いました。
 わたくしは、頭が良くないと反省しました。
 私は長崎の者です。映画も長崎で観ました。映画には、わたくしが日常的に観ている景色も沢山表れていました。映画は、わたくしの個人的な印象に基づいて申し上げますと、長崎に於いては評判に成っていません。誰も映画の話をしません。今は『竜馬伝』がホットなのです。『悪人』が長崎で人々の話題にのぼらないのは、長崎が美しく、素晴らしく描かれていないからです。
 わたくしには、美化されずに長崎が描かれている様に思われました。長崎の貧しさや、みすぼらしさや、どうしようもなさが、誠実に、映像や、台詞や、設定に表されているように思いました。わたくしは、生まれ育った長崎がこのような映画の舞台になって、とても有り難く思います。
 佐藤様の御蔭で蒙が啓かれた御礼を申し上げようと思いまして、書き込みを始めましたが、支離滅裂と成りました。お詫び申し上げます。敬具。

Posted by 大久保 at 2010年09月16日 19:41
大久保様

大体、こんな長文のコメント書かれる方ってけなされる場合がほとんどで、最初見た時、「うわぁ、けなされたか」って覚悟したら褒めていただいているんですね。
ま、あの場面は、殺す手口が全く同じなんで、やっぱそうかと、直感したわけです。キャッチコピーと妻夫木聡がうまいので、ついつい善意に解釈してしまうんでしょうね。

>『悪人』が長崎で人々の話題にのぼらないのは、長崎が美しく、素晴らしく描かれていないからです。

いや美しかったと思いましたよ。五島列島の灯台だけでなく平戸あたりの海岸も綺麗でした。
Posted by 佐藤秀 at 2010年09月16日 20:33
遺棄罪は「老年、幼年、身体障害又は疫病のために扶助を必要とするものを遺棄した」罪だから若くて健康な佳乃に適用は難しいし、佳乃が死んで証言を得られないから、傷害の立件も難しい。何とか立件しても、そもそも傷害は常習か重傷を負わせないかぎり起訴猶予が関の山。マスコミが罪を適用されるかどうかわからない男の実家より、殺人で指名手配されている男の実家にいくのは当然と思いますが。
Posted by 通りすがり at 2010年09月30日 00:16
捕まえた段階ではまだ真の殺人犯は分からない状態ですから、一応傷害致死・死体遺棄の疑いで取り調べられるはずです。仰られているのは狭義の意味の遺棄罪でしょう。真犯人が浮上してもその男との関連性が追及され、殺人教唆が疑われて当然です。また単に喧嘩で殴ったという単純なものではなく助けを呼びにくい山中で強く蹴り飛ばして放置したのですから悪質で起訴猶予なんて甘い処分有り得ないと思います。少なくとも祐一の取り調べが終わるまで拘束されるでしょう。
Posted by 佐藤秀 at 2010年09月30日 08:20
はじめまして

警察の捜査方法とか
悪徳商法の手口のくだりとか
納得できない部分が多々あったのですが
2人の逃避行と家族の悲劇がメインなら
目をつぶろうと思ってみてました・・が
そっちのほうの描き方も散漫な気がして残念な感想に

そうそう、なぜ佳乃がいきなり「人殺し!」と
叫ぶのかは不思議でした

殺人現場のスカーフもまた謎です・・・理由わかりますか?

TBいただいていきますね
Posted by Eureka at 2010年10月01日 01:15
>殺人現場のスカーフもまた謎です・・・理由わかりますか?

いや、分かんないです。分かんないと言えば光代だって殺害現場になぜ行くのかなあ、と。普通そんな忌まわしい場所行く気にならんでしょう。自分と同じような殺され方した佳乃にシンパシー感じたのなら花束置いていけよ、と思うし。正直、監督何考えているのか分からないです。
Posted by 佐藤秀 at 2010年10月01日 07:57
人それぞれ感じ方は違うので、批判は避けたいですが、あまりにズレているのでは?
彼はもちろん加害者ですよ。でも光代のことは守ったのです。あのままでは共犯ですから。
もし殺すつもりだったのなら、灯台に光代が戻ってきた後…警察が来た時に殺そうとするとは描きません。
首を絞めた後のキスがその証拠だと思います。
人を大切に思っているならば、そこに気づいたと思います。
二人の稚拙さはもちろん否めませんが。
Posted by 凛 at 2010年10月12日 01:30
凛さん、あなた映画もちゃんと見てないし、この私の記事もちゃんと読んでないでしょう。首絞めた後キスなんかしてませんよ、できるわけないでしょう。また仮にできたとしても彼が殺人鬼でない根拠になりません。
Posted by 佐藤秀 at 2010年10月12日 06:30
突然のコメント失礼します。
たまたま悪人のキーワードで検索しているとこちらのブログに辿りつきました。
いろいろと批評されてるみたいですが、あなたがもし映画を作ったとしたらさぞかし素晴らしい作品になるんでしょうね。
期待してます。
Posted by ゆり at 2011年04月29日 20:46
1
才能に脱帽です。
ただ、人それぞれ捉え方は違うので批評はあくまで趣味の範囲に留めておくことをおすすめします。
これからも頑張って下さい。
Posted by 通りすがりの高校生 at 2011年11月07日 00:02
>あくまで趣味の範囲に留めておくことをおすすめします。

あんた、テレビで見たばかりか。随分偉そうなこと書くんやな。なんだよ、「趣味の範囲」って? なんであんたからアドバイスされないかんの?
Posted by 佐藤秀 at 2011年11月07日 00:14
5
いやはやこんな見方が有るんだなと感心しました。
実は小生、映画は昨晩初めて見ました。

ラストのシーンではキスはしていましたよ。
それゆえの異常性衝動ということで説得力があるなと思っていたのですが。

普通に考えると、祐一は光代に対してだけは善人だったと見れますが、主さんの考え方のほうが作品としてはより面白く見られますし、実際そちらの見方のほうが正しいとすら思えます。もし光代のその後を思っているが為の手段だとしても、それすら祐一のエゴイズムに感じられてしまいます。

絞殺未遂に終わりますが、映画の中での警官は手ぬるいです。早く警棒で殴れば良いし、リアルな捕縛現場ならそうしているはずです。

 小説では、一途な祐一の思いに耐え切れなくなった風俗嬢が逃げるくだりありです。
 祐一は異常性衝動の持ち主であるがゆえの、ベッドを共にしたこともある佳乃の「人殺し」発言であり、ラストも単に善人面するためのものなら異常であり、余りにも執拗な首への執着であったようにも感じられます。
 
 またラストに二人して朝の陽光を浴びる回想シーンがあり、ここで祐一はなんとも言えない表情で微笑しているように見えます。殺人を犯している自覚があるなら余りにも惨忍です。やはり悪人は祐一であると考えました。
 

 
Posted by ララ♂ at 2011年11月07日 17:07
>ラストのシーンではキスはしていましたよ。

ああ、そうなんですか。キスは首を絞める前かと思っていたんですけど暗くてよく分からなかったかなあ。
全体の文脈から見て、水曜日の絞殺魔をモデルにしてるのは間違いないと思いますよ。ただ、光代があまりに盲目的に自分を愛してくれるので目を覚ましてもらうために衝動と必死に格闘しながら絶妙のタイミングで捕まる直前に首を絞めたのかもしれませんね。その可能性はあると思いますけど、異常性欲者の悲劇を描いたことには変わりないでしょう。
Posted by 佐藤秀 at 2011年11月07日 20:53